ウィリアム・アングリス、ル・コルドン・ブルー、TAFE NSW。この3校が出す製菓の資格は、いずれも SIT31021 Certificate III in Patisserie という同じ国家資格です。それでも学費は A$16,575 から A$40,673 まで開きます。期間も、実習の量も、英語要件も違うからです。この差が何によって生まれているのかを、定価と週数で整理しました。
DATA ── パティスリー留学の要点
このページの結論 ── 3分でわかるパティスリー留学
目次
「オーストラリアで製菓を学びたい」というご相談をいただくとき、多くの方はまず学校名から入られます。ル・コルドン・ブルーの名前を挙げる方が最も多く、次にウィリアム・アングリス、そして「TAFEでも学べると聞いた」という順です。
ですが、オーストラリアの職業教育は「学校が独自の資格を出す」仕組みではありません。国が定めた訓練パッケージがあり、登録訓練機関(RTO)はその基準に沿って教え、修了者に国家資格を発行します。製菓であれば SIT31021 Certificate III in Patisserie。この3校はいずれも、まったく同じコードの資格を出しています。
そのうえで、3校にはそれぞれ明確な性格があります。次のセクションで、比較できる形にします。
日本で製菓衛生師や調理師を目指す場合、専門学校で1〜2年学び、国家試験や養成施設ルートで免許を取ります。オーストラリアの場合、Certificate III の修了そのものが資格で、別途の国家試験はありません。
もうひとつの違いは就労との距離です。オーストラリアの職業教育は、在学中に現場で働くことを前提に設計されています。学生ビザで2週48時間まで働けるため、学校で習った内容を、その週のうちに現場で使うという学び方が普通に成立します。この点は、日本の製菓学校との最も大きな違いだと思います。
まず全体像です。金額はすべて2026年の留学生向け定価、期間は各校が公表している標準期間です。
| 比較軸 | William Angliss | Le Cordon Bleu | TAFE NSW |
|---|---|---|---|
| 設置 | 公立 1940年開校 | 私立 1895年パリ創立 | 州立 NSW州 |
| 製菓が学べる都市 | メルボルン シドニー | シドニー/メルボルン アデレード/ブリスベン | シドニー Meadowbank |
| Cert III の学費 | A$18,000(シドニー) A$21,840(メルボルン) | A$40,673 実習6ヶ月込 | A$16,575〜19,060 |
| Cert III の期間 | 1年 | 15ヶ月 うち実習6ヶ月 | 0.5年 |
| 1年あたり換算 | 約18,000(シドニー) 約21,840(メルボルン) | 約32,500 | 約33,150〜38,120 |
| 実習 | 10週間 シドニー校 Cert IV メルボルン校は要確認 | 最大6ヶ月 学校がマッチング | 12シフト以上 有給の仕事で可 |
| 英語要件 | Academic 6.0 各5.0 | General 6.0 各5.5 | Academic 6.0 各5.5 |
| 学歴要件 | Year 11相当 | Year 11相当 17.5歳以上 | Year 10相当 多くのCertificate |
| TRA技能評価 | 唯一の認定機関 同校が公式に明記 | — | — |
| 学位への接続 | 学士・修士あり メルボルン校 | 学士・修士あり キャンパス限定 | 学士あり Bachelor of Business |
いちばん多いご質問です。数字だけ見れば、Certificate III で A$40,673 は、ウィリアム・アングリス シドニー校の A$18,000 の2.3倍です。ただし期間が15ヶ月と1年で違い、しかもル・コルドン・ブルーには6ヶ月の実習が含まれています。1年あたりに換算すると約32,500対18,000で、差は1.8倍に縮みます。
そのうえで、この差額に何が乗っているのかを申し上げます。130年続く名前、世界20か国のネットワーク、そして受入先を学校が探してくれる6ヶ月の実習。逆に、この3つに価値を感じないのであれば、差額を払う理由は薄くなります。
私たちがお伝えするのは、「高い/安い」ではなく「その差額が何に対する対価なのか」です。そのうえで判断していただければ、後悔される方はほとんどいません。金額の判断はご本人にしかできませんが、比較材料は無料でお出しします。
1940年開校、メルボルンCBDに本校を持つ公立の専門教育機関です。食・ホスピタリティ・観光に特化しており、2018年にはシドニー(アレクサンドリア)にもキャンパスを開設しています。
| コース | 期間 | メルボルン | シドニー |
|---|---|---|---|
| Certificate III in Patisserie SIT31021 | 1年 | A$21,840 | A$18,000 |
| Certificate IV in Patisserie SIT40721 | 1.5年 | A$32,760 | A$27,000 |
| Diploma of Hospitality Management Cert IV Patisserieとのパッケージ | 2年 | A$41,980 | A$35,400 |
