オーストラリア留学エージェント アンアルウェン

オーストラリアで建築を学ぶ
── 建築家になるまでの7年・
AACA認定校比較・学費

この分野で最初にお伝えしたいのは、オーストラリアでは「建築の学士」が認定の対象になっていないということです。AACA(オーストラリア建築認定評議会)が認定しているのは修士(Master of Architecture)で、公式にも「学士レベルの学位は認定されていません」と明記されています。
そして、卒業したあとがまだ長い。Architect と名乗るには、ログブックに3,300時間の実務を記録し、そのうち1,650時間以上をオーストラリア国内で積み、3段階の建築実務試験(APE)に合格する必要があります。
このページでは、学士3年+修士2年+実務2年=最短7年の道のりを、認定校の一覧・学費・ポートフォリオ・永住ルートまで、公式情報だけで組み立てます。

最短7年登録までの年数(3+2+実務2)
3,300時間APEに必要なログブックの実務時間
$42,000〜修士の年間授業料(定価・最安はグリフィス大学)
241131Architect のOSCAコード(MLTSSL・CSOL両掲載)

DATA ── 建築留学の要点

学べる学位
Bachelor of Architectural Design(3年・QUT、グリフィス大学ほか)/Bachelor of Architectural Studies(3年・UNSW)/Bachelor of Design in Architecture(3年・UTS、シドニー大学)そのうえに Master of Architecture(2年)が乗ります。近年は学士+修士を1本の課程にした5年一貫型(VIM=Vertically Integrated Masters)も増えており、UTS・グリフィス大学・モナッシュ大学・ディーキン大学・シドニー大学がAACAの認定を受けています
期間
最短7年(登録まで)学士3年+修士2年+実務2年(3,300時間)。「建築の学士を出れば建築家」ではありません。学士だけではAACAの認定対象にすらならず、修士に進んで初めて登録への入口に立ちます
学費(定価・修士年額)
年 AUD 42,000 〜 54,720グリフィス大学 42,000/QUT 44,700/UNSW 48,500/アデレード大学 50,500/クイーンズランド大学 52,528(いずれも2026年)。RMITは公式に 54,720(2027年年額)と記載。UTS・カーティン大学・UWA・シドニー大学・ディーキン大学などは、留学生向けの年額が課程ページに掲載されていません詳しくはこちら
授業料の総額(5年)
AUD 219,300 〜 264,500これは定価です。QUTで学士3年+修士2年を揃えると 219,300、UNSWだと 264,500差は AUD 45,200。ただし奨学金の減額率のほうが、この差より大きくなることがあります奨学金のセクション
総額の目安(5年)
AUD 370,000 〜 420,000授業料に、学生ビザの財政要件(単身12か月で AUD 29,710)を5年分、OSHC、ビザ申請料を加えた概算。1豪ドル100円換算でおよそ3,700万〜4,200万円です
英語要件
IELTS 6.5(各項目6.0)が標準ですクイーンズランド大学・QUT・グリフィス大学・RMIT・カーティン大学・UWA・アデレード大学が 総合6.5・各項目6.0。UTSは総合6.5・Writing 6.0この分野は、医療系や教員のように「登録機関が別途もっと高い英語基準を持つ」構造にはなっていません詳しくはこちら
認定の仕組み
AACAが5年ごとに課程を審査します。認定対象は修士ですAACAは公式に「オーストラリアでは、認定される資格は通常 Master of Architecture である」「学士レベルの学位は認定されていない」と記載しています。認定を受けた課程は全州・全準州およびニュージーランドで通用します。認定のない課程を選ぶと、APEへの入口が閉じます詳しくはこちら
ポートフォリオ
修士の出願では、成績よりポートフォリオで差がつく局面がありますUNSWは「海外の大学で建築の学士を修めた場合はポートフォリオの提出が必要」と明記。UTSは「建築プロジェクト3〜5件をPDFで」、グリフィス大学は「16ページ以内」と枚数まで指定しています(詳しくはこちら
卒業後の実務
3,300時間のうち1,650時間以上は、オーストラリア国内で積む必要があります修了後に最低1,650時間(フルタイム約1年)。海外での実務は最大12か月までしか算入できません。つまり「豪州の修士を出て日本で実務」という組み立てでは、APEに進めません詳しくはこちら
奨学金(日本人)
申請不要で自動適用される減額が複数ありますグリフィス大学の International Academic Merit Scholarship(20%)はGPA 4.5/7以上で申請不要、国籍の制限もありません。アデレード大学は15%・25%・50%の3段階。ただしアデレード大学の50%枠のうち「Launch Your Future ASEAN Scholarship」はASEAN加盟国の学生が対象で、日本は含まれません詳しくはこちら
在学中の就労
学生ビザで2週間あたり48時間まで(長期休暇中は制限なし)「週20時間まで」は古い情報です。この分野では、在学中に設計事務所でアルバイトができると、そのままログブックの時間になる場合があります(指導建築士のもとでの実務であること等の条件があります)
永住ルート
Architect は MLTSSL・CSOL の両方に掲載されていますOSCAコード 241131(旧ANZSCO 232111)。技能評価機関はAACAで、豪州の認定資格を持つ人向けの評価(Verification of Australian Accredited Architecture Qualification)はAUD 440・約4週間Landscape Architect(232112)もCSOLに掲載されています(詳しくはこちら
向いている人
手を動かして作品をつくり続けられる方卒業後もオーストラリアに残って実務を積む前提で計画できる方7年という長さを織り込める方逆に「短期間で建築の現場に関わりたい」のであれば、建設・技術トレードデザインのほうが早く現場に出られます。ここは目的から逆算したほうがよい部分です

