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オーストラリアで栄養学を学ぶ
── APD(栄養士)になるルート・
大学比較・学費

この分野には、最初に分かれ道があります。「栄養学(Nutrition)」の学位と、「栄養士(Dietetics)」の学位は別のものです。臨床で患者さんの食事療法を担当する Accredited Practising Dietitian(APD)になれるのは、Dietitians Australia が認定した課程を修了した人だけで、その課程は全豪で26課程・19大学しかありません。
そしてもうひとつ、お金の話を先に。ウーロンゴン大学の Master of Nutrition and Dietetics は、同大学の30%授業料減額の「除外コース」に名指しで載っています。ECUの大学院向け20%減額は、対象国がインドとパキスタンだけで日本は入っていません。
定価の順番と、実際に払う金額の順番は、この分野では入れ替わります。1校ずつ計算して示します。

26課程DA(Dietitians Australia)が認定する栄養士課程
約800時間学位に組み込まれた実習(臨床・地域・給食)
IELTS 7.0全項目7.0が、この分野の標準
年 $34,736〜修士の学費(定価・CDU 2026年)

DATA ── 栄養学・栄養士留学の要点

学べる学位
Master of Nutrition and Dietetics / Master of Dietetics(大学院・1.5〜2年/ウーロンゴン大学・フリンダース大学・ディーキン大学・QUT・ECU・CDU・UniSC)/Bachelor of Nutrition and Dietetics(学部・4年/グリフィス大学・ニューカッスル大学)これとは別に Bachelor of Nutrition Science(栄養科学)という3年の学位があります。こちらだけではAPDにはなれません違いはこちら
期間
1.5〜2年(修士)/4年(学部)修士はすでに理系・栄養系の学士を持っている人向け。学部は高校卒業から入る4年一貫の課程で、3年の学位ではありません
学費(定価・年額)
年 AUD 34,736 〜 52,800修士:CDU 34,736(2026年)/UniSC 38,500/QUT 39,700(2026年)・43,000(2027年)/ECU 41,550(初年度概算)/フリンダース大学 50,200(2026年)/ディーキン大学 52,800(初年度概算)/ウーロンゴン大学はセッション 20,880(2026年)。
学部:グリフィス大学 43,500(2026年)/ニューカッスル大学 45,070
授業料の総額(定価)
修士 AUD 59,550 〜 100,400これは定価です。日本人が申請不要で受け取れる減額を反映すると、QUT 約44,663/CDU 約48,630まで下がります。一方でウーロンゴン大学とECUは、この課程だと減額の対象外です(定価のまま)。学部4年は定価 174,000〜180,280。1校ずつ計算しています
総額の目安
修士 AUD 108,000 〜 164,000授業料に生活費・OSHC・学生ビザ申請料を加えた概算。1豪ドル100円換算でおよそ1,080万〜1,640万円学部4年で入る場合は約 AUD 299,000〜305,000(およそ3,000万円)で、修士とは桁がひとつ違うわけではありませんが2倍前後の差になります
英語要件
IELTS 7.0(全項目7.0)が標準ウーロンゴン大学・QUT・ECU・ニューカッスル大学・フリンダース大学が 7.0(全項目7.0)。グリフィス大学の学部は 7.0(各項目6.5以上)CDUは 7.0(各項目6.5以上)6.5で出願できる大学は、このページの範囲では確認できませんでした詳しくはこちら
入学要件(修士)
前提科目(prerequisite units)の壁があります多くの大学が「化学2科目 → 生化学2科目」「人体生物学2科目 → 人体生理学2科目」「栄養学・食品科学」を学部で履修済みであることを求めます。栄養系・理系以外の学部からは、そのままでは出願できません。QUTは公式表記が「recognised Australian nutrition science or nutrition bachelor degree」で、海外学位で出せるかは個別確認が要ります(詳しくはこちら
主な大学
チャールズ・ダーウィン大学(CDU)QUTECUサンシャインコースト大学(UniSC)ディーキン大学ウーロンゴン大学フリンダース大学(以上、大学院)/グリフィス大学ニューカッスル大学(学部4年)DAの認定課程一覧には19大学26課程が載っています。ここに挙げたのは、留学生が出願でき、学費・条件を公式に確認できた大学です
職業資格
APD(Accredited Practising Dietitian)= 実務上の必須資格栄養士(Dietetics)はAHPRA(国家登録制度)の対象職種ではありません。代わりにDietitians Australiaが運営するAPDプログラムが自主規制の仕組みで、MedicareやDVA、民間医療保険の還付を受けるにはAPDであることが求められます。つまり「国家資格ではないが、これがないと臨床の仕事にならない」構造です(詳しくはこちら
実習
約760〜800時間が学位に組み込まれていますウーロンゴン大学 800時間+研究20週/QUT 760時間/グリフィス大学・ニューカッスル大学 100日(800時間)/CDU 100日/ディーキン大学 約22週(週37〜40時間)臨床(病院)・地域(コミュニティ)・給食管理(フードサービス)の3領域に分かれるのが共通の形です
奨学金(日本人)
「大学は対象だが、この課程は除外」というケースがありますウーロンゴン大学の30%減額は、除外コース一覧に Master of Nutrition and Dietetics が明記されています。ECUの大学院向け20%減額は対象国がインド・パキスタンのみ。一方、CDU 30%・グリフィス大学 25%・QUT 25%・ニューカッスル大学 20% は、いずれも別途申請不要で日本国籍でも対象になり得ます詳しくはこちら
在学中の就労
学生ビザで2週間あたり48時間まで(長期休暇中は制限なし)「週20時間まで」は古い情報です。ただしフルタイムの実習期間(週37〜40時間)は、実質的にアルバイトができません。その期間の生活費を先に見積もっておく必要があります
永住ルート
189(技術独立)は使えませんDietitian(251111)はCSOL(Core Skills Occupation List)に掲載されていますが、MLTSSLには掲載がありません。つまり189は対象外で、190・491(州指名)と482・186(雇用主経由)が制度上のルートです。さらに2025年の職業不足リストでは全州・全国とも「No Shortage(不足なし)」Nutritionist(251112)はCSOLにも載っていません。詳しくはこちら
向いている人
医療チームの一員として、食事療法で患者さんに関わりたい方すでに栄養系・保健系・理系の学士があり、1.5〜2年で専門資格まで取りたい方逆に「食と健康を伝える仕事」が第一なら、必ずしもDietetics(栄養士)である必要はありません。公衆衛生スポーツマネジメントのほうが近い場合もあります

このページの結論 ── 3分でわかる栄養学留学

  1. まず「栄養学」と「栄養士」を分けてください。Bachelor of Nutrition Science(栄養科学・3年)は栄養の科学を学ぶ学位で、これだけでは臨床の栄養士(APD)にはなれません。APDになるには Dietitians Australia(DA)が認定した Dietetics の課程を修了する必要があります。学位名が1語違うだけで、卒業後にできる仕事が変わります。
  2. DAの認定課程は、全豪で19大学・26課程です。大学院(1.5〜2年)と学部4年一貫の2つの入り方があり、3年の学位で栄養士になるルートは存在しません。臨床・地域・給食の約760〜800時間の実習が学位に組み込まれているためです。
  3. 【最重要】修士には「前提科目」の壁があります。多くの大学が学部で化学→生化学、人体生物学→人体生理学、栄養学・食品科学を履修済みであることを求めます。文系学部からは、そのままでは大学院に入れません。その場合は学部4年ルートか、栄養科学の学士(3年)を挟んで大学院へという設計になります。詳しくはこちら。
  4. 英語はIELTS 7.0(全項目7.0)が標準です。この分野は患者さんとの面談が業務の中心にあるため、各項目7.0を求める大学が大半です。CDUとグリフィス大学の学部だけが「各項目6.5以上」で、それでも総合7.0は変わりません。ここが実質的に最大の関門です。
  5. 奨学金は「大学単位」ではなく「コース単位」で確認が要ります。ウーロンゴン大学の30%減額は除外コース一覧に Master of Nutrition and Dietetics が名指しで載っています。ECUの大学院向け20%減額は対象国がインド・パキスタンのみで日本は入りません。逆にCDUは30%が申請不要で、これを反映すると定価の順位が入れ替わります。計算しています。
  6. 永住は、この分野では条件が良いとは言えません。Dietitian(251111)はCSOL掲載・MLTSSL未掲載で、189(雇用主も州の指名も不要な技術独立ビザ)は使えません。加えて2025年の職業不足リストでは全州「No Shortage」です。「永住のために栄養士を選ぶ」という設計は、率直に申し上げて成立しにくいと考えています。後半で整理します。

「栄養学」と「栄養士」── 名前が近い、別のもの

日本語で「栄養の勉強がしたい」と言うとき、オーストラリアの学位は大きく2つに分かれます。この違いを最初に押さえておかないと、卒業してから「思っていた仕事に就けない」ということが起きます。

Dietetics(栄養士)── 臨床の資格につながる

病院・医療機関で、患者さんの食事療法を担当する専門職の課程です。糖尿病、腎疾患、がん、摂食嚥下障害、経腸・静脈栄養といった医学的な栄養管理(Medical Nutrition Therapy)を扱います。Dietitians Australia の認定を受けた課程を修了すると、APD(Accredited Practising Dietitian)のプログラムに進めます。学位名は Master of Nutrition and Dietetics / Master of Dietetics / Bachelor of Nutrition and Dietetics

Nutrition Science(栄養科学)── 臨床以外へ広がる

栄養そのものを科学として学ぶ課程です。公衆衛生栄養、食品科学、健康増進、研究、食品企業のマーケティングや商品開発、政策といった方向に進みます。この学位単独では、臨床の栄養士(APD)にはなれません。学位名は Bachelor of Nutrition Science / Bachelor of Nutrition(3年)。ただし、大学院のDietetics課程に進むための「前提科目」を満たす学位として設計されているものがあります。

「Nutritionist(栄養士・ニュートリショニスト)」という肩書きについて

ここが混乱しやすいところです。オーストラリアには Nutrition Society of Australia(NSA) という学術団体があり、ANutr(Associate Nutritionist)・RNutr(Registered Nutritionist)という登録制度を運営しています。

NSAの登録制度について、公式に確認できること
  • 任意(voluntary)の制度であると、NSA自身が明記しています。加入しなくても罰則はありません
  • ANutr=実務経験3年未満の初期キャリア向け。TEQSA登録機関の栄養学の学士(最低)が要件
  • RNutr=実務経験3年以上+栄養学中心の学士。「同等の資格」は個別審査(case-by-case)と記載されています
  • ほかに RPHNutr(公衆衛生栄養)RAnNutr(動物栄養)のカテゴリーがあります
  • 登録後は3年間で300 CPDポイントの維持が必要です

NSAの登録は、Dietitians Australia の APD とは別の制度です。NSAに登録しても、Medicareや民間医療保険の還付対象になる臨床の栄養指導を行える立場にはなりません。Dietitians Australia は自サイトで「すべての dietitian は nutritionist だが、dietetics の資格を持たない nutritionist は dietitian を名乗れない」と説明しています。

