オーストラリア留学エージェント アンアルウェン

オーストラリアで映像・
映画制作を学ぶ
── 学校比較・学費・卒業後の進路

オーストラリアの映像制作は、いま記録的な規模で動いています。Screen Australia の Drama Report 2024/25 によると、2024/25年度にオーストラリア国内のドラマ制作に投じられた金額は過去最高の27億豪ドル(前年比43%増)。174作品が制作に入り、うち海外資本の長編・配信作品22本に13億豪ドルが投下されています。
その一方で、この分野の学位は「取れば仕事がある」という種類の資格ではありません。国家資格も登録制度もなく、採用の判断材料は作品と現場経験です。だからこそ、どの学校が何を撮らせてくれるかが、そのまま卒業後の差になります。
このページでは、学費の安い順に並べた学校比較、ポートフォリオ選考の有無、卒業生が実際に就く職種、業界が公表している「人が足りない役職」、そして永住の職業リストの実際まで、公式情報をもとに整理します。

年 A$27,960〜学士の授業料(定価・最安はSAE)
2〜4年学士の年数(学校で2倍違います)
27億豪ドル2024/25年度のドラマ制作費(過去最高)
189は不可映像系の職種はMLTSSL未掲載

DATA ── 映像・映画制作留学の要点

学べる学位
Bachelor of Film(2〜3年・SAE)/Bachelor of Film and Television (Screen Production)(3年・フリンダース大学)/Bachelor of Film and Screen Media Production(3年・グリフィス大学)/Bachelor of Creative Arts (Film and Screen)(3年・QUT)/Bachelor of Film and Television (Honours)(4年・スウィンバーン工科大学)/Bachelor of Film and Television(2年・ボンド大学)/Bachelor of Creative Production in Media Arts(3年・UTS)/Bachelor of Creative Arts(Screen Arts専攻)(3年・カーティン大学大学院は Master of Arts Screen: Business(1年・AFTRS)など。AFTRS(国立の映画学校)の学士課程は、留学生に開かれていません後述
期間
2年(ボンド・SAEの短縮)〜 4年(スウィンバーン)年数の違いは「内容の濃さ」ではなく、学期の組み方の違いであることが多いです。SAEは3学期制で、同じ学位を6学期(2年)でも9学期(3年)でも取れます。ただし卒業生ビザ(485)は「2学年相当の就学」が前提のため、短縮の可否と在籍期間は必ず出願前に確認します
学費(定価・年額)
年 AUD 27,960 〜 45,510SAE 27,960(1.0 EFTSL)/フリンダース大学 35,500グリフィス大学 37,500QUT 39,800スウィンバーン工科大学 45,510いずれも定価(奨学金の適用前)です
授業料の総額
AUD 83,880 〜 182,040SAEの学士(3.0 EFTSL相当)で 83,880スウィンバーン工科大学の4年課程で 182,040同じ「映画を学ぶ」で約2.2倍の差があります。1校ずつ計算しています
英語要件
IELTS 6.0〜6.5。医療系や教員系と比べると低い水準ですSAE 6.0(各項目5.5以上)スウィンバーン工科大学 6.0(各項目6.0)フリンダース大学 6.0(Speaking・Writing 6.0)グリフィス大学QUTUTSカーティン大学 6.5ただしAFTRSの大学院だけは 7.0詳しくはこちら
選考
ポートフォリオ・面接を課す学校と、成績だけの学校に分かれますフリンダース大学ポートフォリオ・CV・面接・志望理由書を課しています。一方 グリフィス大学のポートフォリオ入学制度は「留学生は国際出願の手続きで出願してください」として、留学生には開かれていません詳しくはこちら
実習・設備
制作課題そのものが実習ですフリンダース大学ARRI Alexa 35での長編撮影と、最終課題での16mmフィルム撮影を公式に挙げています。スウィンバーン工科大学Work Integrated Learning を全学士で保証し、Major Project: Production / Post-Production and Distribution を卒業制作に置いています
奨学金(日本人)
大学の全学的な減額は存在します。対象コースの確認が必須ですグリフィス大学International Academic Merit Scholarship(授業料20%減・申請不要)を2026年・2027年入学に提供。スウィンバーン工科大学出願すると自動的に最大20%の国際奨学金の審査対象としています。ただし、どちらも除外プログラムが定められています詳しくはこちら
在学中の就労
学生ビザで2週間あたり48時間まで(授業期間中。長期休暇中は制限なし)「週20時間まで」は古い情報です。この分野では、撮影が入る週に生活が丸ごと持っていかれます。固定シフトのアルバイトとは相性がよくありません
永住ルート
映像系の職種は、ひとつもMLTSSLに載っていません=189(技術独立)は使えません内務省の職業リスト検索では、Director(212312)と Film and Video Editor(212314)は STSOL のみDirector of Photography(212313)・Art Director(212311)・Media Producer(212112)は ROL のみ(対象は494だけ)CSOLに載っているのは Video Producer(212318)・Program Director(212315)・Technical Director(212317)・Stage Manager(212316)・Sound Technician(399516)です(詳しくはこちら
向いている人
すでに何か撮っている・作っている方「学位」ではなく「作品と人脈」を取りに行くと決めている方卒業後にフリーランスとして働く前提を受け入れられる方逆に「安定した就職先と資格が欲しい」が第一なら、ITデザインなど、職業リストと求人の構造が違う分野を先に見ておく価値があります。この分野は、入口より出口の設計が難しい分野です

このページの結論 ── 3分でわかる映像・映画制作留学

  1. まず、この分野には国家資格も登録制度もありません。看護や歯科のように「認定課程を出る→登録する→働ける」という道筋が存在しない代わりに、評価されるのは作品(showreel)と現場での実績です。つまり「どの学校の学位か」より「その学校で何を何回撮れるか」が結果を左右します。
  2. いま、オーストラリアの制作規模は過去最高です。Screen Australia の Drama Report 2024/25 では、国内のドラマ制作費が27億豪ドル(前年比43%増)、174作品。うち海外資本の長編・配信作品22本で13億豪ドル、ポストプロダクション・VFX(PDV)だけで7億6,200万豪ドル(前年比33%増)です。これは30%の Location Offset と PDV Offset という税制優遇が支えている構造です。
  3. 【最重要】学費は約2.2倍の差があります。SAEの学士が年 AUD 27,960(学位全体で約83,880)、スウィンバーン工科大学の4年課程が年 AUD 45,510(4年で182,040)。大学だけで見ても、フリンダース大学の35,500からスウィンバーン工科大学の45,510まで開いています。後半で1校ずつ計算します。
  4. 国立の映画学校 AFTRS の学士課程は、留学生に開かれていません。AFTRS(Australian Film Television and Radio School)は公式サイトで「現在、留学生に開いているのは Master of Arts Screen: Business です」と案内しています。「オーストラリアの映画学校といえばAFTRS」と考えて準備を進めると、出願段階で行き止まりになります。
  5. グリフィス大学のポートフォリオ入学も、留学生には使えません。Griffith Film School はポートフォリオによる入学制度を持っていますが、公式ページに「留学生は国際出願の手続きで出願する必要があります」と明記されています。成績が足りない分を作品で補う、という発想がそのままでは通らないということです。
  6. 逆に、作品で勝負できる大学もあります。フリンダース大学は入学要件としてポートフォリオ・CV・面接・志望理由書を課しています。すでに撮っているものがある方にとっては、ここが有利に働く数少ない入口です。
  7. 卒業生の進路は「1本の道」ではありません。グリフィス大学のキャリアページは、進路としてプロデューサー、編集、監督、制作担当、ラインプロデューサー、モーショングラフィックス、VFXアーティスト、録音・サウンドデザイン、ライブイベント制作などを挙げています。「映画監督になる/ならない」の二択ではありません。後半でくわしく整理します。
  8. 業界が「足りない」と公表している役職は、意外な顔ぶれです。Screen Australia の PICA(2026年4月8日公表)は、実写制作でラインプロデューサー、ロケーションマネージャー、制作会計、プロダクションコーディネーター、プロダクションマネージャー、PDV・アニメーションでVFXスーパーバイザー、テクニカルディレクター、編集、アートディレクター、VFXエディターを、人材の逼迫が大きい役職として挙げています。いずれも「監督」ではありません。
  9. 永住は、189(技術独立ビザ)が開いていません。内務省の職業リストで、映像系の職種はひとつもMLTSSLに掲載されていません。Video Producer・Technical Director・Sound Technician などはCSOLに載っているため482(Skills in Demand)・186 のルートはありますが、雇用主のスポンサーか州の指名が前提です。後半で整理します。
  10. 数字で見た現実も、先にお伝えします。QILT の Graduate Outcomes Survey – Longitudinal(2024年)によると、クリエイティブアーツ分野の卒業生のフルタイム就業率は、卒業直後(2021年)で49.6%。ただし同じ人たちを3年後(2024年)に追うと81.3%まで上がります。この分野は「卒業直後が谷で、数年かけて上がっていく」形をしています。この意味を後半で説明します。

なぜオーストラリアで映像を学ぶのか

映像制作を学べる国は、ほかにもあります。アメリカにもイギリスにもカナダにもあります。そのなかでオーストラリアを選ぶ理由があるとすれば、それは「制作が実際に動いている国だから」です。

Screen Australia が公表した Drama Report 2024/25 によると、2024/25年度にオーストラリア国内のドラマ制作に投じられた金額は過去最高の27億豪ドル、前年比43%増。制作に入った作品は174本で、そのうち海外資本の長編・SVOD(配信)作品22本に13億豪ドルが使われています。ポストプロダクション・デジタル・VFX(PDV)だけでも7億6,200万豪ドル(前年比33%増)です。