このページの結論 ── 3分でわかる建築留学

  1. 【最重要】学士は認定されていません。AACAは公式に「オーストラリアでは、認定される資格は通常 Master of Architecture である」「学士レベルの学位は認定されていない」と記載しています。建築の学士を3年で出ても、それ自体はAPE(建築実務試験)への入口になりません。修士まで進むか、学士と修士が1本になった5年一貫型(VIM)の課程を選ぶ必要があります。
  2. 登録までは最短7年。学士3年+修士2年+実務2年(3,300時間)+APE。APEは Part 1(ログブックと実務経験報告書)→ Part 2(全国統一筆記)→ Part 3(面接)の3段階で、年2回実施されます(2026年の筆記は4月14日と9月22日)。
  3. 【日本人にとって最大の論点】実務の1,650時間以上は、オーストラリア国内である必要があります。AACAは海外での実務を最大12か月までしか認めず、「オーストラリア国内で最低12か月の関連実務を記録しなければならない」としています。「豪州の修士を取って日本で実務」ではAPEに進めません。卒業生ビザ(485)で現地に残る計画が、この分野では必須です。
  4. 修士に入るには、建築の学士が要ります。ほとんどの大学が「建築の学士(または同等)」を入学要件にしています。例外は西オーストラリア大学(UWA)で、建築の学部専攻がない場合は最長3.5年の課程として提供されています。「文系から2年で建築修士」というルートは、基本的にありません。
  5. ポートフォリオが合否を分けます。UNSWは「海外の大学で建築の学士を修めた場合はポートフォリオが必要」、UTSは「建築プロジェクト3〜5件をPDFで」、グリフィス大学は「16ページ以内」と指定。成績が要件ぎりぎりでも、作品で挽回できる余地がある一方、作品が用意できないと出願自体が難しくなります。
  6. 学費の差は、大学間より奨学金のほうが大きいことがあります。修士の年額はグリフィス大学 AUD 42,000 からRMIT AUD 54,720 まで。一方グリフィス大学の20%減額(申請不要)やアデレード大学の25%・50%枠を使うと、順位が入れ替わります。後半で1校ずつ計算します。
  7. 南オーストラリア州は、いま移行期です。旧University of Adelaide(3CM015)とUniversity of South Australia(DMAE)の課程は2026年12月までの認定で、統合後のアデレード大学の M Arch(MAARC)が2026年から認定されています。出願前に、いま募集している課程がどの認定に紐づくのかを確認してください。
  8. 永住の条件は良好です。Architect(OSCA 241131/旧ANZSCO 232111)はMLTSSLとCSOLの両方に掲載。技能評価機関はAACAで、豪州の認定資格を持つ人の評価はAUD 440・約4週間と、他分野に比べて軽い部類です。後半で整理します。