ここは正確に。「nutritionist」という肩書きに法律上の名称独占があるかどうかについて、公的機関の明確な記載は確認できませんでした。確実に言えるのは、栄養士(dietetics)がAHPRAの国家登録制度(NRAS)の対象職種に含まれていないということと、MedicareやDVA、民間医療保険が還付の条件としてAPDを求めているということです。「法律で守られた資格かどうか」ではなく「支払いの仕組みが誰を認めているか」で見るのが、この分野の実務的な理解です。

では、どちらを選ぶべきか

「病院で患者さんの食事療法を担当したい」なら、Dietetics 一択です。この目的でNutrition Scienceの3年の学位を選ぶと、卒業後にあらためて大学院(1.5〜2年)へ進むことになり、結果的に4.5〜5年かかります。

一方、「食と健康に関わる仕事がしたい」「食品企業で働きたい」「公衆衛生の側から関わりたい」なら、Dietetics である必要は必ずしもありません。むしろNutrition Science のほうが、進める分野は広いと言えます。実習800時間という重い制約もありません。

ご自身の目的がどちらに近いかは、お話をうかがえば整理できます。ここを間違えると、時間もお金も1年半〜2年分ずれます。相談は無料です。

APDとは何か ── 国家資格ではない、けれど必須

オーストラリアで栄養士として働くうえで、APD(Accredited Practising Dietitian)という言葉は避けて通れません。ただし、この資格の位置づけは日本の管理栄養士とは仕組みが違います。

AHPRAの登録職種ではありません

オーストラリアには AHPRA(オーストラリア医療従事者規制庁)が運営する国家登録制度(NRAS)があり、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・薬剤師などが登録の対象です。栄養士(dietetics)は、この制度の対象職種に含まれていません。

代わりに、Dietitians Australia(DA)が自主規制の枠組みで職業基準を運営しています。DAは NASRHP(自主規制保健職種全国連合)の基準に従っており、内部に DNRC(Dietitian and Nutritionist Regulatory Council)という規制評議会を置いています。DNRCはDA理事会が任命する7名の議決権メンバー(任期3年)で構成され、専門職としての行動基準、資格認定基準、養成課程の認定、苦情処理を所管しています。

それでもAPDが必要な理由

国家登録ではないのに、実務上はAPDがないと仕事にならない── これがこの分野の構造です。理由はお金の流れにあります。

01

Medicare(公的医療保険)

かかりつけ医(GP)が作成する慢性疾患管理計画があると、患者は栄養指導の還付を受けられます。年間5回までで、理学療法士など他の専門職と合算の枠です。この還付の対象になるのはAPDです。

02

民間医療保険・DVA

民間医療保険の extras cover による還付、および DVA(退役軍人省)の給付も、APDであることを前提に運用されています。開業して患者を診る場合、ここが売上に直結します。

03

採用要件

公立病院・民間病院・高齢者施設の栄養士の求人は、APDまたはAPD取得見込みを条件に掲げるのが一般的です。学位だけでは応募段階で選考に乗りにくい構造です。

APDになるまでの流れ

ROUTEオーストラリアの認定課程を修了する場合(留学生の標準ルート)

DA認定課程

修士1.5〜2年
または学部4年

実習 約800時間

臨床・地域・給食
(課程に組み込み)

DA会員登録

卒業により
会員資格の対象に

APDプログラム

継続教育(CPD)を
毎年維持

ポイント:DAが認定した課程を修了していれば、別途の国家試験はありません。これが日本の管理栄養士(国家試験がある)との構造上の大きな違いです。ただしAPDは取得後も継続教育の維持が条件で、更新のない終身資格ではありません。
ROUTE海外(日本など)で栄養士資格を取った方の場合

海外の学位

日本の管理栄養士
など

DSR

Dietetic Skills
Recognition

Stage 2 修了

DAの定める
評価プロセス

APD/技能評価

移住用の技能評価
A$305・最大6週間

注意:DAは「海外資格の場合はDSRのStage 2の修了が必要」と記載しています。DSRが日本の管理栄養士に対してどう評価するかは、個別審査であり事前には確定できません。また DA自身が「技能評価の申請についてのみ案内でき、どのビザに申請できるかの助言はできない」と明記しています。ビザの判断は登録移民代理人(MARA)の領域です。
留学生にとっての実務的な結論
日本から進学する方の場合、DSRという評価プロセスを経るより、オーストラリアのDA認定課程を修了するほうが道筋が明確です。認定課程の修了は、APDへの公式に定められた入口だからです。
なお、卒業生ビザ(485)のpost-study workストリームについては、Dietitians Australiaの技能評価は不要とDAが明記しています。技能評価が必要になるのは、その先の技術移住(190・491・186など)の段階です。

先にお伝えしたい ── 5つの事実

この分野は、調べれば調べるほど「思っていたのと違う」が出てくる領域です。出願を決める前に知っておいていただきたいことを、先に5つ挙げます。

事実1|3年の学位で栄養士になるルートは、ありません

オーストラリアの学士は多くの分野で3年ですが、栄養士(Dietetics)の学部課程は4年です。グリフィス大学もニューカッスル大学も4年(320単位相当)。約800時間の実習が学位に組み込まれているためで、3年に圧縮された課程はDAの認定一覧にありません。

大学院ルートは1.5〜2年ですが、これは「学部で理系・栄養系の土台をすでに終えている人」が前提です。「3年で栄養士の資格が取れる」という設計は存在しないと考えてください。

事実2|大学院には「前提科目」の壁があります

Master of Dietetics 系の課程は、ほぼ例外なく学部での履修科目を細かく指定してきます。ディーキン大学の記載を例に挙げると──

ディーキン大学 Master of Dietetics の入学要件(公式表記の要旨)
  • 過去10年以内に取得した関連分野の学士以上
  • 栄養学・食品科学の4科目(栄養の原理/ライフステージ栄養/食事と疾患/食品科学)
  • 化学2科目 → 生化学2科目(この順序で)
  • 人体生物学2科目 → 人体生理学2科目(この順序で)

「関連分野の学士があればよい」ではありません。科目単位で、しかも履修の順序まで指定されています。ECU・CDU・フリンダース大学・ウーロンゴン大学も同様の構造です。日本の大学で栄養系・保健系・理系を出ていない場合、この時点で大学院ルートは選べません。その場合は学部4年ルートを検討することになります。

事実3|IELTS 7.0(全項目7.0)が、実質的な関門です

このページで扱う大学の英語要件は、ウーロンゴン大学・QUT・ECU・ニューカッスル大学・フリンダース大学が「総合7.0・全項目7.0」。CDUとグリフィス大学の学部が「総合7.0・各項目6.5以上」です。

他分野なら6.0〜6.5で出願できる大学が普通にありますが、この分野には見当たりません。患者さんとの面談・記録・多職種との連携が業務の中心にあるためです。「大学は選べるが、英語のスコアで選択肢が決まる」というのが実態に近い表現です。

事実4|奨学金は「大学単位」ではなく「コース単位」で見る必要があります

ウーロンゴン大学には Postgraduate Academic Excellence Scholarship(30%減額・申請不要)があります。ただし公式ページの除外コース一覧に、Master of Nutrition and Dietetics が名指しで記載されています。(同じく除外されているのは臨床心理学修士、臨床運動生理学修士、教職修士、ソーシャルワーク修士、医学博士です。)

ECUには International Excellence Scholarship(20%減額)がありますが、対象国はインドとパキスタンのみ。日本は入っていません。一方、ECUの学部向け 20%減額は対象国リストに日本が明記されており、同じ大学のなかで、学部と大学院で扱いが違います。

この分野で、日本人が申請不要で対象になり得る減額(2026年8月時点)
  • CDU Global Merit Scholarship ── 30%(申請不要・自動審査・2026年入学者)
  • グリフィス大学 International Student Academic Excellence Scholarship ── 25%(GPA 5.5/7以上・別途申請不要)
  • QUT International Merit Scholarship ── 25%(日本の高校は5段階GPA 4.60、豪州学位は7段階GPA 5.00・別途申請不要)
  • ニューカッスル大学 International Excellence Scholarship ── 20%(申請不要・自動審査)
いずれも成績要件があり、全員が対象になるわけではありません。また減額率・対象条件は入学年ごとに改定されます。

事実5|永住ルートとしては、率直に言って弱い分野です

内務省の職業リストを確認すると、Dietitian(ANZSCO 251111)は CSOL(456職種)に掲載されていますが、MLTSSLには掲載がありません。この違いは決定的で、MLTSSLに載っていない職種は、189(技術独立ビザ/雇用主のスポンサーも州の指名も不要)に申請できません。

さらに、Nutritionist(251112)はCSOLにも掲載されていません。そして2025年の職業不足リスト(Occupation Shortage List)では、251111・251112ともに全州・全国で「No Shortage(不足なし)」と評価されています。

「永住を主目的に栄養士を選ぶ」という設計は、この数字を見る限り成立しにくいと考えています。ただし「オーストラリアで栄養士として働きたい」という目的自体は、485(卒業生ビザ)と482(雇用主のスポンサー)を通じて十分に現実的です。後半で整理します。

大学の選択肢(大学院7校・学部2校)

Dietitians Australia の認定課程一覧には19大学・26課程が掲載されています。そのうち、留学生が出願でき、学費・入学条件を公式に確認できた大学を以下にまとめます。掲載順は授業料の総額(定価)が低い順です。

CDUチャールズ・ダーウィン大学 ── Master of Dietetics

この分野で、減額後の実質負担が最も軽くなる可能性が高い1校です。定価の年 AUD 34,736 は掲載校で最安。加えて CDU Global Merit Scholarship(30%・申請不要・自動審査)があり、これが適用されると2年で約 AUD 48,630まで下がります。

英語要件も、この分野では最も緩い部類です。総合7.0は他校と同じですが、各項目は6.5以上。全項目7.0を求める大学が多いなかで、この0.5の差は実際には大きな違いになります。

キャンパスはダーウィン(Casuarina)。北部準州は地方指定(Regional)で、卒業生ビザ(485)の追加期間の対象地域です。入学要件は保健系の学士+GPA 5.0以上で、前提科目は化学2・生化学2・人体生物学2・人体生理学2・食品栄養科学2。加えて志望動機の書面提出が要ります。

注意点も明記しておきます。CDU公式ページには「定員が限られた競争率の高いコース」と記載があり、先住民の方と北部準州在住者向けのサブクオータも設けられています。出願すれば入れる課程ではありません。

2年期間(Casuarina)
$34,736年額(2026年・定価)
7.0(各6.5)IELTS
100日実習
108289CCRICOS
QUTクイーンズランド工科大学 ── Master of Nutrition and Dietetics

1.5年という期間の短さが最大の特徴です。2026年の年額 AUD 39,700 で計算すると総額は約 AUD 59,550QUT International Merit Scholarship(25%・別途申請不要)が適用されると約 AUD 44,663となり、掲載校で最も低くなります。実習は最低760時間、キャンパスはブリスベンのKelvin Grove入学は7月です。

ただし、日本から出願する方にとっては、入学要件に確認すべき点があります。QUTの公式表記は「recognised Australian nutrition science or nutrition bachelor degree(豪州の栄養科学または栄養学の学士)を過去10年以内に修了」で、さらにフルタイム換算1.625年以上の学修を求めています。加えて食物学、先住民保健、栄養コミュニケーション・カウンセリング、人体栄養学、生化学・生理学、応用栄養療法の各科目が指定されています。

