ANUの留学生奨学金は「エッセイ不要・推薦状不要・申請書すら不要」。出願すれば自動的に審査されます。だからこそ、勝負は出願より前に決まります。公式情報をもとに、日本国籍の方が実際に狙える奨学金だけを正確に整理しました。
このページの結論 ── 3分でわかるANUの奨学金
このページは、オーストラリア国立大学(ANU)の留学生向け奨学金について、ANU公式サイトの一次情報をもとに整理したものです。金額・条件・対象国だけでなく、「日本国籍の場合はどうなるのか」という視点で、他サイトが省略しがちな部分まで踏み込んで解説します。
ANUの留学生向け奨学金を、日本国籍の方から見た「狙える/狙えない」で整理しました。
| 奨学金名 | 減額率 | 適用期間 | 日本国籍 | 申請 |
|---|---|---|---|---|
| Chancellor’s International Scholarship | 25% / 50% | 在籍期間全体 | 対象 | 不要 |
| Vice-Chancellor’s International Achievement Award | 20% | 初年度のみ | 対象 | 不要 |
| International Achievement Award | 20〜50% | 最長4年 | 対象外 | ― |
| HDR Fee Merit Scholarship(研究課程) | 学費全額+保険 | PhD 4年 / MPhil 2年 | 対象 | 不要 |
| AGRTP Stipend(研究課程・生活費) | 年 約$39,000 | 最長3.5年 | 対象 | 要出願 |
| Alumni Postgraduate Support Scheme | 10% | 在籍期間全体 | ANU卒業生のみ | 不要 |
| Global Diversity Scholarship | 年 $18,750 | 最長4年 | 募集停止中 | ― |
| ANU Region Scholarship | 年 $6,500 | 最長5年 | 対象外(豪国内学生用) | ― |
※2026年7月時点でANU公式サイトに掲載されている内容をもとにした一覧です。募集状況・金額・対象は年度ごとに変更されます。出願を検討される時点での最新情報はアンアルウェンで無料でお調べします。
ANUの留学生向け奨学金の中で、金額・期間・採用数のすべてで最も条件が良いのがこれです。日本国籍の方も一般枠(Undergraduate / Postgraduate)で対象になります。
ANUの奨学金の中で、対象国・地域に「日本」が明記されている唯一の授業料減額奨学金です。2027年Semester 1入学でも日本は対象国として掲載されています。
ネット上で「ANUには最長4年・20〜50%の奨学金がある」と紹介されることが多い奨学金です。ただし、日本国籍(日本居住)の方は対象外です。この点は必ず知っておいてください。
ANUは研究大学です。研究課程(Higher Degree by Research)の留学生に対する支援は、コースワークの修士課程とは比較にならないほど手厚いのが特徴です。授業料が全額免除されたうえで、生活費まで支給されるケースがあります。
※AGRTPの基準額は年度ごとに改定されます。上記は2026年の目安として広く報じられている金額です。正確な金額・最新の募集ラウンドはアンアルウェンで確認してお伝えします。
ANUで学位を取得した卒業生が、ANUの大学院コースワークに進学する場合、授業料が10%減額されます。申請は不要で、出願にもとづき自動的に判定されます。自己資金で就学する方(政府支援・スポンサー・他の奨学金を受けていない方)が対象です。学部でANUを卒業し、そのまま修士へ進む方は必ず確認してください。
日本語サイトでもよく紹介されている奨学金ですが、2026年7月時点でANU公式サイトには「現在利用できず、新規のオファーは行わない」と明記されています。金額は年 AUD $18,750・最長4年・年間最大100件と魅力的な内容ですが、受給条件に「ANU College のパスウェイプログラムと学位課程の両方のオファーを受けていること」が含まれており、ANU College自体が2022年12月に閉校していることと無関係ではないと考えられます。
キャンベラ以外の地方部出身者を対象とした奨学金ですが、オーストラリア国籍・永住権保持者などの国内学生限定です。留学生は対象になりません。「ANU 地域 奨学金」で検索すると出てくるため、混同にご注意ください。
ANUの奨学金だけで費用をまかなうのは簡単ではありません。日本側の奨学金と組み合わせることで、はじめて現実的な資金計画になるケースが多くあります。
日本学生支援機構(JASSO)が実施する返済不要の給付型奨学金で、海外の大学・大学院で学位を取得する留学が対象です。ANUのように「海外大学に正規入学して学位を取る」留学に使える、数少ない公的支援です。
知名度の高い官民協働の留学支援制度ですが、ANUへの学位取得留学では利用できないケースがほとんどです。理由は2つあります。
