オーストラリアは、ナチュロパシーを「大学の学位」として学べる数少ない国です。ハーブ療法・栄養療法・解剖生理を、大学のカリキュラムと学内クリニックの臨床実習で体系的に修めます。
そして2025年7月1日、民間医療保険の還付対象にナチュロパシーが復活しました。2019年に外されて以来、6年ぶりのことです。
ただし、この分野にはAHPRA(医療従事者規制庁)の登録制度が存在しません。その意味を最初に理解しておくことが、この留学を成功させる条件になります。
DATA ── ナチュロパシー留学の要点
このページの結論 ── 3分でわかるナチュロパシー留学
CONTENTS
ナチュロパシー(Naturopathy/自然療法)は、身体が本来もっている回復力を土台に、食事・栄養・ハーブ・生活習慣から健康を組み立て直す臨床の体系です。オーストラリアのナチュロパスは、症状だけを見るのではなく、問診・身体観察・検査データから全体像を評価し、個別のケアプランを作ることを仕事にしています。
ここで多くの方が意外に思われるのが、カリキュラムの半分近くが「理科」だという点です。トーレンス大学の課程では1〜2年次に Biological Foundations(生物学基礎)・Human Structure & Physiology(人体構造と生理学)・Human Nutrition(人体栄養学) が並び、SCUの学士も解剖学・生理学・生化学・薬理学を必修に置いています。「感覚で癒す」課程ではなく、生命科学の基礎の上に臨床技術を積む課程です。
解剖学・生理学・生化学・薬理学。他の医療職と同じ言語で話せるようになるための土台で、1〜2年次の中心です。
ハーブ療法(Herbal Materia Medica、製剤学)、栄養療法、心身医学。植物を実際に扱い、製剤をつくる実習が課程に含まれます。
症例分析、臨床評価、Evidence-based Practice。学内クリニックで実際の来院者を担当し、教員の監督下でケアプランを立てます。
この分野を検討するうえで、制度の位置づけを正確に押さえることが、学校選びより先に来ます。3つの層に分けて整理します。
オーストラリアの医療職の多くは AHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency) の登録制度に組み込まれています。看護師、理学療法士、作業療法士、そして中医(Traditional Chinese Medicine Practitioner)も登録職です。しかしナチュロパシーとWestern Herbal Medicineは、この制度の対象外です。
つまり「ナチュロパス」という名称は法律で保護されておらず、登録がなくても名乗ること自体は可能という状態です。2026年3月には ARONAH(Australian Register of Naturopaths and Herbalists) が連邦・州政府に対して国家登録制度への組み入れを求める提案書を提出していますが、2026年8月時点で実現はしていません。
では、何が実務上の資格になるのか。答えは業界団体(professional association)への加入です。ATMS・ANTA・NHAA・CMA・ANPA といった団体があり、加入には認められた教育課程の修了が条件になります。民間医療保険の還付を扱えるかどうか、賠償責任保険に入れるかどうか、クリニックに雇用されるかどうかは、この加入で決まります。トーレンス・SCUのいずれの課程も、修了者はこれらの団体への加入資格を得られます。
さらにその上に、ARONAHが運用する Trans-Tasman Naturopathic Education Standards という教育基準があります。2026年8月時点でこの基準の認定を受けているのは、SCUの Master of Naturopathic Medicine(2年)と、学士+修士の統合ルート(4年)、そしてニュージーランドの1校のみです(SCUの認定は初回認定で、更新期限は2026年9月30日)。
制度面で最も大きな動きがこれです。2019年4月、オーストラリア政府は16の自然療法を民間医療保険の還付対象から除外しました。ナチュロパシーとWestern Herbal Medicineもその対象で、業界にとって打撃となりました。
その後、NHMRC(国立保健医療研究評議会)による再評価が2024年に行われ、2025年1月に結果が政府へ提出されました。この結果を受けて、2025年7月1日から、ナチュロパシーとWestern Herbal Medicineは民間医療保険の還付対象に戻っています。一方、アロマセラピーやボーエンセラピーなど9つの療法はエビデンス不十分として除外のままとされました。