| Advanced Diploma of Hospitality Management Cert IV Patisserieとのパッケージ | 2.5年 | A$51,200 | A$43,800 |
| 調理+製菓の併修 Cert IV Kitchen Mgmt+Cert IV Patisserie | 2〜2.5年 | A$43,680 | A$40,500 |
入学時期:2月・4月・7月・9月(年4回)。ただし調理+製菓の併修パッケージなど一部は2月・7月のみです。
入学条件:Academic IELTS 6.0(各バンド5.0以上)/豪州Year 11修了相当。17歳未満は受け入れ不可、18歳未満は親族の同伴または学校承認の福祉サービスが必須です。
実習:シドニー校では Certificate IV in Patisserie のターム5(第3セメスター)に10週間の職業実習が組み込まれています。提携する業界パートナーのもとで実務に就き、実習前・実習中とも講師が伴走します。
製菓の追加費用として、制服A$95〜/シューズA$65〜/器具A$405〜が公式に案内されています。学費とは別に見込んでください。
ウィリアム・アングリスは、公式サイトで自校を Pastrycook(ANZSCO 351112)についてオーストラリアで唯一のTRA認定評価機関と明記しています。あわせて Baker(351111)・Chef(351311)・Cook(351411)の評価機関でもあります。
同じ学校、同じ資格、同じ期間で、シドニー校のほうが安く設定されています。
| コース | 期間 | メルボルン | シドニー | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| Certificate III in Patisserie | 1年 | A$21,840 | A$18,000 | A$3,840 |
| Certificate IV in Patisserie | 1.5年 | A$32,760 | A$27,000 | A$5,760 |
| Diploma of Hospitality Management | 2年 | A$41,980 | A$35,400 | A$6,580 |
| Advanced Diploma of Hospitality Management | 2.5年 | A$51,200 | A$43,800 | A$7,400 |
1895年パリ創立。フランス料理・製菓の教育機関として世界20か国に30校以上を展開しています。オーストラリア校の開校は1992年で、シドニー・メルボルン・アデレード・ブリスベンの4キャンパスすべてで製菓(Pâtisserie)が学べます。
| コース | 期間 | 学費 |
|---|---|---|
| Certificate III in Patisserie Diplôme de Pâtisserie/SIT31021 | 15ヶ月 実習6ヶ月込 | A$40,673 |
| Certificate IV in Patisserie Certificat de Chef de Partie/SIT40721 | 6ヶ月 | A$13,474 |
| Advanced Diploma of Hospitality Management SIT60322 | 6ヶ月 | A$14,597 |
| 3段階を積み上げた場合の合計 | 27ヶ月 | A$68,744 |
| Grand Diplôme® 料理+製菓の両方 | 2年 | 非公表 公式が要問い合わせ |
入学時期:Certificate III(製菓)は1月・4月・7月・10月。アデレード校のみ1月・7月です。
入学条件:General IELTS 6.0(各バンド5.5以上)/豪州Year 11修了相当/17.5歳以上。出願料はA$250(返金不可)です。
Grand Diplôme® はアデレード校では開講されていません。また学位課程は、学士がシドニー校、修士がメルボルン校・アデレード校で、ブリスベン校には学位課程がありません。
公式のコースページには総額しか出ませんが、実際の請求は4段階に分かれています。この内訳は資金計画に直結するので、そのまま載せます。
| 段階 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| Basic(Commis III) | 製菓の基礎 | A$11,219 |
| Intermediate(Commis II) | 中級 | A$11,641 |
| Superior(Commis I) | 上級 | A$13,838 |
| Industry Placement | 6ヶ月の就業実習 | A$3,975 |
| 合計 | A$40,673 | |
ル・コルドン・ブルーの奨学金は、正直なところ薄いです。公表されているのはブリスベン校の Advanced Diploma 向け A$10,000 のみで、しかも公式ページの対象年度が「2024年入学」のままになっており、現在も有効かは要確認の状態です。
代わりに、この学校で最も金額が動くのは単位認定(RPL)です。公式が「出願時に個別審査する」と明記しています。日本で製菓・調理の専門学校を修了された方、調理師免許・製菓衛生師をお持ちの方、飲食店やホテルでの実務経験がある方は、対象になり得ます。
