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ニューサウスウェールズ州の大学・大学院一覧

UNIVERSITY in NEW SOUTH WALES

Universities in New South Wales — Sydney & Regional NSW

ニューサウスウェールズ州(シドニー)の
大学・大学院 留学ガイドUNIVERSITIES IN NEW SOUTH WALES

ニューサウスウェールズ州に本拠を置く大学は11校。Group of Eight(豪州八大学)が2校あり、州都シドニーはQS Best Student Cities 2026で世界8位です。選択肢の多さはオーストラリアで随一。その一方で、学費は年26,000豪ドルから69,000豪ドルまで2.6倍の開きがあり、卒業後にオーストラリアで働ける期間もキャンパスの場所によって最大2年変わります。11校を同じ軸で比較し、判断できる材料をまとめました。

11校州内に本拠を置く
大学の数
2校Group of Eight
加盟校
20位UNSWのQS世界
ランキング2026
世界8位シドニーの学生都市
ランキング(QS 2026)
+2年地方キャンパスの
卒業生ビザ延長
This page at a glance
  1. ニューサウスウェールズ州に本拠を置く大学は11校です。シドニー大学、UNSW、UTS、マッコーリー、西シドニー、ACU、ウーロンゴン、ニューカッスル、チャールズ・スタート、ニューイングランド、サザンクロス。このほか、他州に本拠を置きながらシドニーにキャンパスを持つ大学(CQU、トーレンス、ノートルダム)もあります。
  2. Group of Eight(豪州八大学)が2校あるのはNSW州だけです。シドニー大学(QS世界25位)とUNSW(同20位)。オーストラリアで最上位の2校が同じ州に、しかも車で30分の距離にあります。
  3. 学費の幅がオーストラリアで最も大きい州です。サザンクロス大学の年26,000豪ドルから、シドニー大学の最大69,000豪ドルまで。同じ州で2.6倍の差があります。「NSWは高い」と一括りにするのは正確ではありません。
  4. シドニーは卒業生ビザの延長対象外です。一方、ウーロンゴン・ニューカッスルは+1年、アーミデール(UNE)・バサースト(CSU)・リズモア(SCU)などは+2年の延長対象になり得ます。卒業後にオーストラリアで働きたい方にとって、これは学費以上に大きい差です。
  5. 家賃はシドニーが全豪最高水準です。ユニット(アパート)の中間家賃は2026年3月四半期で週750豪ドル。同じNSW州でも、アーミデールなら週320〜370豪ドル程度です。
  6. 日本人留学生が多い州でもあります。安心材料になる一方、意識しなければ日本語だけで生活できてしまいます。この点は後段で率直に書きました。

ニューサウスウェールズ州(New South Wales/NSW)は、オーストラリアで最も人口の多い州です。州都シドニーには約550万人が暮らし、国全体の経済・金融・メディアの中心が集まっています。日本からオーストラリア留学を考えるとき、多くの方が最初に思い浮かべるのがこの州でしょう。

実際、選択肢の多さは圧倒的です。州内に本拠を置く大学は11校。Group of Eight(豪州八大学)が2校、QS世界ランキング上位100位以内が3校(シドニー大学25位・UNSW 20位・UTS 96位)。他州にはない層の厚さです。

ただし――選択肢が多いということは、それだけ迷うということでもあります。そして「NSW=シドニー=学費も家賃も高い」というイメージだけで判断すると、この州の実像を見誤ります。同じ州内に、年26,000豪ドルで学位が取れる大学もあれば、卒業後にオーストラリアで2年長く働ける立地の大学もある。NSW州は、オーストラリアで最も「選び方によって結果が変わる」州です。

このページでは、11校を公表データで横並びにし、学費・英語要件・奨学金・卒業後のビザまで比較します。そのうえで、「あなたが選ぶべきはどの大学か」――あるいは「シドニーにこだわらないほうがよいケース」まで、率直にお伝えします。

NSW州の大学は11校 ― 全体像

まず事実の確認からです。ニューサウスウェールズ州に本拠を置く大学は11校あります。すべて公立大学です。

そして重要なのが、この11校が「シドニー都市部の6校」と「地方(リージョナル)の5校」に分かれるという点です。この区分は単なる立地の話ではありません。学費、家賃、そして卒業後にオーストラリアで働ける期間が、この区分によって変わります。

11校州内に本拠を置く
大学の数(すべて公立)
2校Group of Eight加盟
(シドニー大学・UNSW)
約550万人シドニー都市圏人口
豪州最大の都市
約8.5倍州の面積
(日本の約2.1倍)

11校はどこにあるのか

区分 大学 本拠地 移民制度上の区分
シドニー
都市部
シドニー大学 キャンパーダウン(CBDから約3km) 対象外
UNSW Sydney ケンジントン(CBDから約6km) 対象外
UTS(シドニー工科大学) アルティモ(CBD隣接) 対象外
マッコーリー大学 マッコーリーパーク(CBDから約16km) 対象外
西シドニー大学(WSU) パラマタほかシドニー西部 対象外
ACU(豪州カトリック大学) ノースシドニー(本部)ほか全国7キャンパス 対象外
地方
(Regional)
ウーロンゴン大学(UOW) ウーロンゴン(シドニーから南へ約80km) カテゴリー2
+1年
ニューカッスル大学 ニューカッスル(シドニーから北へ約160km) カテゴリー2
+1年
ニューイングランド大学(UNE) アーミデール(州北部内陸) カテゴリー3
+2年
チャールズ・スタート大学(CSU) バサースト・ワガワガ・オレンジほか内陸部 カテゴリー3
+2年
サザンクロス大学(SCU) リズモア・コフスハーバー(州北部沿岸) カテゴリー3
+2年

この表の右端の列が、このページで最もお伝えしたいことです。同じニューサウスウェールズ州の大学でも、シドニー都市部で学ぶと卒業生ビザの延長はありません。ウーロンゴンやニューカッスルなら+1年、アーミデールやバサースト、リズモアなら+2年。学士号なら2年+2年で、卒業後に最大4年間オーストラリアで働ける計算になります。詳細は第15章で説明します。

なぜNSWなのか ― 6つの条件

01

Group of Eightが2校ある唯一の州

シドニー大学(QS世界25位)とUNSW(同20位)。オーストラリアの最上位2校が同じ州にあります。しかも両校は車で30分ほどの距離。「Go8で学びたい」という目的に対して、選択肢が2つある州はNSWだけです。

02

学生都市としてのシドニー ― 世界8位

QS Best Student Cities 2026で、シドニーは世界8位にランクインしています(メルボルンが5位で国内1位)。大学の質、雇用主からの評価、学生の多様性、都市としての魅力を総合した指標で、世界トップ10に入る都市です。

03

金融・IT・メディアの求人が集まる

オーストラリアの主要銀行・保険・コンサルティングファーム・IT企業の本社機能は、シドニーに集中しています。ビジネス・会計・ファイナンス・IT・データ分析を学んで現地で働くという進路を考えるなら、求人の絶対数がほかの州とは違います。日系企業の拠点も多い都市です。

04

学費の選択肢が最も広い

年26,000豪ドル(サザンクロス大学)から69,000豪ドル(シドニー大学の一部コース)まで、同じ州のなかで2.6倍の幅があります。予算が限られていてもNSW州で学ぶ選択肢は残る、ということです。「NSWは高いから無理」と最初から外す必要はありません。

05

地方キャンパスなら卒業生ビザが最大+2年

UNE(アーミデール)、CSU(バサーストほか)、SCU(リズモア)は移民制度上のカテゴリー3。卒業生ビザが2年延長される制度の対象になり得ます。ウーロンゴン・ニューカッスルは+1年。「卒業後もオーストラリアで働きたい」が目的なら、ここは最重要の判断材料です。

06

日本からの便数が最も多い

東京(羽田・成田)からシドニーへは複数の航空会社が直行便を運航しており、所要は約9時間30分。便数・価格の選択肢が全豪で最も多い都市です。時差は1時間(夏時間の期間は2時間)。緊急時の一時帰国のしやすさは、ご家族にとっての安心材料になります。

Fact check

その一方で、家賃は全豪で最も高い水準です。シドニーのユニット(アパート)中間家賃は、Domainの2026年3月四半期データで週750豪ドル。パースの695豪ドル、メルボルンより高く、首都圏で最高値です。学費と家賃の両方が高いという事実は、最初にお伝えしておきます。生活費の詳細は第14章で数字を挙げて説明します。

11大学の比較表(ランキング・学費・英語要件)