この分野をご案内するとき、学費や学校の比較より先にお伝えしていることがあります。宣伝としては不利な内容ですが、4年の課程に入る前に知っておいていただく必要があります。
Naturopath(252213)はCSOLに掲載されていません。2024年12月からの新しい職業リストに載っていないということは、雇用主指名(482/186)の対象にならないということです。職業不足リストでも全州「No Shortage」。この分野を永住の手段として選ぶことはできません。
AHPRA登録がないということは、「4年学んだ人」と「短期講座を受けた人」が同じ名称を使えるということでもあります。学位が無意味という話ではなく、学位そのものが市場で自動的に区別されるわけではないということです。差は、団体加入・実績・発信で自分でつけていくことになります。
高校卒業から始めると4年・授業料だけで AUD 88,000〜117,000。生活費を含めれば総額 AUD 220,000前後になります。日本円で2,000万円を超える規模です。看護のように資格と職が直結する分野ではないため、「回収の設計」を入学前に描いておく必要があります。
「日本でこの知識を使って仕事をつくる」という目的なら、この留学は他に代えがたい価値があります。日本にこの教育課程はありません。「オーストラリアに残る」が主目的なら、率直に別の分野をおすすめします。ここを混ぜないことが、いちばん大事な判断です。
この分野のご相談で最も多いのが、「アロマやハーブが好きで、仕事にしたい」というものです。そのお気持ちは、この課程とよく合っています。ただし入学して最初の1年で学ぶのは、細胞生物学と解剖生理学です。ここで「思っていたのと違う」となる方が、一定数いらっしゃいます。
逆に、すでに日本でセラピスト・栄養士・鍼灸師・看護師として働いていて、「経験則ではなく、根拠をもって説明できるようになりたい」という動機の方は、ほぼ例外なく最後まで走り切られます。この課程は、感覚を science で裏打ちしにいく留学だと考えていただくのが、いちばん実態に近いです。
留学生がオーストラリアでナチュロパシーを学ぶ場合、選択肢は実質この2大学です。どちらも「4年で臨床実務へ」という点は同じですが、構造がまったく違います。
| 比較項目 | トーレンス大学 | サザンクロス大学(SCU) |
|---|---|---|
| 取得する学位 | Bachelor of Health Science (Naturopathy) 学士1本 |
BHSc (Health and Lifestyle) + Master of Naturopathic Medicine 学士+修士 |
| 期間 | 4年 | 3年+1年=4年 修士のみなら2年 |
| キャンパス | シドニー・メルボルン ブリスベン |
ゴールドコーストのみ 留学生の場合 |
| 英語要件 | IELTS 6.5 各項目5.5以上 |
学士 6.5(各6.5) 修士 7.0(各7.0) |
| 授業料(総額・定価) | AUD 117,320 4年・年平均29,330 |
AUD 104,000 年26,000×4年 |
| 奨学金適用後 | AUD 87,990 Motivational 25%オフ |
AUD 104,000 Access26が既に適用済 |
| 臨床実習 | 460時間 +臨床前学習180時間 |
510時間 修士の3ユニット |
| ARONAH教育基準の認定 | ― 認定リストに掲載なし | ✓ 認定あり |
| 業界団体への加入 | ✓ ATMS・ANTA・NHAA他 | ✓ ATMS・ANTA・NHAA他 |
| 入学時期 | 年4回 2・5・9月ほか |
年2回 3月・6月(留学生) |
| 卒業生ビザの地域加算 | ― 3都市とも対象外 | ✓ ゴールドコーストは地方扱い |
留学生が出願できる4つの課程を、公式のコースページをもとに整理しました。金額はすべて2026年時点の留学生向け定価です。
ナチュロパスとして働くところまでを、学士1本で完結させる課程です。4年制で、コア科目11・専門科目18・選択科目3(4年次)という構成。1科目あたり週10時間(授業3時間+自習7時間)の学修量が想定されています。
