🇦🇺 オーストラリア留学 / 幼児教育教員・永住権ルート
オーストラリアで「幼稚園の先生」になる。学部の専攻は問いません。教育学部を出ていなくても、日本で保育士として働いた経験がなくても、大学を卒業していれば出願できます。
そして幼児教育教員(Early Childhood Teacher)は、いまオーストラリアで最も人材が足りていない職業のひとつです。
「オーストラリアで幼稚園の先生になりたい」――アンアルウェンにサザンクロス大学のご相談をいただくとき、最も多いのがこのご希望です。そして多くの方が、同じところでつまずいています。
「日本で教育学部を出ていないのですが、無理でしょうか」
「保育士の資格はありますが、大学は別の学部です」
「永住権につながると聞いたのですが、本当ですか」
結論から申し上げます。学部の専攻は問われません。そして永住権につながる職種であることは事実ですが、「コースを出れば永住権が取れる」わけではありません。そこには技能評価・英語・州指名・ポイント制という複数の関門があり、それぞれに具体的な条件があります。
このページでは、サザンクロス大学(Southern Cross University/SCU)で幼児教育教員を目指すルートを、コースの中身から、卒業生ビザ(subclass 485)、永住権への道筋、そして「うまくいかないパターン」まで、公式情報にもとづいて整理します。2026年8月時点の最新の制度を反映しています。
「人手不足だから」という説明は、留学の判断材料としては弱すぎます。人手不足はいつの時代も言われるからです。ここでは制度として何が起きているのかを、公表されている事実で整理します。
オーストラリア政府は2026年1月5日から「3 Day Guarantee」を開始しました。これまで保育料補助(Child Care Subsidy)を受けるには保護者の就労・就学時間などを問うアクティビティテストがありましたが、これが撤廃され、対象家庭は2週間あたり72時間(週3日相当)の補助が保証される制度に変わりました。
政府の説明によれば、この変更によってこれまで補助の対象外だった12万6千人以上の子どもが早期教育にアクセスできるようになりました。
つまり「制度によって、通う子どもが増えた」ということです。子どもが増えれば、法令上必要な有資格教員も増えます。これは景気変動による需要ではなく、制度が生んだ需要です。
オーストラリア政府はWorker Retention Payment(WRP)という仕組みで、対象となる保育・幼児教育施設の職員賃金を段階的に15%引き上げる財源を拠出してきました。これは保護者の保育料に転嫁しない形で実施されています。
さらに2026年6月には、この措置を恒久的に継続するために36億豪ドルを投じることが政府から発表されました。当初は2026年11月までの時限措置とされていたものが、期限のない制度へ移行したことになります。
ここが重要な点です。オーストラリアの永住権につながる職種の多くは、看護・IT・エンジニアリング・会計など、「その分野の学位を持っている人」でなければ入れない分野です。
ところが幼児教育教員は、学部の専攻を問わず、大学院レベルの1〜2年の課程で資格を取得できます。これが、社会人の方からのご相談がこの分野に集中する最大の理由です。
サザンクロス大学が留学生向けに開講している幼児教育の教員養成コースは、大きく2つです。この2つの関係を理解することが、計画を立てる出発点になります。
| 比較項目 | Graduate Diploma of Education (Early Childhood) | Master of Teaching (幼児教育専攻) |
|---|---|---|
| 期間(フルタイム) | 1年 | 2年 |
| 単位数 | 96クレジットポイント (8ユニット) | 192クレジットポイント (16ユニット) |
| 英語要件 | IELTS 6.5 各バンド6.5以上 | IELTS 7.0 各バンド7.0以上 |
| 学力要件 | 学士号(AQF 7)以上 ※専攻不問 | 学士号相当以上 |
| 実習 | 60日(480時間) | 60日(480時間) |
| ACECQA認定 | ✓ | ✓ |
| NESA/QCT | ― | ✓ NESA認定・QCT承認 |
| LANTITE | 不要 | 幼児教育専攻は不要 |
| CRICOSコード | 102984F (BNE/GC/MEL/SYD) 115298K (パース) | 111196D (幼児教育専攻) |
| 留学生の入学時期 | 3月・6月・10月 (Term 1・3・5) | 3月・6月・10月 (Term 1・3・5) |
| 年間授業料(2026年) | A$26,000 | A$26,000 |
この構造を知っているかどうかで、計画がまったく変わります。
Master of Teaching(全16ユニット)の前半8ユニットを修了した時点で取得できる学位が、Graduate Diploma of Education (Early Childhood) です。大学の公式ハンドブックでも「exit award(途中修了資格)」として明記されています。