ニューサウスウェールズ州の州立TAFEです。製菓の授業は、Meadowbank キャンパスの専用製菓キッチンで行われます(Ryde に在籍する学生の実技もここです)。Meadowbank 駅の隣で、シドニー中心部から電車でアクセスできます。
| コース | 期間 | 学費 | CRICOS |
|---|---|---|---|
| Certificate III in Patisserie SIT31021 | 0.5年 | A$16,575〜19,060 | 109757E |
| Certificate IV in Patisserie SIT40721 | 1年 | A$22,900〜24,050 | 109488K |
| Diploma of Hospitality Management SIT50422 | 1年 | A$17,300〜20,040 | 112061M |
入学条件:多くのCertificate課程は豪州Year 10相当、Diploma以上はYear 12相当またはCertificate III/IV。英語はAcademic IELTS 6.0(各バンド5.5以上)が多くの課程の基準です。
実習:訓練と評価の一部として12サービスピリオド(シフト)以上の実施が求められます。公式には有給の仕事でこの要件を満たすことが推奨されています。
制服・器具・教材などの追加費用として、1コースあたり A$300〜1,000 が公式に案内されています。学費の幅(例:Cert III が A$16,575〜19,060)は公式表記のままです。実際の請求額は開講キャンパスや入学期によって変わるため、出願前に確定させます。
TAFE NSW の Certificate III in Patisserie は、公式に0.5年と表示されています。他の2校(1年・15ヶ月)と比べて明らかに短く、この点は必ず確認が必要です。
組み合わせた場合はこうなります。Cert III(0.5年)+ Cert IV(1年)+ Diploma(1年)= 2.5年・A$56,775〜63,150。この構成なら485の学習要件(CRICOS登録92週以上)を満たせる期間になります。学校の全体像はTAFE NSWの学校ページをご覧ください。
オーストラリアの製菓は、レベルが積み上がる構造になっています。どこまで進むかを途中で決められるのが、この仕組みの良いところです。
SIT31021
製菓の実技
SIT40721
section chef水準
SIT50422
管理側へ
SIT60322
経営・独立
製菓(Patisserie)と調理(Commercial Cookery)の両方を修める構成も用意されています。ウィリアム・アングリスでは Certificate IV Kitchen Management + Certificate IV Patisserie の併修(メルボルン2年 A$43,680/シドニー2.5年 A$40,500)、ル・コルドン・ブルーでは Grand Diplôme®(料理+製菓・2年)がそれにあたります。
| 学校・キャンパス | 期間 | 学費(定価) | 1年あたり換算 | 実習 |
|---|---|---|---|---|
| William Angliss (シドニー) | 1年 | A$18,000 | A$18,000 | Cert IVで10週間 |
| William Angliss (メルボルン) | 1年 | A$21,840 | A$21,840 | 要確認 |
| Le Cordon Bleu (4キャンパス) | 15ヶ月 | A$40,673 | 約 A$32,538 | 最大6ヶ月 課程に組込 |
| TAFE NSW (Meadowbank) | 0.5年 | A$16,575〜19,060 | 約 A$33,150〜38,120 | 12シフト以上 |
| 構成 | 学校 | 期間 | 学費(定価) | 485要件 (92週) |
|---|---|---|---|---|
| Cert III のみ | TAFE NSW | 0.5年 | A$16,575〜19,060 | ✗ 満たさない |
| Cert III のみ | William Angliss(シドニー) | 1年 | A$18,000 | ✗ 満たさない |
| Cert III のみ | Le Cordon Bleu | 15ヶ月 | A$40,673 | △ 要確認 |
| Cert III + Cert IV | TAFE NSW | 1.5年 | A$39,475〜43,110 | ✗ 満たさない |
| Cert III + Cert IV | Le Cordon Bleu | 21ヶ月 | A$54,147 | △ 要確認 |
| Cert IV + Diploma | William Angliss(シドニー) | 2年 | A$35,400 | ◎ 満たす |
| Cert IV + Diploma | William Angliss(メルボルン) | 2年 | A$41,980 | ◎ 満たす |
| Cert IV + Advanced Diploma | William Angliss(シドニー) | 2.5年 | A$43,800 | ◎ 満たす |
| Cert III + Cert IV + Adv Diploma | Le Cordon Bleu | 27ヶ月 | A$68,744 | ◎ 満たす |
