オーストラリア留学エージェント アンアルウェン

オーストラリアで動物学・
アニマルエコロジーを学ぶ
── 大学比較・学費・進路

オーストラリアには、他の大陸では見られない動物が集中しています。有袋類、単孔類、固有の鳥類と爬虫類。大学の実習は、それらが実際に生息している場所で行われます。シドニー大学の学位にはタロンガ動物園が、クイーンズランド大学の課程には大学所有の研究ステーションが組み込まれています。
費用の面でも、この分野は出願時に授業料の15〜20%が減額される制度を持つ大学が複数あります。定価だけを見て「高い」と判断すると、選択肢を狭めます。
そして最初にお伝えしておくべきことがあります。これらの学位で獣医師にはなれません。ここを勘違いしたまま出願すると、3年分の学費と時間を費やしてから気づくことになります。

3年学士の標準期間(修士は1年)
年 $31,500〜留学生の学費(定価・大学により差)
15〜20%主要大学が用意する授業料の減額
IELTS 6.0UniSC・UNE・ディーキン大学の英語要件

DATA ── 動物学・アニマルエコロジー留学の要点

学べる学位
Bachelor of Animal Ecology(サンシャインコースト大学)/Bachelor of Zoology(ニューイングランド大学)/Bachelor of Wildlife Conservation (Taronga)(シドニー大学)/Bachelor of Zoology and Animal Science(ディーキン大学)大学院は Master of Conservation Biology(クイーンズランド大学・1年)
期間
3年(学士)/1年(修士)学士のあとにHonours(1年の研究課程)を置く大学もあります。研究職・大学院を視野に入れる場合は「3+1年」で資金計画を組んでください(後述
学費(定価・年額)
年 AUD 31,500 〜 44,800サンシャインコースト大学 31,500(2026年)/ニューイングランド大学 35,808(2026年)/ディーキン大学 44,800(初年度フルタイムの概算)。シドニー大学は公式コースページで年額を公開していません(要照会)
授業料の総額(学士3年)
AUD 94,500 〜 134,400これは定価です。各校の授業料減額(15〜20%)が適用されると AUD 80,325〜107,520 になります。シミュレーションはこちら
総額の目安(3年)
AUD 175,000 〜 230,000授業料に生活費・OSHC・学生ビザ申請料を加えた概算。1豪ドル100円換算でおよそ1,750万〜2,300万円減額が適用されるかどうかで、140万〜270万円ほど変わります
英語要件
IELTS 6.0 〜 6.5サンシャインコースト大学 6.0(各項目5.5以上)ニューイングランド大学 6.0(各項目5.5以上)/ディーキン大学は学部の最低基準が6.0/シドニー大学は学部標準で6.5(各項目6.0以上)/クイーンズランド大学の修士は6.5(各項目6.0)
主な大学
サンシャインコースト大学(クイーンズランド州)/ニューイングランド大学(NSW州アーミデール)/シドニー大学ディーキン大学(ビクトリア州ジーロング)/クイーンズランド大学(ブリスベン)この分野は「大学の所在地=観察できる動物相」です。熱帯・温帯・内陸で、扱う種がまったく違います
実習・フィールドワーク
カリキュラムに組み込まれていますサンシャインコースト大学はノースストラドブローク島(ミンジェリバ)・K’gari(フレーザー島)での野外実習、シドニー大学はタロンガ動物園との共同開講、クイーンズランド大学はヘロン島・モートン湾・Hidden Vale の各研究ステーション。ディーキン大学は80時間以上の職場実習が必修です
獣医師になれるか
なれません。獣医師は別の学位(獣医学課程)です動物学・アニマルエコロジー・野生動物保全は科学の学位で、動物の診療をする資格ではありません。ここは最も誤解されやすい点です詳しくはこちら
在学中の就労
学生ビザで2週間あたり48時間まで(長期休暇中は制限なし)「週20時間まで」は古い情報です。ただし数日〜1週間の泊まり込み実習がある学期は、シフトを固定しづらくなります
永住ルート
制度上は対象。ただし実務上のハードルは高い分野ですZoologist(動物学者)は MLTSSL と CSOL の両方に掲載されており、189・190・491・482・186 の対象になり得ます。一方で2025年の職業不足リスト(Occupation Shortage List)には掲載されていません。技能評価(VETASSESS)にも学位取得後1年以上の関連実務経験が必要です。詳しくはこちら
向いている人
野生動物の生態・行動・保全に関心があり、屋外での観察と地道なデータ解析の両方を続けられる方動物園・野生動物公園・環境コンサルティング・自然保護団体・環境教育など、動物に関わる仕事で英語と専門性を武器にしたい方逆に「動物の治療をしたい」「永住を最短で取りたい」が第一目的の方には、この分野は向きません。後者の場合は看護ITをご検討ください

このページの結論 ── 3分でわかる動物学留学

  1. まず前提として、これらの学位で獣医師にはなれません。Bachelor of Zoology も Bachelor of Animal Ecology も科学(サイエンス)の学位で、動物を診療する資格ではありません。学ぶのは生態・行動・進化・遺伝・保全です。「動物が好き」から進路を考えるなら、ここを最初に切り分けてください。
  2. オーストラリアで学ぶ意味は、「対象の動物がそこにいる」ことにあります。有袋類・単孔類・固有の鳥類と爬虫類は、他の大陸では野外で観察できません。シドニー大学はタロンガ動物園と共同で学位を開講し、クイーンズランド大学は大学所有の研究ステーションで実習を行います。日本の大学では再現しにくい環境です。
  3. 大学選びは「何を目指すか」で決まります。費用を抑えて生態学を学ぶならサンシャインコースト大学(年 AUD 31,500)。専攻の選択肢が広いのはニューイングランド大学(4専攻)。動物園という現場で学ぶならシドニー大学。就職実績と必修実習ならディーキン大学。すでに理系の学士があるならクイーンズランド大学の修士(1年)です。
  4. 学費の定価は年 AUD 31,500〜44,800ですが、そのまま払うとは限りません。サンシャインコースト大学の International Student Scholarship(15%・申請不要)、ニューイングランド大学の International Bursary(20%)、ディーキン大学の International Scholarship for Excellence(20%)、シドニー大学の Sydney International Student Award(20%)3年で AUD 14,000〜27,000、日本円で約140万〜270万円の差になります。
  5. 英語のハードルは、理系のなかでは低めです。サンシャインコースト大学とニューイングランド大学は IELTS 6.0(各項目5.5以上)。看護(7.0)やソーシャルワーク(7.0)と比べると、準備期間で半年〜1年の差になります。
  6. 永住については、率直にお伝えします。制度上は◯、実務上は△です。Zoologist は職業リスト(MLTSSL・CSOL)に載っており、技術的には189・190・491の対象です。しかし2025年の職業不足リストには掲載されておらず、州指名を期待できる状況ではありません。技能評価にも卒業後1年の実務経験が要ります。卒業生ビザ(485)で2〜3年働くことはできますが、そこから確実に永住へつながる設計にはなっていません。後半で具体的に整理します。

この分野の4つの呼び名 ── 何がどう違うのか

日本語で「動物の勉強がしたい」と言うとき、オーストラリアの学位名は4つに分かれます。ここを最初に整理しておくと、大学選びで迷わなくなります。

Animal Ecology(動物生態学)

動物と環境の関係を扱います。個体群、生息地、種間関係、環境変化への応答。野外調査とデータ解析が中心です。サンシャインコースト大学の学位名であり、ニューイングランド大学の専攻名でもあります。

Zoology(動物学)

動物そのものを扱う、より広い学問。分類、形態、生理、行動、進化、寄生虫学まで含みます。ニューイングランド大学とディーキン大学の学位名で、生態学より基礎科学の比重が高い設計です。

Wildlife Conservation / Conservation Biology(野生動物保全・保全生物学)

「どう守るか」に軸足を置きます。絶滅危惧種の管理、保護区の設計、政策と実務。シドニー大学の学部(タロンガ動物園と共同)とクイーンズランド大学の修士がこれにあたります。

Animal Science(動物科学)

家畜・伴侶動物を含む、人間と動物の関係に踏み込んだ応用寄りの分野。栄養、繁殖、福祉、疾病。ディーキン大学の学位名にはこの語が併記されており、野生動物だけでない広がりがあります。

学部で実際に学ぶこと

大学によって配分は違いますが、1年次はどの大学でも「理科の土台」を固める期間です。生物学、化学、細胞と遺伝、生態学の基礎、そして統計。ディーキン大学は1年次に Physics for the Life Sciences(生命科学のための物理)まで置いています。