「建築を学ぶ」と「建築家になる」は別物です

日本語で「建築を勉強したい」と言うとき、そこにはふたつの違う願いが混ざっていることがあります。「空間や構造をデザインする力を身につけたい」のか、「Architect として登録して、自分の名前で設計をしたい」のか。オーストラリアの制度では、この2つがはっきり分かれています。

学問としての建築

Bachelor of Architectural Design(3年)で、設計スタジオ、構造、環境性能、建築史、デジタルファブリケーションなどを学びます。ここで身につく設計とプレゼンテーションの力は、どの進路でも使えます。ただしこの学位単体はAACAの認定対象ではありません。

職業としての建築家

「Architect」は州ごとの建築士法で保護された名称です。名乗るには各州の Architects Registration Board への登録が必要で、その前提がAACA認定資格+3,300時間の実務+APE合格です。登録しなければ Architect とは名乗れません。

この構造は、日本の一級建築士制度と似ているようで、ひとつ大きく違う点があります。日本では大学の建築学科(指定科目)を出れば受験資格に近づきますが、オーストラリアでは「学士は認定の対象外」と制度側が明言していることです。AACAの公式資料には、次のように書かれています。

AACA公式(Accreditation of Architecture Programs)
「オーストラリアでは、認定される資格は通常 Master of Architecture の学位である」
「学士レベルの学位は認定されていない」
※ただし、学士と修士を1本の課程として設計した5年一貫型(VIM=Vertically Integrated Masters)は、その一貫課程として認定されています。UTS(C10413)、グリフィス大学(5759)、モナッシュ大学(F6003)、ディーキン大学(D306)、シドニー大学(BHDARARC-01/MADARARC-01)が該当します。

言い換えると、「3年で学士を取って卒業する」という選択肢は、建築家を目指す文脈では成立しにくいということです。3年で終えるなら、その先は建築デザイナー、BIMオペレーター、都市計画、インテリア、不動産開発といった「Architect と名乗らない」職域を前提に進路を考えることになります。入学前に、5年(または7年)行くのか3年で切るのかを決めておいてください。

登録までの7年 ── 3つの段階

オーストラリアで Architect として登録するまでの標準ルートは、次の3段階です。AACAは「最も一般的な経路は、認定されたオーストラリアの建築資格を修めたうえで建築実務試験(APE)を受けることである」としています。

標準ルート日本の高校卒業から目指す場合

学士 3年

Bachelor of Architectural Design 等

修士 2年

Master of Architecture(AACA認定)

実務 2年

3,300時間・うち1,650時間は豪州内

APE

Part 1・2・3

登録

州のBoardへ

授業料(定価):QUTで AUD 219,300(学士 43,300×3年+修士 44,700×2年)/UNSWで AUD 264,500(学士総額 167,500+修士 48,500×2年)。実務2年の期間は就労なので、授業料はかかりません。
短縮ルート日本の大学で建築を学んだ場合

資格審査

学歴+ポートフォリオ

修士 2年

Master of Architecture

実務 2年

うち1,650時間は豪州内

APE

Part 1・2・3

登録

最短4年

授業料(定価):AUD 84,000〜109,440(修士2年分)。ただし「日本の建築学士がそのまま認められる」とは限りません。UNSWは「海外の大学で建築の学士を修めた場合はポートフォリオの提出が必要」、QUTは「認定された3年制の海外建築学士+GPA 4.5相当+承認されたポートフォリオ」としています。経歴別の整理はこちら
建築以外の学位からUWAの3.5年課程