| Cert III + Cert IV + Diploma | TAFE NSW | 2.5年 | A$56,775〜63,150 | ◎ 満たす |
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 制服・シューズ・器具 | A$565〜 | ウィリアム・アングリス製菓:制服A$95〜/シューズA$65〜/器具A$405〜 |
| 教材・材料費 | A$300〜1,000 | TAFE NSW が1コースあたりの目安として公表 |
| 出願料 | A$100〜250 | ル・コルドン・ブルーはA$250(返金不可)。エージェント経由でも直接申込でも学校に支払います |
| 学生ビザ申請料 | A$2,500 | 2026年7月1日改定後の金額 |
| 財政要件(単身・12ヶ月) | A$29,710 | 学生ビザ申請時に示す必要がある生活費の基準額 |
| OSHC(海外学生健康保険) | 要見積 | コース期間分をまとめて加入します |
| 卒業生ビザ485の申請料 | A$5,750 | 卒業後に進む場合 |
率直に書きます。製菓の職業教育課程には、大学のような大型の奨学金はありません。
この分野で最も大きく金額が動くレバーです。日本の製菓・調理の専門学校修了、調理師免許、製菓衛生師、飲食店やホテルでの実務経験。これらが科目免除の対象になり得ます。ル・コルドン・ブルーの場合、Basic段階(A$11,219・約3ヶ月)が免除されれば、学費と期間の両方が削れます。出願時にしか申請できません。
ウィリアム・アングリスは、同じ資格・同じ期間でもシドニー校のほうが安く設定されています。Advanced Diploma まで積む場合の差は A$7,400。ル・コルドン・ブルーも都市によって開講課程が違うため、「都市を先に決める」と選択肢を狭めることがあります。
どこまで積むかで総額は倍近く変わります。同時に、短くしすぎると卒業生ビザ485に届きません。単位認定で期間が縮んだ結果、CRICOS登録週数が92週を割ってしまうこともあります。「安く・短く」と「485に届く」は、しばしば衝突します。先に優先順位を決めておく必要があります。
ル・コルドン・ブルーでは、6ヶ月の実習期間に割り当てられた学費が A$3,975(総額の9.8%)です。ウィリアム・アングリスの学位課程でも実習セメスターの学費は通常の約4分の1です。実習期間の長い構成は、期間あたりの負担が下がるという構造があります。総額だけでは見えません。
私たちのサポートはすべて無料で、学校に支払う学費は直接申し込む場合と変わりません。そのうえで、次のことをお手伝いしています。
この分野は、専門留学の中でも入学のハードルが低い部類です。大学の学位も、職歴も要りません。ただし3校で条件が微妙に違い、この違いが準備の仕方を変えます。
| 学校 | 英語(Certificate課程) | 学歴 | 年齢 |
|---|---|---|---|
| William Angliss | Academic IELTS 6.0 各バンド5.0以上 PTE 47/TOEFL iBT 67 | 豪州Year 11修了相当 =日本の高校2年修了 | 17歳以上 18歳未満は同伴等が必須 |
| Le Cordon Bleu | General IELTS 6.0 各バンド5.5以上 | 豪州Year 11修了相当 | 17.5歳以上 |
| TAFE NSW | Academic IELTS 6.0 各バンド5.5以上 | 多くのCertificateで 豪州Year 10相当 | 要確認 |
ウィリアム・アングリスの場合、次のいずれかに該当すれば英語スコアの提出が免除されます。
日本の高校・大学を卒業しただけでは、免除の対象になりません。日本人の方は、原則としてIELTS等のスコア提出か、提携語学学校からの進学ルートのいずれかが必要です。語学学校を数ヶ月組み込んでから本課程に入る構成は、この分野ではごく一般的です。手配は無料でサポートします。
この分野の学校選びで、学費の次に重要なのが実習です。そして3校の実習は、同じ言葉で呼ばれていても中身が完全に別物です。
| 学校 | 実習の形 | 量 | 受入先の手配 |
|---|---|---|---|
| Le Cordon Bleu | Certificate III に組み込み 4段階目が実習 | 最大6ヶ月 (2ターム) | 学校のIndustry Engagement チームがマッチング |
| William Angliss (シドニー) | Certificate IV のターム5 | 10週間 | 提携する業界パートナー 講師が実習前・実習中も伴走 |
| TAFE NSW | 訓練と評価の要件 | 12サービスピリオド (シフト)以上 | 有給の仕事で満たすことが 公式に推奨されている |
学生ビザでは就学期間中は2週間あたり48時間まで、長期休暇中は制限なく働けます(「週20時間まで」は古い情報です)。
製菓は、学んだ内容がそのまま仕事になる数少ない分野です。ベーカリー、カフェ、ホテルの製菓部門、菓子店。しかもその経験が「実習要件」「職務経歴」「卒業後の就職先」の3つに同時につながります。TAFE NSW が実習要件を有給の仕事で満たすことを推奨しているのは、この構造があるからです。