この規模を支えているのは、連邦政府の税制優遇です。海外の大型作品がオーストラリアで撮影すると、オーストラリア国内での適格支出に対してLocation Offset が30%還付されます(オーストラリア国内支出1,500万豪ドル超が条件)。撮影地を問わず、ポスプロ・VFXをオーストラリアで行った場合に適用される PDV Offset も30%で、州の制度と合わせると最大15%が上乗せされます。「オーストラリアで撮る/オーストラリアで仕上げる」ことに、制度的な金銭インセンティブがあるということです。

ここが、この分野の留学の本質です。
・学位そのものに資格価値はありません。採用の判断材料は作品と現場経験です。
・だからこそ「制作が動いている場所にいること」の価値が、他分野より大きくなります。撮影があるところに、現場の求人があります。
・そして在学中から現場に近づける学校かどうかが、卒業後の差になります。設備、制作課題の本数、業界との接点 ── 見るべきはそこです。

都市によって、動いている中身が違います

オーストラリアの制作は、全国に均等に散らばっているわけではありません。大型のスタジオ撮影が集まる都市と、ポスプロ・VFXが集まる都市と、ドキュメンタリーや広告が中心の都市があります。学校選びを都市から始める場合は、この違いを先に押さえておくと判断が早くなります。

ただし、「この都市に行けばこの仕事が取れる」と断定できるほど、公開されている地域別の求人統計は細かくありません。ここで確実に言えるのは、Screen Australia の PICA(2026年4月)が、サウンドステージ(撮影スタジオ)の整備と産業用地の確保を全国的な課題として挙げていることまでです。設備の集中は都市によって差がある、という前提で学校を見てください。

先にお伝えしたい ── 6つの事実

この分野は、期待と実際のずれが大きい分野です。学校を選ぶ前に知っておいていただきたいことを、6つに絞ってお伝えします。

01

国立の映画学校は、留学生の学士を受け入れていません

AFTRS(Australian Film Television and Radio School)は、公式サイトで「現在、留学生に開いているのは Master of Arts Screen: Business です」と案内しています。Bachelor of Arts Screen: Production は対象外です。

02

ポートフォリオ入学が使えない学校があります

グリフィス大学の Griffith Film School はポートフォリオ入学制度を持っていますが、公式ページに「留学生は国際出願の手続きで出願する必要があります」と明記されています。作品で成績を補う発想は、この学校ではそのまま通りません。

03

永住の「189」は、この分野では開いていません

内務省の職業リストで、映像系の職種はひとつもMLTSSLに掲載されていません。189(技術独立ビザ)はMLTSSL掲載が前提のため、この分野では使えません。使えるのは482・186・190・491・494など、雇用主か州が関与するものです。

04

卒業直後の就業率は、決して高くありません

QILT の追跡調査(2024年)では、クリエイティブアーツ分野のフルタイム就業率は卒業直後で49.6%。ただし同じ人たちを3年後に見ると81.3%に上がります。この分野は、時間をかけて上がる形をしています。

05

ほとんどの仕事が、作品単位のフリーランスです

撮影期間だけ契約し、終われば次の現場を探す。これがこの業界の標準的な働き方です。Screen Australia の PICA も「キャリアの進み方が不明瞭で、シニア層との断絶がある」ことを4つの課題のひとつとして挙げています。

06

英語のハードルは低い。しかし現場の英語は別物です

入学要件は IELTS 6.0〜6.5で、医療系(7.0)より低い水準です。ただし現場では、専門用語・早口・スラング・無線でのやりとりが同時に来ます。入学できることと、現場で使われることは別の話です。

それでも、この分野を選ぶ理由はあります。
・オーストラリアはいま実際に制作が動いている国で、その規模は過去最高です。
資格ではなく作品で評価されるということは、裏を返せば年齢や学歴の縛りが弱いということでもあります。
・そして在学中に撮った作品は、日本に帰っても資産として残ります。この分野の学びは、渡航先の国だけで完結しません。

コースの種類 ── 学士・ディプロマ・大学院

オーストラリアで映像制作を学ぶルートは、大きく3つに分かれます。どれを選ぶかで、期間も費用も、卒業後に使えるビザも変わります。

1. 学士(Bachelor)── 主流のルート

2〜4年。大学と、SAE・JMC Academy のような私立の高等教育機関の両方が開講しています。この分野の学士は、講義より制作課題の比重が高いのが特徴です。1年目に基礎(カメラ、照明、録音、編集、脚本)を横断的に触り、2年目以降に専門を絞り、最終学年で卒業制作を作る ── という構成が多く見られます。

大学と私立校の違いは、学費と、学位の使い方に出ます。SAEの学士は年 AUD 27,960 で、大学(35,500〜45,510)より明確に安価です。一方で大学の学位は、のちに大学院に進む場合や、日本の企業に提出する場合に説明がしやすいという面があります。どちらが正しいというより、卒業後にどこで何をするかで選び分けるものです。

2. ディプロマ(Diploma of Screen and Media)── 短期・実務寄り

VET(職業教育)の課程です。Diploma of Screen and Media(CUA51020)という全国共通の資格があり、TAFEや私立校が開講しています。スウィンバーン工科大学はTAFE部門で Diploma of Screen and Media(Film and Television) を開講しています。

ただし、留学生の受け入れ可否は開講校ごとに違います。同じ資格名でも「留学生に売っている校」と「国内学生専用の校」が混在するのが、オーストラリアのVETの実情です。資格名だけで探すと空振りします。ここは私たちが開講状況を確認します。

3. 大学院(Master)── 別分野からの転向・すでに経験がある方

1〜2年。すでに学士を持っている方、または実務経験がある方が対象です。AFTRS の Master of Arts Screen: Business(1年・留学生の総額 AUD 64,944・IELTS 7.0)は、制作技術ではなく「スクリーンビジネス」を学ぶ課程で、入学要件は「関連する学士以上、または同等の実務経験・訓練」です。グリフィス大学にも Master of Screen Production があります。

選び方の目安
  • 高校卒業後、これから始める方 ── 学士。3年かけて基礎から作品まで積むのが標準的です。
  • 日本で映像の仕事をしている方 ── 大学院か、学士への編入。実務経験が入学要件として評価される課程があります。
  • まず短く試したい方 ── ディプロマ。ただし卒業生ビザ(485)は「2学年相当の就学」が前提のため、1年の課程だけでは要件を満たしません。

学校別の比較表

学費の安い順に並べています。すべて留学生向けの定価(奨学金の適用前)です。

学校課程年数都市年額(定価)IELTS
SAE 最安 Bachelor of Film 2〜3年 シドニー/メルボルン/ブリスベン/アデレード/パース AUD 27,960 6.0(各5.5)
フリンダース大学 Bachelor of Film and Television (Screen Production) 3年 アデレード AUD 35,500 6.0(S・W 6.0)
グリフィス大学 Bachelor of Film and Screen Media Production 3年 ブリスベン(South Bank) AUD 37,500 6.5
QUT Bachelor of Creative Arts (Film and Screen) 3年 ブリスベン(Kelvin Grove) AUD 39,800 6.5(各6.0)
スウィンバーン工科大学 Bachelor of Film and Television (Honours) 4年 メルボルン(Hawthorn) AUD 45,510 6.0(各6.0)
シドニー工科大学(UTS) Bachelor of Creative Production in Media Arts 3年 シドニー(City) 未掲載 6.5(W 6.0)
カーティン大学 Bachelor of Creative Arts(Screen Arts専攻) 3年 パース 未掲載 6.5(各6.0)
ボンド大学 Bachelor of Film and Television 2年(留学生専用の3年版あり) ゴールドコースト 科目単位 要確認
AFTRS Master of Arts Screen: Business
※学士は留学生対象外
1年 シドニー AUD 64,944(総額) 7.0
※「未掲載」は、公式のコースページに留学生の年額学費の掲載を確認できなかったものです。推測での記載はしていません。ボンド大学は科目単位で課金する方式のため、履修科目数によって金額が変わります。いずれも私たちが学校担当者に直接確認してお伝えできます。
※IELTSはいずれもAcademicモジュールです。「要確認」は公式ページで数値を確認できなかったものです。
※SAEは1.0 EFTSL(フルタイム1年相当)あたりの金額です。学期の組み方によって「1年あたりの支払額」は変わりますが、学位全体の総額は変わりません。

主な学校の詳細

グリフィス大学Griffith Film School ── ブリスベン South Bank

Bachelor of Film and Screen Media Production(3年・CRICOS 058710B)。キャンパスはブリスベンのSouth Bank ── クイーンズランド州立美術館やQPAC(舞台芸術センター)が並ぶ文化地区にあります。2026年入学の留学生向け年額は AUD 37,500、英語要件は IELTS 6.5です。

大学の公式キャリアページは、この学位の進路として映画・テレビのプロデューサー、映像編集、監督、プロダクションマネージャー、ラインプロデューサー、モーショングラフィックスデザイナー、ポストプロダクション専門職、VFXアーティスト、録音・サウンドデザイン、ライブイベントプロデューサー、脚本監修などを挙げています。

注意点がひとつあります。Griffith Film School はポートフォリオ入学の制度を持っていますが、公式ページに「留学生は国際出願の手続きで出願する必要があります」と明記されており、留学生はこの制度を使えません。成績要件で判断されることになります。