11校を同じ軸で並べます。まずこの表で候補を3校ほどに絞ってください。そのうえで次章以降の大学別ガイドを読んでいただくと、判断が早く進みます。

大学 QS 2026 Go8 看板分野 学部の英語要件 学部 年間学費の目安 485延長
UNSW Sydney 20位 工学・ビジネス・IT・建築環境 IELTS 6.5
(各6.0)
$45,000〜57,000
シドニー大学 25位 医学・法学・建築・人文社会 IELTS 6.5
(各6.0)
$49,000〜69,000
UTS 96位 IT・工学・デザイン・建築 IELTS 6.5 $38,000〜51,000
マッコーリー大学 126位 会計・ファイナンス・IT・言語学 IELTS 6.5
(各6.0)
$40,000〜55,000
ウーロンゴン大学 167位 工学・IT・看護・教育 IELTS 6.0〜6.5 $30,000〜40,000 +1年
ニューカッスル大学 227位 工学・医学・建築・看護 IELTS 6.0〜6.5 $34,000〜52,000 +1年
西シドニー大学 400位 看護・助産・教育・ビジネス IELTS 6.0
(看護は7.0)
$28,000〜40,000
サザンクロス大学 634位 看護・観光・海洋科学・幼児教育 IELTS 6.5
(教職は7.0)
一律 $26,000 +2年
ACU 851–900位 看護・教育・理学療法・栄養学 IELTS 6.0〜6.5
(看護・教職は7.0)
$28,000〜35,000
チャールズ・スタート大学 951–1000位 農業・獣医・看護・警察学・IT IELTS 6.0
(各5.5)
$25,500〜34,400 +2年
ニューイングランド大学 1001–1200位 農学・環境科学・教育・看護 IELTS 6.0
(各5.5)
$26,000〜38,400 +2年
表の読み方

学費は「コースによって上下する目安」です。同じ大学でも、医学・工学・看護は高く、人文・ビジネス系は低い傾向があります。サザンクロス大学だけは大半のコースが年26,000豪ドルの一律設定で、この点はオーストラリアの大学のなかでも珍しい仕組みです。

ランキングと学費は比例しません。UNSW(20位)とシドニー大学(25位)はほぼ同格ですが、学費はシドニー大学のほうが高い。UTS(96位)とマッコーリー(126位)は近い順位ですが、学費レンジは重なっています。「順位が高いから高い」のではなく、コース内容と定員で決まっています。

右端の「485延長」列は、卒業後の人生設計に直結します。学費が年10,000豪ドル安く、さらに卒業後2年長く働ける――地方キャンパスを選ぶと、この2つが同時に手に入ることがあります。

シドニー都市部の大学 ― 6校

UNSW Sydney(ニューサウスウェールズ大学)The University of New South Wales

20位QS 2026

1949年設立。QS世界大学ランキング2026で20位と、オーストラリアで最上位クラスに位置します。Group of Eight加盟。工科系の大学として出発した経緯があり、工学・ビジネス・IT・建築環境に強みを持ちます。

特徴的なのが3学期制(トライメスター)です。オーストラリアの大学の多くが2月・7月の年2回入学なのに対し、UNSWは年3回の入学機会があります。これは日本の3月卒業から逆算したときに、空白期間を短くできるという実利につながります。

向いているのは、「オーストラリアで最上位の大学で、就職に直結する分野を学びたい方」です。就職実績と研究力を両立させたい場合、州内での第一候補になります。入学要件は相応に高く、学部の標準英語要件はIELTS 6.5(各6.0)。医学・歯学は7.5、看護・法学は7.0が必要です。

キャンパス
ケンジントン(CBDから約6km)ほか
強い分野
工学、ビジネス、IT・データサイエンス、建築環境、法学、医学
英語要件
学部の標準 IELTS Academic 総合6.5(各6.0)/医学・歯学7.5、看護・法学7.0
学費の目安
学部で年45,000〜57,000豪ドル(医学系はさらに高額)
入学時期
3学期制(トライメスター)で年3回

Go8QS 20位工学・ビジネス年3回入学

シドニー大学The University of Sydney

25位QS 2026

1850年創立。オーストラリアで最も古い大学であり、Group of Eightの中核校です。QS世界大学ランキング2026で25位。砂岩造りの歴史的建造物が並ぶキャンパスは、シドニー中心部から徒歩圏にあります。

強みは医学・法学・建築・人文社会科学。研究型の総合大学として、幅広い分野で高い評価を得ています。「オーストラリアの大学」と聞いて日本人が最初に思い浮かべる名前でもあり、帰国後の就職で最も説明しやすい大学のひとつです。

一方で、学費は州内で最も高い水準です。コースによっては年間69,000豪ドルを超えます。3年間の学費だけで2,000万円近くになる計算です。ブランドと学費が正比例することは、あらかじめご認識ください。

キャンパス
キャンパーダウン/ダーリントン(CBDから約3km)
強い分野
医学、法学、建築、人文社会科学、経済学、教育
英語要件
学部の標準 IELTS Academic 総合6.5(各6.0)/医学・教職などはより高い要件
学費の目安
学部で年49,000〜69,000豪ドル(州内で最も高い水準)
設立
1850年。オーストラリア最古の大学

Go8豪州最古医学・法学学費は最高水準

シドニー工科大学(UTS)University of Technology Sydney

96位QS 2026

1988年に大学となった、比較的新しい公立大学です。QS世界大学ランキング2026で96位と世界トップ100圏内にあり、設立50年以内の大学を対象としたランキングでは常に世界最上位クラスに位置します。

キャンパスはシドニーCBDに隣接。セントラル駅から徒歩圏という立地で、通学とアルバイトを両立しやすい環境です。強みはIT・工学・デザイン・建築・ビジネス。とくにデザインと建築の分野では、実務家教員による産業直結型の教育が特徴です。

向いているのは、「Go8ほどの学費は出せないが、世界トップ100の大学で実務的な分野を学びたい方」。学費レンジがGo8の2校より明確に低く、立地も良い。バランスの取れた選択肢です。

キャンパス
アルティモ(シドニーCBD隣接・セントラル駅徒歩圏)
強い分野
IT、工学、デザイン、建築、ビジネス、看護、コミュニケーション
英語要件
学部の標準 IELTS Academic 総合6.5
学費の目安
学部で年38,000〜51,000豪ドル
特徴
設立50年以内の大学ランキングで世界最上位クラス

世界トップ100CBD隣接IT・デザイン実務直結

マッコーリー大学Macquarie University

126位QS 2026

1964年設立。QS世界大学ランキング2026で126位と過去最高順位を更新し、世界8,800機関のうち上位1.5%に入りました。Go8ではありませんが、順位の上昇幅ではオーストラリアで最も目立つ大学のひとつです。

強いのは会計・ファイナンス・IT・データサイエンス・サイバーセキュリティ・言語学。とくに会計とファイナンスは、専門職資格につながる設計になっています。キャンパスにはシドニーメトロ「マッコーリー大学駅」が直結しており、郊外型の広いキャンパスでありながら都心へのアクセスが良好です。

留学生にとって見逃せないのが奨学金です。日本国籍の留学生は「$5,000 Regional Scholarship」の対象で、年額5,000豪ドルが授業料から減額されます。成績が良ければ、さらに最大10,000豪ドルの奨学金(VCIS)を狙えます。

キャンパス
マッコーリーパーク(CBDから約16km/メトロ駅直結)
強い分野
会計、ファイナンス、IT・データサイエンス、サイバーセキュリティ、言語学、心理学
英語要件
多くのコースで IELTS Academic 総合6.5(各6.0)
学費の目安
学部で年40,000〜55,000豪ドル
奨学金
日本国籍は年5,000豪ドルの Regional Scholarship 対象/成績優秀者はさらに最大10,000豪ドル

QS 126位メトロ直結会計・ファイナンス日本人が奨学金対象

西シドニー大学(WSU)Western Sydney University

400位QS 2026

1989年設立。シドニー西部にパラマタをはじめとする複数のキャンパスを展開する公立大学です。QS世界大学ランキング2026で400位。この大学は総合順位ではなく、学費と実務性で見るべき大学です。

強いのは看護・助産・教育・ビジネス・IT。いずれも卒業後の職業に直結する分野で、実習が組み込まれています。留学生向けの授業料減額が手厚いことでも知られ、コースによっては大幅な減額が適用されます。

学費レンジは年28,000〜40,000豪ドルで、シドニー都市部の大学としては最も抑えられます。「シドニーで学びたいが、Go8の学費は現実的でない」という方にとって、最も現実的な選択肢のひとつです。学部の標準英語要件もIELTS 6.0と、Go8より0.5低く設定されています(看護は7.0)。

キャンパス
パラマタ、キャンベルタウン、バンクスタウンほかシドニー西部に複数
強い分野
看護、助産、教育、ビジネス、IT、心理学、社会福祉
英語要件
学部の標準 IELTS Academic 総合6.0/看護は7.0
学費の目安
学部で年28,000〜40,000豪ドル(医学系は別枠で高額)
奨学金
留学生向けの授業料減額が手厚く、複数の制度があります

シドニーで学費が抑えめIELTS 6.0看護・教育奨学金が手厚い

オーストラリアカトリック大学(ACU)Australian Catholic University

851–900QS 2026

1991年設立。本部をシドニーのノースシドニーに置き、全国7キャンパスを展開するカトリック系の公立大学です。信仰は入学条件ではありません。

この大学の性格は明確で、看護・教育・理学療法・栄養学など、医療と教育の専門職養成に特化しています。総合順位は851–900位帯ですが、これらの分野では実習時間が学位に組み込まれ、卒業と同時に職業登録の道が開ける設計になっています。

向いているのは、「資格につながる分野を、少人数の環境で学びたい方」。学費も年28,000〜35,000豪ドルと抑えめです。逆に、工学・IT・ビジネスを本格的に学びたい方には向きません。この点ははっきりしています。