オーストラリアで技術職として就労ビザや永住を目指す場合、技能評価(Skills Assessment)という手続きが必要になります。パティシエの場合、これを所管するのが TRA(Trades Recognition Australia)です。
ウィリアム・アングリスは公式サイトで、TRAの評価機関として次の職種を扱うと明記しています。
同校が公表している評価の経路と費用は次のとおりです。
| 経路 | 対象 | 費用 | 期間 |
|---|---|---|---|
| Pathway 1 Stream C | オーストラリアの資格を持たない方。評価に合格するとAQF資格も発行されます | A$3,120 | 8〜10週 |
| Pathway 2 Stream B | すでにオーストラリアの資格を持っている方 | A$2,020 | 約4週 |
手順は、①CVを送っての無料事前審査(約10営業日)→ ②TRAへの正式登録と書類提出 → ③経験ある評価者との技術面接(リモートまたは対面)→ ④TRAからの結果通知、という流れです。
ここが、この分野の設計で最も重要な分岐です。
Pastrycook(351112)はCSOL(コアスキル職業リスト)に掲載されており、雇用主指名のSkills in Demand(482)や州推薦(190・491)の対象です。一方 Chef(351311)は、複数の情報源がMLTSSLとCSOLの両方に掲載されているとしており、より広いビザの選択肢につながります。そしてウィリアム・アングリスの Chef 評価には Pastry の経路が用意されています。
なお、TRAの Job Ready Program(オーストラリアで資格を取った留学生が、12ヶ月働いて技能評価を得る制度)が明示的に対象外としているのは、電気工事士・配管工・冷凍空調技術者の4職種です。製菓・調理系はここに含まれていません。
ここは期待値の調整が必要なセクションです。率直に書きます。
以上を踏まえると、この分野で永住まで進む場合、中心になるのは「雇用主を見つけられるかどうか」です。独立技術移住で自力で申請するルートではなく、働いた先に評価してもらい、スポンサーになってもらうという順序です。
この分野の収入について、正直にお伝えしなければならないことがあります。
| 項目 | 数値 | 出典・注記 |
|---|---|---|
| フルタイム週収 | 約 A$996 | Bakers and Pastrycooks(3511)についてのJobOutlookデータ。ANZSCO基準で更新停止済み |
| 年収の参考値 | 約 A$72,356 | 求人サイトIndeedの掲載データ。公的統計ではありません |
| 就業者の年齢中央値 | 35歳 | 全職種平均40歳より若い職種です |
| 女性比率 | 57% | 全職種平均48%より9ポイント高い |
| 大都市圏の割合 | 71% | 全職種平均62%。地方より都市部に集中しています |
| 主な就業先 | 製造業/小売業/宿泊・飲食サービス業 | |
なお、大都市圏に71%が集中しているという点は、留学の設計に直接効きます。地方就学による移住の加点を狙う場合、就学先の地方性と、卒業後の就職先の所在地が両立するかを先に検討する必要があります。この分野では、地方で仕事を見つけることが他の職種より難しくなる可能性があります。
ご相談で実際に多い4つのパターンを、そのまま出します。
IELTS 6.0まで
3〜6ヶ月
2年
A$35,400
18ヶ月
雇用主の確保が
前提になります
15ヶ月
A$40,673
学校が
受入先を手配
各6ヶ月
計 A$28,071
27ヶ月構成で
要件を満たす
0.5年
A$16,575〜
Cert IV・Diploma
で92週を満たす
技術と英語を
日本で活かす
出願時に申請
期間と学費が縮む
92週を割らないか
同時に確認
Pathway 2
A$2,020・約4週
482 → 186
3校は期間がバラバラです(0.5年・1年・15ヶ月)。総額だけを並べると、最も短い課程が最も安く見えます。1年あたりに換算すると順位が変わります。ここを間違えると、比較そのものが成立しません。
485ビザの学習要件です。実際にかかった月数ではなく、CRICOSに登録されている週数で判定されます。単位認定で短縮した結果、92週を割ることもあります。この分野で最も多い失敗です。出願前に必ず確認します。
ル・コルドン・ブルーは学校のチームがマッチング、ウィリアム・アングリス シドニー校は提携先+講師の伴走、TAFE NSW は有給の仕事で満たすことが推奨。渡航直後の英語力で自力の職探しができるかどうかが、現実的な判断材料になります。
同じ「IELTS 6.0」でも、Academic か General か、各バンド5.0か5.5かで必要な準備が違います。「総合6.0だがライティングだけ5.0」という状態で満たせる学校と満たせない学校があります。受験する試験の種類から確認してください。
日本での製菓・調理の学歴と職歴をお持ちなら、ここが最大のレバーです。学校ごとに扱いが違い、出願時にしか申請できません。入学後に「実はあの科目は免除できた」と気づいても、遡れません。
Diploma 以上は製菓の実技から離れ、店舗・部門の運営を学ぶ内容に変わります。「もっと上手くなりたい」で Diploma に進むと、期待とずれます。技術を極めたいのか、いずれ自分の店を持ちたいのかで、積むべき課程が変わります。
| ステップ | 内容 | 目安時期 |