2年次以降に専門が立ち上がります。ディーキン大学であれば Animal Diversity(動物の多様性)、Vertebrate Structure and Function(脊椎動物の構造と機能)、Animal Behaviour(動物行動学)、Genetics and Genomics。3年次には Ecological and Conservation Genetics(生態・保全遺伝学)、Sensory Ecology(感覚生態学)、Disease Ecology and Epidemiology(疾病生態学と疫学)と続き、Zoological and Wildlife Field Studies が総まとめの科目になります。

ニューイングランド大学は Animal Ecology/Applied Zoology/Natural History/Palaeobiology(古生物学)の4専攻から選ぶ設計です。古生物学を学部の専攻として選べる大学は多くありません。副専攻には Zoological Methods、Museum Studies(博物館学)、Water Science などが用意されています。

誤解されやすい点:この分野は「動物と触れ合う仕事」の勉強ではありません。
カリキュラムの中身は、統計、データ解析、実験計画、遺伝子解析、GIS、レポート作成です。野外調査はありますが、そこで取ったデータを机の上で処理する時間のほうが長くなります。クイーンズランド大学の修士に Sampling Design and Analysis in Conservation Science(保全科学における標本設計と解析)という必修科目があるのは象徴的です。「動物が好き」ではなく「動物のデータを何百行も扱うのが苦にならない」ことが、この分野に向いているかの実質的な判定基準になります。

なぜオーストラリアなのか

この分野でオーストラリアを選ぶ理由は、はっきりしています。研究対象が、そこにしかいないからです。

01

固有の動物相

有袋類(カンガルー、コアラ、ウォンバット、フクロモモンガ)、単孔類(カモノハシ、ハリモグラ)、固有の鳥類・爬虫類。長期間隔離された大陸で独自に進化した動物群を、野外で観察できる環境は世界でも限られます。

02

実習地が近い

大学のキャンパスから車で行ける距離に、国立公園、島嶼、湿地、乾燥地があります。サンシャインコースト大学は1年次からノースストラドブローク島での野外実習があり、クイーンズランド大学は大学所有の研究ステーションを実習に使います。

03

動物園・保全機関との接点

シドニー大学の Bachelor of Wildlife Conservation (Taronga) は、タロンガ野生動物保護協会との共同開講で、大学キャンパスとタロンガ動物園の両方で学びます。学位そのものに現場が組み込まれている例です。

環境ごとに、扱う動物が変わる

クイーンズランド州 ── 亜熱帯・沿岸・島嶼

サンシャインコースト大学は沿岸と島の生態系が主なフィールド。ウミガメ、海鳥、海生哺乳類も学びます。クイーンズランド大学はグレートバリアリーフから亜熱帯雨林、内陸までを研究ステーションでカバーします。

NSW州内陸 ── 乾燥地と森林

ニューイングランド大学があるアーミデールはニューイングランド高原の内陸都市。周辺は森林と農牧地で、有袋類・鳥類・無脊椎動物・寄生虫の研究環境です。都市部とはまったく違う動物相に日常的に接します。

シドニー ── 都市と保全現場の両立

シドニー大学は大都市にありながら、タロンガ動物園という保全の現場を学位に組み込んでいます。都市生活と現場実習を両立できる、この分野では珍しい構成です。

ビクトリア州 ── 温帯・海洋・農牧

ディーキン大学のジーロング(Waurn Ponds)キャンパスは、温帯の森林・沿岸・農牧地に囲まれた立地。Marine Biology も必修に含まれ、陸と海の両方を扱います。メルボルンから南西へ約75kmです。

先にお伝えしたい ── 3つの事実

この分野は「動物が好き」という気持ちから選ばれることが多い分野です。だからこそ、費用と時間を投じる前に知っておいていただきたいことが3つあります。

事実1|これらの学位では、獣医師になれません

最も重要な点です。Bachelor of Zoology、Bachelor of Animal Ecology、Bachelor of Wildlife Conservation ── いずれも科学(サイエンス)の学位であり、動物を診療・治療する資格ではありません。獣医師になるには、獣医学の課程を別途修了し、各国の登録制度を通る必要があります。

「動物に関わる仕事がしたい」という希望には、診療する(獣医)/研究する(動物学)/守る(保全)/飼育・展示する(動物園)/管理する(野生動物管理)という、まったく異なる進路が含まれています。このページで扱うのは、後ろの4つです。ここを最初に切り分けないまま出願すると、方向転換に3年分の学費と時間がかかります。

事実2|「動物学者」の求人は、多くありません

オーストラリア政府(Jobs and Skills Australia)が公表する2025年の職業不足リスト(Occupation Shortage List)に、Zoologist は掲載されていません。このリストは不足と評価された職業を載せるものなので、「不足職種として評価されていない」ということになります。人気の高い分野で、志望者数に対して純粋な研究ポストの数が限られているためです。

ただし、これは「動物に関わる仕事がない」という意味ではありません。実際の卒業生の多くは、研究職ではなく環境コンサルティング会社、州の環境・国立公園局、動物園・野生動物公園、自然保護団体、環境教育、博物館、生物多様性調査といった隣接領域に進みます。サンシャインコースト大学が挙げている進路も、環境教育者、ワイルドライフ・レンジャー、研究アシスタント、博物館の学芸員、エコツーリズムガイドです。「動物学者になる」ではなく「動物科学の学位を武器にする」と考えたほうが、進路の実像に合っています。

事実3|実習には、大学ごとに固有の条件があります

この分野には、他の学部にはない要件がいくつかあります。出願前に知っておかないと、渡航後に計画が狂います。

  • ニューイングランド大学:Intensive School(対面の集中授業)への出席が必須です。オンライン科目を含む課程ですが、学生ビザ保持者は完全オンラインでの就学ができません(一部の科目をオンラインで履修することは可能)。アーミデールのキャンパスに通う前提で計画してください。
  • ニューイングランド大学:Q熱(Q Fever)のワクチン接種が、第1トライメスター終了までに必要とされています。日本で接種できるか、時期はいつかを含め、事前確認が要ります。
  • ディーキン大学:80時間以上の職場実習(Professional Practice)が必修です。受け入れ先は自分で探すことになり、事前に Career Tools for Employability という科目の修了が条件になっています。加えて Laboratory and Fieldwork Safety Induction Program の修了も必須です。
  • フィールドトリップの費用は、授業料に含まれる場合と別途請求される場合があります。島や遠隔地での宿泊を伴う実習では、交通費・宿泊費が発生することがあります。
相談
それでも、この分野を選ぶ価値について
アンアルウェン 留学カウンセリングチーム

ここまで厳しいことを3つ並べました。それでも、この分野をご案内する理由があります。

動物科学の学位は、「英語で科学ができる」ことの証明として、かなり潰しが効きます。統計、データ解析、実験計画、GIS、レポート作成、野外調査の設計。これらは動物に限らず、環境アセスメント、農業・食品、公衆衛生、行政、教育、メディアと、幅広い領域で通用する技能です。

そして日本で「オーストラリアの大学で有袋類の生態学を修めた人」は、まだ多くありません。動物園、水族館、環境系NPO、環境コンサル、出版・映像 ── 日本国内でも希少性が効く場面があります。「動物学者一本」と決め打ちせず、この学位で何ができるかを広く設計すること。それが、この分野で後悔しない進み方だと考えています。

大学の選択肢(5校)

アンアルウェンがご案内できる大学のうち、この分野の学位課程を持つ5校を挙げます。それぞれ設計思想が違うため、優劣ではなく「何を目指すか」で見てください。

UniSC サンシャインコースト大学 ── 学位名がそのまま「動物生態学」(クイーンズランド州)

この5校で唯一、学位名が Bachelor of Animal Ecology そのものです。動物生態学に絞り込んだ3年課程で、1年次からノースストラドブローク島(ミンジェリバ)での野外実習があります。K’gari(フレーザー島)など、他のフィールドも使います。

科目には Animal Ecology Field Course(動物生態学野外実習)、Animal Behaviour(動物行動学)、Wildlife Ecology and Conservation(野生動物の生態と保全)、Marine Vertebrates(海生脊椎動物)、Coastal and Marine Ecology(沿岸・海洋生態学)が並びます。陸と海の両方を扱う構成です。

費用面での強みが最も大きい大学です。年 AUD 31,500(2026年・定価)は5校で最も低く、さらに International Student Scholarship により2026年入学の留学生は15%が減額されます。申請書は不要で、オファーに自動的に含まれます。