キャンパス
ノースシドニー(本部)、ストラスフィールドほか全国7キャンパス
強い分野
看護、教育(教員養成)、理学療法、作業療法、栄養学、社会福祉
英語要件
コースにより IELTS 6.0〜6.5/看護・教員養成は7.0(各7.0)
学費の目安
学部で年28,000〜35,000豪ドル
注意点
工学・IT・純粋なビジネス分野の選択肢は限られます

看護・教育に特化実習が充実学費が抑えめ全国7キャンパス

地方(リージョナル)の大学 ― 5校

ここからがNSW州の「隠れた主役」です。この5校はすべて、卒業生ビザが延長される制度の対象になり得ます。しかも学費と家賃がシドニーより明確に低い。「シドニーで学ぶ」という前提を一度外して読んでみてください。

ウーロンゴン大学(UOW)University of Wollongong

167位QS 2026

1975年設立。シドニーから南へ約80km、海沿いの街ウーロンゴンに本拠を置きます。QS世界大学ランキング2026で167位――地方大学としては極めて高い水準です。マッコーリー(126位)に次ぐ位置で、UTSと同じ「Go8ではないが評価の高い大学」の系譜にあります。

強いのは工学・IT・看護・教育。とくに情報技術と工学は、産業界との連携が強い分野です。シドニーまで電車で約1時間30分、車なら1時間強。「地方だが孤立していない」立地で、週末にシドニーへ出ることも難しくありません。

そして移民制度上はカテゴリー2の地方に分類されます。卒業生ビザが1年延長される制度の対象になり得ます。QS167位という評価と、卒業後+1年という条件を両立できる――この組み合わせはNSW州でここだけです。

キャンパス
ウーロンゴン(シドニーから南へ約80km/電車で約1時間30分)
強い分野
工学、IT・コンピューターサイエンス、看護、教育、ビジネス
英語要件
コースにより IELTS 6.0〜6.5
学費の目安
学部で年30,000〜40,000豪ドル
地方指定
カテゴリー2/卒業生ビザ+1年の対象になり得ます

QS 167位485+1年工学・IT海沿いの街

ニューカッスル大学The University of Newcastle

227位QS 2026

1965年設立。シドニーから北へ約160km、NSW州第2の都市ニューカッスルに本拠を置きます。QS世界大学ランキング2026で227位。

強いのは工学・医学・建築・看護。とくに医学部は、地域医療と結びついた実習体制で知られます。建築学も評価が高く、オーストラリア国内で有数の学部です。

移民制度上はカテゴリー2の地方に分類され、卒業生ビザ+1年の対象になり得ます。ただし注意点があります。ニューカッスル中心部の家賃は、地方だからといって安いわけではありません。海沿いの人気エリアであるため、CBDのユニット家賃はシドニーと大きく変わらない水準です。郊外のキャンパス周辺(カラハン)に住むかどうかで、生活費が変わります。

キャンパス
カラハン(ニューカッスル郊外)、ニューカッスルCBDほか
強い分野
工学、医学、建築、看護、ビジネス
英語要件
コースにより IELTS 6.0〜6.5/医学・看護はより高い要件
学費の目安
学部で年34,000〜52,000豪ドル(医学系はさらに高額)
地方指定
カテゴリー2/卒業生ビザ+1年の対象になり得ます

QS 227位485+1年医学・建築NSW第2の都市

サザンクロス大学(SCU)Southern Cross University

634位QS 2026

1994年設立。NSW州北部のリズモア・コフスハーバー、そしてクイーンズランド州のゴールドコーストにキャンパスを持ちます。QS世界大学ランキング2026は634位。

この大学を語るうえで外せないのが学費です。留学生の学費は、大半のコースで年間26,000豪ドルに統一されています(Access制度)。分野を問わず一律。オーストラリアの大学のなかでこの仕組みを採っているのは珍しく、州内で最も学費の安い選択肢になります。

もうひとつの特徴が6週間ターム制です。1タームに2科目だけを集中して学ぶ独自モデルで、同時並行で4〜5科目を抱える通常の学期制とは学び方が根本的に違います。「一度に多くを抱えると消化しきれない」という方には、この設計が効きます。

強い分野は看護(QS分野別2026で世界トップ225)、観光・ホスピタリティ、海洋科学、幼児教育。そしてカテゴリー3の地方指定で、卒業生ビザ+2年の対象になり得ます。

キャンパス
リズモア、コフスハーバー(NSW北部)、ゴールドコースト(QLD)
強い分野
看護、観光・ホスピタリティ、海洋科学、幼児教育、ビジネス
英語要件
学部の標準 IELTS Academic 総合6.5/Master of Teaching は7.0(各7.0)
学費
大半のコースで一律 年26,000豪ドル(Access制度)
学び方
6週間ターム制・1タームに2科目集中の独自モデル
地方指定
カテゴリー3/卒業生ビザ+2年の対象になり得ます

学費 一律$26,000485+2年看護 世界トップ2256週間ターム制

チャールズ・スタート大学(CSU)Charles Sturt University

951–1000QS 2026

1989年設立。NSW州内陸部のバサースト、ワガワガ、オレンジ、アルベリーなどに広くキャンパスを展開する公立大学です。QS世界大学ランキング2026は951–1000位帯。総合順位で選ぶ大学ではありません。

この大学の価値は、専門分野と立地条件にあります。強いのは農業・獣医・看護・警察学・情報技術。とくに農業と獣医は、実際の農場と動物病院を持つキャンパス環境で学べます。警察学(Policing)はオーストラリアでも数少ない学部です。

そして全キャンパスがカテゴリー3の地方指定。卒業生ビザが2年延長される制度の対象になり得ます。学費も年25,500〜34,400豪ドルと州内で最も低い部類で、家賃も内陸部のため大幅に抑えられます。「費用を抑えて、卒業後にオーストラリアで働く時間を最大化する」という戦略に、最も合致する大学です。

その代わり、都市の利便性はありません。日本食材店も、日系企業のアルバイトも期待できません。この環境を「英語漬けになれる」と捉えられるかどうかで、評価が正反対になります。

キャンパス
バサースト、ワガワガ、オレンジ、アルベリー、ポートマッコーリーほか
強い分野
農業、獣医、看護、警察学(Policing)、情報技術、教育
英語要件
学部の標準 IELTS Academic 総合6.0(各5.5)/看護・教職は7.0(各7.0)
学費の目安
学部で年25,500〜34,400豪ドル(科目単位×8で年額換算)
地方指定
カテゴリー3/卒業生ビザ+2年の対象になり得ます

485+2年IELTS 6.0農業・獣医・警察学学費が最も低い部類

ニューイングランド大学(UNE)University of New England

1001–1200QS 2026

1954年設立。NSW州北部内陸の学園都市アーミデールに本拠を置きます。オーストラリアで最初に通信教育(遠隔教育)を開始した大学として知られ、現在も柔軟な学習形態に強みがあります。QS世界大学ランキング2026は1001–1200位帯です。

強いのは農学・環境科学・教育・看護。アーミデールは人口2万人ほどの街で、そのうち相当数が学生という典型的な学園都市です。学生生活の中心が大学そのものになります。

学費は年26,000〜38,400豪ドル。そしてアーミデールのユニット中間家賃は週320〜370豪ドル程度――シドニーの750豪ドルと比べて半分以下です。さらにカテゴリー3の地方指定で卒業生ビザ+2年。学部の標準英語要件もIELTS 6.0(各5.5)と、州内で最も入りやすい部類です。

さらに奨学金も日本国籍が対象です。UNE International Bursary(日本はNorth East Asia Bursaryの枠)で授業料が20%減額され、加えて年間最大4,500豪ドルの宿泊費補助があります。学費30,000豪ドルのコースなら、20%減額で年6,000豪ドル。宿泊費補助と合わせると、年間で1万豪ドル以上下がる計算です。ただしいずれもアーミデールで学ぶことが条件です。

「費用・英語要件・奨学金・卒業後のビザ」の4点すべてで最も条件が良い一方、大学名で評価されることはまず期待できません。この割り切りができるかどうかが、判断の分かれ目になります。

キャンパス
アーミデール(NSW州北部内陸/人口約2万人の学園都市)
強い分野
農学、環境科学、教育、看護、人文科学
英語要件
学部の標準 IELTS Academic 総合6.0(各バンド5.5以上)
学費の目安
学部で年26,000〜38,400豪ドル
家賃の目安
ユニット中間家賃 週320〜370豪ドル程度(シドニーの半分以下)
奨学金
UNE International Bursary で授業料20%減額(日本はNorth East Asia Bursaryの対象)。加えて年間最大4,500豪ドルの宿泊費補助(International Student Accommodation Scholarship)。いずれも日本国籍が対象で、アーミデールで学ぶことが条件です
地方指定
カテゴリー3/卒業生ビザ+2年の対象になり得ます