この「Australian」という語をどう解釈するかは、公式ページからは判断できません。海外の栄養学の学士で出願できるのか、それとも豪州の学位が必須なのか──ここは推測で書けない部分です。QUTへ直接照会して確認する必要があります。アンアルウェンからの照会は無料でお受けします。

なお、2027年の年額は AUD 43,000 に上がることが公表されています(1.5年で約 AUD 64,500)。入学年で約 AUD 5,000 の差が出ます。

1.5年期間(最短)
$39,700年額(2026年・定価)
7.0(各7.0)IELTS
760時間実習
120800CCRICOS
ECUエディス・コーワン大学 ── Master of Nutrition and Dietetics

1.5年(3トライメスター+1セメスター)という構成で、初年度の概算学費は AUD 41,550総額は約 AUD 62,325 です。キャンパスはパースのJoondalup。入学はセメスター1(2月下旬)のみです。

入学要件の書き方が、この課程は比較的わかりやすい点は評価できます。「human bioscience 分野の学士」とされ、対象例としてアライドヘルス、生物医科学、運動・スポーツ科学、食品科学、健康科学、医学、看護、栄養学、薬学、理学が挙げられています。WAM(加重平均点)65%以上が条件です。前提科目は化学(0.25 EFTSL)→生化学(0.25)、人体生物学(0.25)→人体生理学(0.25)

正直にお伝えすべき点があります。ECUの大学院向け授業料減額(International Excellence Scholarship・20%)は、対象国がインドとパキスタンのみで、日本は含まれていません。一方でECUの学部向け20%減額は、対象国リストに日本が明記されています。つまりこの大学院課程については、日本国籍の方が期待できる減額が確認できていません。定価がそのまま実費に近くなる前提でご検討ください。

なおECUの公式ページには「学生ビザ保持者はフルタイムのみ選択可能」と明記されています。

1.5年期間
$41,550初年度概算(定価)
7.0(各7.0)IELTS
Joondalupキャンパス(パース)
WAM 65%成績要件
UniSCサンシャインコースト大学 ── Master of Dietetics (Sports Nutrition)

スポーツ栄養に特化した、この分野で唯一の設計です。UniSC自身が「オーストラリアでスポーツ栄養に特化した唯一の栄養士課程」と記載しています。2年・年 AUD 38,500(総額 77,000)、キャンパスはMoreton Bayトライメスター1と2の年2回入学です。

ただし、認定状況について、確認された記載に食い違いがあります。Dietitians Australia が公表する認定課程一覧には Master of Dietetics (Sports Nutrition)(MC001)が「条件付き認定(Accredited with conditions)」として掲載されています。一方、UniSCの課程ページには「Dietitians Australia の認定申請中(subject to accreditation / seeking accreditation)」と書かれています。

この2つは同じ状態を指している可能性もありますが、公式資料の記載が一致していない以上、こちらで「どちらが正しい」と決めることはできません。この課程を志望される場合は、出願前にUniSCとDAの双方へ書面で確認することを強くおすすめします。アンアルウェンからも照会します。

入学要件は「human science 分野の学士」で、栄養生化学・人体生理学・運動生理学・人体栄養学を含むことが条件です。実習はフルタイム(週5日)で、居住地から離れた場所への移動が必要になる場合があると記載されています。

2年期間
$38,500年額(定価)
Moreton Bayキャンパス
年2回入学(TRI 1・2)
116690ECRICOS
ディーキン大学Master of Dietetics

1.5年で、メルボルンで学べる選択肢です。キャンパスはBurwood(メルボルン)のみ。留学生の初年度概算学費は AUD 52,800(総額 約 AUD 79,200)。入学はセメスター1(1月下旬〜2月上旬)のみです。

実習の量と構成が具体的に公表されている点は、比較検討のうえで有用です。2セメスターにわたり合計約22週のフルタイム実習(週37〜40時間)で、内訳は臨床10週・地域7週・給食管理4週・選択1週全学生が最低1回は地方(regional)での実習を行う前提と明記されています。

入学要件は「過去10年以内の関連分野の学士以上」+前述の前提科目(栄養・食品科学4科目、化学2→生化学2、人体生物学2→人体生理学2)。「関連分野」の範囲がやや広めに書かれているため、日本の学位でも科目が揃っていれば検討の余地があります。

奨学金については、注意して確認する必要があります。ディーキン大学には留学生向けの授業料減額制度がありますが、制度によって対象国が限定されているものがあります。この課程に対して日本国籍の方が実際に適用を受けられるかは、出願年ごとに大学へ照会して確認する必要があるとお考えください。公式に確認できない範囲を「適用されます」と書くことはできません。

1.5年期間
$52,800初年度概算(定価)
約22週実習(フルタイム)
Burwoodキャンパス(メルボルン)
056059GCRICOS
ウーロンゴン大学Master of Nutrition and Dietetics

入学要件の書き方が、掲載校のなかで最も海外学位に開かれています。公式表記は「認定された高等教育機関の3年以上の学士」で、「Australian」という限定がありません。そのうえで化学・生化学・人体生物学・生理学・栄養科学・統計学の履修内容を求めます。

実習の量も明確です。800時間の専門実習を、都市部・地方・へき地の総合病院および専門病院、コミュニティ、産業界で行い、さらに20週の研究が含まれます。2年課程で、研究要素が明示されている点は他校と異なります。

学費は公式に総額が示されています。2026年でセッション AUD 20,880、コース総額 AUD 83,520。

ここで、正直にお伝えしなければならないことがあります。ウーロンゴン大学の Postgraduate Academic Excellence Scholarship(30%減額・申請不要)の公式ページには、除外コースとして Master of Nutrition and Dietetics が明記されています。つまりこの課程では、大学の主力奨学金が使えません。定価の AUD 83,520 が、そのまま授業料になります。

出願にあたっては推薦者2名のレポートと補足情報フォームの提出が必要です。出願締切も早く、2027年入学は2026年9月30日と公表されています。入学の1年以上前に動き始める必要がある課程です。

2年期間
$83,520総額(2026年・定価)
7.0(各7.0)IELTS
800時間実習+研究20週
007054GCRICOS
フリンダース大学Master of Nutrition and Dietetics

アデレードで学ぶ選択肢です。2年・Bedford Parkキャンパス・3月入学。留学生の年額は AUD 50,200(2026年)で、総額は約 AUD 100,400。掲載校のなかで最も高くなります。ただしフリンダース大学は年額に大学の学生サービス料(SSAF)を含めて表示しており、他校と単純比較する際は注意が要ります。

認定については、公式ページに具体的な記載があります。「Dietitians Australiaの認定を受けており、イギリス、カナダ、シンガポール、ニュージーランドでも認められている」と書かれています。豪州以外での就労も視野に入れる場合、この記載は検討材料になります。

入学要件はEFTSL(学修量)で細かく指定されています。人体栄養学・食品科学 0.375 EFTSL、1年次の基礎バイオサイエンス 0.5 EFTSL、2年次の人体生化学 0.25 EFTSL、人体生理学 0.25 EFTSL、GPA 5.0以上フリンダース大学は前提科目の自己評価フォーム(self-assessment form)を公開しており、出願前に自分で確認できます。

実習に関する記載で注目すべき点があります。地方・州外での実習について、大学が渡航費と宿泊費を補助すると明記されています。実習にかかる自己負担は大学によって扱いが違うため、ここは実質的なコスト差になります。

また、指定された健康診断・予防接種・犯罪経歴証明の取得が必要と明記されています(これは実習を伴う保健系課程では一般的な要件です)。

2年期間
$50,200年額(2026年・SSAF込)
7.0IELTS
GPA 5.0成績要件
002655MCRICOS
グリフィス大学Bachelor of Nutrition and Dietetics(学部4年)

高校卒業から入る4年一貫ルートです。ゴールドコーストキャンパス、年 AUD 43,500(2026年・80単位換算)で、4年総額は約 AUD 174,000大学院に入るための前提科目がない方にとって、最も直線的なルートになります。

実習は最低100日(800時間)3年次に15日(120時間)、残りを4年次という配分が公表されています。卒業により Dietitians Australia の会員資格およびAPDプログラムの対象になると大学が明記しています。

英語要件は 総合7.0・各項目6.5以上。全項目7.0を求める大学と比べると、スピーキングやライティングで7.0に届かない方にとって現実的な選択肢になります。

奨学金は、この課程では効きます。グリフィス大学の International Student Academic Excellence Scholarship(25%・全期間・別途申請不要)は、除外プログラムが医科学、歯科保健科学、医学博士、歯学修士、薬学修士、言語聴覚療法修士、飛行管理大学院ディプロマで、栄養士課程は除外に含まれていません。GPA 5.5/7以上が条件です。25%が適用されれば4年で約 AUD 130,500となり、AUD 43,500 の差が出ます。

ただし、締切に注意が必要です。グリフィス大学の公式記載では、2026年入学分については「2025年7月31日までに出願」が条件とされていました。この奨学金は入学年ごとに出願期限が設定されるため、コースの出願締切より大幅に早い可能性があります。「あとで申し込めばいい」制度ではありません。ここは逆算が要ります。
4年期間
$43,500年額(2026年・定価)
7.0(各6.5)IELTS
100日実習(800時間)
ゴールドコーストキャンパス
ニューカッスル大学Bachelor of Nutrition and Dietetics (Honours)(学部4年)

もうひとつの高校卒業からの4年ルートです。Callaghanキャンパス(ニューカッスル)、年 AUD 45,070(80単位のフルタイム)4年総額は約 AUD 180,280Honours(優等学位)が学位名に含まれる4年課程で、研究の要素が組み込まれています。

実習は800時間以上で、大学は「NSW州内および州外の多様な現場」と記載しています。入学要件は日本の高校卒業(HSC相当)+英語要件。IELTSは総合7.0・各項目7.0です。

奨学金は International Excellence Scholarship(年間授業料の20%相当・申請不要・自動審査)CRICOS登録の学部・大学院コースワークが対象で、除外されているのは英語ブリッジング、エナブリング、非学位、交換・アブロード、研究学位です。20%が適用されれば4年で約 AUD 144,224になります。

選択の目安をひとつ。グリフィス大学とニューカッスル大学は、どちらも4年・実習800時間・DA認定という点でほぼ同じ設計です。差が出るのは英語要件(グリフィス大学のほうが各項目0.5低い)減額率(グリフィス大学25% vs ニューカッスル大学20%)立地(ゴールドコースト vs ニューカッスル)の3点です。減額後の差額は約 AUD 13,700。判断材料としては、まず英語のスコアで見てください。

4年期間(Honours)
$45,070年額(定価)
7.0(各7.0)IELTS
800時間超実習
001131CCRICOS
このページに載せていない大学について
Dietitians Australia の認定一覧には、ほかにもシドニー大学、モナシュ大学、ボンド大学、クイーンズランド大学、ACU、キャンベラ大学、ラトローブ大学、スウィンバーン大学、ビクトリア大学、カーティン大学などが掲載されています。掲載していないのは「良くない大学だから」ではなく、留学生の受入状況・学費・入学要件のいずれかが公式ページから確認できなかったためです。
志望校がこのリストにない場合も、ご相談ください。DAの認定状況と留学生の受入可否を大学へ照会します。無料です。