|---|---|---|
| 01 無料カウンセリング | 目的(技術を極めたいのか、現地就労まで行くのか)・年齢・学歴・職歴・予算から、3校のどれが合うかを絞ります | 開始6〜12ヶ月前 |
| 02 期間設計の確定 | どこまで積むかを決めます。485まで見るなら、CRICOS登録週数が92週に届く構成を先に確定させます | 6〜12ヶ月前 |
| 03 単位認定の照会 | 日本の製菓・調理の学歴、調理師免許、製菓衛生師、実務経験で科目免除が取れないかを各校に確認します。金額に直結する工程です | 6〜12ヶ月前 |
| 04 英語スコアの計画 | 受験する試験の種類(AcademicかGeneralか)から確認し、必要なら語学学校をパッケージで組み込みます | 4〜10ヶ月前 |
| 05 学校とキャンパスの確定 | 学費・期間・実習・都市で候補を確定します。ウィリアム・アングリスはシドニーとメルボルンで学費が違います | 3〜6ヶ月前 |
| 06 出願・奨学金の申請 | 出願書類の作成をサポート。単位認定と奨学金の申請は、このタイミングで同時に出します | 3〜6ヶ月前 |
| 07 オファー受領・学生ビザ申請 | COE発行後、GS(Genuine Student)要件への回答作成を含めサポート | 2〜5ヶ月前 |
| 08 滞在先・保険・出発準備 | 住居手配、OSHC加入、出発前オリエンテーション。制服・シューズ・器具の準備もご案内します | 1〜3ヶ月前 |
| 09 渡航後:仕事探し | 実習要件やアルバイトにつながる職場探しを、現地スタッフがサポートします | 渡航直後 |
アンアルウェンの強みは、留学の申し込みだけで終わらない、出発前から進学後まで続く伴走型サポートです。
「手続きだけを代行するエージェント」ではなく、「留学という大きな挑戦を一緒に考え、現地でも支え続けるパートナー」であること。それが、私たちが他の留学エージェントに負けない一番の強みです。
学校選びや出願手続きはもちろん、留学で重要となるGS(Genuine Student)対策、学生ビザ申請もしっかりサポート。これらを無料で受けられるため、初めての海外進学でも安心して準備を進められます。
オーストラリアには提携オフィスがあり、渡航後も学校生活や現地での手続き、困りごとを日本と現地の両方からサポートします。実習先やアルバイト先探しのご相談にも対応できます。
一人ひとりに十分な時間をかけるため、サポート人数を毎月12名様限定としています。大手エージェントのような画一的な案内ではなく、希望する分野、将来のキャリア、予算、英語力、生活環境まで丁寧に確認し、その方に合った留学プランをご提案します。
紹介先を幅広く並べるだけではなく、スタッフが実際に学校へ足を運び、授業や校内の雰囲気を確認したうえで、厳選した学校を紹介しています。製菓は厨房設備と講師で学びが変わる分野です。資料だけではわかりません。
2008年の設立以来、3,000名以上の留学を支えてきた経験と、オーストラリア留学に特化した専門知識を生かしてご提案します。学位ルート以外の進路のご相談も数多く扱ってきました。
この分野の現実もそのままお伝えします。「収入は建設トレードより低い水準です」「189を前提にした設計はお勧めしません」「0.5年の課程だけでは卒業生ビザに進めません」──言いにくいことも含めてお伝えするのが、私たちの仕事だと考えています。
アンアルウェンは、オーストラリア留学の専門エージェントです。学校選びから渡航後のトラブル対応まで、すべて無料でサポートします。学校へ直接申し込む場合と比べて、余分な費用は一切かかりません。
結局、3校のどれを選べばいいですか?
目的によって答えが変わるため、一律のおすすめはお伝えしていません。判断の軸はこうです。
費用対期間で選ぶなら、ウィリアム・アングリスのシドニー校です。Certificate III が1年 A$18,000、Cert IV+Diploma の2年構成が A$35,400。1年あたりの学費が3校で最も低く、2年構成なら485の要件も満たします。
実習を重視するなら、ル・コルドン・ブルーです。6ヶ月という長さと、受入先を学校が探してくれる点は他校にありません。加えて130年のブランドとネットワークがあります。
短期間で資格だけ取りたい、あるいは他の課程と組み合わせたいなら TAFE NSWの0.5年が使えます。ただし単体では滞在期間も短く、485にも届きません。
この3つのどれが自分に近いかを決めていただければ、学校はほぼ自動的に決まります。
ル・コルドン・ブルーの学費が高いのは、資格が違うからですか?
いいえ。資格は同じ SIT31021 Certificate III in Patisserie です。3校とも、修了時に発行される国家資格は同一です。
では A$40,673 と A$18,000 の差は何かというと、期間(15ヶ月と1年)、実習(6ヶ月と、Cert IVでの10週間)、ブランド、そして設備と講師です。1年あたりに換算すると約32,500対18,000で、年あたり約14,500ドルの差になります。
「その差額が何に対する対価なのか」を見ていただくのが、正しい比べ方だと考えています。130年のブランドと、6ヶ月の実習を学校が手配してくれること。この2つに価値を感じるかどうかです。価値を感じないなら、差額を払う理由は薄くなります。
日本の製菓専門学校を出ています。単位認定は取れますか?