つまりGraduate Diplomaを1年で修了 → Master of Teachingへ進学 → 残り8ユニットを1年で修了という進み方ができ、合計2年でMaster of Teachingに到達します。いきなりMaster of Teachingに入った場合と、期間も学費も基本的に変わりません。
最初から2年間のMaster of Teachingに入学する、最短で分かりやすいルートです。
まずIELTS 6.5でGraduate Diplomaに入学し、1年後にMaster of Teachingへ進学するルートです。
現時点でIELTS 6.5に届いていない方のルートです。付属語学学校で英語を仕上げてから進学します。
※Graduate Diplomaから Master of Teaching への進学にはひとつだけ例外があります。Graduate Diplomaに「幼児教育・保育のディプロマ+実務経験5年」という条件で入学した方は、Master of Teaching(幼児教育専攻)へは進めません。学士号を持って入学した方は対象です。
入口となる1年間のプログラム
ACECQA(オーストラリア子ども教育・ケア質保証機構)に認定された、生後〜5歳を対象とする幼児教育の実践資格を取得する1年間のプログラムです。
Adviceアンアルウェンからのアドバイス
②のルートについて補足します。「日本で保育士として働いていました」という経験は、残念ながら②には該当しません。②はオーストラリア国内の幼児教育施設での実務経験を求めています。
日本での保育士経験がある方は、①の学士号ルートで出願するのが基本です。短期大学卒の場合は学士号に該当しないため、別のルート(学士号の取得、あるいはCertificate III/Diplomaからの積み上げ)を検討することになります。この判定はご経歴により変わりますので、成績証明書を拝見して大学に直接照会します。
Graduate DiplomaはACECQA認定資格です。大学の公式ハンドブックには、修了者は「ほとんどの管轄区域で、0〜5歳の子どもを対象とする幼児教育教員として働くことができる」と記載されています。ただし教員登録の要件は州・準州ごとに異なるため、働く場所によって追加の手続きが必要になります(セクション13で解説します)。
教員資格としての到達点
Master of Teaching はフルタイム2年・192クレジットポイント(16ユニット)の修士課程です。幼児教育(生後6週〜5歳)・初等教育・中等教育の3専攻があり、このページで扱うのは幼児教育専攻(Early Childhood)です。
2026年からの変更点 ― 非学術選考書類が不要になりました。
従来、オーストラリアの教員養成課程(ITE:Initial Teacher Education)への出願には「non-academic selection statement(非学術的選考ステートメント)」の提出が求められていました。教職への適性を自己申告で記述する、日本人にとって負担の大きい書類です。
SCUでは2026年からこの提出が不要になりました。全国のITE認定基準の改定を受けたもので、NSW教育基準局(NESA)の承認を得た変更です。出願書類の負担が一段階軽くなっています。
なぜ幼児教育専攻だけLANTITEが免除されるのか、と聞かれることがあります。LANTITEは学校教員(初等・中等)を対象とした全国試験であり、幼児教育の教員はその枠組みの対象外だからです。実務上、これは留学生にとって非常に大きな免除です。LANTITEは母語話者の上位30%相当の水準を求める試験で、留学生が最も苦戦する関門のひとつだからです。
このセクションが、実務上いちばん重要です。
同じ「幼稚園の先生になる」という目標のなかに、水準の違う英語要件が4つあります。そして多くの方が、このうち1つだけを見て計画を立ててしまいます。
Adviceアンアルウェンからのアドバイス
IELTS 各バンド6.5と各バンド7.0の差は、対策期間にすると半年から1年に相当します。とくにWritingで7.0を取ることの難しさは、実際に受験された方であればご存じのとおりです。
ここで考えていただきたいのは、「7.0を日本で取るか、オーストラリアで取るか」という選択です。Graduate Diplomaに入学すれば、1年間、英語で幼児教育を学び、英語で実習をし、英語でレポートを書きます。その1年を経たあとの7.0は、日本で目指す7.0とは難易度が違います。
永住権を目指す場合、避けて通れないのが技能評価(Skills Assessment)です。幼児教育教員の技能評価では、IELTS Academic で読解・ライティング7.0以上、スピーキング・リスニング8.0以上という高い英語要件があります。
ところが評価機関であるACECQAは、英語力の証明方法として「オーストラリア・ニュージーランド・イギリス・アメリカ・カナダ・アイルランドのいずれかで、1年以上のフルタイムの高等教育を修了していること」も認めています。