比較表

大学院(修士)7課程

大学期間年額(定価)総額(定価)IELTS実習キャンパス
CDU
Master of Dietetics
2年$34,736
2026年
$69,472 7.0(各6.5)100日ダーウィン
QUT
M. Nutrition & Dietetics
1.5年$39,700
2026年
約$59,550 7.0(各7.0)760時間ブリスベン
ECU
M. Nutrition & Dietetics
1.5年$41,550
初年度概算
約$62,325 7.0(各7.0)記載なしパース
UniSC
M. Dietetics (Sports)
2年$38,500$77,000 要確認フルタイムMoreton Bay
ディーキン大学
Master of Dietetics
1.5年$52,800
初年度概算
約$79,200 要確認約22週メルボルン
ウーロンゴン大学
M. Nutrition & Dietetics
2年$41,760
セッション×2
$83,520
公式の総額
7.0(各7.0)800時間
+研究20週
ウーロンゴン
フリンダース大学
M. Nutrition & Dietetics
2年$50,200
2026年・SSAF込
約$100,400 7.0実習ありアデレード

学部(4年)2課程

大学期間年額(定価)総額(定価)IELTS実習キャンパス
グリフィス大学
B. Nutrition & Dietetics
4年$43,500
2026年
約$174,000 7.0(各6.5)100日
(800時間)
ゴールドコースト
ニューカッスル大学
B. Nutrition & Dietetics (Hons)
4年$45,070約$180,280 7.0(各7.0)800時間超ニューカッスル
※学費はすべて留学生向けの定価(奨学金適用前)です。「初年度概算」は各大学が「典型的な履修に基づく初年度の目安」と示している金額で、実際の請求額は履修科目により変動します。QUTの総額は2026年の年額を1.5倍して算出した参考値で、大学が公表する総額ではありません。ウーロンゴン大学の総額 $83,520 は大学が公式に示している金額です。「要確認」は、公式ページから確認できなかった項目です。推測で数値を入れていません。

この表の読み方 ── 3つの注意点

01

期間が違えば総額も変わります

年額の安さと総額の安さは一致しません。QUTは年額ではCDUより高いのに、1.5年課程なので総額は最も低くなります。逆にCDUは年額が最安でも2年課程です。比較すべきは総額です。

02

この表は「定価」です

減額を反映すると順位が入れ替わります。CDUの30%が適用されると総額は約 $48,630 となり、ECU($62,325・減額の見込みが立たない)より安くなります。次のセクションで計算します。

03

入学要件で候補が絞られます

安い順に選べる分野ではありません。QUTは公式表記が「豪州の栄養系学士」。前提科目が揃っていなければ、そもそも大学院には出願できません。まず「入れる課程」を確定してから、費用を比べてください。

学費(定価)

この表の金額は、すべて奨学金を適用する前の「定価」です。アンアルウェンを通してご出願いただく場合、対象になり得る授業料減額を1件ずつ確認し、締切から逆算して申請までサポートします。追加費用はかかりません。学費も直接申し込む場合と変わりません。この分野は「大学は対象でもこの課程は除外」というケースが実際にあるため、確認の有無で数十万円単位の差が出ます。

授業料以外にかかるもの

項目金額の目安備考
学生ビザ申請料AUD 2,5002026年7月1日に AUD 2,000 から引き上げられた現行額(主申請者)
生活費(財政要件)AUD 29,710/年学生ビザの財政能力要件(単身・12か月)。実際の生活費は都市により上下します
OSHC(海外学生健康保険)年 AUD 700〜900単身の目安。加入は学生ビザの条件です
健康診断・予防接種数百 AUDこの分野に固有の費用です。病院実習の前提として、大学が指定する予防接種歴の証明を求めます
犯罪経歴証明数十〜百 AUD同上。実習先が医療機関・高齢者施設のため、大学が取得を求めます
実習中の交通費・滞在費大学により異なる地方実習が必修の大学があります。フリンダース大学は「渡航費・宿泊費を補助」と明記。ディーキン大学は「全学生が最低1回は地方実習」と記載

総額の目安

ルート授業料(定価)生活費等を含む総額円換算の目安
修士 1.5年(QUT)約 $59,550約 $108,000約 1,080万円
修士 2年(CDU)$69,472約 $133,000約 1,330万円
修士 2年(フリンダース大学)約 $100,400約 $164,000約 1,640万円
学部 4年(グリフィス大学)約 $174,000約 $299,000約 2,990万円
学部 4年(ニューカッスル大学)約 $180,280約 $305,000約 3,050万円
※総額は「授業料+生活費(AUD 29,710/年で計算)+OSHC(年 AUD 800)+学生ビザ申請料 AUD 2,500」の概算です。実際の生活費は都市・住まい方で大きく変わります。円換算は1豪ドル=100円での概算で、為替により変動します。この金額には、健康診断・予防接種・犯罪経歴証明・実習中の移動費は含めていません。

学部4年と修士1.5〜2年では、総額に約2〜3倍の差が出ます。すでに理系・栄養系の学士をお持ちであれば、大学院ルートのほうが時間も費用も大幅に有利です。ご自身の学部での履修科目が前提要件を満たすかどうかが、この判断の分かれ目になります。前提科目のセクションをご覧ください。

奨学金 ── 課程ごとに確認が要ります

この分野の奨学金には、他分野ではあまり見られない特徴があります。「大学としては留学生向けの減額を出しているのに、栄養士課程だけが除外されている」というケースがあることです。

確認できた制度の一覧

大学・制度名減額率日本人申請この課程での扱い
CDU
Global Merit Scholarship
30%対象不要 TAFE・学部・大学院コースワーク・研究学位が対象。国籍による除外の記載なし。2026年開始者向け
グリフィス大学
International Student Academic Excellence
25%対象不要 豪州・NZ以外の国籍・GPA 5.5/7以上除外プログラムに栄養士課程は含まれない。出願期限に注意
QUT
International Merit Scholarship
25%対象不要 日本の高校は5段階GPA 4.60、豪州学位は7段階GPA 5.00健康学部も対象学部に含まれる
ニューカッスル大学
International Excellence Scholarship
20%対象不要 CRICOS登録の学部・大学院コースワークが対象。除外は語学・エナブリング・研究学位など
ウーロンゴン大学
Postgraduate Academic Excellence
30%対象外不要 除外コース一覧に Master of Nutrition and Dietetics が明記されています
ECU
International Excellence(大学院)
20%対象外不要 対象国はインドとパキスタンのみ。日本は含まれていません
ECU
International Undergraduate(学部)
20%対象不要 対象国リストに日本が明記。ただし学部向けで、この大学院課程には使えません
フリンダース大学
Kickstart/Global/Excellence 等
最大20〜25%要確認要確認 複数の制度があり「最大◯%」表記。日本国籍の可否と、この課程が対象かは大学への照会が必要
ディーキン大学
留学生向け減額
要確認要確認要確認 制度によって対象国が限定されているものがあります。出願年ごとの照会が必要です
UniSC 要確認要確認要確認 この課程に適用される制度を公式ページから確認できませんでした
※「要確認」は「無い」という意味ではありません。公式ページから条件を確定できなかったという意味です。確認できていないものを「適用されます」と書くことはしていません。アンアルウェンでは、志望校が決まった段階で大学に直接照会します。

実際にいくら変わるのか

上の表で日本国籍でも対象になり得ることが確認できた制度だけを反映して、授業料の総額を並べ直します。

大学定価(総額)定価の順位減額後減額後の順位
QUT(1.5年)約$59,5501位約$44,663
25%減
1位
CDU(2年)$69,4723位約$48,630
30%減
2位
ECU(1.5年)約$62,3252位約$62,325
減額の見込みなし
3位
UniSC(2年)$77,0004位要確認
ディーキン大学(1.5年)約$79,2005位要確認
ウーロンゴン大学(2年)$83,5206位$83,520
この課程は除外
フリンダース大学(2年)約$100,4007位要確認

ECUとCDUの順位が入れ替わります。定価ではECU(約 $62,325)のほうがCDU($69,472)より約 $7,100 安いのに、減額を反映するとCDU(約 $48,630)のほうが約 $13,700 安くなります。差が逆転するだけでなく、その幅が2倍近くになります。

学部4年でも同じことが起きます。グリフィス大学は25%で約 $130,500、ニューカッスル大学は20%で約 $144,224。定価の差は約 $6,300 でしたが、減額後は約 $13,700 に開きます。

この試算の前提
上の減額率は、各大学が公表している制度の数字をそのまま当てはめたものです。「この減額が必ず得られる」という意味ではありません。いずれの制度にも成績要件があり、審査があります。また減額率・対象条件・出願期限は入学年ごとに改定されます。
なお、上記はいずれも別途の申請書が不要(コース出願と同時に自動審査)と各大学が明記している制度です。ただし「申請不要」=「締切がない」ではありません。グリフィス大学のように入学年ごとの出願期限が設定されているケースがあります。

アンアルウェンを通すと、何が変わるか

01

対象になり得る制度を洗い出します

大学の全体向け制度、学部・大学院で扱いが違う制度、この課程が除外されていないかまで確認します。ウーロンゴン大学の除外や、ECUの学部と大学院の違いは、該当ページを開かないと気づけません。

02

締切から逆算します

この分野は、コース自体の出願締切が早い課程があります。ウーロンゴン大学は2027年入学の締切が2026年9月30日。奨学金の期限がさらに早いこともあります。逆算して動く時期をお伝えします。

03

前提科目の照会を代行します

この分野で最も時間がかかるのが、日本の学部での履修科目が前提要件を満たすかの判定です。成績証明書とシラバスの英訳を揃え、大学へ照会します。回答まで2〜4週間かかります。無料です。

いずれも無料です。学費も、大学へ直接申し込む場合と変わりません。この分野は「定価で判断すると順位を誤る」典型的な領域です。まず、実際に払う金額でご提案します。

英語要件 ── IELTS 7.0の壁

この分野を検討される方から最も多くいただくご相談が、英語要件です。結論から申し上げると、この分野は他の分野より明確に高い基準が設定されています。

大学・課程IELTS(総合)各項目
ウーロンゴン大学(修士)7.0全項目 7.0
QUT(修士)7.0全項目 7.0
ECU(修士)7.0全項目 7.0
フリンダース大学(修士)7.0公式表記は総合7.0
ニューカッスル大学(学部)7.0全項目 7.0
CDU(修士)7.0各項目 6.5 以上
グリフィス大学(学部)7.0各項目 6.5 以上
※フリンダース大学は他の試験の換算値(PTE 65/TOEFL iBT 94/Duolingo 130)も公表しています。※グリフィス大学については、より高い基準(総合7.5・全項目7.0以上・スピーキングとリスニング8.0以上)を示す第三者サイトの記載も見られました。大学公式の基準と一致しないため、出願前に大学へ直接確認することをおすすめします。アンアルウェンから照会します。

なぜ、この分野だけ基準が高いのか

公式に「なぜ高いか」を説明している大学は多くありませんが、この分野の業務内容から推測できることはあります。栄養士の仕事は、患者さんへの面談(栄養カウンセリング)、医師・看護師・言語聴覚士との連携、カルテへの記録が中心です。実習中も同じことが求められます。

ただし、これはあくまで一般的な傾向としての説明で、大学が公式にそう述べているわけではありません。確実に言えるのは、「各項目7.0が求められる課程が大半である」という事実だけです。