キャンパスはサンシャインコーストモートンベイの2か所。進路として大学が挙げているのは、環境教育者、ワイルドライフ・レンジャー、研究アシスタント、博物館の学芸員、エコツーリズムガイドです。卒業生は Ecological Society of Australia や Australian Wildlife Management Society といった学会の会員資格を得られる場合があります。

3年Bachelor of Animal Ecology
年 $31,5002026年・定価
15%減額(申請不要)
年2回トライメスター1・2
UNE ニューイングランド大学 ── 4専攻から選べる動物学(NSW州アーミデール)

専攻の選択肢が最も広い大学です。Bachelor of Zoology(3年)では、Animal Ecology(動物生態学)/Applied Zoology(応用動物学)/Natural History(博物学)/Palaeobiology(古生物学)の4つから専攻を選びます。学部で古生物学を専攻できる大学は多くありません。

副専攻も10種類あり、Zoological Methods(動物学的手法)、Museum Studies(博物館学)、Water Science(水科学)など。学科の中心には Zoology in Practice という科目が3年間を通して置かれ、実践を軸に構成されています。扱う内容は生物学、脊椎・無脊椎動物学、昆虫学、動物行動学、寄生虫学、生理学です。

注意すべき点が2つあります。ひとつはIntensive School(対面の集中授業)への出席が必須であること。この課程はオンラインでも提供されていますが、学生ビザ保持者は完全オンラインでの就学ができません(一部科目のみオンライン可)。アーミデールのキャンパス(トライメスター1・2で開講)に通う前提になります。もうひとつはQ熱ワクチンの接種が第1トライメスター終了までに必要とされている点です。

アーミデールはニューイングランド高原の内陸都市で、シドニーやメルボルンとはまったく生活環境が違います。日本人が少なく英語漬けになれる一方、都市の便利さはありません。UNEの奨学金についてはこちら

3年Bachelor of Zoology
年 $35,8082026年・定価
4専攻生態/応用/博物学/古生物
年2回アーミデール校(T1・T2)
Sydney シドニー大学 ── タロンガ動物園と共同開講の学位

この分野で最も特徴的な学位です。Bachelor of Wildlife Conservation (Taronga) は、タロンガ野生動物保護協会(Taronga Conservation Society Australia)との提携で開講され、キャンパス(Camperdown/Darlington)とタロンガの両方で学びます。学位名に動物園の名が入っている例は、オーストラリアでも珍しいものです。

構成は3年・144単位。コア84単位で生態学・保全管理・動物科学・獣医科学の基礎を固め、専攻48単位Animal Health, Disease and Welfare(動物の健康・疾病・福祉)/Biology/Environmental Studies/Genetics and Genomics/Marine Science の5つから選びます。Honours(Bachelor of Wildlife Conservation (Taronga) (Honours))も用意されています。

費用について、正確にお伝えします。シドニー大学はこのコースの年額学費を公式コースページで公開していません(「選択した年の学費情報は現在利用できません」と表示されます)。金額はオファーレターで確定します。アンアルウェンから大学へ照会します。なおパートタイム就学は学生ビザ保持者には認められていませんので、フルタイムでの就学が前提です。

奨学金は Sydney International Student Award(授業料の20%・課程期間中)があります。別の申請書を出すのではなく、出願プロセスの中で申請し、3つの設問(各200語以内)に答えるパーソナルステートメントの提出が求められます。

3年Wildlife Conservation (Taronga)
要照会年額は公式非公開
5専攻健康・生物・環境・遺伝・海洋
20%留学生アワード(要記述)
Deakin ディーキン大学 ── 実習80時間が必修(ビクトリア州ジーロング)

就職を意識した設計が最もはっきりしている大学です。Bachelor of Zoology and Animal Science(3年・24単位)には、Professional Practice という必修科目があり、80時間以上の職場体験を関連機関で行うことが求められます。「学位+実務経験」で卒業できる構成です。

コア18科目の並びは、基礎から応用まで一貫しています。1年次に Foundations of Zoology(動物学の基礎)、Cells and Genes、Ecology and the Environment、Biology: Form and Function、Physics for the Life Sciences。2年次に Animal Diversity、Research Methods and Data Analysis、Marine Biology、Vertebrate Structure and Function、Genetics and Genomics、Animal Behaviour。3年次に Ecological and Conservation Genetics、Evolution、Sensory Ecology、Disease Ecology and Epidemiology、Zoological and Wildlife Field Studiesオーストラリアの動物相に重点を置くと大学が明記しています。

キャンパスはジーロング Waurn Ponds(メルボルンから南西へ約75km)。ディーキン大学はビクトリア州で卒業生就職率1位を掲げており、実習と就業支援に力を入れています。オプションの第3トライメスターを使えば、卒業を早められる場合があります。

奨学金は Deakin International Scholarship for Excellence(授業料20%減額・課程期間中)多くの国際奨学金は別途申請が不要で、出願時の学業成績にもとづいて自動的に審査されます。ディーキン大学の奨学金ページはこちら

3年Zoology and Animal Science
年 $44,800初年度フルタイムの概算
80時間必修の職場実習
20%減額(自動審査)
UQ クイーンズランド大学 ── 1年で修了する保全生物学の修士(ブリスベン)

すでに理系の学士をお持ちの方には、これが最短ルートです。Master of Conservation Biology(CRICOS 077443C)は、24ユニットのプログラムを通常の学期と集中授業期を組み合わせて12か月で修了する設計。キャンパスは St Lucia です。

必修科目は Conservation in Context(保全の文脈)、Conservation & Wildlife Biology(保全・野生動物生物学)、Sampling Design and Analysis in Conservation Science(保全科学の標本設計と解析)、Environmental Philosophy(環境哲学)科学だけでなく、政策・倫理まで扱うのがこの課程の性格です。選択科目には環境問題解決、空間解析、サステナブル・ビジネスなどがあります。

実習環境が充実しています。ヘロン島研究ステーション(グレートバリアリーフ)、モートン湾研究ステーション(ミンジェリバ/ノースストラドブローク島)、Hidden Vale 野生動物研究ステーション、そして亜熱帯雨林と国立公園。いずれも大学が運営に関わる施設です。

出願要件は、関連分野(植物学、保全、生態学、環境学、進化学、数学・統計学、海洋科学、動物学)の学士でGPA 5.0/7.0以上、または UQ の Graduate Certificate in Conservation Biology の修了。入学は実質的に年1回(セメスター2=6月末開始)です(1月のサマーセメスター入学は Graduate Certificate からの継続者のみ)。UQの奨学金ページはこちら

1年Master of Conservation Biology
$91,4282026年・24ユニット分
GPA 5.07点満点中
年1回6月末開始

5校の比較表

大学 課程 期間 学費(年・定価) 英語要件 この大学ならでは
サンシャインコースト大学
クイーンズランド州
Bachelor of
Animal Ecology
3年 $31,500
5校で最安
IELTS 6.0
各5.5以上
学位名が「動物生態学」そのもの。1年次から島での野外実習。15%減額が申請不要
ニューイングランド大学
NSW州アーミデール
Bachelor of
Zoology
3年 $35,808 IELTS 6.0
各5.5以上
4専攻から選べる(古生物学を含む)。集中授業への出席が必須。アーミデール校はT1・T2で開講
シドニー大学
NSW州シドニー
Bachelor of Wildlife
Conservation (Taronga)
3年 公式非公開
要照会
IELTS 6.5
各6.0以上
タロンガ動物園と共同開講。5専攻+Honours。大都市で学べる
ディーキン大学
ビクトリア州ジーロング
Bachelor of Zoology
and Animal Science
3年 $44,800
初年度の概算
IELTS 6.0
学部の最低基準
80時間の職場実習が必修。オーストラリアの動物相に重点。第3学期で短縮可
クイーンズランド大学
ブリスベン
Master of
Conservation Biology
1年 $91,428
24ユニット分
IELTS 6.5
各6.0以上
理系学士があれば1年で修了。研究ステーション3か所。政策・倫理まで扱う
この表の読み方
  • 学費はすべて奨学金適用前の「定価」です。実際の負担額は次のセクションで計算します。
  • ディーキン大学の $44,800 は「初年度フルタイム(8単位)の概算」として公式ページに示されている金額で、大学自身が「目安」と注記しています。履修状況により変動します。
  • クイーンズランド大学の $91,428 は2026年の金額で、24ユニット(=プログラム全体)分です。2027年の金額はまだ公表されていません。
  • シドニー大学は公式コースページに年額の記載がありません。推測での金額掲載はしていません。照会したうえでお伝えします。

学費(2026年・定価)