つまり、SCUで1年以上学べば、この要件を満たせる可能性があります。スピーキング・リスニング8.0を別途取り直す必要がない、ということです。これは以前のAITSLによる評価(4年間の英語での高等教育を要求)から大きく緩和された点です。
※上記はACECQAが公表している英語能力の証明方法にもとづく整理です。個別の申請における適用可否はACECQAの判断となります。アンアルウェンでは提携する移民代理人をご紹介できます。
SCUは1年を6週間×6タームに分ける「Southern Cross Model」を採用しています。同時に履修するのは原則2科目のみ。英語が第二言語の留学生にとって、この設計は想像以上に効きます。4科目を並行して追いかける必要がないからです。
実習は「おまけ」ではありません。60日・480時間を、就学前(3〜5歳)と乳幼児(0〜2歳)の2つの環境で実施します。これはACECQAが定める要件を満たすための構成です。
実習前にはWorking with Children Check(子どもと関わる仕事に就くための身元確認)の取得が必須です。州ごとに名称と手続きが異なり、取得には数週間かかることがあります。「実習が始まる直前に申請して間に合わなかった」というのは、実際に起こるトラブルです。
また、実習中はフルタイムで施設に通うため、アルバイトのシフトを調整する必要があります。この期間の生活費は、あらかじめ計算に入れておいてください。
このセクションは、必ず読んでください。キャンパスの選択は「どの街に住みたいか」の問題だと思われがちですが、オーストラリアの移民制度上は、卒業後にもらえるビザの長さを左右する選択です。
| キャンパス | 所在地 | 移民制度上の区分 | 485ビザの延長 |
|---|---|---|---|
| ゴールドコースト | Gold Coast Airport, Terminal Dr, Bilinga QLD 4225 |
Category 2 地方(主要地方都市) |
+1年 |
| パース | 297 Hay St, East Perth WA 6004 | Category 2 地方(主要地方都市) |
+1年 |
| ブリスベン | Level 13, 127 Creek St, Brisbane QLD 4000 |
Category 1 主要都市 |
対象外 |
| シドニー | Level 2, 84-86 Mary St, Surry Hills NSW 2010 |
Category 1 主要都市 |
対象外 |
| メルボルン | 108 Lonsdale St, Melbourne VIC 3000 |
Category 1 主要都市 |
対象外 |
ゴールドコーストとパースは、移民制度上「地方(designated regional area)」に区分されています。
この2都市のキャンパスで学び、かつ申請直前の2年間その地域に居住していた場合、卒業生ビザ(485)の期間終了後にSecond Post-Higher Education Work streamとしてもう1年の延長を申請できる可能性があります。修士課程の2年+延長1年で、最長3年間の就労ビザになります。
シドニー・メルボルン・ブリスベンで学んだ場合、この延長の対象にはなりません。「都会で暮らしたい」という希望と、「ビザを長く確保したい」という目的は、ここで衝突します。どちらを優先するかは、留学の目的次第です。
日本人留学生が最も多く学ぶキャンパスです。ゴールドコースト空港に隣接し、North Kirra Beachまで約400m。3棟の複層建物に最新の学習スペース、コンピュータラボ、学生ラウンジ、学内ヘルスクリニックが入っています。学生数は6,000人以上。付属語学学校(SCU College English)も同じキャンパスにあります。
代表の松本が実際に視察したキャンパスです。ただし学生寮はありません。渡航前に住まいを確保する必要があります。
最大の留学生数ビーチまで400m語学学校併設地方区分・485延長対象視察済み都市部のキャンパスは、いずれもオフィスビル内の教育拠点です。大都市で生活しながらSCUの学位を取得したい方向けの選択肢で、幼児教育専攻は4都市すべてで開講されています(初等・中等教育専攻はゴールドコーストとパースのみ)。開講タームはキャンパスにより異なる場合があります。
パースは移民制度上は地方区分でありながら人口200万人超の州都という、やや特殊な立地です。「都市の生活環境」と「地方の移民上の優遇」を両立できる、数少ない選択肢と言えます。
幼児教育は全拠点開講パースは地方区分オフィス型キャンパス日本の大学の卒業は3月です。オーストラリアの多くの大学は2月・7月の年2回入学のため、3月卒業だと最短でも7月まで待つことになりがちです。SCUは年3回の入学機会があるため、待ち時間を短縮しやすくなります。
実務上の出願目安は開始日の3〜4ヶ月前です。学生ビザの審査期間とGS(Genuine Student)要件への対応を考えると、それより早く動くに越したことはありません。