1〜2年次は Biological Foundations(細胞レベルからの生物学)・Human Structure & Physiology・Human Nutrition・Complementary Medicine Foundations・Evidence-based Practice。3年次以降で Botany & Herbal Manufacturing(植物学とハーブ製剤)・Herbal Materia Medica といった専門に入ります。
臨床実習は2〜4年次に組み込まれ、合計460時間。加えて症例分析・臨床評価の臨床前学習が180時間あります。実習の場は学内の The Practice Wellbeing Centre(学生が運営するクリニック)で、実習・臨床科目は出席率100%が修了条件です。
修了者は ATMS・ANTA・NHAA・CMA・A.N.P.A. への加入資格を得られます。大学は WNF(World Naturopathic Federation) のメンバーでもあります。
キャンパス:シドニー・メルボルン・ブリスベン
入学時期:2026年9月14日/2027年2月15日/2027年5月31日/2027年9月13日
この分野で唯一、ARONAHの全国教育基準の認定を受けている修士課程です。16ユニット(コア15+選択1)で構成され、臨床実習は3つのユニットにまたがる合計510時間。Nutritional Medicine、Botanical Medicine、そして身体系統ごとに7ユニットに分かれた Clinical Studies in Naturopathic Medicine が中心です。選択科目には臨床催眠、メンタルヘルス、スモールビジネスなどがあります。
入学要件が、この課程の最大の特徴です。出願できるのは次のいずれかに当てはまる方に限られます。
英語要件は IELTS 総合7.0・各項目7.0(PTE 68/TOEFL iBT 96)。この分野で最も高い設定です。実習前には予防接種、マスクフィットテスト、応急手当・CPR資格、警察証明が必要になります。
キャンパス:ゴールドコースト(留学生)
入学時期:3月・6月(留学生)
SCUで修士へ進むための、事実上の本線です。3年制・23コアユニット(288単位)で、カリキュラムは3つの柱で組まれています。Profession and Principles(自然医学の専門的文脈)、Practitioner and Practice(薬理学・栄養医学・植物療法・マッサージ・心身医学・臨床科目)、Patient and Population(解剖学・生理学・生化学・心理学・エビデンスに基づく実践・健康増進・カウンセリング・研究)。
修了すると Master of Naturopathic Medicine へ8ユニット分の単位認定つきで直接進学でき、合計4年でナチュロパスとしての実務資格に到達します。ARONAHの認定は、この学士+修士の統合ルートに対して与えられています。
この学士だけでは臨床ナチュロパスにはなりません。大学が示す学士単独の進路は、アライドヘルスアシスタント、ヘルスコーチ、健康増進担当、ケアコーディネーター、健康分野のライターなど。臨床職を目指すなら修士まで進むことが前提の設計です。
キャンパス:ゴールドコースト(留学生)
入学時期:3月・6月(留学生)/ATAR:65
学士に直接届かない方のための1年課程です。Diploma of Health には11の専攻があり、そのひとつが Naturopathic Studies。8ユニット(96単位)を6週間単位の短いブロックで学びます。
専攻の中身は Introduction to Science for Health Professions/Introductory Anatomy and Physiology/Integrated Anatomy and Physiology/Biochemistry/Introducing Health Psychology/Professional Contexts in Naturopathic Medicine 1/Health and Indigenous Australian Peoples/Language and Learning in Your Discipline。学士1年次と重なる構成になっており、修了すると学士課程への進学と最大8ユニット分の単位認定が受けられます。
最大の利点は英語要件です。Naturopathic Studies 専攻の要件は IELTS 総合6.0・各項目6.0。学士の6.5(各6.5)に届かない段階でも、ここから始められます。