この表の金額は、すべて奨学金を適用する前の「定価」です。この分野は4校が15〜20%の授業料減額を用意しており、実際に定価どおり支払う方はむしろ少数です。定価だけで「高いから無理」と判断すると、選べたはずの大学を落とします。次のセクションで、実際にいくら変わるのかを計算します。
大学・課程 年額(定価) 総額(定価) 減額後の目安
サンシャインコースト大学
Bachelor of Animal Ecology(3年)
$31,500 $94,500 $80,325
15%減額
ニューイングランド大学
Bachelor of Zoology(3年)
$35,808 $107,424 $85,939
20%減額(GPA維持が条件)
ディーキン大学
Bachelor of Zoology and Animal Science(3年)
$44,800
初年度の概算
$134,400
概算×3の単純計算
$107,520
20%減額
シドニー大学
Bachelor of Wildlife Conservation (Taronga)(3年)
公式非公開 20%減額の対象
要記述・課程期間中
クイーンズランド大学
Master of Conservation Biology(1年)
$91,428
24ユニット・2026年
$91,428 対象奨学金を個別確認

授業料以外にかかるもの

生活費

学生ビザの財政要件は単身12か月で AUD 29,710(2026年)。これはビザ申請時に示す必要がある最低額で、実際の生活費は都市によって上下します。アーミデールやサンシャインコーストは、シドニーより抑えられる傾向があります。

OSHC(海外学生健康保険)

学生ビザの必須条件。単身で年 AUD 700〜900程度が目安です。就学期間全体をカバーする必要があり、通常は入学前に一括で加入します。手配はアンアルウェンが無料で代行します。

学生ビザ申請料

AUD 2,500(2026年7月1日に引き上げられた現行額)。家族を帯同する場合は別途かかります。この金額は年度途中でも改定されることがあるため、申請時点の最新額をご確認ください。

フィールドワーク関連費

島や遠隔地での宿泊を伴う実習では、交通費・宿泊費が別途かかる場合があります。授業料に含まれるかは科目と大学で扱いが違うため、アンアルウェンでは志望コースについて出願前に確認します。

3年間の総額の目安は AUD 175,000〜230,000、1豪ドル100円換算でおよそ1,750万〜2,300万円です。幅が大きいのは、大学の学費差と奨学金の有無が重なるためです。

奨学金で、実際にいくら変わるのか

この分野には「動物学専用の奨学金」はほとんどありません。効いてくるのは、各大学が留学生全般に用意している成績ベース・入学時の減額制度です。そしてこれが、思っている以上に大きな金額になります。

大学 制度名 減額 申請の要否・条件
サンシャインコースト大学 International Student Scholarship 15% 申請不要。2026年入学の留学生を対象に、オファーへ自動的に含まれます。課程期間中有効。他のUniSC国際奨学金・割引との併用は不可
ニューイングランド大学 UNE International Bursary 20% 2026年の公表年額学費に対する減額。初年度のあとは、各年度末にGPA 4.5(7点満点)以上で継続。ただし出願すれば必ず付与されるわけではありません
ディーキン大学 Deakin International Scholarship for Excellence 20% 課程期間中の授業料20%減額。同大学の国際奨学金は多くが別途申請不要で、出願時の学業成績にもとづき自動審査されます
シドニー大学 Sydney International Student Award 20% 2026年開始のフルタイム学部・大学院コースワーク課程が対象。別の申請書ではなく出願プロセス内で申請し、3項目(各200語以内)のパーソナルステートメントを提出します
クイーンズランド大学 大学・学部の各種奨学金 個別 一律の自動減額は確認できませんでした。対象になり得る制度を出願前に洗い出します

実際にいくら変わるのか

大学 3年の定価 減額後 差額(日本円の目安)
サンシャインコースト大学 $94,500 $80,325 $14,175(約142万円)
ニューイングランド大学 $107,424 約 $85,939 約 $21,485(約215万円)
ディーキン大学 $134,400 約 $107,520 約 $26,880(約269万円)
この試算の前提
  • 各校が公表している減額率をそのまま3年間に適用した単純計算です。すべての方に必ずこの率が適用されるという意味ではありません。成績条件・継続条件・対象年度があります。
  • ニューイングランド大学は2年目以降にGPA 4.5以上の維持が条件です。下回った年は減額が外れる可能性があります。
  • ディーキン大学の定価は、公式に「目安」と注記された初年度概算を3倍したものです。実際の総額は履修状況で変わります。
  • 日本円は1豪ドル=100円で換算した概算です。為替により変動します。

この分野で注意していただきたいのは、減額を適用しても大学間の順位は入れ替わらない、という点です。サンシャインコースト大学が最も安く、ディーキン大学が最も高い ── この関係は減額後も変わりません。ただし差額は縮みます。「ディーキンは高すぎる」と定価で外していた方が、20%減額後の $107,520 なら射程に入るということは実際に起こります。必修80時間の実習という設計に価値を感じるなら、比較の土俵に乗せ直す意味があります。

アンアルウェンを通すと、何が変わるか

① 対象になり得る制度の洗い出し

成績証明書を拝見して、どの大学のどの減額が、いまの成績で対象になり得るかをお伝えします。大学によって成績の換算方法が違うため、ここは事前に確認する価値があります。

② 締切からの逆算

申請が必要な制度は、コース出願の締切より早いことがあります。シドニー大学のように出願プロセスの中で記述を求められるものは、書く時間を見込んだ日程を組む必要があります。

③ 申請書類の作成

パーソナルステートメントが必要な場合、設問ごとの語数制限のなかで何を書くかを一緒に組み立てます。GSステートメントとも内容が連動するため、まとめて設計したほうが通りやすくなります。

④ 期間短縮の照会

日本の大学で理系科目を履修済みの方は、単位認定で期間が短縮できる可能性があります。1学期短縮できれば、学費と生活費の両方が浮きます。大学への照会も無料です。

これらのサポートはすべて無料で、学費は学校へ直接申し込む場合と変わりません。

英語要件 ── 理系のなかでは入口が広い

この分野の英語要件は、医療系(看護 7.0、ソーシャルワーク 7.0)と比べるとはっきり低めです。準備期間で半年〜1年の差になります。

大学・課程 IELTS総合 各項目 備考
サンシャインコースト大学
Bachelor of Animal Ecology
6.0 5.5以上 大学の学部標準。TOEFL iBT 70、PTE 50以上も可。スコアの有効期限は受験日から2年
ニューイングランド大学
Bachelor of Zoology
6.0 5.5以上 大学の学部標準。総合6.0でライティングが5.5という方でも出願できます
ディーキン大学
Bachelor of Zoology and Animal Science
6.0 コース規定 大学は「学部の最低基準は IELTS 6.0」と明記。コースにより上乗せの条件が設定される場合があります
シドニー大学
Bachelor of Wildlife Conservation (Taronga)
6.5 6.0以上 大学の学部標準。学部・コースにより異なる場合があるため、出願前に確認します
クイーンズランド大学
Master of Conservation Biology
6.5 R6・W6・S6・L6 大学院の要件。TOEFL iBT 87(各19〜21)、PTE 64(各60)も可
※上記は各大学が公表している一般的な要件です。コース・出願年度により変更される場合があります。出願前に必ず最新の要件をご確認ください。

スコアが足りない場合の選択肢

① 付属英語コース(ELICOS)から入る

大学の付属語学学校で規定コースを修了すれば、IELTSを受け直さずに本課程へ進学できる仕組みがあります。条件付きオファーを先に確保できるため、計画が立てやすい方法です。10〜30週程度が一般的です。

② 各項目の下限が緩い大学を選ぶ

総合6.0でもライティングが5.5という方は珍しくありません。サンシャインコースト大学とニューイングランド大学は各項目5.5以上なので、この場合でも出願できます。「総合」ではなく「内訳」で判断が変わります。

③ ファウンデーション/ディプロマから入る

高校の成績が基準に届かない場合や、英語を伸ばしながら大学の単位も進めたい場合の選択肢。1年で大学2年次に接続する設計のものもあります。理系向けのファウンデーションを持つ大学を選びます。

④ まず日本でスコアを上げる

現在5.0〜5.5の方が6.0に到達するには、おおむね3〜6か月の集中的な学習が目安です。渡航後の授業料は日単位で発生するため、日本で上げられる分は上げてから行くほうが、総額では安く済みます。

まずは、いまのスコアの「内訳」を教えてください。総合6.0でもライティングが5.5なのか、スピーキングが5.0なのかで、出願できる大学と必要な準備期間がまったく変わります。スコアがまだない方でも、英検・TOEIC・高校の英語の成績から、おおよその位置と必要な期間をお伝えできます。