485+2年IELTS 6.0(各5.5)家賃が安い農学・環境科学

シドニーにキャンパスを持つ他州の大学

NSW州に本拠はないものの、シドニーにキャンパスを構えて学位を提供している大学もあります。選択肢として知っておく価値があります。

大学 本拠地 シドニーでの位置づけ 特徴
CQUniversity クイーンズランド州
ロックハンプトン
シドニーCBDにキャンパス QS世界大学ランキング2026で499位。全国に多数の拠点を持ち、実務系のコースが中心。看護・ビジネス・ITなど
トーレンス大学 南オーストラリア州
アデレード
シドニーCBDにキャンパス 私立大学。デザイン・ホスピタリティ・ビジネス・ヘルスに特化。学部の英語要件はIELTS 6.0(各5.5)と入りやすく、少人数制
ノートルダム・
オーストラリア大学
西オーストラリア州
フリーマントル
ブロードウェイ/
ダーリングハースト
カトリック系私立。看護・理学療法・医学・教育・法学に強い。学生数約12,000名の少人数教育。学部留学生は授業料25%減額が自動適用

これらの大学のシドニーキャンパスも、移民制度上は「シドニー」として扱われます。つまり卒業生ビザの地方延長の対象にはなりません。「本拠が地方にある大学だから延長される」ではなく、「実際に学んで住んだ場所」で判断される点にご注意ください。

学びたい分野から大学を選ぶ

ここまでは大学から見てきました。今度は逆に、「学びたい分野」から大学を引く形で整理します。

学びたい分野 第一候補 費用を抑える選択肢 補足
ビジネス・会計・ファイナンス UNSW/マッコーリー 西シドニー/UOW マッコーリーの会計・ファイナンスは専門職資格につながる設計。日本国籍は年5,000豪ドルの奨学金対象
工学 UNSW UOW/ニューカッスル UOWは工学に強く、しかも485+1年の対象。学費もUNSWより年15,000豪ドル前後低い
IT・データサイエンス UTS/マッコーリー UOW/西シドニー UTSはCBD隣接でインターンとの両立がしやすい
デザイン・建築 UTS/シドニー大学 ニューカッスル ニューカッスルの建築学部は国内でも評価が高い分野です
看護 シドニー大学/UTS 西シドニー/SCU/ACU 英語要件がIELTS 7.0(各7.0)と高い分野。SCUは看護がQS分野別2026で世界トップ225、しかも学費一律26,000豪ドル
教育(教員養成) シドニー大学/ACU UNE/CSU/SCU 英語要件がオーストラリアで最も高い分野のひとつ(IELTS 7.5相当)。CSU・UNEは教育に伝統があります
法学 シドニー大学/UNSW UTS/マッコーリー オーストラリアで弁護士資格を目指す場合、認定コースかどうかの確認が必須です
医学 シドニー大学/UNSW/
ニューカッスル
留学生枠が非常に限られ、要件も別建て(UCAT/GAMSAT等)。志望する場合は早い段階でのご相談を強くおすすめします
理学療法・作業療法 ACU ノートルダム(シドニー) いずれも職業登録の要件に連動して英語要件が高く設定されています
農業・獣医・環境科学 CSU/UNE 同左 CSUは実際の農場と動物病院を持つキャンパス環境。両校とも485+2年の対象
観光・ホスピタリティ SCU/トーレンス SCU SCUはゴールドコースト校でも学べます。トーレンスはホスピタリティに特化した私立
幼児教育・保育 SCU/ACU SCU SCUには幼児教育教員向けの専用コース(Graduate Diploma/Master of Teaching)があります
心理学・社会福祉 シドニー大学/マッコーリー 西シドニー/UNE 心理職を目指す場合、学部のあとに大学院まで進む必要があります
Important

看護・教育・医療系を志望する方へ。これらの分野は、大学の「標準英語要件」より高いスコアを求められます。看護でIELTS総合7.0(各7.0)、教員養成でさらに高い要件という設定は珍しくありません。これは大学ではなく、卒業後の職業登録(Ahpraなど)の要件に連動しているためです。「大学の要件は6.0だから大丈夫」と考えて準備を進めると、出願段階で足りないことが判明します。志望コース単位で要件を確認してください。

学費と総額シミュレーション

NSW州は、大学の選び方によって総額が1,000万円以上変わる州です。ここでは具体的な数字で組み立てます。生活費はシドニー都市部で年34,000豪ドル、地方で年23,000豪ドル、OSHC(海外学生健康保険)は年800豪ドル、渡航費・初期費用は合計4,000豪ドルとして試算します(1豪ドル=100円換算)。

進学パターン(学部3年) 学費総額 生活費・その他 総額(AUD) 日本円換算 485
シドニー大学
年55,000豪ドル想定
$165,000 $108,400 $273,400 約2,730万円 2年
UNSW Sydney
年50,000豪ドル想定
$150,000 $108,400 $258,400 約2,580万円 2年
UTS
年44,000豪ドル想定
$132,000 $108,400 $240,400 約2,400万円 2年
西シドニー大学
年33,000豪ドル想定
$99,000 $108,400 $207,400 約2,070万円 2年
ウーロンゴン大学
年35,000豪ドル想定・地方
$105,000 $75,400 $180,400 約1,800万円 3年
ニューイングランド大学
年30,000豪ドル想定・地方
$90,000 $75,400 $165,400 約1,650万円 4年
サザンクロス大学
一律26,000豪ドル・地方
$78,000 $75,400 $153,400 約1,530万円 4年

シドニー大学とサザンクロス大学で、総額の差は約1,200万円です。そのうえ、卒業後にオーストラリアで働ける期間はサザンクロスのほうが2年長い。「1,200万円安く、2年長く働ける」――これがNSW州で地方キャンパスを選んだ場合の実像です。

もちろん、シドニー大学には学位のブランドと、シドニーという街での4年間があります。どちらが正解ということはありません。ただし、この差を知らないまま「NSW=シドニー」と決めてしまうのは、選択とは言えません。

生活費の内訳(1週間あたり)

項目 シドニー 地方都市 補足
家賃(シェアハウス個室) $300〜450 $150〜250 シドニーはエリアによる差が非常に大きい。都心から離れるほど下がります
食費 $120〜170 $110〜150 自炊中心の場合。地方は選択肢が少ないぶん外食も減ります
交通費 $40〜60 $20〜35 シドニーはOpalカードで学生割引が適用されます
通信・日用品・娯楽 $80〜110 $60〜90 携帯、日用品、交際費など
合計 $540〜790 $340〜525 年間換算:シドニー $28,000〜41,000/地方 $17,700〜27,300
Reference

学生ビザ(サブクラス500)の申請では、生活費として年29,710豪ドルを示すことが求められます(2026年時点・本人分)。これは「実際にかかる金額」ではなく「ビザ申請時に証明する必要がある水準」です。シドニーで暮らす場合、実際の生活費はこの金額を上回る可能性が高いとお考えください。このほか初年度の学費と往復航空券相当額の資金証明も必要です。金額は毎年改定されるため、出願時点の最新額をご確認ください。

アルバイト収入をどこまで見込めるか

学生ビザ(サブクラス500)では、学期中は2週間で48時間まで、休暇期間中は時間制限なく働くことができます。「週24時間」ではなく「2週間で48時間」という数え方である点に注意してください。コースに必須として組み込まれた実習・インターンは、この上限に含まれません。

2026年7月1日からのオーストラリアの全国最低賃金は時給26.44豪ドル、カジュアル雇用(25%のカジュアル・ローディングを含む)では時給33.05豪ドルです。シドニーは求人の絶対数が多く、地方都市よりアルバイトを見つけやすいという利点はあります。

ただし、この収入を予算に組み込むことはおすすめしません。

  • 到着してすぐに仕事が見つかるとは限りません。シドニーは求人も多いですが、応募する留学生も多い。最初の1〜2ヶ月は無収入と考えておくのが現実的です
  • 学業との両立には限度があります。試験期間や課題提出期間はシフトを減らさざるを得ません。「学位を取ること」が目的である以上、そちらが優先です
  • 所得税がかかります。また、時給の高い仕事ほど英語力が求められます

アルバイト収入は「生活費の一部を補うもの」と位置づけ、総額の見積もりからは差し引かずに計画することをおすすめしています。

奨学金 ― 日本国籍が対象になるもの

NSW州の大学の奨学金には、日本国籍の留学生が対象になるもの対象国が限定されていて日本が入っていないものの両方があります。出願前の確認が必須です。

大学 主な奨学金の内容 申請 日本国籍の扱い
マッコーリー大学 $5,000 Regional Scholarship(年額5,000豪ドル)
Vice-Chancellor’s International Scholarship(最大10,000豪ドル)
出願時審査 対象日本国籍は Regional Scholarship の対象国に含まれます。VCISは学部ATAR相当85以上・大学院WAM相当65以上
西シドニー大学 留学生向けの授業料減額(複数制度) 出願時審査 対象/コース・入学時期により減額幅が変わります
UTS 成績優秀者向けの授業料減額 出願時審査
/一部は申請
対象/分野別の奨学金もあります
UNSW UNSW International Scholarships(成績優秀者向け) 出願時審査 要確認/制度により対象国・条件が異なります
ウーロンゴン大学 留学生向けの授業料減額 出願時審査 対象
サザンクロス大学 学費が一律26,000豪ドルに設定(Access制度) 全員/奨学金ではなく学費そのものが低く設定されています
ニューイングランド大学 UNE International Bursary(授業料20%減額
International Student Accommodation Scholarship(宿泊費 年最大4,500豪ドル)
出願時審査
宿泊費はオファー後に
別途申請
対象日本はNorth East Asia Bursaryの対象。いずれもアーミデールで学ぶことが条件です
ACU/CSU 留学生向けの授業料減額 要確認 要確認/コースにより条件が変わります
最も多い誤解