AUD 37,500年額(2026年・定価)
3年South Bank キャンパス
IELTS 6.5英語要件
20%減額申請不要の学業奨学金あり(対象確認要)
フリンダース大学Bachelor of Film and Television (Screen Production) ── アデレード

3年・CRICOS 119234E。Bedford Park キャンパスでの対面授業です。年額 AUD 35,500、英語要件は IELTS 総合6.0(Speaking・Writing 各6.0)と、大学のなかでは低めの設定です。

この大学の特徴は、入学選考と機材の2点に出ています。入学要件としてポートフォリオ・CV・面接・志望理由書を課しており、すでに作品がある方にとっては有利に働く入口です。機材面では、公式にARRI Alexa 35での長編撮影と、最終課題での16mmフィルム撮影を挙げています。デジタルだけでなくフィルムを実際に回す課程は、多くありません。

産業連携としては、ARRI CFS、Adelaide Film Festival、CDW Studios などとの提携が公式に挙げられています。

AUD 35,500年額(2026年・定価)
ポートフォリオ+面接入学要件に明記
ARRI Alexa 35長編撮影に使用
16mm最終課題でフィルム撮影
QUTBachelor of Creative Arts (Film and Screen) ── ブリスベン Kelvin Grove

3年・CRICOS 116102H。Kelvin Grove キャンパス。2026年の留学生向け年額は AUD 39,800(フルタイム96単位)、英語要件は IELTS 総合6.5(各項目6.0以上)です。

この課程の公式ページは、卒業生の実績を具体的に挙げています。「卒業生が制作に関わった作品は、アカデミー賞・エミー賞・BAFTA・AACTA・IFアワードを受賞している」としたうえで、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『レヴェナント: 蘇えりし者』『ハクソー・リッジ』『ドクター・ストレンジ』、テレビシリーズでは『TRUE DETECTIVE』『ウエストワールド』『ナイト・マネジャー』などを挙げています。

ここは冷静に読んでください。これは「卒業生の誰かがその作品のスタッフとして参加した」という意味であり、入学すれば同じ機会が得られるという意味ではありません。ただし「その業界と実際につながっている学校である」ことの根拠にはなります。

AUD 39,800年額(2026年・定価)
3年Kelvin Grove キャンパス
IELTS 6.5各項目6.0以上
選考ランク 70.00公式の目安
スウィンバーン工科大学Bachelor of Film and Television (Honours) ── メルボルン Hawthorn

4年・CRICOS 092513B。Hawthorn キャンパス。2026年の留学生向け年額は AUD 45,510、英語要件は IELTS 総合6.0(各項目6.0以上)です。

4年制のHonours(優等学位)である点が、他校との最大の違いです。3年の学士に1年を足した形ではなく、最初から4年課程として設計されています。大学はWork Integrated Learning(産業連携型の学習)を全学士で保証しており、最終学年には Major Project: ProductionMajor Project: Post-Production and Distribution という2つの卒業制作科目が置かれています。制作だけでなく「仕上げて配給まで持っていく」ところまでを科目にしている点が特徴です。

学費は本ページの比較のなかで最も高く、4年で AUD 182,040になります。ただしスウィンバーンは出願すると自動的に最大20%の国際奨学金の審査対象になる(別途申請不要)としています。この課程が対象かどうかは、出願前に確認が必要です。

AUD 45,510年額(2026年・定価)
4年Honours(優等学位)
IELTS 6.0各項目6.0以上
WIL保証産業連携型の学習
SAEBachelor of Film ── 全国5都市

2〜3年。SAE はシドニー・メルボルン・ブリスベン・アデレード・パースの5都市にキャンパスを持つ高等教育機関です。年額 AUD 27,960(1.0 EFTSL)で、本ページの比較のなかで最も安価です。英語要件は IELTS 総合6.0(各項目5.5以上・2年以内に受験したもの)

学期の組み方が柔軟です。6学期(約2年・ファストトラック/CRICOS 080193A)、8学期(約2.5年/062747K)、9学期(3年/102341H)から選べます。ただし短縮すると1年あたりの学費負担は上がり、学位全体の総額は変わりません。また卒業生ビザ(485)の「2学年相当」の要件との関係があるため、短縮は慎重に判断すべきところです。

公式が挙げる進路は映像編集、プロデューサー、撮影監督、カラリスト、監督、脚本、プロダクションデザイナー、カメラアシスタントです。入学要件は18歳以上と、オーストラリアの高校12年生相当の英語の修了とされています。

AUD 27,960年額(1.0 EFTSL・定価)
5都市キャンパスを選べる
IELTS 6.0各項目5.5以上
6/8/9学期ペースを選べる
ボンド大学Bachelor of Film and Television ── ゴールドコースト

ゴールドコーストの私立大学。Bond は年3学期制のため、Bachelor of Film and Television(HS-20021・CRICOS 063066E)を6学期=2年で修了できます。これとは別に留学生専用の3年版(HS-20037・CRICOS 077410A)があり、こちらは公式ページに「留学生のみ対象」と記載されています。

カリキュラムは24科目で構成され、プロデュース、脚本、監督、撮影、編集、サウンドデザインを横断します。大学は「卒業時に厚いポートフォリオを持って出ること」を課程の目的として挙げており、学生作品を国際映画祭に出品してきた実績にも触れています。

学費は科目単位の課金方式で、履修する科目によって学期ごとの金額が変わります。公式ページ上の計算ツールで確認する必要があり、本ページでは推測での金額記載はしていません。ゴールドコーストは大型の撮影スタジオが立地する地域でもあります。

2年6学期で修了可(年3学期制)
3年版留学生のみ対象の課程
24科目カリキュラム構成
科目単位学費の課金方式
AFTRSMaster of Arts Screen: Business ── シドニー

AFTRS はオーストラリアの国立映画学校です。そして留学生に開かれているのは、この修士課程だけです(CRICOS Provider Code 03662D)。Bachelor of Arts Screen: Production は留学生の対象外である旨が公式に案内されています。

1年(フルタイム)。留学生の総額は AUD 64,944。英語要件はIELTS Academic 総合7.0と、この分野では突出して高い水準です。入学要件は「関連分野の学士以上、または同等の実務経験・訓練」。オンラインと対面の両方の履修形態があり、1学期あたり1〜4科目を選べる設計です。

内容は制作技術ではなく「スクリーンビジネス」です。公式は修了生の進路として Jungle Entertainment、Screen Australia、SBS On Demand、Madman Entertainment などを挙げています。カメラを回す仕事ではなく、企画・資金調達・配給・権利といった側から業界に入りたい方の課程だと理解してください。

AUD 64,944総額(1年・留学生)
IELTS 7.0この分野では最高水準
学士は不可留学生は修士のみ
1年フルタイム

学費(定価)── 学校別の総額

授業料だけを、学位全体で計算します。すべて定価(奨学金の適用前)です。

学校年額 × 年数授業料の総額
SAE27,960 × 3.0 EFTSLAUD 83,880
フリンダース大学35,500 × 3年AUD 106,500
グリフィス大学37,500 × 3年AUD 112,500
QUT39,800 × 3年AUD 119,400
スウィンバーン工科大学45,510 × 4年AUD 182,040
AFTRS(修士)1年AUD 64,944

最も安いSAE(83,880)と、最も高いスウィンバーン(182,040)の差は AUD 98,160 ── およそ2.2倍です。1豪ドル100円換算で、SAEが約839万円、スウィンバーンが約1,820万円にあたります。

大学だけで比べると、差はもう少し小さくなります。フリンダース大学の106,500からQUTの119,400までは AUD 12,900 の差 ── 年あたり約4,300豪ドルです。この程度の差なら、学費より「その学校で何が撮れるか」で選んだほうが、結果としての費用対効果は高くなります。

この分野には、授業料以外にかかる費用があります。ここを見落とすと計画がずれます。
自分の機材 ── 学校の機材を借りられる課程がほとんどですが、編集用のPC、外付けストレージ、ヘッドホン、編集ソフトの年間ライセンスは自前になることが多い項目です。
制作費 ── 課題として撮る作品のロケ費、小道具、キャストへの謝礼、食事代。グループ制作なら分担しますが、ゼロにはなりません。
ポートフォリオ関連 ── 映画祭の出品料、ウェブサイト、名刺。就職活動が「作品を見せること」である以上、ここは必要経費です。
・金額は課題の内容と本人の作り方で大きく変わるため、本ページでは目安額を出していません。在校生の実際の負担感については、学校担当者に確認してお伝えできます。
※生活費、OSHC(海外学生健康保険)、学生ビザ申請料は別途かかります。学生ビザの申請料および財政要件の金額は改定が続いているため、本ページには記載していません。出願時点で内務省の最新情報をご確認ください。
※日本円換算は1豪ドル=100円で計算した概算です。実際の負担額は為替により変動します。

奨学金 ── 20%減額の実際

この分野に特化した奨学金は多くありません。現実的に効くのは、大学が全学的に出している「留学生向けの授業料減額」です。

グリフィス大学 ── International Academic Merit Scholarship(20%・申請不要)

グリフィス大学は、2026年・2027年に開始する留学生に対して授業料20%の減額を提供しています。別途の申請は不要で、学業成績が基準を満たす出願者が自動的に審査されます。対象は学部および大学院コースワークです。

仮に適用されれば、Bachelor of Film and Screen Media Production は年 37,500 → 30,000、3年で 112,500 → 90,000になります。AUD 22,500 の差です。