進学ルート ── 経歴別

この分野は、いまの学歴と目標によってルートがはっきり分かれます。代表的な4つを挙げます。

ROUTE 01日本の高校卒業から ── 最も標準的なルート

英語準備

IELTS 6.0〜6.5

ファウンデーション

1年(必要な場合)

学士

3年

卒業

または Honours へ

期間:3〜4年/授業料の目安:AUD 94,500〜134,400(定価) サンシャインコースト大学とディーキン大学はATAR 50相当(またはそれと同等)を入学基準としています。シドニー大学が日本の資格として公表しているのは「National Center Test(センター試験)」で、日本の高校卒業証明だけで直接出願できるかは個別に確認が必要です。まず成績証明書を拝見して、直接入学できるかファウンデーションを挟むかを判定します。
ROUTE 02日本の大学(理系)から ── 修士で1年

英語準備

IELTS 6.5

修士

1年

修了

PhD または就職

期間:1年/授業料:AUD 91,428(2026年・24ユニット分) 最も費用対効果の高いルートです。生物・環境・農学・水産・数学統計・海洋科学・動物学などの学士をGPA 5.0(7点満点)以上でお持ちなら、クイーンズランド大学の Master of Conservation Biology に直接出願できます。学士3年をやり直すより、期間も費用も大幅に抑えられます。ただし入学は実質年1回(6月末開始)なので、逆算した準備が要ります。
ROUTE 03費用を抑えたい ── 生態学に絞る

英語準備

IELTS 6.0

学士

3年・動物生態学

卒業

環境・保全の実務へ

期間:3年/授業料:AUD 94,500(定価)→ 15%減額で AUD 80,325 サンシャインコースト大学の Bachelor of Animal Ecology を選ぶルート。5校のなかで授業料が最も低く、しかも15%の減額が申請不要で適用されます。英語要件も IELTS 6.0(各5.5)と低め。研究職ではなく、環境教育・野生動物管理・エコツーリズムなどの実務を目指す方に、最も現実的な選択肢です。
ROUTE 04就職に直結させたい ── 実習を組み込む

英語準備

IELTS 6.0

学士

3年・実習80時間

卒業生ビザ

485・2〜3年

現地就労

環境・保全の実務

期間:3年/授業料:AUD 134,400(定価)→ 20%減額で約 AUD 107,520 ディーキン大学の Bachelor of Zoology and Animal Science は、80時間以上の職場実習が必修です。卒業時点で「関連機関での実務経験」が履歴書に書けるのが、この分野では大きな違いになります。オプションの第3トライメスターを使えば卒業を早められる場合があり、その分の生活費も抑えられます。

実習・フィールドワークの中身

この分野を選ぶ最大の理由が、ここにあります。大学ごとに、何をどこで行うのかを整理します。

大学 主なフィールド・実習 内容
サンシャインコースト大学 ノースストラドブローク島(ミンジェリバ)
K’gari(フレーザー島)
1年次から野外実習が始まります。Animal Ecology Field Course という専用科目があり、沿岸・島嶼の生態系で調査手法を身につけます
シドニー大学 タロンガ動物園
(Taronga Conservation Society)
学位そのものが動物園との共同開講。大学キャンパスとタロンガの両方で学びます。保全の現場が教育課程に組み込まれている構成です
クイーンズランド大学 ヘロン島研究ステーション
モートン湾研究ステーション
Hidden Vale 野生動物研究ステーション
研究ステーション3か所に加え、亜熱帯雨林と国立公園。海洋・陸域の両方でフィールドとラボの学びが用意されています
ディーキン大学 職場実習80時間(必修)
Zoological and Wildlife Field Studies
関連機関での80時間以上の就業体験が卒業要件。3年次には野外調査の総まとめ科目があります。実務経験が学位に含まれるのが特徴です
ニューイングランド大学 Intensive School(対面集中授業・必須)
半日〜1週間の野外実習
地域での実習に加え、アフリカやアジアへの国際トリップが用意されています。集中授業への出席は必須要件です

この分野に固有の準備

出願前に確認しておくべきこと
  • ワクチン接種。ニューイングランド大学はQ熱(Q Fever)の接種を第1トライメスター終了までに求めています。家畜や野生動物に接触する実習がある課程では、こうした要件が設定されることがあります。日本での接種可否・スケジュールを含め、早めに確認が必要です。
  • 安全講習の修了。ディーキン大学は Laboratory and Fieldwork Safety Induction Program(0単位の必修)を課しています。実験室と野外の両方で作業するため、安全教育が入り口に置かれています。
  • 実習先の確保。ディーキン大学の80時間実習は、受け入れ先を自分で探す形式です。渡航前から「どの分野で実習したいか」を考えておくと、現地で動きやすくなります。
  • フィールドトリップの費用。宿泊を伴う実習では、交通費・宿泊費が授業料と別に発生する場合があります。アンアルウェンでは、志望コースについて「必修の実習費が別途あるか」を出願前に大学へ確認します。

Honoursという4年目

オーストラリアの理系学士は3年です。しかしその後に「Honours」という1年間の研究課程を置く大学が多く、研究方向を目指す場合は実質的にこれが入口になります。

Honoursで何をするのか

授業ではなく研究に専念する1年です。指導教員のもとで研究テーマを立て、データを取り、論文(thesis)を書きます。実質的には修士の1年目に近い内容で、成績優秀者には First Class Honours という区分が与えられます。

このページで扱う大学では、シドニー大学に Bachelor of Wildlife Conservation (Taronga) (Honours) が用意されています。ディーキン大学は Bachelor of Zoology and Animal Science から Bachelor of Science (Honours) や Bachelor of Environmental Science (Honours) への接続が案内されています。他の大学についても在学中に進める場合があるため、研究方向を考えているなら、出願前に確認しておく価値があります。

なぜ、この分野で重要なのか

01

研究職の入口になる

大学、博物館、州政府の科学職などの研究ポストは、Honours以上を前提とした募集が一般的です。学士3年だけでは、この入口に立ちにくいのが実際です。

02

PhDへの直行ルートになる

オーストラリアではHonours(特にFirst Class)からPhDへ直接進むのが一般的な経路です。修士を経由しないため、研究者を目指す場合は結果的に時間の節約になります。

03

指導教員との関係ができる

1年間、一人の研究者のもとで働きます。推薦状、共同研究のつて、業界の人脈──この分野で就職や進学を左右するのは、公募情報よりもこうした関係であることが少なくありません。

入学前に決めておく必要はありません。ただし「想定」はしておいてください。
Honoursに進むかどうかは、通常3年次に決めます。しかし資金計画は入学前に組む必要があります。「3年で AUD 175,000〜230,000」と「4年で AUD 215,000〜290,000」では、準備がまったく変わります。アンアルウェンでは、目指す進路をうかがったうえで、3年計画と4年計画の両方をお出しします。途中で方針が変わっても対応できるよう、初めから幅を持たせておくのが安全です。

卒業後の進路・働き方

「動物学者」という職名の求人は多くありません。しかしこの学位で進める領域は、実際にはもっと広くあります。

領域 主な就職先 必要な学歴の目安
研究職 大学、博物館、州政府の研究機関 Honours以上
実質PhDが標準
環境コンサルティング 環境アセスメント会社、生物多様性調査、開発前の生態調査 学士で可
求人数が比較的多い
政府・行政 州の環境局、国立公園・野生動物局、生物安全保障・検疫 学士〜Honours
動物園・野生動物公園 飼育、展示企画、保全プログラム、教育普及 学士で可
保全・NGO 自然保護団体、絶滅危惧種の回復プロジェクト、生息地再生 学士で可
野生動物管理・レンジャー 国立公園、保護区、外来種管理、野生動物のモニタリング 学士で可
博物館・標本管理 自然史博物館の学芸員、標本管理、資料調査 学士〜Honours
教育・エコツーリズム 環境教育、科学教育、エコツアーガイド、科学ライター 学士で可

現実的な戦略

この分野で就職に成功している卒業生に共通するのは、「学位+もう一つの技能」を持っていることです。

データ解析・プログラミング

R、Python、GIS。生態データを扱える人材は、環境コンサルでも行政でも需要があります。この技能があるだけで応募できる求人が明確に増えます。在学中に伸ばしやすい部分でもあります。

現場の資格と経験

野生動物の取り扱い、応急処置、四輪駆動の運転、ボート免許。フィールド調査を伴う仕事では、こうした資格の有無が採用の分かれ目になります。学生のうちに取っておく人が多い部分です。