「留学生向け奨学金」と書かれていても、日本国籍が対象とは限りません。オーストラリアの大学の奨学金には、特定の国・地域の学生に限定されたものが数多くあります。金額の大きい奨学金ほど、この国籍要件が付いている傾向があります。

この「対象国リスト」は、大学の奨学金ページの奥深くにPDFで置かれていることも珍しくありません。金額を見て期待したあとで対象外と判明する――これは実際によくあることです。アンアルウェンでは、出願前に対象国を確認したうえでご案内しています。

入学条件(学力・英語)と日本の成績の扱い

日本の高校卒業からは、原則として直接入学できません

まず前提として押さえていただきたい事実があります。日本の高校の卒業資格だけでは、オーストラリアの大学の学部に直接入学することは原則としてできません。

理由は学制の違いです。オーストラリアの中等教育は12年生(Year 12)で修了し、その後3年制の学部に進みます。日本の高校卒業は12年間の教育修了に相当しますが、大学入学に必要とされる水準(ATARに相当する学力)を満たしていると自動的にはみなされません。

ROUTE A

ファウンデーション/ディプロマ
から学部へ

各大学付属のカレッジで進学準備課程を修了し、学部に進むルートです。NSW州の主要大学はいずれもこの仕組みを持っています。

  • ディプロマ修了で学部2年次に編入できる大学もあります
  • 年に複数回の入学日があり、日本の卒業時期に合わせやすい
  • 英語要件はIELTS 5.5〜6.0程度と、学部直接入学より低い
最も一般的 日本の高校卒業からの標準ルート
ROUTE B

日本の大学に在学・卒業
してから編入・進学

日本の大学を1年以上修了していれば、学部への直接出願が可能になるケースがあります。

  • 取得単位によっては、単位認定(credit transfer)で在学年数を短縮できる場合があります
  • 日本の大学を卒業していれば、大学院(修士)への出願が可能です
  • 成績(GPA)の換算方法は大学ごとに異なります
短縮の可能性 単位認定は個別審査
ROUTE C

IB・海外の高校資格
を持っている

国際バカロレア(IB)ディプロマ、GCE Aレベル、オーストラリアのYear 12(ATAR)などを取得している場合。

  • 学部への直接出願が可能です
  • シドニー大学・UNSWなど要件の高い大学も、この資格があれば土俵に乗ります
  • スコアの下限は大学・コースごとに設定されています
直接入学可 準備課程が不要

英語要件 ― 大学ではなくコース単位で見る

分野 IELTS の目安 理由・補足
人文・ビジネス・IT(学部) 6.0〜6.5 大学の標準要件がそのまま適用されるケースが中心。Go8は6.5、地方大学は6.0が標準
工学・理学(学部) 6.0〜6.5 数学の履修歴(前提科目)が別途求められることがあります
看護 7.0(各7.0) 卒業後の職業登録(Ahpra)の要件に連動。大学の標準要件では足りません
教員養成 7.5前後
(スピーキング・リスニングは8.0)
教員登録の要件に連動。オーストラリアで最も要件が高い分野のひとつです
理学療法・作業療法 7.0前後 同じく職業登録要件に連動
医学・歯学 7.5(各7.0) UCAT/GAMSAT等の別途試験も必要です
法学 7.0(各6.5) 実務資格を目指す場合は認定コースかどうかの確認が必要
大学院(コースワーク) 6.5〜7.0 分野により差があります。MBA等は職務経験も要件になります

NSW州は「英語要件の幅」が最も広い州でもあります。ニューイングランド大学の学部標準はIELTS 6.0(各5.5)、シドニー大学の医学は7.5(各7.0)。同じ州のなかで、必要な対策期間が1年以上変わります。志望分野が決まっているなら、コース単位の要件確認を最優先で行ってください。

日本の成績はどう評価されるか

日本の高校の評定平均、大学のGPAが、オーストラリアの大学でどう換算されるか――これは大学ごとに換算表が異なり、しかも公表していない大学もあります

アンアルウェンでは、成績証明書をお預かりして大学に直接照会し、出願可能かどうかを確認したうえでご案内しています。推測で1年を準備に使ってから「出願できませんでした」では、取り返しがつかないためです。

英語力・成績が足りない場合の進学ルート

ルート 流れ 期間の目安 向いている方
直接入学型 日本で英語対策 → IELTS取得 → 学部に直接出願 最短 すでにIELTS 5.5〜6.0があり、あと0.5〜1.0を詰めれば届く方。日本で対策したほうが費用は安く済みます
語学学校経由型 シドニーの語学学校(一般英語/進学英語) → 大学付属の英語コース → 学部 6ヶ月〜1年 英語力が4.5〜5.5で、生活面から英語環境に慣れたい方。大学付属の進学英語(ELICOS)を修了すればIELTS再受験が不要になる場合があります
パスウェイ型 ファウンデーション/ディプロマ → 学部(1年次または2年次) 8ヶ月〜1年 英語だけでなく学力要件も満たしていない方。ディプロマ修了で学部2年次に編入できれば、結果として学部と同じ年数で卒業できます
要件の低い大学を選ぶ UNE・CSUなど IELTS 6.0(各5.5)の大学に直接出願 最短 「大学名より、学位を取り切ることと卒業後のビザを優先したい」方。準備期間の費用がまるごと不要になります
費用面での注意

「IELTSが足りないから語学学校から」というルートは、必ず費用が上乗せになります。シドニーの語学学校は週あたり400〜500豪ドル前後が目安で、6ヶ月通えば1万豪ドル以上(約100万円超)が学費として追加され、その間の生活費(シドニーは年34,000豪ドル前後)も別途かかります。

一方、ディプロマから学部2年次に編入するルートであれば、「準備期間」が「単位」として学位に組み込まれるため、費用対効果は語学学校経由より高くなることがあります。さらに、そもそも英語要件6.0の大学を選ぶという選択肢もあります。どれが有利かは、現在の英語力・学力・志望コース・卒業後の目標によって変わります。

シドニーには留学生向けの語学学校も多数あります。大学進学を前提に、まず英語環境に入りたいという方には次の選択肢があります。

入学日と出願スケジュール

オーストラリアの大学は2月と7月の年2回入学が基本です。ただしNSW州には例外があります。UNSWは3学期制(トライメスター)で年3回、サザンクロス大学は6週間ターム制を採用しており、入学のタイミングがより柔軟です。

入学時期 日本の3月卒業からの流れ メリット/デメリット
7月入学
(セメスター2)
3月卒業 → 4〜6月に渡航準備・ビザ申請 → 7月入学 空白期間が約4ヶ月と短く、最も効率的。ただし7月開講のないコースがあります
翌年2月入学
(セメスター1)
3月卒業 → 11ヶ月の準備期間 → 翌年2月入学 すべてのコースが開講。IELTS対策やアルバイトでの資金準備に時間を使えますが、空白期間が長くなります
9月入学
(UNSWのターム3など)
3月卒業 → 約半年の準備 → 9月入学 3学期制の大学のみ。2月と7月の中間に選択肢が増えます
語学学校を挟む 3月卒業 → 4月から語学学校 → 翌年2月入学 空白期間を英語力向上に充てられます。費用は上乗せになります

出願からの標準スケジュール

  • 入学の10〜12ヶ月前|情報収集・大学選定 志望分野を決め、大学・コースを2〜3に絞ります。この段階でコース単位の英語要件と学力要件を確認しておくことが、後の遅れを防ぎます。NSW州は選択肢が多いぶん、ここで時間を使いすぎないことが大切です。
  • 入学の8〜10ヶ月前|IELTS受験・書類準備 IELTSを受験します(1回で届かない前提で、複数回受けられる時期から始めるのが安全です)。並行して成績証明書・卒業証明書の英文版を準備します。
  • 入学の6〜8ヶ月前|出願 大学に出願します。奨学金は出願時に自動審査されるものが多いため、出願段階で成績要件を満たしているかが重要です。人気コース(看護・理学療法等)は定員が埋まると締め切られるため、早期の出願が有利になります。
  • 入学の4〜6ヶ月前|オファー受諾・学費支払い 条件付きオファー(Conditional Offer)を受け取り、条件を満たして正式オファー(Unconditional Offer)へ。学費の初回分を支払い、CoE(入学許可確認書)が発行されます。同時に滞在先の手配を開始します。シドニーはここが最大の関門です。
  • 入学の2〜4ヶ月前|学生ビザ申請 CoEとOSHC加入証明をもとに、学生ビザ(サブクラス500)を申請します。GS(Genuine Student)要件に対応した書類の作成が必要です。
  • 入学の1ヶ月前〜|渡航準備 航空券の手配、出発前オリエンテーション、現地での銀行口座・携帯電話の準備。到着後のオリエンテーション(Orientation Week)に間に合うよう渡航します。

現在 高校3年生の方へ

01

日本の高校卒業だけでは、原則として学部に直接入れません

学制の違いによるものです(第10章参照)。ファウンデーションまたはディプロマを経由するのが標準ルートになります。これは学力の問題ではなく、制度の問題です。

02

ディプロマ経由なら、卒業時期は変わらないことがあります

ディプロマ修了で学部2年次に編入できる大学であれば、ディプロマ1年+学部2年=合計3年。学部に直接入学した場合と同じ年数で学位を取得できます。「1年遠回り」とは限りません。