サザンクロス大学の学費は、オーストラリアの大学のなかで最も分かりやすい部類です。Access26という制度により、対象となる大半のコースの留学生年間授業料が統一されているためです。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 年間授業料(2026年) | A$26,000 | Access26。1ユニットあたりA$3,250×8ユニット |
| Graduate Diploma (1年・8ユニット) | A$26,000 | 2026年入学の場合 |
| Master of Teaching (2年・16ユニット) | A$52,000 | 2026年料金での試算。2年目は改定後の料金が適用されます |
| Graduate Diploma → Master of Teaching | A$52,000 | 合計16ユニット。直接入学と授業料は同額 |
| 2027年入学 | Access27 | 大学は2027年も統一料金を継続すると公表。金額は物価スライドで改定されます |
| OSHC (留学生健康保険) | 別途 | 加入必須。単身・2年でおおよそA$1,500〜2,500が目安 |
| 学生ビザの生活費要件 | A$29,710 | 単身・年間。ビザ申請時に資力を示す必要があります |
Adviceアンアルウェンからのアドバイス
この金額をどう評価するかです。オーストラリアの大学院(教職課程)の留学生学費は、多くの大学で年間A$35,000〜45,000の水準です。SCUのA$26,000は、2年間で20万〜38万豪ドルではなく、5万2千豪ドル前後で修士号に到達できるという意味を持ちます。
ただしAccess26には対象外のコースがあります(Master of Nursing・獣医学系・Study Abroad・英語コース・研究学位など)。幼児教育の教員養成コースは対象内ですが、年度により条件が変わることがあるため、出願年度の適用は必ず確認が必要です。
※Graduate Diploma of Education (Early Childhood) は定員制限(quota-restricted)プログラムとして、一部の奨学金の対象外に指定されている年度があります。学費と奨学金の組み合わせは出願年度ごとに変わりますので、アンアルウェンで無料でお調べします。
「卒業したら働けるビザがもらえる」――この理解は、おおむね正しいのですが、条件を正確に知らないと計画が崩れます。2026年8月時点の制度で整理します。
ここで最も重要なのは「2学年以上の就学」という要件です。
Graduate Diplomaは1年間のコースです。Graduate Diplomaだけで修了してしまうと、この要件を満たしません。
逆に言えば、Graduate Diploma(1年)+ Master of Teaching(1年)=2年という組み合わせ、あるいはMaster of Teaching(2年)であれば要件を満たします。「1年だけ学んで働く」という計画は、485ビザの観点では成立しません。この点を最初に押さえておいてください。
つまりゴールドコーストキャンパスまたはパースキャンパスで2年間学び、その間その地域に住んでいれば、485ビザは合計3年間になり得ます。この1年の差は、永住権の準備をするうえで決定的に大きいです。技能評価・州指名・ポイント計算のための実務経験を積む時間が、それだけ増えるからです。
※2026年半ば以降、Second streamについて「専攻分野を国や州の人材不足職種リストと一致させることを求める」方向での制度変更が議論されています。幼児教育教員は現時点で人材不足職種に該当している職種ですが、制度は変わり得ます。出願・申請の時点で必ず最新情報をご確認ください。
ここからが、多くの方が最も知りたい部分だと思います。結論を先に、正直に書きます。
Adviceアンアルウェンからのアドバイス
幼児教育教員は、オーストラリアの永住権にとって有利な職種です。それは事実です。ただし「コースを修了すれば永住権が取れる」わけではありません。
永住権には①資格 ②技能評価 ③英語 ④年齢 ⑤ポイント ⑥州指名または招待という複数の関門があり、コース修了はこのうち①を満たすにすぎません。ここを曖昧にしたまま留学を勧めるエージェントを、私たちは信用していません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 職業名 | Early Childhood (Pre-primary School) Teacher |
| ANZSCOコード | 241111 |
| 掲載リスト | MLTSSL(中長期戦略的技能職種リスト) |
| 対象ビザ | subclass 189(技術独立・永住) subclass 190(州指名・永住) subclass 491(地方州指名・暫定→3年後に191で永住) subclass 186/494(雇用主指名) |
| 技能評価機関 | ACECQA(2024年12月7日にAITSLから移管) |
| 人材不足の状況 | Jobs and Skills Australia の Skills Priority List で全国的な不足職種として掲載 |