キャンパス:ゴールドコースト(留学生)
入学時期:3月・6月(留学生)
下の表はすべて「定価」です。奨学金や減額制度を適用する前の、公式に公表されている金額をそのまま並べています。実際にお支払いいただく額は、この後の章で扱います。
| コース | 期間 | 年額(定価) | 授業料 総額 | キャンパス |
|---|---|---|---|---|
| トーレンス BHSc (Naturopathy) | 4年 | 約 29,330 | 117,320 | シドニー/メルボルン/ブリスベン |
| SCU BHSc (Health and Lifestyle) | 3年 | 26,000 | 78,000 | ゴールドコースト |
| SCU Master of Naturopathic Medicine | 2年 SCU学士からは1年 |
26,000 | 52,000 1年なら26,000 |
ゴールドコースト |
| SCU Diploma of Health | 1年 | 26,000 | 26,000 | ゴールドコースト |
| SCU 学士+修士(統合ルート) | 3年+1年 | 26,000 | 104,000 | ゴールドコースト |
| 項目 | 金額の目安(AUD) | 備考 |
|---|---|---|
| 生活費 | 年 29,710 | 学生ビザの財政要件(単身・12ヶ月)。都市により実額は上下します |
| OSHC(留学生健康保険) | 年 700〜900 | 加入が学生ビザの条件。コース期間分を前払いします |
| 学生ビザ申請料 | 2,500 | 2026年7月1日に2,000から引き上げられました |
| 出願料 | 100〜150 | 大学に支払うもの。エージェント経由でも直接申込でも同額です |
| 実習前の準備費用 | 300〜600 | 予防接種、応急手当・CPR資格、警察証明、マスクフィットテストなど |
| 教材・製剤実習の材料 | 年 500〜1,000 | ハーブ製剤・臨床科目のある年度は高めになります |
前章の金額は定価です。実際には、両大学とも留学生向けの減額制度があります。ここが、費用の比較結果を入れ替える部分です。
トーレンス大学には、東アジアを含む対象地域の国籍を持つ新規留学生向けに、授業料を最大25%減額する Motivational Scholarship があります。日本国籍の方は対象地域に含まれます。成績上位者限定の枠ではなく、減額はコース全期間に適用されます。
| 項目 | 定価 | 25%適用後 |
|---|---|---|
| BHSc (Naturopathy) 総額 | AUD 117,320 | AUD 87,990 |
| 年額(4年平均) | 約 29,330 | 約 21,998 |
| 差額 | AUD 29,330(1豪ドル100円換算で約293万円) | |
SCUの最大の支援は、すでに述べた Access26(年 AUD 26,000への統一・申請不要)です。さらにその上に、Vice Chancellor’s Academic Excellence Scholarship(年最大 AUD 8,000の授業料減額・プログラム全期間) があります。維持条件は GPA 5.5以上。
この分野は、コースによって英語要件が IELTS 6.0 から 7.0 まで開いています。ここを最初に把握しておくと、準備計画がまったく変わります。
| コース | IELTS(総合) | 各項目 | 準備の目安 |
|---|---|---|---|
| SCU Diploma of Health(Naturopathic Studies) | 6.0 | 各6.0 | この分野で最も低い設定 |
| トーレンス BHSc (Naturopathy) | 6.5 | 各5.5以上 | 苦手科目があっても届きやすい |
| SCU BHSc (Health and Lifestyle) | 6.5 | 各6.5 | 全項目を揃える必要あり |
| SCU Master of Naturopathic Medicine | 7.0 | 各7.0 | この分野で最も高い |
この分野は、ご経歴によって必要な年数と費用が倍以上変わります。代表的な4つのルートを整理しました。
看護・理学療法など
各項目7.0
2年・ゴールドコースト
ARONAH認定課程
または大学在学・卒業
各項目5.5以上
4年・シドニー等
業界団体へ加入
ATAR 65相当
3年・IELTS 6.5(各6.5)