03

いま動くべきは、大学選びよりIELTSです

大学は後からでも変えられますが、英語スコアだけは時間を買うことができません。IELTS 6.0が取れれば、NSW州の地方大学には直接出願できる道が開けます。6.5まで届けばGo8も候補に入ります。まず現在地を把握してください。

04

費用は3年で1,500万〜2,700万円と幅があります

第8章のシミュレーションのとおりです。保護者の方には、この幅を最初にお伝えします。「シドニーの有名大学」だけを前提にすると2,700万円ですが、選び方によって1,200万円下げられます。ご家庭で判断していただくために必要な数字だからです。

高校3年生からの標準スケジュール(2028年2月入学の場合)

  • 高校3年 夏〜秋(2026年) 志望分野を絞り、IELTS対策を開始。この時点で「大学を決める」必要はありません。英語のスコアを上げることが、そのまま選択肢を広げます。
  • 高校3年 冬(2026年12月〜2027年2月) IELTS受験。並行して、卒業後のルート(ファウンデーション/ディプロマ/語学学校/直接出願)を決定します。
  • 高校卒業直後(2027年3〜6月) 出願・オファー受諾。ルートによっては、この時期に語学学校やファウンデーションで渡航します。
  • 2027年7月〜 ファウンデーション/ディプロマ開始。
  • 2028年2月〜 学部入学(ディプロマ修了で2年次編入の場合はここが2年次)。

保護者の方へ。オーストラリアの大学は、日本の大学入試のように「一発勝負」ではありません。成績と英語スコアという明確な基準があり、それを満たせば入学できます。逆に言えば、基準を満たすための準備を、いつから始めるかがすべてです。ご相談は保護者の方だけでも承っています。費用・治安・卒業後の進路について、率直にお答えします。

シドニーで暮らす ― 住居・生活費・アルバイト

シドニーはオーストラリア最大の都市で、都市圏人口は約550万人。ハーバーブリッジとオペラハウス、ビーチと都市機能が同居する街です。留学生の受け入れ数も国内最大で、世界中から学生が集まる環境です。

家賃 ― 全豪で最も高い水準です

都市 ユニット(アパート)の中間家賃
2026年3月四半期・週あたり
状況
シドニー $750 記録的水準で高止まり。首都圏で最高値
パース $695 上昇が続いていますが、シドニーより約7%低い水準
アーミデール(NSW州内陸) $320〜370 同じNSW州でシドニーの半分以下

これは物件まるごとを借りた場合の中間値です。留学生の多くが選ぶシェアハウスの個室であれば、シドニーで週300〜450豪ドル程度が目安になります。それでも地方都市の個室(週150〜250豪ドル)とは倍近い差があります。

滞在方法の選択肢

滞在方法 費用の目安(週) 特徴
ホームステイ $380〜460 食事付きが一般的。渡航直後の数ヶ月に最も適しています。英語を使う環境が確保でき、生活の立ち上げが早い
大学の学生寮 $400〜700 シドニー大学・UNSWには伝統的なカレッジ寮があります。費用は高めですが、キャンパスに住めるという安心感は大きい。申込みは早期に締め切られます
学生アパート(PBSA) $400〜650 留学生向けに設計された民間アパート。家具付き・光熱費込みが基本。シドニーCBD周辺に多数あります
シェアハウス $300〜450 最も費用を抑えられます。ただし現地で内見して決めるのが基本のため、渡航前の確保は難しい。到着後1〜2ヶ月はホームステイ、その後シェアハウスに移るのが現実的です

生活のリアル

  • 気候:温暖な海洋性気候で、夏(12〜2月)は暑く湿度もあり、冬(6〜8月)は温暖。日本の関東地方に近い感覚ですが、冬でも氷点下になることはほとんどありません
  • 交通:電車・バス・フェリー・ライトレールが整備され、Opalカードで乗り継げます。学生割引が適用されます。メトロ(自動運転の地下鉄)も延伸が続いています
  • 日本食・買い物:日本食材店・日本食レストランが豊富で、日本の商品はほぼ手に入ります。生活面での不便はほとんどありません
  • 日本人コミュニティ:オーストラリアで最も日本人が多い都市です。これは安心材料であると同時に、意識しなければ日本語だけで生活できてしまうという意味でもあります
  • アルバイト:求人の絶対数は全豪最多。日本食レストランなど日本語環境の仕事も見つかりますが、そこに留まると英語力は伸びません。何のために働くのかを決めて選んでください
  • 時差:日本より1時間進んでいます(夏時間の期間は2時間)。日本との連絡に大きな支障はありません

「日本人が多いこと」をどう捉えるか。私たちは、これを一律にデメリットとは考えていません。渡航直後に日本語で相談できる相手がいることは、実際に大きな助けになります。ただし1年経っても日本人だけで固まっている方は、確実に英語が伸びていません。シドニーを選ぶなら、「最初の3ヶ月は日本人コミュニティを頼り、その後は意識的に離れる」といった設計をあらかじめしておくことをおすすめします。

卒業後のキャリアとビザ(485・地方指定)

卒業生ビザ(Temporary Graduate visa/サブクラス485)

オーストラリアの大学で学位を取得した留学生は、卒業後に一定期間オーストラリアで就労できる卒業生ビザ(サブクラス485)を申請できます。

取得した学位 滞在可能期間の目安 補足
学士号 通常2年 Post-Higher Education Work ストリーム
修士号(コースワーク) 通常2年 同上
修士号(研究)・博士号 より長期 研究学位は期間が長く設定されています
シドニーで学び、住んだ場合 追加なし シドニーは移民制度上の地方に含まれません
ウーロンゴン・ニューカッスルで
学び、住んだ場合
さらに+1年 カテゴリー2(Cities and Major Regional Centres)
アーミデール・バサースト・
リズモアなどで学び、住んだ場合
さらに+2年 カテゴリー3(その他の地方)。学士号なら合計最大4年

NSW州で最も見落とされているのが、この差です。同じ州の大学で同じ学士号を取っても、シドニーなら卒業後2年、アーミデールやリズモアなら最大4年。オーストラリアで働ける期間が2倍になります。

追加分の申請には、「直前まで対象地域内に住み、学び、働いていたこと」など複数の条件があります。つまり、卒業後もその地域に残ることが前提です。「卒業したらシドニーで就職したい」という方には、この優遇は使えません。逆に「オーストラリアで長く働きたい」が目的なら、キャンパスの場所は学費よりも重い判断材料になります。

シドニーで働くということ

シドニーには、オーストラリアの主要銀行・保険会社・コンサルティングファーム・IT企業の本社機能が集まっています。金融・会計・IT・データ分析・マーケティング・メディアといった分野の求人は、ほかの州とは絶対数が違います。日系企業の拠点も多く、日本語と英語の両方を使う仕事の選択肢もあります。

加えて、オーストラリア全体で不足が続く看護・医療・教育の分野も、就業機会の面では強い領域です。

ただし、求人が多いということは、応募者も多いということです。シドニーには世界中から留学生が集まります。「オーストラリア最大の都市だから就職しやすい」とは限りません。むしろ、卒業生ビザの期間が長い地方のほうが、腰を据えて職を探せるという見方もできます。

日本に帰国して就職する場合

日本の就職市場での知名度という点では、シドニー大学とUNSWは説明が要らないレベルにあります。UTS・マッコーリーもオーストラリア留学経験者の間では知られた名前です。一方、地方大学は日本での知名度をほとんど期待できません。

ただし、日本企業が海外大学卒業者に見ているのは、多くの場合「英語で学位を取り切った事実」と「その経験で何ができるようになったか」です。ここは大学名ではなく、本人が説明できるかどうかで決まります。外資系企業・国際機関・グローバル展開している日本企業では、オーストラリアの学位はそのまま評価されます。

※ビザ・移民制度は頻繁に変更されます。年齢制限、英語要件、申請期限、地域区分などの細目も含め、必ず最新の要件をご確認ください。ビザに関する具体的な助言は、登録移民代理人(MARA)が行うことになっています。

他州との比較

比較項目 NSW
(シドニー)
VIC
(メルボルン)
QLD
(ブリスベン)
WA
(パース)
Group of Eight 2校 2校 1校 1校
最上位のQS順位 20位(UNSW) トップ20圏 トップ50圏 77位(UWA)
家賃(ユニット中間値・週) $750 シドニーより低い 上昇中 $695
州都の485延長 対象外 対象外 対象外 +1年
州内の地方での485延長 +1〜2年
選択肢が豊富
+1〜2年 +1〜2年 +2年
日本との時差 1〜2時間
夏時間で変動
1〜2時間 1時間
夏時間なし
1時間
夏時間なし
日本人留学生の数 最も多い 多い 多い 少ない
就職に強い産業 金融・IT・メディア
コンサル
教育・医療
製造・アート
観光・医療
農業・資源
資源・エネルギー
工学

NSW州の強みは「選択肢の幅」です。Go8から年26,000豪ドルの大学まで、シドニーの都心から485が2年延びる内陸部まで、同じ州のなかにすべて揃っています。逆にいえば、その幅を知らずに「シドニーの有名大学」だけを見ていると、この州の利点を半分も使えていないということでもあります。

NSW留学が向く人・向かない人

向いている方 向いていない可能性が高い方
Group of Eightで学びたい(選択肢が2校ある) 予算が限られていて、しかもシドニーにこだわりたい
金融・IT・メディア・コンサル業界を志望している 資源・鉱業の分野を学びたい(WA州のほうが有利)
大都市の刺激と多様な選択肢を求めている 落ち着いた小規模な環境で学びたい(シドニーの場合)
卒業後にオーストラリアで長く働きたい(地方キャンパスを選べる) 卒業後シドニーで就職したいが、485の延長も欲しい(両立できません)
日本食・日本語環境が近くにあると安心できる 日本人のいない環境に自分を追い込みたい(シドニーの場合)
費用を抑えつつオーストラリアの学位が欲しい(地方大学という選択肢) 大学名で評価されることを最優先したい(地方大学の場合)

私たちは「シドニーをおすすめする」ことを目的にしていません。ご相談のなかで、パースやアデレード、あるいはNSW州内の地方大学のほうが合うと判断すれば、そう申し上げます。合わない場所に行っても、良い留学にはならないからです。

よくある質問

ニューサウスウェールズ州には大学がいくつありますか?