幼児教育教員は、ニューサウスウェールズ・ビクトリア・クイーンズランド・西オーストラリア・南オーストラリア・タスマニア・ACT・北部準州と、多くの州・準州が指名対象としてきた職種です。ただし州ごとに要件が大きく異なります。
Adviceアンアルウェンからのアドバイス
だからこそ「どこで学ぶか」が効いてきます。州指名の多くは「その州に住んで働いている人」を優先します。ゴールドコーストで学べばクイーンズランド州、パースで学べば西オーストラリア州に、自然と居住実績と職歴が積み上がります。
485ビザで働いた期間が、そのまま州指名の実績になるという構造です。だから485ビザが2年なのか3年なのかが、大きな違いになるのです。
189・190・491はポイント制で、年齢・英語・学歴・職歴・オーストラリアでの就学歴などが加点されます。幼児教育教員は人気職種でもあるため、招待に必要なポイントは決して低くありません。
加点で意識しておきたい要素としては、年齢(25〜32歳が最高点)、英語(Proficient/Superiorで加点差が大きい)、オーストラリアでの就学要件の充足、地方での就学・居住、州指名(190で5点、491で15点)、パートナーの技能などがあります。アンアルウェンでは提携先をご紹介できます。
※ビザ・永住権制度は頻繁に改定されます。本ページの記載は2026年8月時点で公表されている情報にもとづく整理であり、個別の申請の可否を保証するものではありません。アンアルウェンは留学(学校選び・出願・学生ビザ)の専門エージェントであり、永住権申請そのものは登録移民代理人の業務範囲です。
2024年12月7日からの新制度
永住権を目指すうえで、2024年末に起きた変更は非常に大きなものでした。ご存じない方が多いので、詳しく整理します。
| 比較項目 | 〜2024年12月6日 (AITSL) | 2024年12月7日〜 (ACECQA) |
|---|---|---|
| 評価機関 | AITSL 豪州教職・学校指導研究所 | ACECQA 子ども教育・ケア質保証機構 |
| 英語の免除条件 | 英語圏での4年間の高等教育 | 豪・NZ・英・米・加・アイルランドでの 1年以上のフルタイム高等教育 |
| 試験による証明 | IELTS Academic:読解・ライティング7.0以上、スピーキング・リスニング8.0以上(過去3年以内)/ISLPR(教員向け):全4技能でレベル4 | |
| 資格要件 | 4年以上の高等教育(幼児教育の学士、または学士+幼児教育のグラデュエートディプロマ)。0〜5歳を対象とし、監督下の教育実習を含むこと | |
| 審査期間 | 必要書類がそろってから80日を目安(ACECQA公表) | |
この「1年」という条件の意味を、具体的に考えてみます。
日本の4年制大学を卒業した方が、SCUで Graduate Diploma(1年)を修了したとします。この時点で「学士+幼児教育のグラデュエートディプロマ」という資格要件を満たし、同時に「豪州で1年以上のフルタイム高等教育」という英語要件も満たすことになります。
以前の制度であれば、スピーキング・リスニング8.0というIELTSの高得点が必要でした。この差は、留学の実現可能性そのものを変えるほど大きいものです。
※上記はACECQAおよび移民専門家が公表している情報にもとづく整理です。実際の申請における適用可否・必要書類はACECQAの個別判断となります。また技能評価に通ることと、ビザが下りることは別の問題です。
幼児教育教員の給与は、州・雇用主の種類(民間/自治体/学校併設)・企業別協定(Enterprise Agreement)・経験年数によって大きく変わります。SEEKに掲載された求人データでは、教育分野で平均A$70,743、政府・公共部門で平均A$82,593(2026年8月時点)となっています。経験を積み、施設のリーダー職(Educational Leader、Nominated Supervisor、Centre Director)に進めば、これを上回る水準になります。
注目すべきは「上がっている」という方向です。政府資金による15%の賃上げ(Worker Retention Payment)が段階的に実施され、2026年6月にはこの措置を恒久化するために36億豪ドルを投じることが発表されました。
政府の公表によれば、この賃上げの効果として従事者数が6%増加(2024年8月〜2025年8月で1万5,100人増)、求人の空席率が14%低下しています。「安いが人が足りない仕事」から「待遇を改善して人を確保する仕事」へと、政策的に転換が図られている分野だと理解してください。
ここは見落とされやすい実務ポイントです。「ACECQA認定のコースを出れば、どこでも働ける」と考えていると、州によっては追加の手続きが必要になります。
ビクトリア州では、幼児教育教員もVIT(Victorian Institute of Teaching)への登録が必要です。そしてVITは独自の英語基準を持っています。
幼児教育教員の場合、IELTS Academicで4技能平均7.5、どの技能も7.0を下回らず、スピーキングとリスニングは8.0以上という水準です(IELTS Onlineは不可)。