スコアが足りない場合の選択肢

1. 各項目6.5でよい課程を狙う

CDU(修士)とグリフィス大学(学部)は、各項目6.5以上です。総合7.0は変わりませんが、ライティングやスピーキングだけが6.5で止まっている方にとっては、現実的な差になります。この2校はいずれも日本人が対象になり得る減額(30%・25%)がある点でも有利です。

2. 大学付属の英語コース(ELICOS)を挟む

多くの大学が付属の英語コースを持ち、修了により直接入学(Direct Entry)を認めています。ただし「この課程にも直接入学が使えるか」は課程ごとに異なります。各項目7.0を求める課程では、英語コースからの直接入学に条件が付く場合があります。ここは必ず個別に確認が必要です。

3. 一度Nutrition Scienceの学部に入る

栄養科学の学士(3年)は、英語要件が栄養士課程より緩く設定されている場合があります。そこで前提科目を揃えつつ英語力を伸ばし、大学院のDietetics課程へ進むという設計です。ただし合計4.5〜5年かかり、費用も増えます。

4. 英語を伸ばしてから出願する

もっとも単純ですが、この分野ではこれが最も現実的な場合が多いです。栄養士課程は入学が年1回のみ(セメスター1)という大学が複数あります。半年〜1年の準備期間を取り、その間に前提科目の確認も並行して進めるのが堅実です。

入学要件 ── 前提科目という関門

この分野で最も多くの方がつまずくのが、ここです。「学士を持っていれば大学院に出願できる」という一般的な理解が、この分野では通用しません。

大学ごとの前提科目要件

大学学位の要件前提科目成績要件
ウーロンゴン大学 認定機関の3年以上の学士
「Australian」の限定なし
化学、生化学、人体生物学、生理学、栄養科学、統計学 推薦者2名+補足フォーム
ディーキン大学 過去10年以内の関連分野の学士以上 栄養・食品科学4科目/化学2→生化学2/人体生物学2→人体生理学2 記載なし
ECU human bioscience 分野の学士
アライドヘルス・生物医科学・運動科学・食品科学・健康科学・医学・看護・栄養学・薬学・理学
化学0.25→生化学0.25/人体生物学0.25→人体生理学0.25(EFTSL) WAM 65%以上
CDU 保健関連分野の学士 化学2、生化学2、人体生物学2、人体生理学2、食品栄養科学2 GPA 5.0以上+志望動機書
フリンダース大学 承認された学士または同等資格 人体栄養・食品科学0.375/基礎バイオサイエンス0.5/人体生化学0.25/人体生理学0.25(EFTSL) GPA 5.0以上
UniSC human science 分野の学士 栄養生化学、人体生理学、運動生理学、人体栄養学 記載なし
QUT 「recognised Australian nutrition science or nutrition bachelor degree」を過去10年以内に修了(公式表記) 食物学、先住民保健、栄養コミュニケーション・カウンセリング、人体栄養学、生化学・生理学、応用栄養療法 フルタイム換算1.625年以上の学修
QUTの表記について、推測を書きません。QUTの公式ページには「recognised Australian nutrition science or nutrition bachelor degree」と書かれています。この「Australian」が、海外の栄養学学士を排除する意味なのか、それとも「豪州で認定される水準の」という意味なのかは、公式ページからは判断できません。
したがって「日本の学位では出願できない」とも「できる」とも、こちらでは断定しません。QUTを志望される場合は、成績証明書を添えてQUTへ照会し、書面で回答を得るのが唯一の確実な方法です。この照会はアンアルウェンが代行します。

日本の学部別に見た、実際の見通し

日本での学部大学院ルートコメント
栄養学部・管理栄養士養成課程 可能性が高い 栄養学・食品科学・生化学・生理学がひととおり揃っていることが多く、前提科目の面では最も有利です。ただし科目名の対応は個別審査で、シラバスの英訳提出を求められます
看護・保健・医療系 可能性あり ECUが対象例に「看護」を明記しています。生化学・生理学は揃いやすい一方、栄養学・食品科学の履修が不足しがちです。ここが判定の分かれ目になります
理学部(生物・化学)・農学部 可能性あり 化学・生化学・生物学は強い一方、人体生理学と栄養学が不足することがあります。不足分だけを別途履修して補えるかは、大学によって扱いが異なります
スポーツ・健康科学系 可能性あり UniSCが「運動生理学」を前提科目に含めているため、この分野の出身者と相性があります。ECUも「運動・スポーツ科学」を対象例に明記
文系(経済・法・文学など) 直接は困難 前提科目がまったく揃わないため、大学院への直接出願は現実的ではありません。選択肢は学部4年ルート(グリフィス大学・ニューカッスル大学)か、栄養科学の学士(3年)を経て大学院です

この表は目安であり、判定は必ず大学が行います。「栄養学部だから大丈夫」「文系だから無理」と、こちらで確定することはできません。実際には、同じ学部でも履修した科目によって結果が分かれます。

照会に必要なもの

前提科目の判定を大学に依頼するとき、必要になる書類
  • 成績証明書(英文) ── 出身大学で発行
  • シラバス(科目内容の説明)の英訳 ── 該当科目のみで可の場合が多い。ここが最も手間のかかる部分です
  • 学位記または卒業証明書(英文)
  • 大学によっては自己評価フォーム(フリンダース大学は公開しています)
回答までの目安は2〜4週間。複数校へ同時に照会するのが現実的です。アンアルウェンが取りまとめて照会し、結果をお伝えします。無料です。

進学ルート ── 経歴別

CASE 01日本の高校を卒業した方(大学未進学)

英語準備

IELTS 7.0を目標
各項目6.5以上

学部4年

グリフィス大学 or
ニューカッスル大学

実習800時間

3〜4年次に
組み込み

APD

DA会員登録
+485で就労

授業料の目安:定価で約 AUD 174,000〜180,280(4年)。減額適用後は約 AUD 130,500(グリフィス大学25%)〜144,224(ニューカッスル大学20%)。生活費を含む総額はおよそ AUD 299,000〜305,000。この分野で最も時間と費用がかかるルートですが、前提科目の心配がない唯一の入口でもあります。
CASE 02日本の栄養学部・管理栄養士養成課程を卒業した方

前提科目の判定

成績証明+
シラバス英訳

英語 IELTS 7.0

各項目7.0が
標準

修士 1.5〜2年

CDU・QUT・ECU
ディーキン等

APD

1.5〜2年で
資格まで到達

授業料の目安:定価で約 AUD 59,550〜100,400。減額適用後はQUT 約44,663/CDU 約48,630。生活費を含む総額はおよそ AUD 108,000〜164,000。最も費用対効果の高いルートです。ただし前提科目の判定が通ることが前提で、ここは出願前に必ず確認します。
CASE 03看護・保健・理系の学部を卒業した方

不足科目の特定

栄養学・食品科学
が不足しがち

補完の可否を照会

別途履修で
補えるか確認

修士 1.5〜2年

ECUは看護を
対象例に明記

APD

医療の実務経験が
実習で効きます

ポイント:不足科目を別途の履修で補えるかどうかは、大学によって扱いが異なります。「補完を認める」と公式に明記している大学は多くありません。ここは推測せず、大学へ照会して回答を得る必要があります。補完が認められない場合、栄養科学の学士(3年)を挟むか、学部4年ルートに切り替える判断になります。
CASE 04文系の学部を卒業した方

目的の再確認

臨床の栄養士か
栄養科学か

学部4年 or
栄養科学3年

単位認定が
効く場合あり

(3年ルートなら)
修士1.5〜2年

合計4.5〜5年

APD

時間と費用は
かかります

率直に申し上げます。文系学部から臨床の栄養士を目指す場合、最短でも4年、場合によっては5年かかります。費用は AUD 300,000 前後。これを踏まえたうえで、それでも進みたいかを確認していただく必要があります。
ただし、既修得単位の認定(credit)が効く可能性はあります。教養科目や統計・心理学などが認定されれば、1学期分の短縮になることがあります。まず成績証明書を拝見して、どこまで短縮できるかを大学へ照会します。

実習の中身 ── 約800時間

この分野の学位が長い理由は、実習にあります。Dietitians Australia の認定を受けるために、各大学は臨床・地域・給食管理の3領域にわたる実習を学位に組み込んでいます。

大学ごとの実習量

大学実習量公表されている内訳・条件
ウーロンゴン大学800時間都市・地方・へき地の総合病院と専門病院、コミュニティ、産業界。加えて20週の研究
QUT760時間「最低760時間の専門実習」と記載
グリフィス大学100日(800時間)3年次に15日(120時間)、残りを4年次
ニューカッスル大学800時間超「NSW州内および州外の多様な現場」
CDU100日「コース全体を通じた指導つき専門実習」。フルタイム実習は1月中旬から開始
ディーキン大学約22週
(週37〜40時間)
臨床10週・地域7週・給食管理4週・選択1週。全学生が最低1回は地方実習
フリンダース大学実習あり地方・州外実習の渡航費と宿泊費を大学が補助と明記
UniSCフルタイム(週5日)「居住地から離れた場所への移動が必要になる場合がある」

3つの領域で、何をするか

01

臨床(Clinical)

病院で入院患者の栄養評価と食事療法を担当します。糖尿病、腎疾患、消化器疾患、がん、摂食嚥下障害、経腸・静脈栄養など。医師・看護師・言語聴覚士との回診やカンファレンスに入ります。この分野の実習で最も比重が大きい部分です。

02

地域(Community)

地域保健の現場で、集団を対象にした栄養介入を行います。学校、高齢者施設、先住民コミュニティ、健康増進プログラムなど。「個人を診る」臨床とは発想が変わります。ディーキン大学は7週を割り当てています。

03

給食管理(Food Service)

病院・施設の給食部門で、献立設計、衛生管理、コスト管理、大量調理のオペレーションを学びます。栄養学というより経営・品質管理に近い領域で、ここを苦手に感じる学生も少なくありません。ディーキン大学は4週です。

実習が生活に与える影響 ── 先に見積もってください

実習期間中は、実質的にアルバイトができません。ディーキン大学の記載では週37〜40時間のフルタイム。学生ビザの就労制限(2週48時間)以前に、時間的に不可能です。
さらに、複数の大学が地方実習を必修または前提としています。ディーキン大学は「全学生が最低1回は地方実習」、UniSCは「居住地から離れた場所への移動が必要になる場合がある」と明記。その期間は、住まいを二重に確保することになる可能性があります。
逆に、フリンダース大学は「地方・州外実習の渡航費と宿泊費を大学が補助する」と明記しています。学費だけを見ると同大学は掲載校で最も高いのですが、この点は実質的なコスト差として計算に入れる価値があります。
「実習期間の生活費を、別枠で用意しておく」── これが、この分野の資金計画で最も見落とされやすい点です。

実習前に求められる手続き

医療機関・高齢者施設での実習が前提となるため、複数の大学が以下を要件として明記しています。フリンダース大学は「大学および保健省の方針に従い、指定された健康診断、予防接種、犯罪経歴のスクリーニングを完了すること」と記載しています。