他分野の学士

建築の専攻なし

修士 最長3.5年

UWA Master of Architecture

実務 2年

うち1,650時間は豪州内

APE

Part 1・2・3

登録

最短5.5年

UWAは公式に「建築を専攻した学士を持つ場合は2年、そうでない場合は最長3.5年」と記載しています。入学要件は学士+UWA換算の平均60%以上、英語はIELTS 6.5(各6.0)ただしUWAは留学生向けの年額を課程ページに掲載しておらず、単位数に応じた課金です。金額は個別に確認が必要です。
この3ルートに共通する落とし穴
  • 修士を出た時点では、まだ Architect ではありません。ここが日本の感覚と最もずれる部分です。
  • 実務2年のうち1年以上は、オーストラリア国内で積む必要があります。卒業生ビザ(485)の滞在期間は修士(コースワーク)で2年なので、この2年で3,300時間を積み切る設計になります。
  • APEは年2回。不合格ならその分だけ後ろにずれます。APEの中身はこちら

先にお伝えしたい ── 6つの事実

建築留学は、費用も年数も大きい選択です。あとから知ると計画が崩れる事実を、先に6つお伝えします。

01. 学士は認定されていません

繰り返しになりますが、これがこのページで最もお伝えしたい点です。AACAの公式資料に「学士レベルの学位は認定されていない」と明記されています。「オーストラリアの大学で建築を学びました」と言えても、それが3年の学士だけであれば、APEには進めません。

02. 実務経験の1年以上は、オーストラリア国内でなければなりません

AACAの規定では、ログブックに記録する3,300時間のうち、1,650時間(フルタイム約1年)以上をオーストラリア国内で積む必要があります。海外での実務は最大12か月分までしか算入できません。つまり「豪州で修士を取り、日本の設計事務所で2年働いてからAPEを受ける」という組み立ては成立しません。卒業後にオーストラリアに残れるかどうかが、この分野の分岐点です。

03. 修士に入るには、建築の学士が要ります

クイーンズランド大学は「建築の学士(または同等)」+GPA 4.5/7、UNSWは「国内で認定された建築の学部学位、たとえばUNSWのBachelor of Architectural Studies(または同等)+WAM 65以上」、RMITは「オーストラリアの建築専門の学士(または同等の海外資格)」を要件としています。「デザイン系の学位ならなんでも」ではありません。グリフィス大学は比較的広く「建築、建築デザイン、デザイン、環境デザインのいずれかの関連学士」としていますが、それでも分野の限定はあります。

04. 定員があり、選考は競争的です

RMITは「入学は競争的で、学業成績と選考課題の提出にもとづいて選抜される」、カーティン大学は「コースへの入学は競争的で、高い加重平均が必要」と公式に記載しています。要件を満たすことと、席を得られることは別です。また、UNSWは2026年入学について「一部の課程は定員に達し、新規申込を締め切っている」旨の告知を出しています(2027年入学は受付中)。出願は早いほうが有利に働く局面があります。

05. 南オーストラリア州は移行期です

2026年に旧アデレード大学とUniSA(南オーストラリア大学)が統合し、アデレード大学になりました。AACAの認定一覧では、旧University of Adelaide の M Arch(3CM015)と University of South Australia の M Arch(DMAE)は「2026年12月まで」、統合後のアデレード大学 M Arch(MAARC)は2026年からと記載されています。旧課程の在学生向けにはYMAAL という「ティーチアウト用の暫定認定課程」も設定されています。いま募集されている課程がどの認定に紐づくのかは、出願前に必ず確認してください。

06. オンラインの修士は、学生ビザの対象になりません

AACAの認定一覧には、カーティン大学がOpen Universities Australia(OUA)を通じてオンライン提供する Master of Architecture(OM-ARCH/OW-ARCH)も掲載されています。認定課程であることは事実ですが、オンライン専用の課程は学生ビザの対象になりません。渡航して学ぶ場合は、カーティン・パースキャンパスで対面提供される MC-ARCH を選ぶことになります。「同じ大学の同じ名前の課程」でも、ビザの扱いが違う点に注意してください。