ただし重要な例外があります。VITが英語試験を要求するのは「教員養成課程の学修の一部でもオーストラリア・NZ・英・米・カナダ・アイルランド以外で行った場合」です。SCUの課程をすべてオーストラリアで修了していれば、試験は不要という整理になります。
さらに、海外資格の場合はACECQAによる同等性評価(Certificate of Equivalence/Outcome Letter)が求められます。
NSWのNESA、クイーンズランドのQCTは、いずれも学校教員の登録機関です。SCUのMaster of Teachingはこの両機関の認定・承認を受けています。保育・幼児教育施設で働く場合と、学校で教える場合とで必要な手続きが変わりますので、就職先の種類が決まった段階で確認するのが実務的です。
※教員登録の要件は州・準州ごとに異なり、随時改定されます。「どの州で働くか」を決める前に、必ず当該州の登録機関の最新要件をご確認ください。アンアルウェンでも、進学先の決定時にこの点を整理してご説明しています。
アンアルウェンは、メリットだけを並べたページを作りません。このルートには、事前に知っておくべき現実があります。
Graduate Diplomaは1年ですが、卒業生ビザ(485)は2学年以上の就学を要件としています。1年で修了して働こうとすると、就労できるビザがありません。合計2年の設計が前提だと最初に理解してください。
485ビザは申請時35歳以下が原則です(コースワーク修士の場合)。「2年学んで卒業する時点で何歳か」から逆算する必要があります。36歳以上の方は、485を経ないルート(雇用主指名など)を前提に組み立てることになります。ここは正直に、最初にお伝えしています。
60日(480時間)の実習はフルタイムで施設に通います。その期間はアルバイト収入が大きく減ると考えてください。実習は無給です。生活費の計画に、この期間を織り込んでおく必要があります。
実習前に必須の身元確認手続きで、州ごとに制度が異なります。取得に数週間かかることがあり、遅れると実習に参加できません。実習は必修科目なので、参加できなければ修了が遅れます。
とくにWritingで7.0を取ることは、多くの方にとって大きな壁です。Graduate Diplomaから入るルートを推奨しているのは、この壁を「豪州での1年」で越えるためです。ただしそれでも7.0が取れない可能性はあります。その場合どうするかも含めて、事前に計画を立てておくべきです。
ポイント制の必要点数は年度により動き、州指名には定員があります。「幼児教育教員だから確実に永住権が取れる」という説明は誤りです。有利な職種であることは事実ですが、そこに至るには技能評価・英語・実務経験・州指名という各段階を通過する必要があります。
渡航前に自分で住まいを確保する必要があります。アンアルウェンではホームステイ・学生アパートの手配を無料でサポートし、渡航直後の数ヶ月をホームステイにする進め方をご提案しています。
485ビザの申請料は2025年7月に大幅に改定され、地方延長の要件についても2026年半ば以降の変更が議論されています。2年前の情報で計画を立てると、前提が崩れます。出願時点の最新情報で組み直すことを前提にしてください。
付属語学学校SCU College Englishから始めるルートです。5週間ごとに開講しているため、待機期間が発生しにくいのが特徴です。所要期間は現在の英語力によりますが、IELTS 5.5相当から6.5相当までで、目安として6〜9ヶ月です。
語学学校の修了で進学要件を満たせる(IELTSを別途受験せずに進学できる)ルートもあります。アンアルウェン経由の場合、SCU College English は週A$420(通常A$460)になります。
すでに各バンド7.0を満たしている方は、Master of Teaching に直接入学するのが最短です。2年間で修了し、途中で進路変更が必要になった場合はGraduate Certificate/Graduate Diplomaでの途中修了もできます。
学費・期間はプランAと同じ(16ユニット/2年)ですが、手続きが1回で済む点、途中で進学審査を挟まない点が利点です。
教育学部を出ていませんが、出願できますか。
できます。Graduate Diploma of Education (Early Childhood) の学力要件は「学士号(AQF 7)以上」で、専攻分野は問われません。文学部・経済学部・工学部・理学部――いずれも対象です。これがこのコースの最大の特徴です。
日本で保育士として働いていました。有利になりますか。
出願要件そのものが緩和されるわけではありません(入学条件②はオーストラリア国内での実務経験を求めるものです)。ただしGSステートメントや実習、就職活動の場面では確実に強みになります。また、学びの内容が実務と結びつくため、コース修了率という観点でも有利です。学士号をお持ちであれば、①のルートで出願します。
短期大学卒です。出願できますか。