一般に求められるもの(大学により異なります)
  • 予防接種歴の証明 ── B型肝炎、麻疹・風疹・おたふくかぜ、百日咳、水痘など。日本での接種記録を英文で用意しておくと、渡航後の手間が減ります
  • 結核(TB)のスクリーニング
  • 犯罪経歴証明(Police Check)
  • Working with Children Check(小児を扱う実習先がある場合)
  • 州によってはNDIS Worker Screening
これらは実習の直前ではなく、入学前後から準備が始まります。母子手帳の予防接種記録をお持ちの方は、渡航前に英訳しておくことを強くおすすめします。

卒業後の進路・働き方

主な就職先

病院(公立・民間)

栄養士の中心的な就職先です。病棟担当として入院患者の栄養管理にあたり、外来の栄養指導も担当します。新卒がまず経験を積む場所で、実習先がそのまま就職につながることもあります。

高齢者ケア(Aged Care)

高齢者施設での栄養管理と給食の質の監督。低栄養、嚥下困難、褥瘡への対応が中心になります。オーストラリアの高齢者ケア分野は制度改革が続いており、栄養に関する要件も強化される流れにあります。

地域保健・公衆衛生

州保健局、地域保健サービス、先住民保健機関など。個人ではなく集団を対象にした栄養政策・健康増進プログラムを扱います。公衆衛生と重なる領域です。

私設クリニック(開業)

APDとして開業し、GPからの紹介を受けて栄養指導を行う形態です。MedicareやDVA、民間医療保険の還付を扱えることが前提になるため、APDであることが実質的な必須条件になります。

食品企業・研究

商品開発、栄養表示・規制対応、マーケティング、大学・研究機関での研究職。この領域はDietetics(栄養士)でなくても、Nutrition Science(栄養科学)の学位で進めることが多い分野です。

スポーツ栄養

スポーツチーム、競技団体、パフォーマンス支援機関。UniSCの Master of Dietetics (Sports Nutrition) はここを明確に狙った設計です。ただしポストの数は多くありません。臨床の基盤を持ちつつ専門化するのが現実的です。

給与の目安

求人サイトSEEKが集計した2026年8月1日時点のデータでは、オーストラリアの栄養士(Dietitian)の年収は AUD 85,000〜105,000の範囲とされています。業種別では行政・防衛が平均 AUD 97,025、医療・ヘルスケアが平均 AUD 87,540

※これは求人広告に記載された金額をSEEKが集計した参考値であり、政府統計ではありません。SEEK自身が「求人によって年金(superannuation)や手当を含むものと含まないものがある」と注記しています。実際の給与は経験年数・州・雇用形態により変わります。この数字だけで生活設計を組まないでください。

労働市場について、正直にお伝えします

Jobs and Skills Australia の2025年の職業不足リスト(Occupation Shortage List)では、Dietitian(251111)・Nutritionist(251112)ともに、全国および全州・準州で「No Shortage(不足なし)」と評価されています。

これは「仕事がない」という意味ではありません。「求人に対して応募者が足りていない状態ではない」という評価です。看護師やエンジニアのような深刻な人材不足の職種ではないということです。

実務的に何を意味するか。移住制度の面では州指名(190・491)で優先されにくく、就職の面では「資格があれば選び放題」という状況ではないということです。実習先での評価、地方勤務の可否、英語力が、就職の可否を左右します。

この分野で現実的に効く戦略
  • 実習先での評価を最優先する。この分野では、実習が事実上の長期面接になります
  • 地方(regional)勤務を選択肢に入れる。都市部より競争が緩やかで、州指名の可能性も広がります
  • 専門性を重ねる。腎臓、糖尿病、小児、嚥下、スポーツなど。「栄養士一般」より求人に届きやすくなります
  • Nutrition Science 側の職種も視野に入れる。食品企業、健康増進、研究は求人母集団が別です

ビザ・永住ルート

この分野については、期待値を先に調整しておく必要があります。

職業リスト上の位置づけ

職種CSOLMLTSSL技能評価機関2025年 不足評価
Dietitian
ANZSCO 251111
掲載あり 掲載なし Dietitians Australia 全州 No Shortage
Nutritionist
ANZSCO 251112
掲載なし 掲載なし VETASSESS 全州 No Shortage

この表が意味すること

01

189は使えません

189(技術独立ビザ)はMLTSSL掲載職種が対象です。Dietitianは掲載がないため、雇用主のスポンサーも州の指名も不要な永住ルートは、この職種では開いていません。

02

190・491は州次第です

州指名を伴う190・491は、各州が毎年公表する指名職種リストに載っているかどうかで決まります。全州「No Shortage」という評価は、指名対象になりにくい方向に働きます。州リストは年度ごとに変わるため、出願時点での確認が必須です。

03

482・186は開いています

DietitianはCSOL掲載職種なので、482(Skills in Demand)のCore Skillsストリームと、186(雇用主指名)のDirect Entryストリームが制度上の対象です。雇用主を見つけられるかが鍵になります。

段階ごとの整理

段階ビザこの分野での見通し
在学中学生ビザ(500)2週48時間まで就労可。ただしフルタイム実習期間は実質不可
卒業直後卒業生ビザ(485)職種の制限なく就労できます。Dietitians Australiaは「485のpost-study workストリームには技能評価は不要」と明記。地方(regional)の大学を卒業すると追加期間の対象になります(CDU=ダーウィンなど)
就労中482(Skills in Demand)CSOL掲載職種のため対象。雇用主のスポンサーが必要
永住186(雇用主指名)Direct Entryストリームの対象。482からの移行が現実的な流れ
永住190・491(州指名)州の指名リスト次第。No Shortage評価が不利に働きます
永住189(技術独立)MLTSSL未掲載のため対象外

技能評価について

移住のための技能評価は Dietitians Australia が行います。DAの公表内容によると──

  • オーストラリアの認定課程を修了している場合、または海外の資格+DSR(Dietetic Skills Recognition)のStage 2 修了が対象
  • 技能評価の手数料 AUD 305(不服申立は AUD 174)
  • 処理期間は最大6週間
  • 提出書類は成績証明書、履歴書、推薦状、身分証明、(該当する場合)DSRの結果の認証コピー
  • DA自身が「技能評価の申請についてのみ助言でき、どのビザに申請できるかは助言できない」と明記しています
この分野についての、率直な見解です。
「永住を主目的に栄養士を選ぶ」という設計は、おすすめできません。189が使えず、全州で「No Shortage」と評価されている職種で永住を狙うのは、制度上不可能ではないものの、条件の良い選択とは言えません。永住を第一目的とされるなら、看護ITなど、リスト上の位置づけがより良い分野を先に検討されることをおすすめします。
一方で「オーストラリアで栄養士として働きたい」という目的は、十分に現実的です。485で2〜4年働き、その間に雇用主を見つけて482→186へ、という道筋は制度上開いています。目的が「職業」なのか「永住」なのかを、最初に切り分けてください。ここを混ぜたまま進むと、判断を誤ります。

日本に帰ってから活かす

この分野で最も誤解が多いのが、ここです。先に結論をお伝えします。

オーストラリアで栄養学の学位を取っても、日本の管理栄養士免許が自動的に得られるわけではありません。
日本の管理栄養士国家試験の受験資格は、①管理栄養士養成施設(4年制)の卒業、または②栄養士免許の取得+一定期間の実務経験(在学期間と実務経験の合計が5年)と定められています。そして栄養士免許は、国内の栄養士養成施設の卒業者に対して都道府県知事が交付する仕組みです。
海外の大学で栄養学の学位を取得した場合に受験資格が認められるかどうかについて、明確な規定は確認できませんでした。このため「取得できる」とも「できない」とも、こちらでは断定しません。厚生労働省または居住地の都道府県へ直接ご確認ください。
※なお2025年4月1日から、管理栄養士養成施設の卒業者については、国家試験の受験資格として栄養士免許を取得することが不要になっています。

では、日本で何に活きるのか

すでに管理栄養士をお持ちの方

この組み合わせが最も強いです。日本の管理栄養士+オーストラリアの学位・APDという経歴は、外資系の食品企業、国際機関、研究職、英語での栄養指導が必要な場面で明確な差別化になります。日本の資格を失うわけではありません。

食品企業・ヘルスケア産業

栄養に関する専門知識と英語力の両方を求める職は、免許を要件としない場合が多くあります。商品開発、品質保証、栄養表示・規制対応、海外展開、マーケティング。ここでは学位そのものが評価されます。

研究・大学院進学

オーストラリアの学位を土台に、日本または第三国の大学院へ進む選択肢です。ウーロンゴン大学のように研究20週が組み込まれた課程は、この方向で有利に働きます。

第三国での就労

フリンダース大学は「イギリス、カナダ、シンガポール、ニュージーランドでも認められている」と公式に記載しています。ただし各国の登録制度は別途あります。「学位が認められる」ことと「その国で登録できる」ことは別の話です。渡航先が決まっている場合、その国の登録機関に確認が必要です。

「日本に帰って管理栄養士として働く」ことが第一目的であれば、日本の養成施設に進むほうが確実です。オーストラリア留学が活きるのは、「オーストラリアで働く」か「英語+栄養の専門性を組み合わせて働く」という設計のときです。ここは最初に確認させてください。

大学の選び方 ── 見るべき6つの点

01

まず「入れる課程」を確定する

費用の比較は、その後です。前提科目が揃わなければ、いくら安くても出願できません。成績証明書とシラバスを揃えて、複数校に同時照会するのが最短です。回答まで2〜4週間かかります。

02

いま出せるIELTSのスコアで絞る

各項目7.0が出ているか、6.5で止まっているかで候補が変わります。6.5ならCDU(修士)とグリフィス大学(学部)が現実的な選択肢です。この2校は減額も効きます。

03

定価ではなく、減額後で比べる

ウーロンゴン大学はこの課程が奨学金の除外対象、ECUの大学院向け減額は日本が対象外。一方CDUは30%、QUTとグリフィス大学は25%。定価の順位と減額後の順位は入れ替わります。

04

期間と入学回数を確認する

1.5年(QUT・ECU・ディーキン大学)と2年(CDU・ウーロンゴン大学・フリンダース大学・UniSC)で総額が変わります。加えて入学がセメスター1のみの大学が複数あります。逃すと1年待ちです。

05

実習の場所と費用負担を確認する

地方実習が必修かどうか、渡航費・宿泊費を大学が持つかどうかは、実質的なコスト差になります。フリンダース大学は補助を明記、ディーキン大学は全学生が最低1回の地方実習と記載しています。

06

卒業後どこで働きたいかを先に置く

実習先が、就職先になることが多い分野です。ダーウィン、ゴールドコースト、アデレード、パース、ブリスベン、メルボルン ──「その地域で働きたいか」を、大学選びの段階で考えておく価値があります。

AN
カウンセラーから
アンアルウェン 留学カウンセリングチーム

この分野のご相談で、いちばん最初にうかがうのは「大学で何を履修されましたか」です。栄養学に関心があるかどうかより先に、そこで進めるルートが決まってしまうからです。

そして次に「目的は、職業ですか、永住ですか」とうかがいます。永住が第一なら、率直に他の分野をおすすめすることがあります。Dietitianは189が使えず、全州で「不足なし」と評価されている職種です。そこを伏せたまま出願をお手伝いすることは、私たちの仕事ではないと考えています。

一方で、「オーストラリアの医療現場で、栄養の専門職として働きたい」という目的であれば、この分野には明確な道筋があります。約800時間の実習が学位に組み込まれ、修了すれば国家試験なしにAPDへ進める── これは日本の制度と比べても、ずいぶん直線的な設計です。まず、どちらの目的なのかをお聞かせください。