ボランティア・実習の実績

研究室のアシスタント、モニタリング調査の補助、野生動物の保護団体。この分野は「現場に出た時間」が評価されます。ディーキン大学の80時間実習が効いてくるのはここです。

日本語という強み

忘れられがちですが、日英バイリンガルの動物科学人材は非常に少数です。日豪の共同研究、動物園間の交流、日本市場向けのエコツーリズム、国際機関──日本人であること自体が差別化になる場面があります。

ビザ・永住ルート

この分野の永住については、「制度上は対象、実務上は難しい」というのが正確な表現です。順を追って説明します。

職業リストには載っています

Zoologist(動物学者)は、MLTSSL(中長期戦略技能職業リスト)に掲載されており、CSOL(Core Skills Occupation List)にも掲載されています。つまり制度上は、技術独立ビザ(189)、州指名ビザ(190)、地方指名ビザ(491)、Skills in Demand ビザ(482)、雇用主指名永住ビザ(186)のいずれの対象にもなり得ます。

これは、たとえばナチュロパシー(CSOL未掲載=永住ルートなし)とは決定的に違う点です。入口は閉じていません。

しかし、不足職種とは評価されていません

一方で、Jobs and Skills Australia が公表する2025年の職業不足リスト(Occupation Shortage List)に、Zoologist は掲載されていません。このリストは不足と評価された職業を掲載するものなので、不足職種としての評価を受けていないということになります。

各州は自州の労働需要に基づいて指名職種を選ぶため、不足と評価されていない職種は、州の指名リストに載らないのが通常です。技術独立ビザ(189)も、点数制の招待が実質的に不足職種へ偏る運用になっています。

技能評価にも実務経験が要ります

さらに、Zoologist の技能評価機関は VETASSESS で、Group A に分類されています。Group A の要件は「関連分野の学士以上の学位」+「直近5年以内に、資格取得後の関連実務経験1年以上」です。

つまり卒業直後には技能評価すら申請できません。まず卒業生ビザ(485)で就労し、関連職で1年の経験を積んでから、ようやく評価を受けられます。

では、どう考えるか

段階 ビザ 期間 実際のところ
在学中 学生ビザ(500) 課程期間 2週間48時間まで就労可。長期休暇中は制限なし
卒業後 卒業生ビザ(485) 2〜3年 ここは取得できます。職種の制限なく就労可能。申請時に年齢要件(原則35歳以下)があります
技能評価 VETASSESS(Group A) 学位+資格取得後1年以上の関連実務経験が必要。485期間中に積むことになります
永住申請 189 / 190 / 491 リスト上は対象だが、不足職種として評価されていないため州指名は期待しにくい
雇用主経由 482 → 186 CSOL掲載のため制度上は可能。スポンサーになる雇用主を見つけられるかがすべてです
アンアルウェンの見解
「動物学で永住する」を第一目的にすることは、おすすめしません。制度上の道はありますが、確度が高いとは言えません。
一方で、「卒業生ビザで2〜3年、オーストラリアで動物に関わる仕事をする」ことは十分に現実的です。環境コンサル、野生動物調査、動物園、保全プロジェクト──実務の求人はあります。そこで働いた経験が、永住につながる可能性はゼロではありません(雇用主が482のスポンサーになるケース)。ただし最初からそれを前提にすると、判断を誤ります。
永住が最優先であれば、看護ITのように、職業登録や不足職種の評価が明確な分野を選ぶべきです。そのうえで「それでも動物がやりたい」という方に、この分野をご案内しています。
※ビザおよび移住に関する最終的な判断・申請代理は、登録移民代理人(MARA)の業務範囲です。本ページの記載は一般的な情報提供であり、個別の移民アドバイスではありません。職業リスト・州指名の条件・職業不足評価は随時変更されます。

日本に帰ってから活かす

この分野は、日本に戻ってからの活かし方を最初から設計しておくと、留学の価値が大きく変わります。

動物園・水族館

飼育、展示企画、教育普及、保全プログラム。「海外の大学で野生動物保全を学んだ」という背景は、企画や国際連携の場面で強みになります。採用倍率は高い領域ですが、専門性と英語力の両方を持つ人は多くありません。

環境コンサル・アセスメント

開発前の生態調査、生物多様性の評価、外来種対策。日本でも生物多様性に関する調査需要は続いています。GISとデータ解析ができる人材は特に求められます。環境・再生可能エネルギー分野とも接続します。

大学院進学(日本・海外)

オーストラリアでHonoursまで修めれば、日本の大学院の生物・環境・農学系研究科への進学で有利に働きます。英語での論文執筆経験があることは、そのまま研究能力の証明になります。海外PhDへの出願でも同様です。

自然保護団体・NPO

希少種の保護、里山・湿地の保全、生息地の再生。国際的な保全の枠組みを英語の一次資料で読める人材は限られています。海外の団体との連携でも力を発揮できます。

教育・科学コミュニケーション

学校教員、環境教育NPO、科学ライター、映像・出版。現場を知っていて、かつ英語の一次資料を読める人は限られています。SNSや動画での発信も含め、活躍の場は広がっています。

観光・エコツーリズム

自然観察ツアー、野生動物のガイド、インバウンド向けの自然体験。動物の生態を科学的に説明できるガイドは、この業界で明確な差別化になります。観光・ツーリズム分野との組み合わせも有効です。

大学の選び方 ── 見るべき6つの点

01

目指すのは「研究」か「実務」か

これが最も重要です。研究・大学院を視野に入れるならHonoursの受け皿がある大学(シドニー大学・ディーキン大学)。実務に出るなら実習が組み込まれた大学(ディーキン大学の80時間、サンシャインコースト大学の野外実習)。目的が違えば、最適な大学も違います。

02

減額後の実質学費

定価ではなく、自分の成績で適用される減額を反映した金額で比較します。3年で最大 約AUD 27,000(約269万円)の差が生まれる部分です。「高いから無理」と定価で外した大学が、減額後なら射程に入ることがあります。

03

英語要件と、その内訳

総合スコアだけでなく各項目の下限を見ます。サンシャインコースト大学・ニューイングランド大学の6.0(各5.5)と、シドニー大学の6.5(各6.0)では、準備期間が半年ほど変わります。いま出せるスコアで出願できる大学が、実は最良の選択ということもあります。

04

専攻の選択肢

ニューイングランド大学は4専攻(古生物学を含む)、シドニー大学は5専攻。入学時に決めきれない場合、選択肢の多い大学のほうが軌道修正しやすくなります。逆に目的が明確なら、絞り込まれた課程のほうが無駄がありません。

05

都市の生活環境とアルバイト

アーミデール(ニューイングランド大学)は内陸の小さな都市で、生活費は抑えられる一方、アルバイトの選択肢は限られます。シドニー・ブリスベン・ジーロングは求人が多い分、家賃が上がります。3年間住む場所として現実的かを、費用と併せて考えてください。

06

入学時期と、そこまでの準備期間

ニューイングランド大学は年3回(2月・6月・10月)入学ですが、学生ビザで通うアーミデール校はトライメスター1・2の開講です。サンシャインコースト大学は年2回、クイーンズランド大学の修士は実質年1回(6月末)「いつ出発したいか」から逆算すると、選べる大学が絞られます。英語の準備期間も、この逆算に含めて計画します。

出願から出発までの流れ

STEPご相談から渡航まで(目安:6〜12か月)

無料相談

目的・成績・予算の確認

大学選定

減額・要件の照会

出願

書類作成・提出

オファー

奨学金の確定

ビザ申請

GS対策・500申請

渡航

現地サポート開始

英語のスコアがまだない場合は、ここに3〜6か月の準備期間が加わります。逆に、条件付きオファー(英語以外の要件を満たしている状態)を先に取っておけば、スコアが出た時点ですぐ次に進めます。まずは現状をお聞かせください。
この分野で、特に時間がかかる工程
  • 成績証明書と履修科目の英訳・照会。単位認定や修士の入学要件(GPA 5.0/7.0)を判定するには、履修した理系科目の中身まで見る必要があります。大学からの回答に2〜4週間かかることがあります。
  • GS(Genuine Student)ステートメント。「なぜ動物学なのか」「なぜオーストラリアなのか」「卒業後どうするのか」を、一貫した筋で書く必要があります。永住に直結しにくい分野だからこそ、ここの説明が重要です。アンアルウェンが一緒に組み立てます。
  • ワクチン接種の準備。ニューイングランド大学のQ熱接種のように、日本での接種可否と時期を先に確認しておく必要がある要件があります。渡航直前に気づくと間に合いません。
  • 奨学金の記述。シドニー大学の Sydney International Student Award のように、出願プロセスの中でパーソナルステートメントを求められる制度があります。書く時間を日程に見込みます。