ただし、除外プログラムが定められています。グリフィス大学のこの奨学金は、研究学位や他機関との共同開講プログラムを対象外としているほか、個別に除外されるコースが指定されています。他分野では実際に、看板の奨学金から特定の学部が除外されている例があります。
したがって「Bachelor of Film and Screen Media Production が対象かどうか」は、出願前に確認すべき項目です。本ページで「対象です」と断定することはしません。ここは私たちが学校担当者に直接確認します。

スウィンバーン工科大学 ── 出願で自動的に審査(最大20%)

スウィンバーン工科大学は、コースに出願すると自動的に最大20%の国際奨学金の審査対象になり、別途の申請は不要としています。4年で AUD 182,040 という金額を考えると、20%は約36,000豪ドルにあたります。この分野で最も効く1項目です。

ここでも、Bachelor of Film and Television (Honours) が対象コースかどうかは確認が必要です。Honours課程や特定学部が対象外になっている大学は珍しくありません。

奨学金について、いちばん大切なこと。
適用が確定するのは、Letter of Offer(入学許可書)の「Total program fees」欄です。大学のウェブサイトに書いてある条件を満たしているように見えても、実際にオファーが出るまで金額は確定しません。
そして「対象コースかどうか」を知らずに出願すると、年あたり数千豪ドル単位の差が出ます。ここは出願前に確認する価値のある、数少ない「確実に効く手続き」です。

英語要件

この分野の英語要件は、医療系や教員系と比べると低い水準です。AHPRA登録が絡む看護・歯科(IELTS 7.0)、教員登録が絡む教育(Speaking・Listening 8.0)のような二重の壁がありません。

学校IELTS(Academic)備考
SAE総合 6.0(各項目5.5以上)2年以内に受験したもの
スウィンバーン工科大学総合 6.0(各項目6.0以上)各項目に下限があります
フリンダース大学総合 6.0(Speaking・Writing 6.0)ポートフォリオ・面接あり
グリフィス大学総合 6.5
QUT総合 6.5(各項目6.0以上)
シドニー工科大学(UTS)総合 6.5(Writing 6.0)
カーティン大学総合 6.5(各項目6.0以上)
AFTRS(修士)総合 7.0この分野で最も高い水準

入学できることと、現場で使われることは別です

ここは率直にお伝えします。IELTS 6.0で入学できたとしても、撮影現場の英語はまったく別の負荷がかかります。

理由は3つあります。ひとつ、専門用語が大量に飛び交います(gaffer、grip、best boy、C-stand、apple box、martini shot ── 辞書に載っていない、あるいは載っていても意味が違う語が並びます)。ふたつ、速度が速い。撮影は時間との勝負なので、丁寧に言い直してくれる場面は多くありません。みっつ、無線とざわめきのなかで聞き取ることになります。

対策として現実的なのは、入学前に「観る量」を増やしておくことです。字幕なしで英語の映画・ドラマ・メイキング映像を大量に浴びておくと、入学後の立ち上がりが変わります。加えて、YouTubeにある英語の撮影解説チャンネルは、専門用語を耳から入れるのに向いています。

選考 ── ポートフォリオと面接

この分野の選考は、学校によってまったく違います。「作品を見せられる学校」と「成績だけで判断される学校」に分かれます。

ポートフォリオ・面接を課す ── フリンダース大学

フリンダース大学は Bachelor of Film and Television (Screen Production) の入学要件として、ポートフォリオ・CV・面接・志望理由書を挙げています。すでに撮っているものがある方には有利な入口です。

制度はあるが留学生は使えない ── グリフィス大学

Griffith Film School のポートフォリオ入学はアニメーション・映画・ゲームの3課程が対象ですが、公式ページに「留学生は国際出願の手続きで出願する必要があります」と明記されています。留学生は成績要件で判断されます。

成績・選考ランクで判断 ── QUT

QUTの Bachelor of Creative Arts (Film and Screen) は選考ランク70.00が公式の目安です。ポートフォリオの提出は必須要件として記載されていません。

実務経験が評価される ── AFTRS(修士)

AFTRS の Master of Arts Screen: Business は、入学要件を「関連分野の学士以上、または同等の実務経験・訓練」としています。学位がなくても、実務で入れる可能性がある設計です。

ポートフォリオを作るときに、最低限おさえること

参考として、グリフィス大学が国内学生向けに公表しているポートフォリオの要件を挙げます。同校は「分析」と「制作」の2つを求めており、分析は「映画・テレビ番組・オンラインコンテンツを300語以内で論評する(または2分の音声・映像で提出する)」、制作は「独創性と技術力を示す既存または新規の作品」としています。

この構成は、他校のポートフォリオを準備するうえでも参考になります。つまり求められているのは、「作れること」だけでなく「なぜそう作るかを説明できること」です。作品を並べるだけでは足りません。

日本から出願する方への実務的な注意
  • 作品はオンラインで見られる形にしておく ── Vimeo または YouTube の限定公開が一般的です。ファイル送付は避けられます。
  • 役割を明記する ── 「この作品で自分は何をしたか」を1行で書きます。全部やった、は逆に評価されません。
  • 長さより本数より、1本の完成度 ── 未完成の企画を並べるより、短くても最後まで作りきったものが強いです。
  • 英語の説明文をつける ── 作品の概要、上映時間、制作年、自分の担当。これだけでも印象が変わります。

設備と制作課題 ── 何で撮るか

この分野の学校選びで、資料請求だけでは分かりにくいのが設備です。そして設備は、卒業制作の質にそのまま出ます。

公式に機材を明示している例として、フリンダース大学があります。同大学はARRI Alexa 35(現在のデジタルシネマカメラの標準機のひとつ)での長編撮影と、最終課題での16mmフィルム撮影を公式ページに挙げています。フィルムを実際に回させる課程は、いま多くありません。

スウィンバーン工科大学は機材名ではなく科目構成で示しています。最終学年に Major Project: ProductionMajor Project: Post-Production and Distribution を置き、「撮る」だけでなく「仕上げて出す」までを単位にしているのが特徴です。

学校見学・オンライン説明会で聞くべき質問は、この5つです。
1. 在学中に、監督またはキーポジションとして何本撮れますか?(「触れる」ではなく「回せる」本数)
2. 撮影機材は、何台を何人で共有していますか?(台数と学生数の比率)
3. 編集室・カラーグレーディング室・録音ブースは、予約制ですか?時間の上限はありますか?
4. 卒業制作の予算は、学校が出しますか?自己負担ですか?いくらまでですか?
5. 業界のプロが講師として関わる科目は、何科目ありますか?
この5つに具体的な数字で答えられる学校は、信頼できます。抽象的な答えしか返ってこない場合は、そこを掘る価値があります。私たちが学校担当者に確認することもできます。

将来のキャリア ── 卒業生の進路

ここが、この分野でいちばん誤解されやすい部分です。「映画を学ぶ=映画監督になる」と考えて進路を組むと、ほぼ確実に行き詰まります。実際の進路は、もっと広く、もっと分業的です。

1. 大学が公式に挙げている進路

グリフィス大学のキャリアサービスが、この学位の進路として公式に挙げている職種は次のとおりです。

分類公式に挙げられている職種
制作・演出 映画・テレビプロデューサー/映画監督/プロダクションマネージャー/プロダクションスーパーバイザー・ラインプロデューサー/脚本監修(story consultant / script supervisor)
撮影・技術 録音・サウンドデザイン(sound recordist / designer)
ポストプロダクション 映像編集(film and video editor)/ポストプロダクション専門職/モーショングラフィックスデザイナー/モーショングラフィックスアーティスト/VFXアーティスト
制作以外 フリーランスのコンテンツプロデューサー/コンテンツクリエイター/ライブイベントプロデューサー/映画パブリシスト/メディア・コミュニケーション研修担当

働く場としては、映像制作、VFX制作、クリエイティブメディア制作、マーケティング・広告、映画祭・芸術祭、デジタルコンテンツ制作、ライブイベント制作、ウェブ・インタラクティブメディアが挙げられています。

SAEが公式に挙げている進路も並べておきます。映像編集、プロデューサー、撮影監督(cinematographer)、カラリスト、監督、脚本、プロダクションデザイナー、カメラアシスタント。スウィンバーン工科大学脚本家、監督、撮影監督、編集、プロデューサー、ポストプロダクションマネージャーUTS監督、プロデューサー、脚本家、撮影監督、編集、ポストプロダクション専門職を挙げています。

2. 卒業直後に実際につく役職

上のリストは「最終的にたどり着く職種」であって、卒業直後の職種ではありません。この業界には明確な下積みの構造があり、ほとんどの人が最下層のポジションから入ります。

部門入口(卒業直後)数年後その先
撮影部 Camera Trainee / 2nd AC(クラッパー・機材管理) 1st AC(フォーカスプラー)/Camera Operator Director of Photography(撮影監督)
制作部 Runner / Production Assistant Production Coordinator/Production Secretary Production Manager/Line Producer/Producer
編集・ポスプロ Assistant Editor(素材整理・同期・書き出し) Editor(短編・CM・配信番組) Editor(長編)/Colourist/VFX Editor
録音部 Sound Assistant / Boom Operator Sound Recordist Sound Designer/Re-recording Mixer
照明・グリップ Lighting Assistant / Grip Assistant Best Boy/Gaffer(照明技師) Chief Lighting Technician
美術部 Art Department Assistant Set Dresser/Props Master Art Director/Production Designer
演出部 3rd AD(サードアシスタントディレクター) 2nd AD/1st AD Director(監督)
この表の読み方について、正確にお伝えします。
この進み方は映像業界で一般的に用いられている職名の階層を整理したもので、公的機関が定めた資格制度や、年数が保証された昇進制度ではありません。実際に何年で上がるかは、参加した作品、その現場での評価、人脈、そして運によって大きく変わります。「3年で1st ACになれます」というような断定は、この業界では誰にもできません。
なお Screen Australia の PICA(2026年4月)は、「実写制作の職種について、全国的な等級制度を整備すること」を提言しています。裏を返せば、現時点では全国共通の等級制度が存在しないということです。