州内に本拠を置く大学は11校です。シドニー大学、UNSW、UTS、マッコーリー大学、西シドニー大学、ACU、ウーロンゴン大学、ニューカッスル大学、チャールズ・スタート大学、ニューイングランド大学、サザンクロス大学。すべて公立大学です。このほか、他州に本拠を置きながらシドニーにキャンパスを持つ大学(CQUniversity、トーレンス大学、ノートルダム・オーストラリア大学)もあります。

NSW州で一番ランキングが高い大学はどこですか?

UNSW Sydney(ニューサウスウェールズ大学)です。QS世界大学ランキング2026で20位。次いでシドニー大学が25位、UTSが96位、マッコーリー大学が126位、ウーロンゴン大学が167位と続きます。Group of Eight(豪州八大学)が2校あるのはNSW州だけです。

シドニー大学とUNSW、どちらを選ぶべきですか?

学びたい分野で決めるのが最も確実です。医学・法学・建築・人文社会科学ならシドニー大学、工学・ビジネス・IT・建築環境ならUNSW。ランキングは20位と25位でほぼ同格です。費用面ではUNSWのほうがやや低く、UNSWは3学期制で年3回入学できる点も、日本の3月卒業からは有利に働きます。歴史とキャンパスの雰囲気を重視するならシドニー大学です。

シドニーは学費も家賃も高いと聞きました。抑える方法はありますか?

3つあります。①シドニー都市部でも学費の低い大学を選ぶ(西シドニー大学なら年28,000〜40,000豪ドル、ACUなら28,000〜35,000豪ドル)。②地方キャンパスの大学を選ぶ(サザンクロス大学は一律26,000豪ドル、家賃も半分以下)。③奨学金を確実に取る(マッコーリーは日本国籍が年5,000豪ドルの対象)。学部3年の総額でいうと、シドニー大学の約2,730万円に対し、サザンクロス大学なら約1,530万円。1,200万円の差があります。

シドニーで学ぶと、卒業後にオーストラリアに残れますか?

卒業生ビザ(サブクラス485)を申請できます。学士・修士(コースワーク)で通常2年です。ただしシドニーは移民制度上の地方に含まれないため、延長制度の対象にはなりません。ウーロンゴン・ニューカッスルなら+1年、アーミデール(UNE)・バサースト(CSU)・リズモア(SCU)なら+2年の対象になり得ます。学士号なら合計最大4年。「卒業後にオーストラリアで働きたい」が目的なら、キャンパスの場所は学費より重い判断材料になります。制度は頻繁に変わるため、最新要件は登録移民代理人(MARA)にご確認ください。

地方(リージョナル)の大学は、質が低いのではないですか?

一律にそうとは言えません。ウーロンゴン大学はQS世界167位で、これはマッコーリー(126位)に次ぐ州内5位の水準です。ニューカッスル大学(227位)も医学・建築で高い評価があります。一方、UNE(1001–1200位帯)やCSU(951–1000位帯)は総合順位では下位です。ただしこれらの大学は農業・獣医・環境科学・警察学など、特定分野で明確な強みを持っています。「総合順位で選ぶ大学」ではなく「分野と条件で選ぶ大学」だとお考えください。

日本の高校を卒業してすぐ、NSWの大学に入学できますか?

原則としてできません。学制の違いにより、日本の高校卒業資格だけでは学部への直接入学の要件を満たさないためです。ファウンデーションまたはディプロマ(大学付属カレッジの進学準備課程)を経由するのが標準ルートになります。ただし国際バカロレア(IB)などを取得している場合は、学部への直接出願が可能です。またディプロマ修了で学部2年次に編入できる大学であれば、合計3年で学位を取得でき、実質的に遠回りにはなりません

IELTSはどれくらい必要ですか?

学部の標準要件は、シドニー大学・UNSW・UTS・マッコーリーが総合6.5、西シドニー・CSU・UNEが総合6.0、ウーロンゴン・ニューカッスル・ACUはコースにより6.0〜6.5です。ただし看護は7.0(各7.0)、教員養成は7.5相当、医学は7.5(各7.0)というように、分野によって大きく変わります。これは大学ではなく卒業後の職業登録の要件に連動しているためです。志望コース単位で確認してください。

IELTS 6.0しかありませんが、NSWの大学に入れますか?

入れます。ニューイングランド大学(UNE)とチャールズ・スタート大学(CSU)の学部標準要件は総合6.0(各バンド5.5以上)、西シドニー大学も総合6.0です(看護など一部コースを除く)。さらにこの3校のうちUNEとCSUは卒業生ビザ+2年の対象。「6.5に届かないから語学学校に半年」と考える前に、6.0で出願できる大学を検討する価値があります。語学学校半年分の費用(100万円超)と時間が、そのまま浮くことになります。

学費と生活費を合わせて、総額でいくらかかりますか?

学部3年の場合、シドニー大学で約2,730万円、UNSWで約2,580万円、UTSで約2,400万円、西シドニー大学で約2,070万円、ウーロンゴン大学で約1,800万円、サザンクロス大学で約1,530万円が目安です(1豪ドル=100円換算)。詳しい内訳は第8章のシミュレーション表をご覧ください。

留学中にアルバイトはできますか?

学生ビザ(サブクラス500)では、学期中は2週間で48時間まで、休暇期間中は時間制限なく働けます。「週24時間」ではなく「2週間で48時間」という数え方です。コースに必須として組み込まれた実習・インターンは上限に含まれません。2026年7月1日からのオーストラリアの全国最低賃金は時給26.44豪ドル、カジュアル雇用では時給33.05豪ドルです。シドニーは求人の絶対数が全豪最多です。

シドニーは日本人が多いと聞きました。英語は伸びますか?

環境ではなく設計次第です。シドニーはオーストラリアで最も日本人が多い都市で、日本語だけでも生活できてしまいます。実際、1年経っても日本人だけで固まっている方は、英語がほとんど伸びていません。一方で、渡航直後に日本語で相談できる相手がいることは大きな助けにもなります。「最初の3ヶ月は頼り、その後は意識的に離れる」といった設計をあらかじめ決めておくことをおすすめします。英語環境を最優先するなら、パースやNSW州の地方都市という選択肢もあります。

奨学金は日本人も対象ですか?

大学・制度によります。マッコーリー大学の「$5,000 Regional Scholarship」は日本国籍が対象国に含まれており、年額5,000豪ドルが授業料から減額されます。成績が良ければ最大10,000豪ドルのVCISも狙えます。ニューイングランド大学(UNE)も、UNE International Bursary(日本はNorth East Asia Bursaryの枠)で授業料20%減額、さらに年間最大4,500豪ドルの宿泊費補助が受けられます。西シドニー大学・UTS・ウーロンゴン大学にも日本国籍が対象になる授業料減額があります。一方、オーストラリアの大学の奨学金には対象国を限定したものが数多くあり、金額の大きいものほど国籍要件が付いている傾向があります。出願前の確認が必須です。

留学生の受け入れ人数に制限があると聞きました

オーストラリア政府は2026年の留学生受け入れの計画値(National Planning Level)を295,000人としています(2025年から25,000人の増加)。大学ごとに配分があるため、人気コースは早期に募集が締め切られる可能性があります。とくにNSW州は留学生の受け入れ数が全豪最多の州であり、看護・理学療法などの定員の少ないコースでは競争が激しくなります。出願は早いほうが確実です。

エージェントを通すと学費は高くなりますか?