他社との違い ── アンアルウェンが選ばれる理由

アンアルウェンの強みは、留学の申し込みだけで終わらない、出発前から進学後まで続く伴走型サポートです。
「手続きだけを代行するエージェント」ではなく、「留学という大きな挑戦を一緒に考え、現地でも支え続けるパートナー」であること。それが、私たちが他の留学エージェントに負けない一番の強みです。

01

GS対策・ビザ申請まで無料でサポート

学校選びや出願手続きはもちろん、進学で重要となるGS(Genuine Student)対策、学生ビザ申請もしっかりサポート。この分野は「永住に直結しにくいのになぜ学ぶのか」の説明が要になるため、ここに時間をかけます。

02

渡航後も、日本と現地の両方から支える

オーストラリアには提携オフィスがあり、渡航後も学校生活や現地での手続き、困りごとを日本と現地の両方からサポートします。実習先の探し方や、Honoursへ進むかどうかの相談にも対応できます。

03

毎月12名様限定 ── 一人ひとりに時間をかける

一人ひとりに十分な時間をかけるため、サポート人数を毎月12名様限定としています。この分野は「研究か実務か」で提案がまったく変わるため、画一的な案内ではなく、その方に合った提案をします。

04

スタッフが実際に足を運んだ学校だけを紹介

紹介先を幅広く並べるだけではなく、スタッフが実際に学校へ足を運び、授業や校内の雰囲気を確認したうえで、厳選した学校を紹介しています。資料だけではわからないことがあります。

05

2008年設立・3,000名以上の留学をサポート

2008年の設立以来、3,000名以上の留学を支えてきた経験と、オーストラリア留学に特化した専門知識を生かしてご提案します。理系分野・大学院へ進まれた方のサポート実績もあります。

06

メリットだけでなく、現実も率直に伝える

費用や生活面の現実も率直にお伝えします。「この学位では獣医師になれません」「その目的なら環境系のほうが合っています」──言いにくいことも含めてお伝えするのが、私たちの仕事だと考えています。

アンアルウェンを利用するメリット・無料サポート内容

アンアルウェンは、オーストラリア留学の専門エージェントです。学校選びから渡航後のトラブル対応まで、すべて無料でサポートします。学校へ直接申し込む場合と比べて、余分な費用は一切かかりません。

出願前サポート(無料)
  • 目的・ビザ・期間に合ったコース選びの無料相談
  • 2026年日本人プロモーションの適用確認・申込み手続き代行
  • 入学申込書類の作成サポート
  • 学生ビザ申請代行サポート
  • GSステートメントの作成含め、全面サポート
  • ワーホリビザ申請代行サポート
  • ホームステイ・学生アパートの手配サポート
  • OSHC(海外学生健康保険)の手配サポート
  • 航空券・渡航準備のアドバイス
  • 語学学習のアドバイス
  • 出発前の個別オリエンテーション
渡航後サポート(無料)
  • 現地オフィス(シドニー・メルボルン)にて日本人スタッフがサポート
  • 到着後オリエンテーション
  • 現地トラブル時の相談窓口(日本語でOK)
  • コース延長・変更の手続きサポート
  • ケンブリッジ検定・IELTS受験申込みのアドバイス
  • ビザ切り替えサポート
  • 留学後の帰国・キャリアプランの相談
  • 大学・大学院進学を検討する方への進路アドバイス
  • LINEやZOOMでのサポート付
  • 次の留学・再渡航のサポート

オーストラリア 動物学・アニマルエコロジー留学 よくある質問

この学位を取れば、獣医師になれますか?

なれません。ここが最も重要な確認事項です。Bachelor of Zoology、Bachelor of Animal Ecology、Bachelor of Wildlife Conservation はいずれも科学(サイエンス)の学位で、動物を診療・治療する資格ではありません。獣医師になるには獣医学の課程を別途修了し、各国の登録制度を通る必要があります。
「動物に関わりたい」という希望には、診療する(獣医)/研究する(動物学)/守る(保全)/飼育・展示する(動物園)/管理する(野生動物管理)という異なる進路が含まれています。このページで扱っているのは後ろの4つです。
もし目的が「獣医師になること」であれば、必要な課程がまったく違います。まずご相談ください。方向が違うまま出願すると、3年分の学費と時間を失うことになります。

理科が特別得意というわけではありません。ついていけますか?

入学時点の得意・不得意より、「数字とデータを扱う時間に耐えられるか」のほうが重要です。1年次の中心は生物学・化学・細胞と遺伝・生態学・統計で、高校理科の延長として組まれています。ディーキン大学は1年次に生命科学のための物理まで置いていますが、時間をかければ乗り越えられる内容です。
ただし覚悟していただきたいのは、2年次以降、統計とデータ解析の比重がはっきり上がることです。クイーンズランド大学の修士に「保全科学における標本設計と解析」という必修科目があるのは象徴的で、この分野は「調査を設計し、データで示す」ことが核心です。「動物が好き」だけで入ると、スプレッドシートと格闘する時間の長さに驚く方がいます。不安な場合は、渡航前にRや統計の基礎に触れておくと、最初の1年がずいぶん楽になります。

どの大学を選べばいいですか?

「何を目指すか」で決めてください。
費用を抑えて動物生態学に絞るならサンシャインコースト大学(年 AUD 31,500・15%減額が申請不要・1年次から島での野外実習)。専攻を広く選びたいならニューイングランド大学(4専攻・古生物学を含む・年3回入学)。動物園という現場で学ぶならシドニー大学(タロンガ動物園と共同開講・5専攻+Honours)。就職につながる実習を重視するならディーキン大学(80時間の必修実習・ビクトリア州で卒業生就職率1位)。すでに理系の学士があるならクイーンズランド大学の修士(1年・研究ステーション3か所)。
そのうえで、いま出せるIELTSのスコアと、減額後の実質学費で絞り込みます。ランキングだけで選ぶと、この分野は目的とずれます。

奨学金は本当にもらえますか?申請は難しいですか?

大学によって仕組みが違うので、分けてお答えします。
申請が不要なもの:サンシャインコースト大学の International Student Scholarship(15%)は、2026年入学の留学生を対象にオファーへ自動的に含まれます。ディーキン大学の国際奨学金も、多くが別途申請不要で出願時の成績にもとづき自動審査されます(International Scholarship for Excellence は20%)。
条件や記述が必要なもの:ニューイングランド大学の International Bursary(20%)は、出願すれば必ず付与されるわけではなく、2年目以降はGPA 4.5(7点満点)以上の維持が条件です。シドニー大学の Sydney International Student Award(20%)は、出願プロセスの中で申請し、3項目(各200語以内)のパーソナルステートメントを提出します。
アンアルウェンでは、成績証明書を拝見して「どの減額が適用され得るか」を出願前にお伝えします。記述が必要なものは、内容の組み立てからお手伝いします。

いくらかかりますか?

学士3年の授業料は、定価で AUD 94,500〜134,400 です。サンシャインコースト大学 94,500/ニューイングランド大学 107,424/ディーキン大学 134,400(初年度概算×3)。ただし15〜20%の減額が適用されると、AUD 80,325〜107,520 になります。シドニー大学は公式ページに年額の記載がないため、照会したうえでお伝えします。
これに生活費(学生ビザの財政要件は単身12か月で AUD 29,710)、OSHC(年 700〜900)、学生ビザ申請料 AUD 2,500(2026年7月1日に引き上げられた現行額)、そしてフィールドワーク関連費が加わります。
3年間の総額の目安は AUD 175,000〜230,000、1豪ドル100円換算でおよそ1,750万〜2,300万円です。Honours(4年目)まで進む場合は、ここに1年分の授業料と生活費が加算されます。
大学院で入る場合は、クイーンズランド大学の修士が1年で AUD 91,428(2026年・24ユニット分)。生活費を含めても学士3年より大幅に安く済みます。

卒業後、オーストラリアに残って働けますか?永住は目指せますか?

働けます。永住は、制度上は可能ですが確度は高くないとお考えください。
まず卒業生ビザ(485)でおおむね2〜3年、職種の制限なく就労できます(申請時 原則35歳以下)。ここは取得できます。
永住については、Zoologist は MLTSSL と CSOL の両方に掲載されており、189・190・491・482・186 の対象です。ナチュロパシーのようにリストから外れている分野とは違います。
しかし2025年の職業不足リスト(Occupation Shortage List)に Zoologist は掲載されておらず、州指名を期待できる状況ではありません。さらに技能評価機関のVETASSESS(Group A)は、学位に加えて「資格取得後1年以上の関連実務経験」を求めます。卒業直後には評価申請すらできません。
現実的な設計は「485で2〜3年、動物に関わる実務を経験する。永住はその過程で可能性が出れば狙う」です。永住が最優先なら、看護ITを先にご検討ください。

ニューイングランド大学はオンラインでも学べると聞きました。学生ビザで受けられますか?