AACA認定課程を持つ大学(州別)

AACAが公表している「Accredited Architecture Qualifications」(2026年6月更新)から、アンアルウェンでご案内できる大学を州別に整理しました。カッコ内はコース番号と認定開始年です。

大学認定されている課程都市
ACTキャンベラ大学M Arch(913AA・2007)キャンベラ
NSWシドニー大学M Arch(MAARCHIT-02・2008)/B Design Arch (Hons) + M Arch【5年一貫】(BHDARARC-01/MADARARC-01・2017)シドニー
UNSWM Arch(8143・2007)/M Arch + M Property Development(8144・2025)シドニー
シドニー工科大学(UTS)M Arch(C04235・2008)/B Des in Arch + M Arch【5年一貫】(C10413・2025)シドニー
ニューカッスル大学M Arch(12060・2009)ニューカッスル
西シドニー大学M Arch(3761・2021)パラマタ
QLDボンド大学M Arch(SD-93017・2022)/M Arch (Prof)(SD-93045・2002)ゴールドコースト
クイーンズランド大学M Arch(5429・2008)ブリスベン
クイーンズランド工科大学(QUT)M Arch(DE83・2023)ブリスベン
グリフィス大学M Arch(5558・2013)/B Architectural Design + M Arch【5年一貫】(5759・2025)ゴールドコースト
SAアデレード大学M Arch(MAARC・2026)※旧2大学の課程は2026年12月までアデレード
TASタスマニア大学M Arch(D7C・2007)ホバート/ローンセストン
VICRMITM Arch(MC163・2008)メルボルン
ディーキン大学M Arch(S700・2007)/M Arch + M Construction Management(D764・2025)/B Design (Arch) + M Arch【5年一貫】(D306・2025)ジーロング(ウォーターフロント)
モナッシュ大学M Arch(F6001・2022)/B Arch Design + M Arch【5年一貫】(F6003・2025)メルボルン(コーフィールド)
スウィンバーン工科大学M Arch(MA-ARC・2021)/M Arch and Urban Design(MA-ARCUD・2021)メルボルン(ホーソン)
WA西オーストラリア大学(UWA)M Arch(25520・2008)パース
カーティン大学M Arch(MC-ARCH・2007)※OUA経由のオンライン版は学生ビザ対象外パース
ノートルダム大学M Arch(5152・2020)フリーマントル
この表について
  • 出典はAACA「Accredited Architecture Qualifications」(2026年6月更新)です。AACAの一覧には、このほかビクトリア州の大学が1校掲載されています(本ページでは、アンアルウェンで取り扱いのある大学のみ掲載しています)。
  • 認定は5年ごとの審査で更新されます。認定を受けた課程は全州・全準州およびニュージーランドで通用します。
  • ニュージーランド・香港・シンガポールの一部の課程も、AACAとの相互承認によりAPEへの入口になります。該当するのは、オークランド工科大学、Unitec、オークランド大学、ヴィクトリア大学ウェリントン、オタゴ・ポリテクニック、香港大学、香港中文大学、香港珠海学院、シンガポール国立大学、シンガポール工科デザイン大学です。日本の大学は、この相互承認の枠に含まれていません。