3. 業界が「足りない」と公表している職種

ここは、この分野で最も実用的な情報です。Screen Australia が2026年4月8日に公表した PICA(Production Infrastructure and Capacity Analysis)は、業界の人材の逼迫が大きい役職を分野別に特定しています。

分野人材の逼迫が大きいとされた役職(上位5つ)
実写制作 ラインプロデューサー/ロケーションマネージャー/制作会計(Production Accountant)/プロダクションコーディネーター/プロダクションマネージャー
PDV・アニメーション VFXスーパーバイザー/テクニカルディレクター/編集(Editor)/アートディレクター/VFXエディター

この一覧を見て、気づいていただきたいことがあります。

ひとつ。「監督」も「撮影監督」も入っていません。不足しているのは制作を回す役職と、仕上げの技術職です。「映画を作る仕事」としてイメージされやすい役職ほど、実は人が余っています。

ふたつ。制作部の役職(ラインプロデューサー、ロケーションマネージャー、制作会計、コーディネーター、マネージャー)が上位を占めています。これらは撮影技術ではなく、予算・スケジュール・交渉・書類の仕事です。映像の学位を持ちながら、数字と段取りが得意な人は、この業界では希少な存在になります。

みっつ。PDV側では「編集」と「テクニカルディレクター」が挙がっています。オーストラリアのPDV支出は前年比33%増(7億6,200万豪ドル)で伸びており、ポストプロダクションは制作の波に比べて需要が安定しやすい領域です。

4. 数字で見る、卒業後の現実

ここは率直に書きます。QILT(豪州政府の高等教育調査)の Graduate Outcomes Survey – Longitudinal(2024年)によると、クリエイティブアーツ分野の卒業生のフルタイム就業率は、卒業直後(2021年)で49.6%でした。約半数です。

ただし、同じ調査は続きも示しています。同じ人たちを3年後(2024年)に追跡すると、フルタイム就業率は81.3%まで上がっています。31.7ポイントの上昇です。

この2つの数字は、この分野の性質をよく表しています。
卒業直後が谷になります。作品単位の仕事から始まるため、最初の1〜2年は不安定です。
そして、そこから上がります。現場での実績と人脈が積み上がるにつれて、仕事が仕事を呼ぶ構造に入ります。
・つまり「卒業後1年でどうなっているか」で判断すべき分野ではありません。3年、5年のスパンで設計する必要があります。
※この数値は「クリエイティブアーツ」という広い分野の全卒業生(国内学生を含む)を対象としたもので、映像制作課程だけの数字ではありません。また留学生に限定した数値でもありません。この分野の傾向を示すものとしてお読みください。

5. 「映像業界以外」も、進路として現実的です

この点は、意外と語られません。映像制作の学位で身につくのは「映像で何かを伝える技術」であって、その使い道は映画とテレビだけではありません。

グリフィス大学が挙げている進路にも、マーケティング・広告、デジタルコンテンツ制作、ライブイベント制作、ウェブ・インタラクティブメディア、企業研修が含まれています。いま最も本数が多く、最も安定して発注があるのは、実は企業のコンテンツ制作とSNS向けの映像です。

これは「妥協」ではありません。企業案件で生活を支えながら自分の作品を作る、というのはこの業界では非常に一般的な働き方です。むしろ「映画一本で食べる」ことを最初から前提にするほうが、この業界では例外的な選択です。

6. 実際に、どこから仕事を取るのか

この分野の求人は、公開されないものが多いのが実情です。グリフィス大学のキャリアページも「多くの仕事の機会は公募されないため、こちらから雇用主にアプローチし、相手のニーズと自分のスキル・経験・関心・資格がどう合うかを調べることをお勧めします」と書いています。大学自身が「公募を待つな」と言っているわけです。

実務的には、次の経路が中心になります。

在学中の現場アルバイト

これが最も強い経路です。学生のうちにランナーやPAとして現場に入り、そこで顔を覚えられる。次の作品に呼ばれる。この分野の就職活動は、卒業後ではなく在学中に始まっています。

クルー登録サイト・業界団体

州ごとの screen agency(Screen Queensland、Screen NSW など)がクルーのデータベースや求人情報を持っています。学生のうちから登録できるものもあります。

学校経由の紹介

産業連携(WIL)を持つ課程では、学校が現場を紹介する仕組みがあります。スウィンバーン工科大学は全学士でWILを保証しています。

自分の作品からの直接受注

作った短編が映画祭で流れる、SNSで見られる。そこから声がかかる。時間はかかりますが、この経路で入る人も確実にいます。

相談
カウンセラーから ── この分野を検討されている方へ
アンアルウェン 留学カウンセリングチーム

この分野のご相談で、私たちが最初にお聞きするのは「卒業後、どこで働くつもりですか」です。オーストラリアに残りたいのか、日本に帰るのか。それによって選ぶべき学校も、在学中にやるべきことも変わります。

オーストラリアに残るなら、在学中の人脈がすべてです。制作が動いている都市を選び、在学中から現場に入る前提で設計します。日本に帰るなら、作品の質が優先です。設備が良く、卒業制作にしっかり時間をかけられる学校のほうが向いています。

そしてもうひとつ、率直にお伝えしていることがあります。この分野は、卒業直後が最もつらい時期です。約半数がフルタイムの職に就けていない、という数字が出ています。ただし3年後には8割を超えます。だからこそ、「最初の2年をどう食いつなぐか」まで含めて計画を立てておくことが、この分野では特に重要です。ここも一緒に考えます。

オーストラリアの映像業界 ── 数字で見る

学校を選ぶ前に、その先にある業界の輪郭を把握しておく価値があります。

指標数値出典・年度
ドラマ制作費(総額)27億豪ドル(前年比 +43%)Screen Australia/2024/25年度
制作に入った作品数174本同上
うちオーストラリア作品71本・11億豪ドル(+14%)同上
うち海外資本の作品22本・13億豪ドル同上
PDV(ポスプロ・VFX)支出7億6,200万豪ドル(+33%)同上
Location Offset(撮影誘致)30%(豪州内支出1,500万豪ドル超)連邦政府
PDV Offset(ポスプロ誘致)30%(州の制度と合わせ最大+15%)同上
映像・音響分野の就業者数42,466人Screen Australia(2021年国勢調査)

この表から読み取れることを、3つに整理します。

ひとつ。制作規模は過去最高ですが、その伸びの大半は海外資本です。27億豪ドルのうち13億が海外作品で、前年からの増加分678百万豪ドルも国際制作の伸びによるものです。Screen Producers Australia(業界団体)は、この構造について「オーストラリア独自の作品の本数は減り続けている」と警鐘を鳴らしています。つまり「仕事はあるが、それは主に海外作品のクルーとしての仕事である」という構図です。

ふたつ。ポストプロダクションの伸びが目立ちます。PDV支出は前年比33%増。ポスプロ・VFXは、撮影と違って「その国で撮る必要がない」ため、制度が有利なかぎり継続的に仕事が来やすい領域です。

みっつ。就業者数の水準は、絶対数としては大きくありません。2021年国勢調査で映像・音響分野の就業者は42,466人。看護(数十万人規模)などと比べると、市場の規模そのものが違います。「求人の絶対数が多い分野ではない」という前提で見てください。

※就業者数は2021年国勢調査に基づく数値で、その後の制作増の影響は反映されていません。より新しい全国的な就業者統計は、本ページ作成時点で確認できていません。推測での更新はしていません。

ビザ・永住ルート

この分野は、永住の設計が難しい分野です。事実をそのままお伝えします。

結論 ── 189(技術独立ビザ)は使えません

内務省の職業リスト検索で確認したところ、映像系の職種は、ひとつもMLTSSL(Medium and Long-term Strategic Skills List)に掲載されていません。189(Skilled Independent/技術独立ビザ)はMLTSSL掲載が前提のため、この分野では使えないということになります。

職種(ANZSCO)掲載リスト使えるビザ
Video Producer(212318) STSOL + CSOL 482(Core Skills)・186(Direct Entry)・190・491・494・489・407
Program Director, Television or Radio(212315) STSOL + CSOL 482・186・190・491・494・489・407
Technical Director(212317) STSOL + CSOL 482・186・190・491・494・489・407
Stage Manager(212316) STSOL + CSOL 482・186・190・491・494・489・407
Sound Technician(399516) STSOL + CSOL 482・186・190・491・494・489・407
Director, Film/TV/Radio/Stage(212312) STSOL のみ 190・491・494・489・407(482・186は不可
Film and Video Editor(212314) STSOL のみ 190・491・494・489・407(482・186は不可
Director of Photography(212313) ROL のみ 494のみ
Art Director, Film/TV/Stage(212311) ROL のみ 494のみ
Media Producer (excluding Video)(212112) ROL のみ 494のみ