日本の短期大学卒業は、原則としてAQF 7(学士号)には該当しません。この場合は学士号の取得、あるいはCertificate III/Diplomaからの積み上げなど、別のルートを検討することになります。ご経歴により判定が変わりますので、成績証明書を拝見して大学に直接照会します(無料)。
Graduate Diplomaだけで修了して、働くことはできますか。
資格としては、Graduate DiplomaはACECQA認定であり、大学は「ほとんどの管轄区域で0〜5歳の幼児教育教員として働ける」としています。ただしビザの観点では別問題です。卒業生ビザ(485)は「2学年以上の就学」を要件とするため、1年のGraduate Diplomaのみでは要件を満たしません。働くためのビザをどう確保するかを、必ずセットで考えてください。
何歳まで挑戦できますか。
大学のコース自体に年齢制限はありません。制約になるのはビザです。卒業生ビザ(485)は申請時35歳以下が原則で、ポイント制でも年齢による加点差が大きく設定されています。「卒業する時点で何歳か」から逆算して計画を立てる必要があります。36歳以上の方には、別の組み立て方を率直にご提案します。
どのキャンパスを選ぶべきですか。
永住権を視野に入れるなら、ゴールドコーストまたはパースです。この2つは移民制度上「地方(Category 2)」に区分され、卒業生ビザの延長(+1年)の対象になり得るからです。都市生活を優先するならシドニー・メルボルン・ブリスベンですが、その場合は延長の対象外になります。目的次第で答えが変わる質問です。
技能評価のためにIELTS 8.0(スピーキング・リスニング)が必要だと聞きました。
試験で証明する場合はそのとおりです。ただし2024年12月にAITSLからACECQAへ評価機関が移管され、英語力の証明方法として「オーストラリア等での1年以上のフルタイム高等教育の修了」も認められています。SCUで1年以上学べば、この方法で要件を満たせる可能性があります。個別の適用可否はACECQAの判断となります。
LANTITEは受けなければいけませんか。
幼児教育専攻は不要です。LANTITE(読解・数的処理の全国試験)が必須なのは初等・中等教育専攻です。留学生が最も苦戦する関門のひとつが免除されるという意味で、これは幼児教育ルートの大きな利点です。
実習先は大学が手配してくれますか。
実習は必修のカリキュラムであり、大学が調整の枠組みを持っています。ただしWorking with Children Check の取得や各種手続きは学生本人の責任です。取得に数週間かかることがあるため、早めの準備が必要です。
学費は2年間でいくらですか。
2026年入学の場合、年間A$26,000(Access26)×2年でおよそA$52,000が目安です。2027年入学はAccess27として同様の統一料金が継続される予定ですが、金額は物価スライドで改定されます。これに加えてOSHC(留学生健康保険)と生活費が必要です。学生ビザの申請では、生活費として年間A$29,710(単身)の資力を示す必要があります。
エージェントを通すと学費が高くなりませんか。
なりません。大学に直接出願した場合と学費・奨学金の条件は同一です(エージェント手数料は学校側が負担する仕組みです)。むしろ付属語学学校(SCU College English)は当社経由のほうが週A$40安くなります。
学校選び・出願手続き・GS(Genuine Student)対策・学生ビザ申請を、すべて無料でサポートします。大学に直接出願した場合と学費・奨学金の条件は同一です。
オーストラリアに提携オフィスがあります。滞在中から帰国まで継続してご相談いただけます。困ったときに「日本にも現地にも相談できる人がいる」という体制です。
お一人ひとりに時間をかけるため、サポート人数を限定しています。大手のような画一的なご案内はいたしません。
授業や校内の雰囲気を自分の目で確認したうえで厳選しています。サザンクロス大学ゴールドコーストキャンパスも代表の松本が視察済みで、レポートを公開しています。
オーストラリア留学に特化して2008年から活動しています。高校生の大学進学から社会人の大学院留学まで、3,000名以上をお手伝いしてきました。
費用や生活面のデメリットも隠しません。このページで「1年では485ビザの要件を満たさない」「35歳という年齢制限がある」「永住権は保証されない」と明記しているのも、その方針によるものです。
「手続きだけを代行するエージェント」ではなく、「留学という大きな挑戦を一緒に考え、現地でも支え続けるパートナー」であること。それが、アンアルウェンが他の留学エージェントに負けない一番の強みです。
短期大学卒・専門学校卒・編入経験がある・成績に不安がある――こうしたケースは、推測で進めると最も時間を失います。成績証明書をお送りいただければ、大学に直接照会して「直接出願できるか、できない場合はどのルートか」を無料で確認します。
ゴールドコースト・パースは移民制度上の地方区分、シドニー・メルボルン・ブリスベンは対象外。この違いは大学の公式サイトには書かれていません。「どこで暮らしたいか」と「卒業後どうしたいか」を並べて、一緒に決めます。