1年・8ユニット単位認定
修士号つき
各項目6.0
1年・Naturopathic Studies
単位認定つきで編入
1年
この分野の課程で、最も他と違うのが臨床実習の比重です。両大学とも、学内クリニックで実際の来院者を担当します。
実習は2〜4年次に分散して組まれ、典型的には週1日6時間×12週という形。場所は学内の The Practice Wellbeing Centre。加えて症例分析・臨床評価の臨床前学習が180時間あります。
修士課程の Clinical Naturopathic Placement 3ユニットで合計510時間。この分野で最多の実習時間です。学内クリニックのほか、外部施設への配属もあり、その場合の交通費・滞在費は自己負担となります。
トーレンスは実習・臨床科目の出席率100%が修了条件と明記しています。体調不良や旅行で欠席すると、その分の補講が必要になります。渡航中の一時帰国は、実習期間を避けて計画します。
予防接種の証明、マスクフィットテスト、応急手当・CPR資格、National Police Certificate(警察証明)。SCU・トーレンスとも必須です。取得には時間がかかるため、実習開始の3ヶ月前から準備します。
総合スコアだけを見ないでください。トーレンスの各項目5.5とSCU学士の各項目6.5は、同じ「6.5」でも別物です。いま出せるスコアの内訳が、そのまま候補を決めます。
トーレンスは学士1本で臨床まで。SCUは修士まで進んで臨床。SCUの学士だけでは臨床ナチュロパスになれません。「どこで止めても大丈夫か」が違います。
国内で教育基準の認定を受けているのはSCUの修士系2課程のみ。今すぐ差が出る要素ではありませんが、将来の制度変更に備える意味はあります。
シドニー・メルボルンは求人が多い一方、生活費が高くなります。ゴールドコーストは費用を抑えられ、卒業生ビザの地域加算の対象でもあります。
トーレンスは年4回、SCUは留学生向けに年2回(3月・6月)。IELTSの取得時期次第で、半年待つか、すぐ入れるかが分かれます。
トーレンスの25%は申請フォームの提出が必要で、枠に限りがあります。SCUのAccess26は自動適用。「申請が要るかどうか」で結果が変わります。
ナチュロパシーの修了生は、雇用されるより「自分で仕事をつくる」割合が高いのがこの分野の特徴です。代表的な進路を整理します。
私設クリニック、統合医療クリニック、高齢者施設、緩和ケア、急性期医療の現場など。トーレンスが示す年収の目安は AUD 65,000〜100,000です。2025年7月の民間保険還付の復活で、集客の条件は改善しています。
SCUの学士単独での主な進路。アライドヘルスアシスタント、ヘルスコーチ、健康増進担当、ケアコーディネーターなど。臨床ナチュロパスではありませんが、健康分野の実務に入る形です。
サプリメント・ハーブ製品・自然化粧品のメーカー。Research & Development Officer という進路もトーレンスが挙げており、目安は AUD 87,000〜125,000。日本のメーカーにとっても希少な人材です。
ヘルスライター、ヘルスエデュケーター。トーレンスが示す目安は、それぞれ AUD 115,000〜176,000/99,000〜128,000。「英語で一次情報を読み、日本語で書ける」人は、日本で強い立ち位置に立てます。
日本で看護師・栄養士・鍼灸師・セラピスト・サロン経営をしている方が、その仕事の幅を広げるために学ぶ形。この分野で最も回収しやすいのは、実はこのパターンです。
SCUには National Centre for Naturopathic Medicine という研究拠点があります。修士から研究へ進む道もあり、この分野のエビデンスを作る側に回る選択肢です。
ここは、期待と実態のずれが最も大きい部分です。事実と制約を分けて整理します。
この分野は、帰国後を主目的に据えたときに最も筋が通る留学です。理由は3つあります。
大学の学士・修士としてナチュロパシーを学べる課程は、日本には存在しません。この学歴そのものが、日本では希少です。
日本にナチュロパスの国家資格はありません。裏返せば「日本の資格に読み替える」手続きも不要で、学んだ内容をそのまま仕事に接続できます。
この分野の研究・製品情報は英語が中心です。原典にあたって判断できる人は、日本の市場でまだ多くありません。
| ステップ | 内容 | 目安時期 |
|---|---|---|