「トビタテでANUに行こう」という計画は、残念ながら成立しない可能性が高いとお考えください。ただし、日本の大学に在籍しながらANUへ交換留学する場合は対象になり得ます。
このほか、地方自治体の留学支援制度・民間財団の奨学金にも学位取得留学を対象とするものがあります。出身地や専攻分野によって使える制度が変わるため、個別にお調べします。
ANUの2026年の年間授業料は、多くのプログラムで AUD $56,120 です。この金額をもとに、奨学金の有無で総額がどう変わるかを計算しました。
| ケース | 減額額(AUD) | 学費総額(AUD) | 日本円目安 |
|---|---|---|---|
| 奨学金なし | ― | $168,360 | 約1,700万円 |
| Vice-Chancellor’s 20%(初年度のみ) | -$11,224 | $157,136 | 約1,590万円 |
| Chancellor’s 25%(全期間) | -$42,090 | $126,270 | 約1,280万円 |
| Chancellor’s 50%(全期間) | -$84,180 | $84,180 | 約850万円 |
| ケース | 減額額(AUD) | 学費総額(AUD) | 日本円目安 |
|---|---|---|---|
| 奨学金なし | ― | $112,240 | 約1,130万円 |
| Vice-Chancellor’s 20%(初年度のみ) | -$11,224 | $101,016 | 約1,020万円 |
| Chancellor’s 25%(全期間) | -$28,060 | $84,180 | 約850万円 |
| Chancellor’s 50%(全期間) | -$56,120 | $56,120 | 約570万円 |
※年間授業料 AUD $56,120(2026年・多くのプログラムの指標額)で試算。日本円は1豪ドル=約101円で概算した参考値です。実際の学費は履修科目により変動し、為替レートによって円換算額は大きく変わります。学費のほかに生活費(キャンベラで月 AUD $1,700〜$2,400)・出願料 AUD $150・学生サービス料が必要です。
ANUの主要な授業料減額奨学金は、すべて「学部:Selection Rank 85以上/大学院:GPA 5.5以上」を条件にしています。ではSelection Rank 85とは、日本の高校生にとって何を意味するのでしょうか。
| ANU Selection Rank | SAT | ACT | 共通テスト(指標) | 奨学金 |
|---|---|---|---|---|
| 80 | 1170 | 23 | 54 | 対象外 |
| 82 | 1180 | 24 | 55 | 対象外 |
| 85 | 1210 | 25 | 56 | ここから対象 |
| 90 | 1270 | 27 | 59 | 有利 |
| 94 | 1330 | 30 | 62 | かなり有利 |
| 98 | 1430 | 33 | 67 | 最上位 |
85は奨学金審査のスタートライン。ただしChancellor’s は200件の枠を成績順で競うため、85ちょうどでは厳しい戦いになります。狙うなら90以上を目標に置くのが現実的です。
SATは年に数回しか実施されません。「必要点」→「学習期間」→「受験日」→「スコア発表日」→「ANU出願締切」の順で逆算しないと、1年待つことになります。
Selection Rankとは別に、IELTS 6.5(各6.0)などの英語要件も満たす必要があります。2つの試験を並行して準備するスケジュール管理が鍵になります。
ANUの奨学金は「申請不要」ですが、だからこそ出願そのもののタイミングが全てです。2027年 Semester 1(2月)入学を目指す場合の逆算スケジュールです。
Selection Rank 85(SAT 1210)とIELTS 6.5を同時に狙う期間。ここで何ヶ月確保できるかが、奨学金の可否をほぼ決めます。この時点でアンアルウェンにご相談ください。
SAT/IELTSのスコアを確定させます。成績証明書の英文化、パスポート、志望コースの最終決定。JASSOなど日本側の奨学金の締切もこの時期に集中します。
出願料 AUD $150。最大3プログラムまで志望可能。この出願をもって奨学金の自動審査が始まります。締切ギリギリではなく、早めの出願が奨学金選考でも有利に働きます。
Crawford School(公共政策系)は2026年10月31日と、さらに早い締切が設定されています。
2つは別々に承諾が必要です。同時に学生寮の申込みも進めます(1年目の寮は保証対象・2026年入学の場合は前年12月31日が保証期限でした)。
学生ビザの審査には通常2〜3ヶ月かかります。GS(Genuine Student)ステートメントの作成もこの段階。アンアルウェンが全面的にサポートします。
エッセイやパーソナルステートメントは書かなくていいのですか?