Graduate Diplomaは6.5、Master of Teachingは7.0、485ビザは6.5(各5.5)、技能評価は7.0/8.0。水準の違う要件が4つあります。いつ・どれを・どの順番で満たすのか。この設計を間違えると、1年単位で計画がずれます。
統一学費は「大半のコース」が対象ですが、対象外のコースがあり、奨学金との組み合わせも年度によって変わります。出願年度ごとに大学へ照会し、実際に適用される金額でお見積りします。
IELTSが未取得でも計画は立てられます。SCU College English は当社経由で週A$420(通常A$460)。5週間ごとの開講なので、無駄な待機期間が出にくい設計です。
私たちは留学の専門家として学校選びと学生ビザを担い、その先は提携する移民代理人をご紹介します。「エージェントが永住権まで保証する」という説明は、制度上ありえません。
実習の手続き、Working with Children Check、コース変更、ビザの切り替え――渡航後に出てくる相談のほうが、実は数が多いものです。日本と現地の両方から、同じ担当者が対応します。
留学カウンセリングの様子。オンライン(ZOOM・LINE)でもご相談いただけます。
松本 朋弥(まつもと ともみ)
アンアルウェン 代表/オーストラリア留学カウンセラー
2008年にオーストラリア留学専門エージェント「アンアルウェン」を設立。以来、高校生の大学進学から社会人の大学院留学、語学留学まで、数多くの留学をサポートしてきました。夫婦二人体制で運営しており、お一人おひとりとじっくり向き合うことを何より大切にしています。
オーストラリア現地の提携オフィスと連携し、日本国内での出発前サポートと、渡豪後の現地サポートを切れ目なくお届けしています。困ったときに「日本にも現地にも相談できる人がいる」という安心感が、私たちの強みです。
幼稚園教師を目指す方へ ― 松本より
このルートのご相談は、30代前後の社会人の方から最も多くいただきます。「日本での仕事を続けるか迷っている」「手に職をつけたい」「できればオーストラリアに残りたい」――そうしたお気持ちを抱えて、最初のご相談に来られます。
私がこのルートを繰り返しご案内しているのは、「学部の専攻を問わない」という一点が、とてつもなく大きいからです。看護もITも会計も、その分野の学位がなければ入口に立てません。幼児教育だけは、大学を出ていれば誰でも挑戦できます。
一方で、「永住権が取れますよ」と気軽に言うことは絶対にしません。年齢制限があります。英語の壁があります。州指名には定員があります。制度は毎年変わります。それでも挑戦する価値があるかどうかは、ご本人の状況によって答えが違います。
ご年齢、現在の英語力、ご予算、卒業後にどうなりたいか。この4つを教えていただければ、「このルートが合うかどうか」から率直にお答えします。合わないと思えば、そう申し上げます。まだ迷っている段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
アンアルウェンは、オーストラリア留学の専門エージェントです。サザンクロス大学への出願から渡航後のトラブル対応まで、すべて無料でサポートします。大学への直接出願と比べて余分な費用は一切かかりません。
エージェント利用でも費用は変わりません。大学に直接申し込む場合と学費・奨学金は同じです(エージェント手数料は学校側が負担)。アンアルウェンを通じることで、専門スタッフのサポートが無料で受けられます。付属語学学校(SCU College English)については、当社経由のほうが週A$40安くなります。
Free Consultation
「自分にこのルートが合うか」から、
一緒に確かめませんか。
「今の学歴で出願できるか」「今の英語力から何ヶ月必要か」「この年齢から間に合うか」「総額でいくらかかるか」「どのキャンパスを選ぶべきか」――合わないと判断すれば、そうお伝えします。無理な勧誘は一切ありません。社会人からの資格取得のご相談も歓迎します。
※本ページは2026年8月24日時点の公開情報にもとづき、アンアルウェン代表・松本朋弥が作成しています。コース内容・学費・入学要件はサザンクロス大学公式サイト(scu.edu.au)および大学ハンドブック(handbook.scu.edu.au)、ビザ・技能評価に関する記載はオーストラリア内務省(immi.homeaffairs.gov.au)・ACECQA・オーストラリア連邦教育省・Jobs and Skills Australia の公表内容によります。学費として記載しているA$26,000(Access26)は、2026年入学・標準的なフルタイム履修(年8ユニット/96クレジットポイント)の場合の金額です。学費・入学要件・入学日・コース開講キャンパスは変更される場合がありますので、出願前に必ず公式サイトまたはアンアルウェンで最新情報をご確認ください。ビザ・技能評価・永住権に関する事項は制度改定が頻繁に行われます。本ページの記載は一般的な情報提供であり、個別の移民アドバイスではなく、申請の可否を保証するものでもありません。
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