この表は、この分野の永住設計の急所です。3点だけ押さえてください。

ひとつ。「編集者」と「ビデオプロデューサー」でルートが分かれます。Film and Video Editor(212314)はCSOLに載っておらず、雇用主スポンサーの482も、その先の186(Direct Entry)も使えません。一方 Video Producer(212318)はCSOLに掲載されており、482→186のルートが開いています。肩書きひとつで制度上の扱いが変わる、ということです。

ふたつ。撮影監督とアートディレクターは、最も狭い扱いです。Director of Photography(212313)と Art Director(212311)はROL(Regional Occupation List)のみで、使えるのは494(地方部の雇用主スポンサー)だけです。「撮影監督として永住する」という設計は、制度上きわめて限定的だとご理解ください。

みっつ。業界が不足しているとした職種と、ビザで使える職種が一致していません。PICAが人材逼迫を指摘したアートディレクターはROLのみ、編集(Film and Video Editor)はCSOL未掲載。一方でCSOLに載っているテクニカルディレクターは、PICAでも不足職種に挙がっています。この重なりは、狙いどころとして意味があります。

現実的なルート

ルートA卒業生ビザから、雇用主スポンサーへ

学生ビザ

2〜4年の学位

485

卒業生ビザで就労

482

CSOL掲載職種で
雇用主スポンサー

186

永住

前提:職種がCSOLに載っていること(Video Producer、Technical Director、Sound Technician など)。フリーランスが主流のこの業界で「スポンサーになってくれる常勤の雇用主」を見つけるのが、最大の関門です。
ルートB州の指名を受ける(190・491)

学生ビザ

学位を修了

485

州内で就労実績

技能評価

VETASSESS

190/491

州の指名

前提:州がその年にその職種を指名対象にしていること。州の職種リストは毎年変わり、映像系が載る年と載らない年があります。「その州で学び、その州で働いた実績」が求められることが多いため、学校選びの段階から州を意識する意味があります。
技能評価について。映像系の職種(Director、Film and Video Editor など)の技能評価機関は VETASSESS です。技能評価は、学位を持っているだけでは通りません。職務内容と実務経験の年数が審査されます。つまり「卒業してすぐ永住申請」という順序にはならない分野だとご理解ください。
また、卒業生ビザ(485)は職業リストとは別の仕組みで判断されるストリームがあります。職業リストに載っていないことが、そのまま「485が取れない」という意味にはなりません。ただし年齢上限・在籍期間の要件・申請料は改定が続いているため、卒業の年に最新要件をご確認ください。
ビザの最終的な判断と申請代理は、登録移民代理人(MARA)の業務範囲です。本ページの記載は一般的な情報提供であり、個別の移民アドバイスではありません。

進学ルート ── 経歴別

ケース1高校卒業後、これから始める方

英語準備

IELTS 6.0〜6.5

学士

2〜4年

卒業制作

ポートフォリオ完成

485

現場で実務

ポイント:日本の高校卒業だけでは直接出願できない大学があります(UTSなど)。その場合はファウンデーションコースまたはディプロマからの編入になります。学校ごとに扱いが違うため、確認が必要です。
ケース2すでに作品がある方(同人・自主制作・SNS)

作品整理

ポートフォリオ化

出願

作品を見る大学へ

面接

志望理由書

学士

3年

ポイント:フリンダース大学ポートフォリオ・CV・面接・志望理由書を入学要件としています。作品が武器になる、数少ない入口です。一方 グリフィス大学のポートフォリオ入学は留学生に開かれていません。
ケース3日本で映像・広告・放送の仕事をしている方

経歴整理

職務内容を英文化

大学院

1〜2年

485

現地で実務

482→186

CSOL掲載職種で

ポイント:AFTRS の Master of Arts Screen: Business は「関連分野の学士以上、または同等の実務経験・訓練」を入学要件としており、学位がなくても実務で出願できる可能性があります。ただし英語は IELTS 7.0と高めです。
ケース4まず短く試したい方

語学学校

英語を上げる

ディプロマ

Screen and Media

学士へ編入

単位認定を受ける

ポイント:ディプロマ単体では卒業生ビザ(485)の「2学年相当」の要件を満たしません。また留学生を受け入れているかは開講校ごとに違います。編入時の単位認定の範囲も学校次第です。ここは事前確認が必須の項目です。

日本に帰ってから活かす

オーストラリアで学んだ映像制作を、日本でどう使うか。この分野には国家資格がないため、「資格を持ち帰る」という発想は成立しません。持ち帰るのは、作品と技術と、英語です。

1. 作品(showreel)は、そのまま日本でも通用します

映像は言語に依存しない部分が大きいため、オーストラリアで撮った作品は日本の選考でもそのまま見せられます。むしろ「海外で、英語の現場で、外国人チームと作った」という事実が、日本の制作会社では差別化になります。

2. 英語ができる映像人材は、日本では希少です

日本の広告・映像業界には、海外の撮影クルーとやりとりする案件、海外向けのコンテンツ、インバウンド関連の映像が一定量あります。「映像の技術」と「実務レベルの英語」を両方持っている人は多くありません。ここは実際に効く組み合わせです。

3. ただし、日本の制作現場の慣習は別途覚え直すことになります

ここは率直にお伝えします。職名、進行の作法、書類の形式、労働時間の考え方 ── 日本とオーストラリアで違う部分は少なくありません。「海外で学んだからそのまま即戦力」とはいかない場面があります。技術と作品は通用しますが、現場のやり方は現地で覚え直すものだと考えておいてください。

学校の選び方 ── 見るべき6つの点

01

在学中に何本、どの役職で撮れるか

これが最重要です。「撮影実習があります」ではなく、「監督またはキーポジションとして何本撮れるか」を数字で聞いてください。卒業時のポートフォリオの厚みは、ここで決まります。

02

機材の台数と、学生数との比率

公式に機材名を挙げている学校は多くありません。フリンダース大学ARRI Alexa 3516mmフィルムを明記しています。「何があるか」だけでなく「何台を何人で使うか」を確認してください。

03

その都市で、制作が動いているか

この分野は在学中の現場アルバイトが最大の就職経路です。撮影が行われている都市にいることは、それ自体が有利に働きます。学費だけで都市を決めないでください。

04

産業連携(WIL)が科目になっているか

スウィンバーン工科大学Work Integrated Learning を全学士で保証しています。「機会があります」と「単位として保証されています」は別です。ここは書面で確認する価値があります。

05

奨学金の対象コースに入っているか

グリフィス大学の20%、スウィンバーン工科大学の最大20%。どちらも除外プログラムが定められています。知らずに出願すると、年あたり数千豪ドルの差になります。

06

卒業後のビザ要件を満たす年数か

短縮コースは魅力的ですが、卒業生ビザ(485)は「2学年相当の就学」が前提です。「早く終わる」ことと「卒業後に働ける」ことは、両立しない場合があります。ここは出願前に確定させてください。

出願から出発までの流れ

  1. 無料カウンセリング ── 目的(オーストラリアに残るか/日本に帰るか)、予算、現在の英語力、これまでに作ったものを伺います。この分野は、ここで方向が決まります。
  2. 学校の絞り込み ── 都市、学費、機材、制作本数、奨学金の対象可否。私たちが学校担当者に確認して、書面で回答をお伝えします。
  3. ポートフォリオの準備 ── 作品が必要な学校を受ける場合は、ここが最も時間のかかる工程です。作品の選び方、役割の書き方、英語の説明文まで一緒に整えます。
  4. 英語の証明 ── IELTS 6.0〜6.5。足りない場合は、語学学校から進学する設計(パッケージ出願)も選択肢です。ただし進学条件は学校ごとに違うため、個別に確認します。
  5. 出願書類の作成 ── 成績証明書の英訳、パスポート、志望理由書。
  6. Letter of Offer の確認 ── ここで奨学金の適用と学費の総額が確定します。必ず一緒に確認します。
  7. CoE取得・学生ビザ申請 ── GS(Genuine Student)ステートメントの作成を含め、全面的にサポートします。
  8. 渡航準備 ── OSHC、住居、航空券。この分野では、編集用PCと外付けストレージの準備も渡航前の項目に入ります。

他社との違い ── アンアルウェンが選ばれる理由

アンアルウェンの強みは、留学の申し込みだけで終わらない、出発前から進学後まで続く伴走型サポートです。
「手続きだけを代行するエージェント」ではなく、「留学という大きな挑戦を一緒に考え、現地でも支え続けるパートナー」であること。それが、私たちが他の留学エージェントに負けない一番の強みです。

01

GS対策・ビザ申請まで無料でサポート

学校選びや出願手続きはもちろん、進学で重要となるGS(Genuine Student)対策、学生ビザ申請もしっかりサポート。この分野は「なぜ映像なのか」「卒業後にどうするのか」を説明する力が問われます。ここに時間をかけます。

02

渡航後も、日本と現地の両方から支える

オーストラリアには提携オフィスがあり、渡航後も学校生活や現地での手続き、困りごとを日本と現地の両方からサポートします。卒業制作の時期の相談や、卒業生ビザ(485)の準備についてもご相談いただけます。

03

毎月12名様限定 ── 一人ひとりに時間をかける

一人ひとりに十分な時間をかけるため、サポート人数を毎月12名様限定としています。映像は「何を作りたいか」で選ぶべき学校が変わる分野です。画一的な案内ではなく、その方の状況に合わせて設計します。

04

スタッフが実際に足を運んだ学校だけを紹介

紹介先を幅広く並べるだけではなく、スタッフが実際に学校へ足を運び、授業や校内の雰囲気を確認したうえで、厳選した学校を紹介しています。この分野は、設備と制作環境が資料だけでは分かりません。