ANUの主要な授業料減額奨学金(Chancellor’s・Vice-Chancellor’s Achievement Award)については、奨学金専用のエッセイや推薦状は不要です。入学出願をすれば自動的に審査対象になります。UNSWのISA(20%割引)が500語のパーソナルステートメント提出を求めるのとは対照的です。ただし、これは「楽」という意味ではありません。審査基準が学業成績(Selection Rank / GPA)にほぼ一本化されているということなので、スコアで挽回するしかない厳しさがあります。
日本人でも50%減額を狙えますか?
率直に申し上げると、難しいと考えてください。Chancellor’s International Scholarship の50%減額は「東南アジア」「欧州・中南米」のカテゴリーに設定されており、日本国籍の方は一般枠(学部/大学院)の25%減額が現実的な上限です。それでも学部3年間で約$42,000(約420万円)の減額になります。「日本人でも50%」と書かれた情報を見かけたら、出典を確認することをおすすめします。
Chancellor’s と Vice-Chancellor’s の両方をもらえますか?
ANUの授業料減額奨学金は、重複して適用しない運用が一般的です。複数の条件を満たす場合、通常は最も有利なもの1つが適用されます。ただしこの点は公式に明文化されていない部分があるため、個別のケースは大学に直接確認する必要があります。アンアルウェンでは大学担当者に確認を取ったうえでお伝えできます。
奨学金の結果はいつ分かりますか?
入学オファーの発行前後に、奨学金オファーが別途通知されるのが一般的です。入学オファーと奨学金オファーは別々に承諾手続きが必要で、承諾期限を過ぎると失効します。アンアルウェンでは、この期限管理を代行しています。「オファーが来ていたのに気づかず失効した」という事故を防ぐことも、エージェントの役割です。
奨学金の募集が「停止中」と書かれていますが、もう受けられないのですか?
ANUの奨学金ページでは、募集期間外や次年度の準備期間中に「currently unavailable」と表示されることがあります。恒久的な廃止と、一時的な募集期間外は別物です。2026年7月時点では複数の奨学金がこの表示になっていますが、これは次年度の募集開始前という可能性が高いと考えられます。ただし Global Diversity Scholarship のように「新規のオファーは行わない」と明記されているものもあります。判断が難しい部分なので、アンアルウェンで大学に確認したうえで、確実な情報をお伝えします。
奨学金がもらえなかった場合、費用を抑える方法はありますか?
いくつかあります。①3年制の学位を選ぶ(4年制のHonours・工学系より学費総額が抑えられます)。②自炊型の学生寮を選ぶ(食事付きとの差は週$150〜200程度)。③学生ビザの就労(2週間で48時間まで)を活用する。④JASSOなど日本側の給付型奨学金と組み合わせる。⑤そもそもキャンベラは生活費がシドニー・メルボルンより月$300〜500安いため、都市選択自体がコスト削減になっています。具体的な数字を入れたシミュレーションを無料でお作りします。
エージェントを通すと奨学金に不利になりませんか?
いいえ。ANUの奨学金は学業成績にもとづく自動審査なので、出願経路によって有利・不利は生じません。むしろ、出願のタイミング管理・オファー承諾期限の管理・対象外プログラムの事前チェックといった実務面でのミスを防げる分、確実性は上がります。アンアルウェンのサポートはすべて無料で、大学へ直接出願する場合と支払う学費も変わりません。
ANUの奨学金でいちばんもったいないのは、「知らなかったから、スコアを取り切れなかった」というケースです。エッセイで熱意を伝えて逆転する余地がない代わりに、必要なスコアは最初から公表されています。Selection Rank 85、SAT 1210、GPA 5.5。この数字を高校2年生・大学3年生の段階で知っているかどうかで、結果は驚くほど変わります。
もうひとつお伝えしたいのは、奨学金は「取れたら嬉しいボーナス」ではなく、資金計画の前提として扱うべきだということです。25%減額が取れるかどうかで、学部3年間の学費は約420万円変わります。ご家庭で留学を検討される際は、「取れた場合」と「取れなかった場合」の2パターンで資金計画を立てておくと、途中で無理が生じません。
私たちは、メリットだけでなく厳しい見通しも率直にお伝えします。「そのスコアでは今年の出願は見送ったほうがいい」「その奨学金は日本国籍だと対象外です」──言いにくいことこそ、先に知っておいていただきたいと考えています。
アンアルウェンは、2008年設立・3,000名以上の留学をサポートしてきた、オーストラリア留学専門のエージェントです。ANUへの出願から渡航後のトラブル対応まで、すべて無料でサポートします。大学への直接出願と比べて余分な費用は一切かかりません。
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