対象になり得ます。ただし、認められるかどうかは個別審査です。ル・コルドン・ブルーは公式に「出願時に個別審査する」と明記しています。他の2校も、学歴・資格・実務経験による単位認定(RPL)の制度があります。
認められる可能性がある材料:製菓・調理の専門学校の修了証と成績証明、調理師免許、製菓衛生師、飲食店やホテルでの実務経験の証明。
重要な注意点が2つあります。①単位認定は「出願時」にしか申請できません。入学後に遡って申請することはできません。②期間が短縮された結果、CRICOS登録週数が92週を割ると、卒業生ビザ485に進めなくなります。「単位が認められて早く終わる」ことが、必ずしも得とは限りません。この2点を同時に設計するのが、私たちの仕事です。
大学を出ていませんが、留学できますか?
できます。この分野は、学位を持っていない方に開かれている分野です。ウィリアム・アングリスとル・コルドン・ブルーの Certificate III の学歴要件は豪州Year 11修了相当=日本の高校2年修了。TAFE NSW は多くのCertificate課程でYear 10相当です。
つまり高校卒業を待たずに出願要件を満たします。職歴も不要です。英語はIELTS 6.0(各5.0または5.5)。
大学院留学では「学位・GPA・職歴・IELTS 6.5」という条件で候補が絞られますが、この分野にはその壁がありません。「学歴がないから留学は無理」と思っていた方に、現実的に開かれている進路のひとつです。
卒業後、オーストラリアで働き続けられますか?
可能性はありますが、期待値の調整が必要です。正直に書きます。
まず卒業生ビザ485(職業教育卒業ストリーム・18ヶ月)は、申請時35歳以下かつCRICOS登録92週以上・豪州滞在16ヶ月以上の課程を修了していることが条件です。Certificate III だけでは届きません。Diploma まで積むか、2年構成を選ぶ必要があります。
その先については、Pastrycook(351112)はCSOLに掲載されており、雇用主指名(482)や州推薦(190・491)の対象になり得ます。一方、独立技術移住(189)に使うMLTSSLへの掲載は、民間サイトで記載が分かれており確定できませんでした。189を前提にした設計はお勧めしません。
したがって現実的なルートは「雇用主を見つけて、スポンサーになってもらう」です。だからこそ、在学中の実習先とアルバイト先が決定的に効きます。資格を取ってから就職活動を始めるのでは遅い分野だとお考えください。
パティシエの収入はどのくらいですか?
まず前提をお伝えします。この職種の最新の収入中央値として、確定的に示せる公的統計がありません。オーストラリア政府の職業プロファイル(ANZSCO基準)は更新が停止しており、新しい分類への移行期にあるためです。
その前提で、参考になる数値を挙げます。Bakers and Pastrycooks のフルタイム週収は約 A$996(JobOutlookのANZSCO基準データ・更新停止済み)。求人サイトIndeedの掲載データでは年収 約A$72,356とされています(公的統計ではありません)。
率直に申し上げると、この分野の収入は建設・技術トレードより明確に低い水準です。参考までに、電気工事士は週約A$2,204、大工は週約A$1,787です。「手に職をつける」という言葉でひとくくりにすると、収入面では実態と離れます。この分野を選ぶ理由は、収入の高さではなく、作る仕事そのものへの適性だと考えています。
在学中にアルバイトはできますか?
できます。学生ビザでは就学期間中は2週間あたり48時間まで、長期休暇中は制限なく就労できます。「週20時間まで」という説明は古い情報です。
製菓は、学んだ内容がそのままアルバイトになる数少ない分野です。ベーカリー、カフェ、ホテルの製菓部門、菓子店。しかもその経験が「実習要件」「職務経歴」「卒業後の就職先」の3つに同時につながります。TAFE NSW が実習要件を有給の仕事で満たすことを推奨しているのも、この構造があるからです。
ただし一点、率直にお伝えします。製菓の現場は早朝勤務が基本です。開店前に仕込みを終える必要があるためです。「授業のあとにアルバイト」という組み方が成立しにくいことがあります。就学するキャンパスと勤務先の場所によって変わるので、渡航前に想定を立てておくことをお勧めします。
Certificate III と Certificate IV、どちらまで取るべきですか?
目的で分かれます。Certificate III は「有資格のパティシエとして働ける」水準、Certificate IV は部門を任される水準です。
働くことだけが目的なら、Certificate III で足ります。一方、卒業生ビザ485まで視野に入れるなら、Certificate III 単体ではCRICOS登録92週の要件に届きません。Cert IV、さらに Diploma まで積む構成が必要になります。
なお、Diploma 以上は製菓の実技から離れ、店舗・部門の運営を学ぶ内容に変わります。「もっと上手くなりたい」という動機で Diploma に進むと、期待とずれます。技術を深めたいのか、いずれ自分の店を持ちたいのか。ここで積むべき課程が変わります。
総額でいくら必要ですか?