05

2008年設立・3,000名以上の留学をサポート

2008年の設立以来、3,000名以上の留学を支えてきた経験と、オーストラリア留学に特化した専門知識を生かしてご提案します。

06

メリットだけでなく、現実も率直に伝える

費用や生活面の現実も率直にお伝えします。「AFTRSの学士は留学生を受け入れていません」「グリフィスのポートフォリオ入学は留学生には使えません」「この分野は189が使えません」──言いにくいことも含めてお伝えするのが、私たちの仕事だと考えています。

アンアルウェンを利用するメリット・無料サポート内容

アンアルウェンは、オーストラリア留学の専門エージェントです。学校選びから渡航後のトラブル対応まで、すべて無料でサポートします。学校へ直接申し込む場合と比べて、余分な費用は一切かかりません。

出願前サポート(無料)
  • 目的・ビザ・期間に合ったコース選びの無料相談
  • 2026年日本人プロモーションの適用確認・申込み手続き代行
  • 入学申込書類の作成サポート
  • 学生ビザ申請代行サポート
  • GSステートメントの作成含め、全面サポート
  • ワーホリビザ申請代行サポート
  • ホームステイ・学生アパートの手配サポート
  • OSHC(海外学生健康保険)の手配サポート
  • 航空券・渡航準備のアドバイス
  • 語学学習のアドバイス
  • 出発前の個別オリエンテーション
渡航後サポート(無料)
  • 現地オフィス(シドニー・メルボルン)にて日本人スタッフがサポート
  • 到着後オリエンテーション
  • 現地トラブル時の相談窓口(日本語でOK)
  • コース延長・変更の手続きサポート
  • ケンブリッジ検定・IELTS受験申込みのアドバイス
  • ビザ切り替えサポート
  • 留学後の帰国・キャリアプランの相談
  • 大学・大学院進学を検討する方への進路アドバイス
  • LINEやZOOMでのサポート付
  • 次の留学・再渡航のサポート

オーストラリア 映像・映画制作留学 よくある質問

未経験でも入学できますか?

できます。多くの課程は、経験を入学要件にしていません。SAEは「18歳以上、オーストラリアの高校12年生相当の英語の修了」QUT選考ランク70.00グリフィス大学は成績要件のみ(留学生はポートフォリオ入学を使えないため)です。
例外は フリンダース大学です。この大学はポートフォリオ・CV・面接・志望理由書を入学要件としています。未経験の場合は、この大学が最も準備を要することになります。
ただし「入学できること」と「入ってからついていけること」は別です。1年目からカメラを持たされ、グループで作品を作ることになります。渡航前にスマートフォンでも構わないので、短いものを何本か作っておくことを強くお勧めします。これは入学のためではなく、入学後のためです。

いくらかかりますか?

授業料(定価)で計算します。
最も安いルート:SAE 年 AUD 27,960 × 3.0 EFTSL =AUD 83,880(1豪ドル100円換算で約839万円)。
大学のルート:フリンダース大学 35,500×3=106,500グリフィス大学 37,500×3=112,500QUT 39,800×3=119,400
最も高いルート:スウィンバーン工科大学 45,510×4年=AUD 182,040(約1,820万円)。
最安と最高の差は AUD 98,160、およそ2.2倍です。
これに生活費、OSHC、学生ビザ申請料と、この分野に特有の実費(編集用PC、ストレージ、ソフトのライセンス、制作課題のロケ費・小道具・キャストへの謝礼、映画祭の出品料)が加わります。制作費は課題の内容と本人の作り方で大きく変わるため、目安額は出していません。学生ビザ申請料と財政要件の金額は改定が続いているため、出願時点で内務省の最新情報をご確認ください。

AFTRS(国立の映画学校)に行きたいのですが。

学士課程は、留学生を受け入れていません。AFTRSは公式サイトで「現在、留学生に開いているのは Master of Arts Screen: Business です」と案内しており、Bachelor of Arts Screen: Production は対象外です。
留学生が出願できる Master of Arts Screen: Business は1年課程で、総額 AUD 64,944、英語要件は IELTS Academic 総合7.0。入学要件は「関連分野の学士以上、または同等の実務経験・訓練」です。
そして内容にご注意ください。この課程は制作技術ではなく「スクリーンビジネス」── 企画、資金調達、配給、権利といった経営側の領域を扱います。修了生の進路として Jungle Entertainment、Screen Australia、SBS On Demand、Madman Entertainment などが挙げられています。
「カメラを回したい」という目的でAFTRSを目指しているのであれば、この課程は目的と合いません。その場合は グリフィス大学フリンダース大学スウィンバーン工科大学QUT といった大学の学士が現実的な選択肢です。

ポートフォリオ(作品集)は必要ですか?

学校によります。必須のところと、不要なところがあります。
必要:フリンダース大学ポートフォリオ・CV・面接・志望理由書を入学要件に明記しています。
不要(というより使えない):グリフィス大学のポートフォリオ入学制度は、公式ページに「留学生は国際出願の手続きで出願する必要があります」と記載されており、留学生はこの制度を使えません。成績要件で判断されます。
参考:グリフィス大学が国内学生向けに示しているポートフォリオの要件は、「分析」(映画・番組・オンラインコンテンツを300語以内で論評、または2分の音声・映像)と「制作」(独創性と技術力を示す作品)の2部構成です。作品を並べるだけでなく、なぜそう作るかを説明できることが求められていると読めます。他校のポートフォリオを準備する際にも、この構成は参考になります。
入学に不要な場合でも、作品は作っておく価値があります。就職活動の実体が「作品を見せること」である以上、早く始めた人が有利です。

卒業後、オーストラリアで映像の仕事に就けますか?

可能性はあります。ただし「就職活動をすれば決まる」種類の分野ではありません。
数字からお伝えします。QILTの追跡調査(2024年)によると、クリエイティブアーツ分野の卒業生のフルタイム就業率は、卒業直後で49.6%。約半数です。ただし同じ人たちを3年後に見ると81.3%まで上がります。この分野は「卒業直後が谷で、そこから上がる」形をしています。
実務的に効くのは、在学中の現場アルバイトです。グリフィス大学のキャリアページ自身が「多くの仕事の機会は公募されないため、こちらから雇用主にアプローチすることをお勧めします」と書いています。この分野の就職活動は、卒業後ではなく在学中に始まっています。
そして、需要のある役職は「監督」ではありません。Screen Australia のPICA(2026年4月)が人材の逼迫を指摘したのは、実写制作ではラインプロデューサー、ロケーションマネージャー、制作会計、プロダクションコーディネーター、プロダクションマネージャー、PDV・アニメーションではVFXスーパーバイザー、テクニカルディレクター、編集、アートディレクター、VFXエディターです。制作を回す仕事と、仕上げの技術職に需要があります。

永住は目指せますか?

189(技術独立ビザ)は使えません。これは制度上、はっきりしています。
内務省の職業リスト検索で確認したところ、映像系の職種はひとつもMLTSSLに掲載されていません。189はMLTSSL掲載が前提のため、このルートは開いていません。
使えるルートは、職種によって分かれます。Video Producer(212318)、Program Director(212315)、Technical Director(212317)、Stage Manager(212316)、Sound Technician(399516)はCSOLに掲載されており、482(Skills in Demand・Core Skills)と186(Direct Entry)が使えます。一方Director(212312)と Film and Video Editor(212314)はSTSOLのみで482・186は使えず、Director of Photography(212313)・Art Director(212311)・Media Producer(212112)はROLのみで、対象は494だけです。
つまり実務上のルートは、CSOL掲載の職種で雇用主のスポンサーを得る(482→186)か、州の指名を受ける(190・491)かになります。フリーランスが主流のこの業界で常勤の雇用主を見つけることが、最大の関門です。
技能評価機関は VETASSESS学位だけでは通らず、職務内容と実務経験の年数が審査されます。「卒業してすぐ永住申請」という順序にはなりません。ビザの最終判断と申請代理は、登録移民代理人(MARA)の業務範囲です。

奨学金で学費を下げられますか?

大学の全学的な減額が使える可能性があります。ただし対象コースの確認が必須です。
グリフィス大学International Academic Merit Scholarship(授業料20%減・申請不要)を2026年・2027年開始の留学生に提供しています。仮に適用されれば、3年で 112,500 → 90,000(差 AUD 22,500)です。
スウィンバーン工科大学「出願すると自動的に最大20%の国際奨学金の審査対象になる(別途申請不要)」としています。4年で AUD 182,040 という金額を考えると、20%は約36,000豪ドルにあたります。
ただし、どちらも除外プログラムが定められています。研究学位や他機関との共同開講プログラムは対象外とされているほか、個別に除外されるコースが指定されています。本ページで「この課程は対象です」と断定することはしません。他分野では実際に、看板の奨学金から特定の学部が除外されている例があります。
適用が確定するのは Letter of Offer の「Total program fees」欄です。ここは私たちが学校担当者に直接確認します。知らずに出願すると、年あたり数千豪ドルの差になる項目です。

英語はIELTS 6.0で足りますか?