| 01 目的の整理(無料) | 「日本で活かす」のか「現地に残りたい」のか。この分野は永住ルートがないため、ここを最初に確定させます | 開始12〜18ヶ月前 |
| 02 学歴の確認 | 医療系の学士があればSCU修士の2年ルート。なければ4年ルート。ここで候補が2つに割れます | 12〜18ヶ月前 |
| 03 英語スコアの計画 | 目標は 6.0/6.5(各5.5)/6.5(各6.5)/7.0(各7.0)のどれか。コースによって準備期間が半年〜1年半変わります | 6〜18ヶ月前 |
| 04 コースの選定・出願 | 期間・学費・実習時間・キャンパスで候補を確定。トーレンスの奨学金申請フォームは、出願と同時に提出します | 6〜9ヶ月前 |
| 05 オファー受領・学費支払い | 条件付きオファーの場合、英語スコア提出後に無条件オファーへ切り替わります | 3〜6ヶ月前 |
| 06 学生ビザ申請 | COE発行後、GS(Genuine Student)要件への回答作成を含めサポート | 2〜4ヶ月前 |
| 07 出発準備 | 住居手配、OSHC加入、航空券、出発前オリエンテーション | 1〜3ヶ月前 |
| 08 実習の準備 | 予防接種、応急手当・CPR資格、警察証明。渡航後、実習開始の3ヶ月前から着手します | 渡航後 |
アンアルウェンの強みは、留学の申し込みだけで終わらない、出発前から進学後まで続く伴走型サポートです。
「手続きだけを代行するエージェント」ではなく、「留学という大きな挑戦を一緒に考え、現地でも支え続けるパートナー」であること。それが、私たちが他の留学エージェントに負けない一番の強みです。
学校選びや出願手続きはもちろん、進学で重要となるGS(Genuine Student)対策、学生ビザ申請もしっかりサポート。この分野は「永住ルートがないのになぜ学ぶのか」の説明が要になるため、ここに時間をかけます。
オーストラリアには提携オフィスがあり、渡航後も学校生活や現地での手続き、困りごとを日本と現地の両方からサポートします。実習の準備や、実習期間中の生活の相談にも対応できます。
一人ひとりに十分な時間をかけるため、サポート人数を毎月12名様限定としています。この分野は経歴によって2年ルートと4年ルートに分かれるため、画一的な案内ではなく、その方に合った提案をします。
紹介先を幅広く並べるだけではなく、スタッフが実際に学校へ足を運び、授業や校内の雰囲気を確認したうえで、厳選した学校を紹介しています。資料だけではわからないことがあります。
2008年の設立以来、3,000名以上の留学を支えてきた経験と、オーストラリア留学に特化した専門知識を生かしてご提案します。医療・ヘルスケア分野へ進まれた方のサポート実績もあります。
費用や生活面の現実も率直にお伝えします。「この分野は永住につながりません」「その目的なら看護のほうが合っています」──言いにくいことも含めてお伝えするのが、私たちの仕事だと考えています。
アンアルウェンは、オーストラリア留学の専門エージェントです。学校選びから渡航後のトラブル対応まで、すべて無料でサポートします。学校へ直接申し込む場合と比べて、余分な費用は一切かかりません。
医療の知識がまったくありません。ついていけますか?
知識は不要ですが、覚悟は必要です。入学に医療系の学歴は求められません(SCUの修士を除く)。ただし1〜2年次の中心は、細胞生物学・解剖生理学・生化学・薬理学です。「ハーブやアロマを学ぶ課程」というイメージで入ると、最初の1年で戸惑う方がいらっしゃいます。
逆に言えば、この基礎科学こそが、日本の民間講座では得られない部分です。ここを英語で修めることが、この留学の価値の大半を占めます。理科が苦手でも、時間をかければ乗り越えられる内容ですが、週10時間×科目数という学修量は最初から見込んでおいてください。
トーレンスとSCU、どちらを選べばいいですか?
いま出せるIELTSのスコアと、修士まで取りたいかで分かれます。
トーレンスが向く方:IELTS 6.5は取れるが各項目6.5は難しい/シドニー・メルボルン・ブリスベンで暮らしたい/早く入学したい(年4回)/25%奨学金を使って総額を抑えたい。
SCUが向く方:IELTS 7.0(各項目7.0)まで到達できる/ARONAH認定の課程で学びたい/臨床実習を多く積みたい(510時間)/修士号が欲しい/ゴールドコーストの地域加算を活かしたい。
なお日本で看護・理学療法などの学士をお持ちの方は、SCUの修士2年ルートが圧倒的に有利です。授業料 AUD 52,000 で完結します。
卒業後、オーストラリアに残って働けますか?永住は目指せますか?