いいえ。大学に直接出願した場合と、学費も奨学金の条件もまったく同じです。エージェント手数料は大学側が負担する仕組みのため、留学生の方の負担は増えません。アンアルウェンのサポートは、相談から出願、奨学金の適用確認、ビザ申請、渡航後のフォローまですべて無料です。

他社との違い ― アンアルウェンが選ばれる理由

01 GS対策・ビザ申請まで無料

学校選び・出願手続き・GS(Genuine Student)対策・学生ビザ申請を、すべて無料でサポートします。

02 渡航後も日本と現地の両方から支援

オーストラリアに提携オフィスがあります。滞在中から帰国まで、継続して相談していただけます。

03 毎月12名様限定

一人ひとりに時間をかけるため、サポート人数を限定しています。大手のような画一的なご案内はいたしません。

04 スタッフが実際に訪問した学校だけを紹介

授業や校内の雰囲気を自分の目で確認したうえで、厳選してご紹介しています。

05 2008年設立・3,000名以上の留学をサポート

オーストラリア留学に特化して積み重ねてきた実績です。

06 メリットだけでなく現実も率直に伝える

費用や生活面のデメリットも隠さずにお伝えします。合わないと思えば、そう申し上げます。

「手続きだけを代行するエージェント」ではなく、「留学という大きな挑戦を一緒に考え、現地でも支え続けるパートナー」であること。それが、アンアルウェンが他の留学エージェントに負けない一番の強みです。

留学エージェントを使うメリット

「大学に直接申し込んだほうが安いのでは」というご質問をよくいただきます。結論から言うと、学費も奨学金も、直接申し込む場合とまったく同じです。エージェント手数料は大学側が負担する仕組みのため、留学生の方の負担は増えません。そのうえで、選択肢が11校もあるNSW州では、エージェントを通すメリットが具体的に存在します。

  • 費用が変わらない

    アンアルウェンのサポートは相談から出願、奨学金確認、ビザ申請、渡航後のフォローまですべて無料です。大学に直接出願した場合と学費・奨学金の条件は同一です。

  • 11校を同じ軸で比較できる

    大学の公式サイトは自校の情報しか載せません。学費・英語要件・奨学金・卒業後のビザの4軸で11校を並べるには、複数校を扱うエージェントでなければできません。「シドニー大学とサザンクロス大学で総額1,200万円違う」といった比較は、公式サイトを何時間見ても出てきません。

  • 「485の延長対象かどうか」を大学選びの段階で織り込める

    卒業後にオーストラリアで働ける期間が、キャンパスの場所で最大2年変わります。この差を入学前に知っているかどうかで、人生設計が変わります。アンアルウェンでは、卒業後の目標から逆算して大学をご提案します(具体的なビザ助言は登録移民代理人が行います)。

  • 奨学金の「対象国」を出願前に確認できる

    オーストラリアの大学の奨学金には、対象国が限定されたものが数多くあります。この情報はPDFの奥に置かれていることも多く、見つけにくい。金額を期待したあとで対象外と判明する事態を防ぎます。

  • 「日本の成績で出願できるか」を大学に直接確認できる

    日本の高校の評定平均・大学のGPAをどう換算するかは大学ごとに異なり、換算表を公表していない大学もあります。推測で1年を準備に使ってから「出願できませんでした」では取り返しがつきません。成績証明書をお預かりして、大学に直接照会します。

  • 人気コースの「定員が埋まる時期」を把握できる

    看護・理学療法など定員の少ないコースでは、大学が締切日を公表せず、埋まった時点で募集を閉じることがあります。留学生の受け入れ数が全豪最多のNSW州では、この傾向が特に強く出ます。

  • シドニーの住まいを先回りして押さえられる

    シドニーの家賃は全豪最高水準で、空室も限られます。渡航直前に住まいを探すのは、この街では最も危険です。大学の寮は早期に締め切られます。ホームステイ・学生アパートの手配を、オファー受諾と同時に動かします。

  • 渡航後も相談できる相手がいる

    アンアルウェンは現地の「ICN オーストラリア留学情報館」と連携しており、シドニーに日本人スタッフのいるオフィスがあります。銀行口座の開設、アルバイト探し、学業や生活のトラブル、ビザの更新まで、渡豪後も日本語で相談できる窓口が残ります。保護者の方からのご相談も承ります。

このページを書いた人

アンアルウェン松本朋弥のカウンセリング

留学カウンセリングの様子。オンライン(ZOOM・LINE)でもご相談いただけます。

松本 朋弥(まつもと ともみ)

アンアルウェン 代表/オーストラリア留学カウンセラー

2008年にオーストラリア留学専門エージェント「アンアルウェン」を設立。以来、高校生の大学進学から社会人の大学院留学、語学留学まで、数多くの留学をサポートしてきました。夫婦二人体制で運営しており、お一人おひとりとじっくり向き合うことを何より大切にしています。

オーストラリア現地の「ICN オーストラリア留学情報館」と連携し、日本国内での出発前サポートと、渡豪後の現地サポートを切れ目なくお届けしています。困ったときに「日本にも現地にも相談できる人がいる」という安心感が、私たちの強みです。

  • 2008年 アンアルウェン設立。オーストラリア留学ひとすじ
  • ICN オーストラリア留学情報館(現地)と連携した二拠点サポート体制
  • 夫婦で運営。ご相談から渡航後まで同じ担当者が伴走します
  • オーストラリア現地の大学を実際に訪問・視察。パンフレットではわからない空気感までお伝えします
  • ご相談・出願手続き・ビザサポートまですべて無料

ニューサウスウェールズ州を検討している方へ ― 松本より

「オーストラリア留学」とお聞きして、多くの方が最初に思い浮かべるのがシドニーです。実際、シドニー大学とUNSWという最上位の2校があり、都市としての魅力も申し分ありません。

ただ、ご相談を受けていて最ももったいないと感じるのが、「NSW=シドニー」で止まってしまっているケースです。同じ州のなかに、学費が年26,000豪ドルの大学があり、卒業後にオーストラリアで働ける期間が2年長くなる立地があります。学部3年の総額でいえば1,200万円の差。この差を知らずに「予算的に無理でした」と留学を諦める方が、実際にいらっしゃいます。

一方で、シドニーにしかないものもあります。金融・ITの求人の厚み、Go8という選択肢、そして日本語で助けを求められる環境。どちらが良いかは、目的によって変わります。

学びたい分野と、いまの成績・英語力・ご予算、そして「卒業後どうしたいか」を教えていただければ、11校のなかからどれが合うかを率直にお答えします。NSW州が合わないと思えば、そう申し上げます。高校生・保護者の方、社会人の方のご相談も歓迎します。

アンアルウェンのサポート内容(無料)

アンアルウェンは、オーストラリア留学の専門エージェントです。ニューサウスウェールズ州の大学への出願から渡航後のトラブル対応まで、すべて無料でサポートします。大学への直接出願と比べて余分な費用は一切かかりません。

出願前サポート(無料)
  • 目的・ビザ・期間に合ったコース選びの無料相談
  • 奨学金の適用確認・申込み手続き代行
  • 入学申込書類の作成サポート
  • 学生ビザ申請代行サポート
  • GSステートメントの作成含め、全面サポート
  • ワーホリビザ申請代行サポート
  • ホームステイ・学生アパートの手配サポート
  • OSHC(海外学生健康保険)の手配サポート
  • 航空券・渡航準備のアドバイス
  • 語学学習のアドバイス
  • 出発前の個別オリエンテーション
渡航後サポート(無料)
  • 現地オフィス(シドニー・メルボルン)にて日本人スタッフがサポート
  • 到着後オリエンテーション
  • 現地トラブル時の相談窓口(日本語でOK)
  • コース延長・変更の手続きサポート
  • ケンブリッジ検定・IELTS受験申込みのアドバイス
  • ビザ切り替えサポート
  • 留学後の帰国・キャリアプランの相談
  • 大学・大学院進学を検討する方への進路アドバイス
  • LINEやZOOMでのサポート付
  • 次の留学・再渡航のサポート

エージェント利用でも費用は変わりません。大学に直接申し込む場合と学費・奨学金は同じです(エージェント手数料は大学側が負担)。アンアルウェンを通じることで、専門スタッフのサポートが無料で受けられます。

ニューサウスウェールズ州の大学ページ

Free Consultation

「いまの英語力とご予算で、
NSWのどの大学が狙えるか」からお答えします。

「日本の高校・大学の成績で出願できるか」「IELTS 6.0で入れる大学はどこか」「シドニー大学とUNSW、どちらが合うか」「予算2,000万円で何ができるか」「卒業後にオーストラリアで働くには、どの大学を選ぶべきか」――NSW州が合わないと判断すれば、そうお伝えします。無理な勧誘は一切ありません。高校生・保護者の方、社会人の方のご相談も歓迎します。

※本ページの情報は、各大学の公式サイト、QS World University Rankings 2026、QS World University Rankings by Subject 2026、QS Best Student Cities 2026、オーストラリア内務省(Department of Home Affairs)、オーストラリア教育省、Fair Work Ombudsman、Domain社の賃貸市場レポート(2026年3月四半期)などの公開情報をもとに、2026年8月1日時点で作成しています。学費・奨学金・入学要件・学期日程・家賃相場は変更される場合がありますので、出願前に必ず公式サイトまたはアンアルウェンで最新情報をご確認ください。金額はとくに記載のない限りオーストラリアドル(AUD)です。日本円換算は1豪ドル=100円で計算した参考値であり、為替レートにより変動します。学費は履修科目により変動する「目安(indicative)」であり、確定額は履修登録後に算出されます。総額シミュレーションは本文に記載した前提条件にもとづく試算です。ランキングの数値は各調査機関が公表した年度のものです。ビザ・移民制度に関する事項は、登録移民代理人(MARA)にご確認ください。

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