入学要件としては足りる学校があります。SAEが総合6.0(各項目5.5以上)スウィンバーン工科大学総合6.0(各項目6.0以上)フリンダース大学総合6.0(Speaking・Writing 6.0)です。グリフィス大学QUTUTSカーティン大学6.5、AFTRSの修士だけが7.0です。
看護や歯科(IELTS 7.0)と比べれば、明確に低い水準です。
ただし率直に申し上げると、入学要件を満たすことと、現場で使われることは別です。撮影現場では専門用語が大量に、速く、無線とざわめきのなかで飛び交います。gaffer、grip、C-stand、apple box ── 辞書では分からない語が並びます。ここで戸惑うと、次の現場に呼ばれなくなります。
渡航前の対策として現実的なのは、英語の映画・ドラマ・メイキング映像を字幕なしで大量に浴びておくことです。加えて英語の撮影解説チャンネルは、専門用語を耳から入れるのに向いています。これは点数を上げる勉強とは別に、やっておく価値があります。

2年で終わるコースと3年のコース、どちらがいいですか?

卒業後の予定によります。そして、卒業生ビザ(485)の要件が判断材料になります。
SAEは同じ学位を6学期(約2年)/8学期(約2.5年)/9学期(3年)から選べます。ボンド大学も年3学期制で2年(6学期)で修了できるほか、留学生専用の3年版を用意しています。
短縮の利点は、生活費と滞在期間が圧縮されることです。学位全体の授業料は変わりません(EFTSL総量が同じため)が、生活費は1年分浮きます。
一方で、注意点が2つあります。ひとつ、卒業生ビザ(485)は「2学年相当の就学」が前提です。短縮が要件に影響しないかは、必ず出願前に確認する必要があります。ふたつ、この分野では在学期間そのものが人脈を作る時間です。1年短いということは、現場に入る機会が1年分少ないということでもあります。
日本に帰る予定なら短縮に合理性があります。オーストラリアに残る前提なら、3年をお勧めすることが多いです。ここはご相談ください。

在学中にアルバイトはできますか?

できます。学生ビザでは授業期間中は2週間あたり48時間まで、長期休暇中は制限なく就労できます(「週20時間まで」は古い情報です)。
ただし、この分野には特有の事情があります。撮影が入る週は、朝から夜まで丸ごと持っていかれます。固定シフトの飲食店アルバイトとは、相性がよくありません。撮影スケジュールは直前まで動くこともあります。
その代わり、この分野では「現場のアルバイト」そのものがキャリアになります。ランナー、プロダクションアシスタント、機材レンタル会社での作業 ── これらは収入であると同時に、そのまま実績と人脈になります。グリフィス大学のキャリアページが「公募されない仕事が多い」と書いているとおり、この分野の就職は、現場で顔を覚えられることから始まります。
資金計画としては、アルバイト収入を当てにしすぎない設計をお勧めします。撮影の繁忙期と課題の締切が重なると、働ける時間が読めなくなります。

日本に帰ってから、この学位は役に立ちますか?

「資格として」ではなく、「作品と英語として」役に立ちます。
この分野には国家資格がないため、日本で認定される資格を持ち帰ることはできません。持ち帰るのは、卒業制作を含む作品(showreel)、技術、そして英語です。
作品は言語に依存しない部分が大きいため、日本の選考でもそのまま見せられます。むしろ「英語の現場で、外国人チームと作った」という事実が差別化になります。日本の広告・映像業界には、海外クルーとやりとりする案件や海外向けコンテンツが一定量あり、「映像の技術」と「実務レベルの英語」を両方持つ人は多くありません。
一方で、率直にお伝えしておくことがあります。職名、進行の作法、書類の形式、労働時間の考え方は、日本とオーストラリアで違う部分が少なくありません。「海外で学んだからそのまま即戦力」とはいかない場面があります。技術と作品は通用しますが、現場のやり方は現地で覚え直すものだとお考えください。

エージェントを通すと費用は高くなりますか?

いいえ。アンアルウェンのサポートはすべて無料です。学校へ直接申し込む場合と、支払う学費は変わりません。学校選び、出願書類、GS(Genuine Student)ステートメント、学生ビザ申請、住居手配、渡航後のサポートまで、追加費用なしでご利用いただけます。
この分野の場合はこれに加えて、その課程が奨学金の対象コースに入っているかの確認、留学生がポートフォリオ入学を使えるかの確認、機材と制作本数の確認、短縮コースと卒業生ビザ(485)要件の関係の整理まで含めてサポートします。
特に「奨学金の対象コースかどうか」は、知らずに出願すると年あたり数千豪ドルの差になります。そして「その制度が留学生に開かれているか」は、知らずに準備を進めると時間そのものを失います。AFTRSの学士、グリフィスのポートフォリオ入学 ── どちらも「調べれば分かるが、調べないと分からない」種類の情報です。ここは私たちが学校担当者に直接確認する部分です。
なお、学校が定める出願料は、エージェント経由・直接申込を問わず学校に支払うものです。

映像・映画制作と近い分野、あわせて検討される方が多いページをまとめました。

デザイン

グラフィック、UI/UX、モーショングラフィックス。映像とデザインは、実務では地続きです。モーショングラフィックスは両分野の卒業生が就く職種で、映像より求人の絶対数が多い領域です。

IT

VFX・CG・ゲーム開発は、技術的にはIT分野と重なります。職業リスト上の位置づけがまったく違い、永住ルートの選択肢はこちらのほうが広いのが実情です。併願を検討する価値があります。

ジャーナリズム

報道・ドキュメンタリーに関心がある方はこちら。取材と構成を軸に据える点が、フィクション中心の映像制作課程とは異なります。ドキュメンタリーはどちらの課程からも入れる領域です。

マーケティング

いま最も本数が多く、最も安定して発注があるのは企業のコンテンツ映像とSNS向けの映像です。映像制作とマーケティングの両方が分かる人材は、実務では強い組み合わせになります。

イベントマネジメント

ライブイベント制作は、グリフィス大学が映像学位の進路として公式に挙げている職種のひとつです。映像とイベントは、現場の運営という点で共通する部分があります。

ビジネス

AFTRSの修士が「スクリーンビジネス」であるように、この業界には経営側の職種があります。企画、資金調達、配給、権利。制作以外から業界に入る道を考える方に。

グリフィス大学(詳細ページ)

Griffith Film School を擁する大学。ブリスベンのSouth Bank文化地区にキャンパスがあります。コース構成、キャンパス、奨学金の条件をまとめています。

フリンダース大学(詳細ページ)

ポートフォリオと面接で選考する、数少ない大学。ARRI Alexa 35 と16mmフィルムを公式に挙げています。アデレードのキャンパスと出願条件をまとめています。

スウィンバーン工科大学(詳細ページ)

4年制のHonours課程と、全学士でのWIL(産業連携型学習)保証。メルボルンのHawthornキャンパス、奨学金の条件をまとめています。

QUT(詳細ページ)

卒業生が関わった作品を公式に公表している大学。ブリスベンのKelvin Groveキャンパス、出願条件、奨学金をまとめています。

まず、「卒業後どこで働くか」を決めましょう。
そこが決まれば、選ぶべき学校は絞れます。

「オーストラリアに残りたいのか、日本に帰るのか」「作品で勝負できる学校はどこか」「奨学金の対象コースに入っているか」
この分野は、学費より「その学校で何が撮れるか」が結果を左右します。だからこそ、最初に整理しておく価値があります。無料相談・無理な勧誘は一切ありません。
※サポートは毎月12名様限定です。お早めにご連絡ください。

このページについて
最終更新日:2026年8月6日 / 執筆・監修:アンアルウェン 留学カウンセリングチーム
本ページのコース内容・学費・入学条件・英語基準・奨学金・職業リスト・業界データは、各大学および教育機関、AFTRS、Screen Australia、豪州政府(Office for the Arts)、QILT、および内務省の公式情報をもとに、アンアルウェンが2026年8月時点で確認・翻訳・整理したものです。学費は各校が公表している留学生向けの目安額(indicative)で、2026年入学の金額です。シドニー工科大学(UTS)カーティン大学ボンド大学は、公式のコースページに留学生の年額学費の掲載を確認できなかったため「未掲載」「科目単位」としており、推測での記載はしていません。学費・入学要件・奨学金の対象および除外プログラム・職種リスト・ビザ関連の金額は年度により変更されます。出願前には必ず最新情報をご確認ください。アンアルウェンでは学校担当者に直接確認のうえ、最新情報を無料でお伝えしています。
※学費の日本円換算は1豪ドル=100円で計算した概算です。実際の負担額は為替により変動します。
※SAEの総額は、公表されている1.0 EFTSL あたりの金額に学士課程の標準的な単位量(3.0 EFTSL)を掛けて算出した概算です。学校が「学位の総額」として公表している金額ではありません。正確な総額はLetter of Offerでご確認ください。
※本ページのキャリアの階層(Camera Trainee → 2nd AC → 1st AC など)は、映像業界で一般的に用いられている職名を整理したものであり、公的機関が定めた資格制度や、年数が保証された昇進制度ではありません。実際の進み方は個人により大きく異なります。
※クリエイティブアーツ分野の就業率(49.6%/81.3%)は、QILT の Graduate Outcomes Survey – Longitudinal(2024年)による分野全体の数値であり、映像制作課程のみ、または留学生のみの数値ではありません。分野の傾向を示すものとしてお読みください。
※業界の就業者数(42,466人)は2021年国勢調査に基づく数値です。その後の制作増の影響は反映されていません。
※学生ビザの申請料および財政要件の金額は改定が続いているため、本ページには記載していません。出願時点で内務省の最新情報をご確認ください。
※ビザおよび移住に関する最終的な判断・申請代理は、登録移民代理人(MARA)の業務範囲です。本ページの記載は一般的な情報提供であり、個別の移民アドバイスではありません。
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