働けます。ただし永住にはつながりません。修了後は卒業生ビザ(サブクラス485)でおおむね2年間、職種の制限なく就労できます(申請時 原則35歳以下)。SCU(ゴールドコースト)で学んだ方は2回目の485で追加1年の可能性もあります。
しかし永住については、Naturopath(ANZSCO 252213)が CSOL に掲載されていません。2024年12月から運用されている職業リストに載っていないため、この職種名では雇用主指名(482/186)を組めません。職業不足リストでも全州「No Shortage」です。この分野を永住の手段として選ぶことはできません。永住が主目的であれば、看護や介護・福祉をご検討ください。
日本の看護師資格を持っています。優遇されますか?
大きく優遇されます。この分野で最も有利な立場です。SCUの Master of Naturopathic Medicine は、臨床系の医療分野の学士(看護・オステオパシー・作業療法・理学療法・カイロプラクティック・医学)をお持ちの方が直接出願できます。4年ではなく2年・授業料 AUD 52,000 で、510時間の臨床実習つきの修士号に到達します。
さらに帰国後の説明も明確になります。「看護師+ナチュロパシー修士」という組み合わせは、日本ではほぼ存在しません。唯一の関門は IELTS 7.0(各項目7.0)。ここに1年かけてでも到達する価値のあるルートです。※日本の学位が要件を満たすかは大学の個別審査となるため、成績証明書をもとに事前に照会します。
いくらかかりますか?
授業料の総額はルートによって AUD 52,000〜117,320 です。SCU修士のみ(2年)52,000/SCU学士+修士(4年)104,000/トーレンス学士(4年)117,320。トーレンスは日本国籍の方が対象となる25%減額(Motivational Scholarship)が通れば 87,990 になり、この場合はSCUの4年ルートより安くなります。
これに生活費(学生ビザの財政要件は単身12ヶ月で AUD 29,710)、OSHC(年 700〜900)、学生ビザ申請料 AUD 2,500(2026年7月1日に引き上げ)が加わります。総額の目安は、2年ルートで約 AUD 115,000、4年ルートで 210,000〜240,000です。1豪ドル100円換算で、およそ1,150万円と2,100〜2,400万円になります。
英語のスコアが足りません。どうすればいいですか?
この分野は、コースによって要件が IELTS 6.0 から 7.0 まで開いています。まずいまのスコアの内訳を教えてください。総合6.5でもライティングが5.5なら、SCU学士(各項目6.5)は出願できませんが、トーレンス(各項目5.5以上)は出願できます。
選択肢は3つあります。① 付属英語コース(ELICOS)から入る(条件付きオファー+規定コース修了で本課程へ)、② SCUのディプロマ(IELTS 6.0・各6.0)から始める、③ 各項目の条件が緩いトーレンスを選ぶ。SCUの修士を目指す場合は7.0(各項目7.0)が必要で、現在6.0前後の方なら通常1年以上の準備を見込みます。
在学中にアルバイトはできますか?
できます。学生ビザでは就学中は2週間あたり48時間まで、長期休暇中は制限なく就労できます(「週20時間まで」は古い情報です)。
ただし臨床実習の期間は注意が必要です。トーレンスの実習は典型的に週1日6時間×12週、SCUの修士は合計510時間。実習は無給で、しかもトーレンスは出席率100%が修了条件です。実習のある学期は、アルバイトに使える時間が実質的に減ります。「実習期のある年は持ち出しが増える」前提で資金計画を立ててください。なお実習の準備(予防接種・CPR資格・警察証明)にも費用と時間がかかります。
ARONAH認定のあるSCUを選ばないと不利ですか?
今すぐ不利になることはありません。ARONAHは政府の制度ではなく、業界が自主的に運用している登録機関です。トーレンスの修了者も ATMS・ANTA・NHAA・CMA・A.N.P.A. といった業界団体に加入でき、実務上必要な保険や民間医療保険の還付の取り扱いも、この団体加入で成立します。
意味を持つのは将来の可能性です。2026年3月、ARONAHは政府に対してナチュロパシーの国家登録制度(NRAS/AHPRA)への組み入れを求める提案書を提出しました。仮にこれが実現した場合、認定課程の修了者が有利になる可能性はあります。ただし実現するか、するとしていつかは決まっていません。「10年後に効いてくるかもしれない要素」として、他の条件(英語要件・都市・費用)と並べて判断していただくのが妥当です。
帰国後、日本でナチュロパスとして働けますか?