出願から出発までの流れ

時期やることアンアルウェンの担当範囲
入学の15〜18か月前目的の確認(職業か永住か)/履修科目の棚卸し/候補校の選定無料相談。大学院ルートが可能かの一次判定
14〜16か月前成績証明書・シラバスの英訳準備必要書類の指定と、翻訳の進め方のご案内
12〜14か月前前提科目の照会(複数校同時)大学へ照会・回答の取りまとめ。2〜4週間
10〜12か月前IELTS受験。奨学金の出願期限を確認奨学金の対象確認と、締切からの逆算
8〜12か月前出願(ウーロンゴン大学は入学前年の9月30日締切)出願書類の作成サポート。推薦者レポート・補足フォームの準備
4〜6か月前オファー受領/授業料の一部納入/CoE取得手続き代行。奨学金の適用確認
3〜4か月前学生ビザ申請(申請料 AUD 2,500)/GSステートメント作成ビザ申請代行・GS対策を全面サポート
2〜3か月前OSHC加入/住居手配/予防接種記録の英訳手配サポート。実習に必要な書類の事前準備をご案内
1か月前航空券/出発前オリエンテーション個別オリエンテーション
渡航後到着後オリエンテーション/実習前の各種スクリーニング現地オフィスがサポート。実習手続きのご相談も可
この分野は、他分野より早く動く必要があります。理由は3つ。①前提科目の照会に2〜4週間かかる(しかも不足が判明したら計画の立て直しが要る)、②入学がセメスター1のみの大学が複数ある(逃すと1年待ち)、③出願締切が早い課程がある(ウーロンゴン大学は入学前年の9月30日)。
「1年半前から動く」が、この分野の標準だとお考えください。

他社との違い ── アンアルウェンが選ばれる理由

アンアルウェンの強みは、留学の申し込みだけで終わらない、出発前から進学後まで続く伴走型サポートです。
「手続きだけを代行するエージェント」ではなく、「留学という大きな挑戦を一緒に考え、現地でも支え続けるパートナー」であること。それが、私たちが他の留学エージェントに負けない一番の強みです。

01

GS対策・ビザ申請まで無料でサポート

学校選びや出願手続きはもちろん、進学で重要となるGS(Genuine Student)対策、学生ビザ申請もしっかりサポート。この分野は永住ルートが細いぶん、「なぜ栄養士なのか」の説明を丁寧に組み立てる必要があります。ここに時間をかけます。

02

渡航後も、日本と現地の両方から支える

オーストラリアには提携オフィスがあり、渡航後も学校生活や現地での手続き、困りごとを日本と現地の両方からサポートします。実習前の予防接種・犯罪経歴証明の手続きや、卒業後の485申請についてもご相談いただけます。

03

毎月12名様限定 ── 一人ひとりに時間をかける

一人ひとりに十分な時間をかけるため、サポート人数を毎月12名様限定としています。この分野は前提科目の照会を複数校へ個別に行う必要があるため、画一的な案内ではなく、その方の履修歴に合わせて調べます。

04

スタッフが実際に足を運んだ学校だけを紹介

紹介先を幅広く並べるだけではなく、スタッフが実際に学校へ足を運び、授業や校内の雰囲気を確認したうえで、厳選した学校を紹介しています。資料だけではわからないことがあります。

05

2008年設立・3,000名以上の留学をサポート

2008年の設立以来、3,000名以上の留学を支えてきた経験と、オーストラリア留学に特化した専門知識を生かしてご提案します。医療・保健系の大学院へ進まれた方のサポート実績もあります。

06

メリットだけでなく、現実も率直に伝える

費用や制度の現実も率直にお伝えします。「この大学の30%減額は、栄養士課程だけ除外されています」「永住が目的なら、別の分野を先に検討されたほうがいいかもしれません」──言いにくいことも含めてお伝えするのが、私たちの仕事だと考えています。

アンアルウェンを利用するメリット・無料サポート内容

アンアルウェンは、オーストラリア留学の専門エージェントです。学校選びから渡航後のトラブル対応まで、すべて無料でサポートします。学校へ直接申し込む場合と比べて、余分な費用は一切かかりません。

出願前サポート(無料)
  • 目的・ビザ・期間に合ったコース選びの無料相談
  • 2026年日本人プロモーションの適用確認・申込み手続き代行
  • 入学申込書類の作成サポート
  • 学生ビザ申請代行サポート
  • GSステートメントの作成含め、全面サポート
  • ワーホリビザ申請代行サポート
  • ホームステイ・学生アパートの手配サポート
  • OSHC(海外学生健康保険)の手配サポート
  • 航空券・渡航準備のアドバイス
  • 語学学習のアドバイス
  • 出発前の個別オリエンテーション
渡航後サポート(無料)
  • 現地オフィス(シドニー・メルボルン)にて日本人スタッフがサポート
  • 到着後オリエンテーション
  • 現地トラブル時の相談窓口(日本語でOK)
  • コース延長・変更の手続きサポート
  • ケンブリッジ検定・IELTS受験申込みのアドバイス
  • ビザ切り替えサポート
  • 留学後の帰国・キャリアプランの相談
  • 大学・大学院進学を検討する方への進路アドバイス
  • LINEやZOOMでのサポート付
  • 次の留学・再渡航のサポート

オーストラリア 栄養学留学 よくある質問

「栄養学」と「栄養士」は、何が違うのですか?

学位が違い、卒業後にできる仕事が違います。
Dietetics(栄養士)は、病院で患者さんの食事療法を担当する臨床の専門職につながる課程です。Dietitians Australia(DA)の認定を受けた課程を修了すると、APD(Accredited Practising Dietitian)のプログラムに進めます。学位名は Master of Nutrition and Dietetics、Master of Dietetics、Bachelor of Nutrition and Dietetics。
Nutrition Science(栄養科学)は、栄養を科学として学ぶ3年の学士で、公衆衛生、食品科学、健康増進、研究、食品企業などに進みます。この学位単独では、臨床の栄養士(APD)にはなれません。
なお Nutrition Society of Australia(NSA)には ANutr/RNutr という登録制度がありますが、NSA自身が「任意(voluntary)の制度」と明記しており、APDとは別の仕組みです。「病院で患者さんに関わりたい」なら Dietetics 一択です。

文系の学部を出ています。栄養士になれますか?

なれますが、大学院ルートは現実的ではありません。
Master of Dietetics 系の課程は、学部での履修科目を細かく指定します。ディーキン大学であれば「栄養・食品科学4科目」「化学2→生化学2」「人体生物学2→人体生理学2」順序まで指定されています。文系学部の履修内容では、この要件を満たせません。
選択肢は2つです。①学部4年ルート(グリフィス大学 年 AUD 43,500/ニューカッスル大学 年 AUD 45,070)に高校卒業資格で入る。②栄養科学の学士(3年)を経て、大学院(1.5〜2年)へ進む。②は合計4.5〜5年かかります。
ただし既修得単位の認定(credit)が効く可能性はあります。教養科目、統計、心理学などが認定されれば1学期分の短縮になることがあります。成績証明書を拝見して、大学へ照会します。無料です。

日本の管理栄養士の資格があります。有利になりますか?

前提科目の面では、最も有利な立場です。管理栄養士養成課程では、栄養学・食品科学・生化学・生理学がひととおり揃っていることが多く、大学院の入学要件を満たせる可能性が高いと言えます。ただし科目名の対応は個別審査で、シラバスの英訳提出を求められます。「養成課程を出たから通る」と確定はできません。
なお、日本の資格をそのままオーストラリアで使えるわけではありません。Dietitians Australia は海外資格の場合「DSR(Dietetic Skills Recognition)のStage 2の修了が必要」としています。DSRが日本の管理栄養士をどう評価するかは個別審査であり、事前には確定できません。
実務的には、DSRを経るよりオーストラリアのDA認定課程(1.5〜2年)を修了するほうが道筋は明確です。そして日本の管理栄養士+豪州の学位という組み合わせは、帰国後のキャリアでも強く効きます。

結局、どの大学を選べばいいですか?

「英語のスコア」と「前提科目」で、まず候補が絞られます。そのうえで──
費用を最優先するならQUT(1.5年・定価 約 AUD 59,550・25%減額で約44,663)。ただし公式表記が「豪州の栄養系学士」で、日本の学位で出願できるかの確認が必要です。
英語が各項目6.5で止まっているならCDU(修士・各項目6.5・30%減額で約 AUD 48,630・ダーウィンは地方指定)かグリフィス大学(学部・各項目6.5・25%減額)。
海外学位で確実に出願したいならウーロンゴン大学(入学要件に「Australian」の限定がなく、800時間の実習+研究20週)。ただしこの課程は同大学の30%奨学金の除外対象です。
実習の負担を抑えたいならフリンダース大学(地方実習の渡航費・宿泊費を大学が補助と明記)。学費は最も高くなります。
スポーツ栄養ならUniSC。ただし認定状況の記載がDAとUniSCで一致していないため、出願前の確認が必須です。
高校卒業から入るならグリフィス大学かニューカッスル大学の4年。

いくらかかりますか?

大学院ルート(1.5〜2年)の授業料は、定価で AUD 59,550〜100,400 です。QUT 約59,550/ECU 約62,325/CDU 69,472/UniSC 77,000/ディーキン大学 約79,200/ウーロンゴン大学 83,520/フリンダース大学 約100,400。
日本国籍で対象になり得る減額を反映すると、QUT 約44,663(25%)、CDU 約48,630(30%)まで下がります。一方ウーロンゴン大学はこの課程が奨学金の除外対象、ECUの大学院向け20%は日本が対象国に入っていないため、定価のままです。
学部4年は定価で AUD 174,000〜180,280。減額後はグリフィス大学 約130,500(25%)、ニューカッスル大学 約144,224(20%)。
これに生活費(学生ビザの財政要件は単身12か月で AUD 29,710)、OSHC(年 700〜900)、学生ビザ申請料 AUD 2,500(2026年7月1日に引き上げられた現行額)が加わります。
総額の目安は、大学院で約 AUD 108,000〜164,000(1,080万〜1,640万円)、学部4年で約 AUD 299,000〜305,000(約3,000万円)です。加えて、この分野には予防接種・犯罪経歴証明・実習中の移動費という固有の費用があります。

IELTS 6.5では、どこにも出願できませんか?

総合6.5では、このページで扱った大学に出願できる課程は確認できませんでした。この分野の標準は総合7.0で、しかもウーロンゴン大学・QUT・ECU・ニューカッスル大学は全項目7.0を求めます。
ただし「総合7.0・各項目6.5以上」でよい課程はあります。CDU(修士)とグリフィス大学(学部)です。ライティングやスピーキングだけが6.5で止まっている方にとって、この差は大きいと思います。
スコアが届かない場合の選択肢は3つ。①大学付属の英語コース(ELICOS)から直接入学する ── ただし各項目7.0の課程で直接入学が使えるかは課程ごとに異なり、必ず個別確認が必要です。②栄養科学の学士(3年)に入り、そこで前提科目と英語力を同時に整えてから大学院へ。③半年〜1年かけてスコアを上げてから出願する。
この分野は入学がセメスター1のみの大学が複数あるため、③を選んでも「1年待ち」になることがあります。逆算が要ります。

卒業後、オーストラリアに残って働けますか?永住は目指せますか?