完全オンラインでは受けられません。ニューイングランド大学は「学生ビザを保持している場合、完全オンラインでの就学はできず、オンキャンパスの学生として在籍する必要があります(一部の科目をオンラインで履修することは可能)」と明記しています。
さらにこの課程にはIntensive School(対面の集中授業)への出席が必須要件として設定されています。アーミデールのキャンパスはトライメスター1と2で開講されており(トライメスター3はオンラインのみ)、キャンパスに通う前提で計画を立てる必要があります。
あわせてQ熱(Q Fever)のワクチン接種が第1トライメスター終了までに必要とされています。日本で接種できるか、時期はどうかを含めて、出願段階から確認しておくべき項目です。

Honours(4年目)は必ず必要ですか?

目指す進路によります。
必要な場合:大学・博物館・州政府の研究職、PhDへの進学。これらはHonours以上を前提とした募集が一般的です。
必ずしも必要でない場合:環境コンサルティング、動物園・野生動物公園、保全NGO、野生動物管理、環境教育、行政の一般職。これらは学士3年でも応募できます。むしろデータ解析スキルや現場の資格、実習経験のほうが効きます。
このページの大学では、シドニー大学に Bachelor of Wildlife Conservation (Taronga) (Honours) があり、ディーキン大学からは Bachelor of Science (Honours) などへの接続が案内されています。進むかどうかは3年次に決められますが、資金計画は入学前に組む必要があります。アンアルウェンでは、3年計画と4年計画の両方をお出ししています。

日本の大学で理系を学んでいます。編入や単位認定はできますか?

できる可能性があります。ただし個別審査です。生物・化学・農学・環境・水産などで履修した科目は、内容が対応していれば単位認定の対象になります。認定されれば1学期〜1年の短縮となり、その分の授業料と生活費が浮きます。
すでに学士を取得済みの方は、編入よりも修士のほうが有利です。クイーンズランド大学の Master of Conservation Biology は、関連分野(植物学・保全・生態学・環境学・進化学・数学統計・海洋科学・動物学)の学士でGPA 5.0/7.0以上あれば直接出願でき、1年で修了します。学士3年をやり直すより、期間も費用も大幅に抑えられます。
判定には成績証明書とシラバス(科目の内容説明)の英訳が必要で、大学からの回答に2〜4週間かかります。アンアルウェンが大学へ照会し、結果をお伝えします。無料です。

在学中にアルバイトはできますか?

できます。学生ビザでは就学中は2週間あたり48時間まで、長期休暇中は制限なく就労できます(「週20時間まで」は古い情報です)。
ただしこの分野特有の注意点があります。野外実習は、数日から1週間の泊まり込みになることがあります。島や遠隔地での実習期間は、シフトに入れません。固定シフトのアルバイトは組みにくいと考えておいてください。
その代わり、大学の研究室でリサーチアシスタントとして働く機会や、動物園・保護施設でのボランティアがあります。報酬は高くない、あるいは無給のこともありますが、実務経験として履歴書に書け、指導教員や現場との関係もできます。この分野では、時給の高いアルバイトより価値が大きい場合があります。

アーミデールやサンシャインコーストは、生活しにくくないですか?

率直に申し上げると、シドニーとはまったく違います。アーミデール(ニューイングランド大学)は内陸の小さな都市で、日本食材店やアジア系の店は限られ、公共交通も本数が少なめです。日本人コミュニティも小規模です。
一方で利点も明確です。家賃が都市部より安く、大学と実習フィールドが近く、留学生が少ないぶん英語漬けになれます。3年間の生活費で見ると、都市部との差は無視できない金額になります。
サンシャインコースト、ジーロング(ディーキン大学)は、その中間にあたります。観光地や中規模都市で、生活の利便性とフィールドへの近さのバランスが取れています。シドニー(シドニー大学)とブリスベン(クイーンズランド大学)は大都市で、アルバイトの選択肢が最も多い代わりに家賃が上がります。「学ぶ環境」と「暮らしやすさ」のどちらを優先するかは、正解のない選択です。ご相談ください。

エージェントを通すと費用は高くなりますか?

いいえ。アンアルウェンのサポートはすべて無料です。学校へ直接申し込む場合と、支払う学費は変わりません。学校選び、出願書類、GS(Genuine Student)ステートメント、学生ビザ申請、住居手配、渡航後のサポートまで、追加費用なしでご利用いただけます。
この分野の場合はこれに加えて、適用され得る授業料減額の洗い出し、シドニー大学の学費の照会、日本での履修科目の単位認定の申請、必修フィールド科目に別途費用があるかの確認、ワクチン接種要件のスケジュール確認まで含めてサポートします。特に単位認定と減額の確認は、知らずに出願すると機会を逃します。
なお、学校が定める出願料は、エージェント経由・直接申込を問わず学校に支払うものです。

動物学・アニマルエコロジーと近い分野、あわせて検討される方が多いページをまとめました。

海洋学・海洋生物学

最も近い分野です。ウミガメ・サメ・クジラなど海の動物を扱うなら、こちらのほうが専門的に学べます。主要大学が20〜25%の減額を自動適用する点も共通しています。

環境エンジニアリング・再生可能エネルギー

生息地の保全は、開発と表裏一体です。職業リストと永住の状況は動物学より有利で、Engineers Australia の認定という明確な資格枠組みもあります。

観光・ツーリズム

エコツーリズム、野生動物観察ツアー、自然体験。「動物に関わって働く」を、研究以外の形で実現するルートです。動物学の知識は、この業界で明確な差別化になります。

IT・データサイエンス

生態データの解析スキルを、より汎用的な形で身につけたい方へ。この分野は職業リスト上の需要が高く、永住との距離も近い領域です。動物学との組み合わせも有効です。

サンシャインコースト大学(詳細ページ)

Bachelor of Animal Ecology を持つ大学。この分野で授業料が最も低く、15%の減額が申請不要です。コース構成、キャンパス、出願条件をまとめています。

ニューイングランド大学(詳細ページ)

NSW州アーミデールの大学。Bachelor of Zoology を4専攻から選べるのが特徴です。コース構成と留学生向けの奨学金制度をまとめています。

ディーキン大学(詳細ページ)

ビクトリア州の大学。80時間の必修実習と、ビクトリア州で卒業生就職率1位という実績。コース構成、キャンパス、奨学金をまとめています。

クイーンズランド大学(詳細ページ)

ブリスベンの研究大学。Master of Conservation Biology を1年で修了できます。研究ステーションを含む学修環境と、出願条件をまとめています。

研究か、実務か。
まず、そこから一緒に決めさせてください。

「動物園で働きたいけれど、どの学位が近い?」「15〜20%の減額は自分の成績で通る?」「日本の大学の理系単位は認定される?」
この分野は、目指す進路と成績の内訳で提案がまったく変わります。無料相談・無理な勧誘は一切ありません。
※サポートは毎月12名様限定です。お早めにご連絡ください。

このページについて
最終更新日:2026年8月3日 / 執筆・監修:アンアルウェン 留学カウンセリングチーム
本ページのコース内容・学費・入学条件・奨学金は、各大学および政府機関の公式情報をもとに、アンアルウェンが2026年8月時点で確認・翻訳・整理したものです。シドニー大学は Bachelor of Wildlife Conservation (Taronga) の年額学費を公式コースページで公開していないため、本ページでは金額を記載していません(オファーレターで確定します)。ディーキン大学の学費は、公式ページに「目安」と注記された初年度フルタイムの概算です。クイーンズランド大学の学費は2026年の金額で、2027年の金額は未公表です。学費・入学要件・奨学金の条件・職種リスト・ビザ関連の金額は年度により変更されます。出願前には必ず最新情報をご確認ください。アンアルウェンでは学校担当者に直接確認のうえ、最新情報を無料でお伝えしています。
※学費の日本円換算は1豪ドル=100円で計算した概算です。実際の負担額は為替により変動します。
※ビザおよび移住に関する最終的な判断・申請代理は、登録移民代理人(MARA)の業務範囲です。本ページの記載は一般的な情報提供であり、個別の移民アドバイスではありません。
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