働けますが、名称と業務の範囲に注意が必要です。日本にはナチュロパスの国家資格が存在しません。そのため資格の読み替え手続きは不要で、オーストラリアで得た知識をそのまま使えます。一方で、診断・治療にあたる行為は医師法、医薬品の取り扱いは薬機法の規制対象となり、行えません。
実務上は「健康相談・食事と生活習慣の提案・教育」という枠組みで組み立てることになります。具体的にはサロンやカウンセリングルームの開業、既存のサロン・治療院への専門メニュー追加、サプリメント・ハーブ製品メーカーの商品開発や学術担当、講師業、執筆など。「大学の学士・修士としてこの分野を修めた人」は日本ではまだ少なく、そこに希少性があります。開業を具体的に考える段階で、法的な線引きは必ずご確認ください。
民間医療保険の還付が復活したというのは本当ですか?
本当です。2025年7月1日からです。2019年4月、オーストラリア政府は16の自然療法を民間医療保険の還付対象から除外しました(アレクサンダー・テクニーク、アロマセラピー、ボーエンセラピー、ホメオパシー、ヨガなどと並んで、ナチュロパシーとWestern Herbal Medicineも対象でした)。
その後 NHMRC(国立保健医療研究評議会)による再評価が2024年に行われ、2025年1月に結果が政府へ提出されました。これを受けて、ナチュロパシーとWestern Herbal Medicineは2025年7月1日から還付対象に戻っています。一方、アロマセラピーやボーエンセラピーなど9つの療法は、エビデンス不十分として除外のままです。現地で開業・就業を考える方にとって、条件は2019年以降で最も良い状態にあります。ただし、どの保険商品に組み込むかは各保険会社の判断です。
エージェントを通すと費用は高くなりますか?
いいえ。アンアルウェンのサポートはすべて無料です。学校へ直接申し込む場合と、支払う学費は変わりません。学校選び、出願書類、GS(Genuine Student)ステートメント、学生ビザ申請、住居手配、渡航後のサポートまで、追加費用なしでご利用いただけます。
この分野の場合はこれに加えて、トーレンスの25%奨学金の申請手続き、SCUのディプロマからの単位認定の照会、日本の学位がSCU修士の入学要件を満たすかの事前確認、実習前に必要な書類(予防接種・CPR・警察証明)の案内まで含めてサポートします。特に奨学金の申請は、知らずに出願すると受けられません。なお、学校が定める出願料(AUD 100〜150程度)は、エージェント経由・直接申込を問わず学校に支払うものです。
ナチュロパシーと近い分野、あわせて検討される方が多いページをまとめました。
より短期間で、手技の資格を取りたい方はこちら。Diploma レベルから始められ、業界団体加入と民間保険の還付という構造はナチュロパシーと共通です。
香りと植物を軸にしたケアの分野。なお、アロマセラピーは2025年の見直しでも民間医療保険の還付対象には戻っていません。制度面の違いを含めて整理しています。
個人ではなく集団の健康を扱う分野。大学院1〜2年・IELTS 6.5で、医療系のなかでは最も入口が広い設計です。日本の実務経験を活かしたい方に。
資格と永住を重視する方はこちら。AHPRA登録を経て看護師として就労でき、永住との距離も近い分野です。ナチュロパシーとは制度の性質が正反対です。
シドニー・メルボルン・ブリスベンにキャンパスを持つ私立大学。コース構成、キャンパス、出願条件をまとめています。
ゴールドコースト・リズモア・コフスハーバーの公立大学。Access26による年 AUD 26,000 の学費体系と、6週間ブロックの学習形式が特徴です。
2年で終わるのか、4年かかるのか。
まず、そこから確かめさせてください。
「日本の看護師資格は修士の要件に使える?」「IELTSが各項目6.0止まりでも出願できる?」「25%の奨学金は本当に通る?」
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