構成によって変わります。ウィリアム・アングリス シドニー校の Cert IV+Diploma(2年)なら、学費 35,400+制服・器具 約565〜+生活費 約50,000=総額 A$86,000前後。ル・コルドン・ブルーの3段構成(27ヶ月)なら、学費 68,744+出願料 250+生活費 約56,000=総額 A$125,000前後。TAFE NSW の3課程(2.5年)なら、学費 56,775〜63,150+追加費用 900〜3,000+生活費 約62,500=総額 A$120,000〜129,000。
これに学生ビザ申請料 A$2,500、OSHC、財政要件(単身12ヶ月で A$29,710)が加わります。485まで進む場合は申請料 A$5,750も見込んでください。
生活費は在学中の就労で相殺できる幅が大きい分野です。ご自身の条件で無料でシミュレーションをお作りします。
奨学金はありますか?
正直に申し上げると、この分野の奨学金は薄いです。ウィリアム・アングリスは留学生が入学時点で使える奨学金を公表していません(A$3,000の2制度は「1学期以上を修了した継続学生」が条件)。ル・コルドン・ブルーはブリスベン校のAdvanced Diploma向けA$10,000のみで、公式ページの対象年度が2024年入学のままです。TAFE NSW の減額の中心は高等教育(学士)課程で、職業教育課程は規模が小さくなります。
ただし「下がらない」わけではありません。この分野で金額を動かすのは、①単位認定(RPL)②キャンパスの選択(シドニーとメルボルンで最大A$7,400差)③期間の設計 ④実習期間の学費構造の4つです。この4つの検討と、その時点で募集中の奨学金の洗い出しは、すべて無料でお手伝いします。「奨学金がないから諦める」前に、一度ご相談ください。
英語がそれほど得意ではありません。大丈夫でしょうか。
出願要件という意味では、この分野は専門留学の中で英語のハードルが低い部類です。IELTS 6.0(各5.0または5.5)。大学院の「各項目6.0」と比べれば現実的な水準です。ル・コルドン・ブルーは General IELTS で受験できるため、Academic より取り組みやすい方もいます。
ただし率直にお伝えすると、厨房で使う英語はスコアとは別物です。分量・温度・タイミングの指示、器具の名称、衛生に関する説明。聞き取れないことが作業のやり直しや事故につながる場面があります。
ですので、スコアを取ることと、現場で通じることは別だとお考えください。渡航前にリスニングと厨房の語彙を上げておくこと、必要なら語学学校を数ヶ月組み込むことをお勧めしています。手配は無料でサポートします。
エージェントを通すと費用は高くなりますか?
いいえ。アンアルウェンのサポートはすべて無料です。学校へ直接申し込む場合と、支払う学費は変わりません。3校の比較、期間設計、単位認定の照会、CRICOS登録週数の確認、学校選び、出願書類、GS(Genuine Student)ステートメント、学生ビザ申請、住居手配、渡航後のサポートまで、追加費用なしでご利用いただけます。なお、学校が定める出願料(A$100〜250程度)は、エージェント経由・直接申込を問わず学校に支払うものです。
パティスリーとあわせて検討される方が多い分野・学校のページをまとめました。
公立の食・ホスピタリティ専門機関。製菓だけでなく調理・製パン・観光・学位課程までを扱います。シドニー校とメルボルン校の学費差、実習の設計、コース一覧をまとめています。
1895年パリ創立。4キャンパスで開講している課程が違うため、都市を先に決めると失敗します。学費の段階別内訳、実習の仕組み、学位課程まで整理しています。
ニューサウスウェールズ州の州立TAFE。製菓以外にも幅広い分野の課程があり、他分野との組み合わせや積み上げがしやすいのが特徴です。
Diploma 以上に進む場合、行き先はこの分野になります。ホテル・レストランの運営とマネジメント。製菓の技術と経営の知識を両方持つ人材は、就職先の幅が広がります。
数日〜4週間で修了できる短期の実技コース。カフェで働くことを考えているなら、製菓とあわせて持っておく価値のある技能です。渡航直後の仕事探しにも効きます。
ケータリングやウェディングの現場は、製菓と隣接する領域です。「作る側」から「企画する側」に軸足を移したい方の比較対象になります。
まずは気軽にご相談ください。
相談・お見積りはすべて無料です。
「3校のどれが自分に合う?」「日本の製菓学校の単位は認められる?」「卒業後も働き続けられる?」
どんな疑問でもOK。単位認定の照会も、CRICOS登録週数の確認も、無料でお調べします。
※サポートは毎月12名様限定です。お早めにご連絡ください。