働けます。ただし永住については、率直に申し上げて条件の良い分野ではありません。
まず卒業生ビザ(485)で、職種の制限なく就労できます。Dietitians Australia は「485のpost-study workストリームには技能評価は不要」と明記しています。CDU(ダーウィン)のような地方指定地域の大学を卒業すると、追加期間の対象になります。
永住については、Dietitian(251111)はCSOLに掲載されていますが、MLTSSLには掲載がありません。つまり189(技術独立ビザ)は使えません。制度上開いているのは190・491(州指名)と482→186(雇用主経由)です。Nutritionist(251112)はCSOLにも載っていません。
さらに2025年の職業不足リストでは、両職種とも全国・全州で「No Shortage(不足なし)」と評価されています。州指名では優先されにくい状況です。
現実的な設計は「485で働きながら雇用主を見つけ、482→186へ進む」です。永住が第一目的なら、看護など、リスト上の位置づけがより良い分野を先に検討されることをおすすめします。

オーストラリアで栄養士になれば、日本の管理栄養士にもなれますか?

自動的にはなれません。そして「なれる/なれない」を、こちらで断定することもできません。
日本の管理栄養士国家試験の受験資格は、①管理栄養士養成施設(4年制)の卒業、または②栄養士免許+実務経験(在学期間との合計5年)と定められています。栄養士免許は、国内の栄養士養成施設の卒業者に対して都道府県知事が交付する仕組みです。
海外の大学で栄養学の学位を取得した場合の扱いについて、明確な規定は確認できませんでした。したがって厚生労働省または居住地の都道府県へ直接ご確認ください。これは私たちが代わりに判断できる事柄ではありません。
なお2025年4月1日から、管理栄養士養成施設の卒業者は、国家試験の受験資格として栄養士免許を取得することが不要になっています。
「日本で管理栄養士として働く」ことが第一目的なら、日本の養成施設に進むほうが確実です。オーストラリア留学が活きるのは、「オーストラリアで働く」または「英語+栄養の専門性で働く」という設計のときです。

APDは国家資格ですか?取らないと働けませんか?

国家資格ではありません。栄養士(dietetics)はAHPRA(オーストラリア医療従事者規制庁)の国家登録制度の対象職種に含まれていません。代わりに Dietitians Australia が自主規制の枠組みで運営しており、内部に DNRC(Dietitian and Nutritionist Regulatory Council)という規制評議会(DA理事会が任命する7名・任期3年)を置いています。
ただし「国家資格ではない=なくてもよい」ではありません。MedicareやDVA、民間医療保険の還付はAPDであることを前提に運用されており、病院・施設の求人もAPDまたは取得見込みを条件に掲げるのが一般的です。つまり法律ではなく、お金の流れと採用慣行がAPDを事実上の必須にしています。
オーストラリアのDA認定課程を修了した場合、別途の国家試験はありません。これは日本の管理栄養士(国家試験あり)との構造上の大きな違いです。ただしAPDは継続教育(CPD)の維持が条件で、更新のない終身資格ではありません。

在学中にアルバイトはできますか?

できます。学生ビザでは就学中は2週間あたり48時間まで、長期休暇中は制限なく就労できます(「週20時間まで」は古い情報です)。
ただし、この分野には明確な制約があります。実習期間中は、実質的にアルバイトができません。ディーキン大学の記載では週37〜40時間のフルタイム。ビザの就労制限以前に、時間的に不可能です。約22週(ディーキン大学)や100日(グリフィス大学・CDU)にわたるこの期間の生活費を、別枠で用意しておく必要があります。
さらに地方実習が必修または前提の大学があります。ディーキン大学は「全学生が最低1回は地方実習」、UniSCは「居住地から離れた場所への移動が必要になる場合がある」と記載。その期間は住まいを二重に確保することになる可能性があります。
逆に、フリンダース大学は地方・州外実習の渡航費と宿泊費を大学が補助すると明記しています。学費だけでなく、この点も計算に入れて比較してください。

留学生なら誰でも20〜30%の授業料減額を受けられると聞きました。本当ですか?

大学と「課程」によります。「留学生なら誰でも」は正確ではありません。この分野で特徴的なのは、大学としては減額を出しているのに、栄養士課程だけが除外されているケースがあることです。
ウーロンゴン大学の Postgraduate Academic Excellence Scholarship(30%)は、除外コース一覧に Master of Nutrition and Dietetics が明記されています(臨床心理学修士、臨床運動生理学修士、教職修士、ソーシャルワーク修士、医学博士と並んで記載)。ECUの大学院向け International Excellence Scholarship(20%)は、対象国がインドとパキスタンのみで、日本は含まれません。一方、ECUの学部向け20%減額は対象国リストに日本が明記されており、同じ大学のなかで学部と大学院の扱いが違います。
逆に、日本国籍でも対象になり得ることが確認できたのは、CDU(30%)・グリフィス大学(25%)・QUT(25%)・ニューカッスル大学(20%)。いずれも別途の申請書は不要です。ただし成績要件があり、全員が対象になるわけではありません。また「申請不要」=「締切がない」ではありません。グリフィス大学は入学年ごとに出願期限が設定されています。
アンアルウェンでは、志望する課程ごとに対象・除外を確認したうえで、実際に払う金額でご提案します。

エージェントを通すと費用は高くなりますか?

いいえ。アンアルウェンのサポートはすべて無料です。学校へ直接申し込む場合と、支払う学費は変わりません。学校選び、出願書類、GS(Genuine Student)ステートメント、学生ビザ申請、住居手配、渡航後のサポートまで、追加費用なしでご利用いただけます。
この分野の場合はこれに加えて、前提科目の判定を複数校へ同時に照会、QUTの「Australian」表記の確認、UniSCの認定状況の確認、奨学金の対象・除外の確認、実習の費用負担の確認、出願締切からの逆算まで含めてサポートします。特に「この課程が奨学金の除外対象になっていないか」は、知らずに出願すると数十万円単位の差になります。
なお、学校が定める出願料は、エージェント経由・直接申込を問わず学校に支払うものです。

栄養学と近い分野、あわせて検討される方が多いページをまとめました。

公衆衛生・健康科学

「個人」ではなく「集団」の健康に関心があるなら、こちらです。栄養は公衆衛生の一分野でもあります。800時間の実習という制約がなく、入学要件も栄養士課程ほど厳しくありません。目的によっては、こちらのほうが近い場合があります。

看護

同じ医療現場の専門職ですが、永住ルートの条件が明確に違います。栄養士が189を使えないのに対し、看護は職業リスト上の位置づけがより良い分野です。「オーストラリアで医療職として働きたい」が出発点なら、比較しておく価値があります。

高齢者ケア(Aged Care)

栄養士の主要な就職先のひとつです。低栄養・嚥下困難への対応は、栄養士の専門領域そのもの。先にケア分野で働きながら現場を知り、そのうえで栄養士の学位に進むという設計もあり得ます。

スポーツマネジメント

スポーツ栄養に関心がある方へ。UniSCの Master of Dietetics (Sports Nutrition) という道もありますが、スポーツ産業側から入るルートもあります。「栄養の専門職になる」のか「スポーツの現場で働く」のかで、選ぶ学位が変わります。

ナチュロパシー(自然療法)

食事や栄養を扱う点で近く見えますが、制度上の位置づけがまったく違います。ナチュロパシーは CSOLに未掲載=永住ルートがありません。栄養士のAPDと、ナチュロパシーの業界団体登録の違いも整理しています。

チャールズ・ダーウィン大学(詳細ページ)

Master of Dietetics を年 AUD 34,736 で、しかも30%減額(申請不要)が期待できる大学です。各項目6.5でよい英語要件と、ダーウィンが地方指定である点も含めてまとめています。

グリフィス大学(詳細ページ)

ゴールドコーストの大学。学部4年ルートで、各項目6.5・25%減額という条件が揃う選択肢です。コース構成、キャンパス、奨学金の条件をまとめています。

ウーロンゴン大学(詳細ページ)

NSW州の大学。入学要件に「Australian」の限定がなく、海外学位から出願しやすい設計です。ただしこの課程は同大学の30%奨学金の除外対象である点も含めてご確認ください。

フリンダース大学(詳細ページ)

アデレードの大学。地方実習の渡航費・宿泊費を大学が補助すると明記している点と、学位が英・加・星・NZでも認められているという記載が特徴です。

QUT(詳細ページ)

ブリスベンの大学。1.5年という最短の課程と25%減額という条件ですが、入学要件の公式表記が「豪州の栄養系学士」である点の確認が必要です。

その大学院、あなたの履修科目で出願できますか。
まず、そこから確認します。

「日本の学部の単位で、前提科目を満たせる?」「この奨学金、栄養士課程も対象?」「IELTS 6.5でも入れる大学はある?」
この分野は、出願できるかどうかが履修科目で決まり、実際に払う金額が課程ごとの除外規定で変わります。1件ずつ大学に照会して、実際の金額でご提案します。無料相談・無理な勧誘は一切ありません。
※サポートは毎月12名様限定です。お早めにご連絡ください。

このページについて
最終更新日:2026年8月5日 / 執筆・監修:アンアルウェン 留学カウンセリングチーム
本ページのコース内容・学費・入学条件・奨学金・職業リストは、各大学、Dietitians Australia、Nutrition Society of Australia および政府機関の公式情報をもとに、アンアルウェンが2026年8月時点で確認・翻訳・整理したものです。ECU・ディーキン大学の学費は、公式ページに「初年度の概算」と示された金額です。QUTの総額は2026年の年額を1.5倍した参考値で、大学が公表する総額ではありません。ウーロンゴン大学の総額 AUD 83,520 は大学が公式に示している金額です。フリンダース大学の年額には大学の学生サービス料(SSAF)が含まれています。UniSCの Master of Dietetics (Sports Nutrition) については、Dietitians Australia の認定一覧が「条件付き認定」、UniSCの課程ページが「認定申請中」と記載しており、両者が一致していないため、いずれかに統一せず両方をそのまま掲載しています。QUTの入学要件の「recognised Australian nutrition science or nutrition bachelor degree」という表記についても、解釈を確定せず公式表記のまま掲載しています。UniSC・ディーキン大学・フリンダース大学の奨学金、UniSCの英語要件は公式ページから条件を確定できなかったため「要確認」としています。学費・入学要件・奨学金の対象国および条件・職種リスト・ビザ関連の金額は年度により変更されます。出願前には必ず最新情報をご確認ください。アンアルウェンでは学校担当者に直接確認のうえ、最新情報を無料でお伝えしています。
※学費の日本円換算は1豪ドル=100円で計算した概算です。実際の負担額は為替により変動します。
※給与の目安は求人サイトが集計した参考値であり、政府統計ではありません。
※日本の管理栄養士・栄養士の資格制度に関する記載は、公表されている受験資格の規定に基づく一般的な情報です。海外の学位の取扱いについては厚生労働省または居住地の都道府県へご確認ください。
※ビザおよび移住に関する最終的な判断・申請代理は、登録移民代理人(MARA)の業務範囲です。本ページの記載は一般的な情報提供であり、個別の移民アドバイスではありません。
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