大学別の比較表

修士(Master of Architecture)の入学要件・英語・学費を並べました。学費はすべて定価(奨学金適用前)です。

大学期間入学要件(学歴・成績)英語(IELTS)年間授業料(定価)
グリフィス大学
学費が最も低い
2年 建築・建築デザイン・デザイン・環境デザインの関連学士+GPA 5.0/7+ポートフォリオ(16ページ以内) 6.5
(各6.0)
AUD 42,000
2026年
QUT 2年 認定された3年制の海外建築学士+GPA 4.5相当+承認されたポートフォリオ/または他学位+豪州M Archの1年目をGPA 4.5相当で修了 6.5
(各6.0)
AUD 44,700
2026年
UNSW 2年 国内で認定された建築の学部学位(UNSW Bachelor of Architectural Studies等)+WAM 65以上。海外の学位はポートフォリオ必須 要確認 AUD 48,500
2026年・初年度
アデレード大学 2年 Bachelor of Architectural Design、または認定機関の3年制プレプロフェッショナル課程+GPA 4.0/7。海外の建築学位はポートフォリオで審査 6.5
(各6.0)
AUD 50,500
2026年
クイーンズランド大学 2年 建築の学士(または同等)+GPA 4.5/7。GPA 4.0でも、設計事務所での実務6か月があれば可 6.5
(各6.0)
AUD 52,528
2026年・16ユニット
RMIT 2年 オーストラリアの建築専門の学士(または同等の海外資格)。選考課題の提出あり・競争的 6.5
(各6.0)
AUD 54,720
公式表記は2027年年額
シドニー工科大学(UTS) 2年 過去8年以内の建築学士+GPA 5.0/7+ポートフォリオ(建築プロジェクト3〜5件のPDF)+関連実務(該当する場合) 6.5
(W 6.0)
要確認
国内学生の総額のみ掲載
シドニー大学 2年 Bachelor of Design in Architecture/Bachelor of Architecture and Environments(または同等)+平均65以上。ほとんどの出願者にポートフォリオ必須 要確認 要確認
西オーストラリア大学(UWA)
建築以外の学位から入れる
2年
(建築専攻なしは最長3.5年)
学士+UWA換算の平均60%以上。建築の学部専攻がなくても出願できる数少ない課程 6.5
(各6.0)
要確認
単位あたり課金
カーティン大学 2年 Bachelor of Applied Science (Architectural Science) または同等。競争的で高い加重平均が必要。AACA非認定課程からはポートフォリオが必要な場合あり 6.5
(各6.0)
要確認
国内学生の額のみ掲載
ディーキン大学 2年
(条件により1.5年)
建築の学士+WAM 65以上/WAM 55〜64はポートフォリオ+志望理由書で審査 要確認 要確認
ボンド大学
最短で修了できる
1年4か月
(4学期)
学士保有者は直接入学。Graduate Diploma経由なら2年 要確認 要確認
「要確認」と書いている理由
上の表で「要確認」としている大学は、2026年8月時点で、留学生向けの年間授業料または英語要件が課程ページから確認できなかったものです。推測での記載はしていません。たとえばUTSの課程ページには国内学生の総額(AUD 64,960)のみ、カーティン大学のページには国内学生の政府支援枠の初年度額(AUD 10,600)のみが掲載されています。UWAは「単位あたりの課金で、料金は課程により異なる」として、フィー計算ツールへの誘導になっています。
これらは学校に直接照会すれば分かります。アンアルウェンでは、ご相談いただいた時点で該当校に確認し、最新の見積もりを無料でお伝えしています。

学費(定価)── 5年分の総額

ここに記載しているのは、すべて定価(奨学金適用前)の金額です。実際には、次のセクションの奨学金が自動適用されて下がることがあります。

学士(3年)の年額

大学・課程期間年額(定価)3年の総額
QUT
Bachelor of Architectural Design
3年
(Gardens Point)
AUD 43,300
2026年・96単位
AUD 129,900
UNSW
Bachelor of Architectural Studies
3年
(144単位)
AUD 52,000
2026年・初年度
AUD 167,500
公式掲載の総額

※UNSWは初年度額と修了までの総額の両方が公式に掲載されているため、両方を記載しています。QUTは年額のみの掲載のため、3年分を単純に掛けた概算です。授業料は毎年改定されるため、実際の総額は上記より上振れするのが通例です。

修士(2年)の年額 ── 安い順

大学年額(定価)2年の概算備考
グリフィス大学AUD 42,000AUD 84,0002026年・80単位/ゴールドコースト
QUTAUD 44,700AUD 89,4002026年・96単位/ブリスベン
UNSWAUD 48,500AUD 97,0002026年・初年度の目安/シドニー
アデレード大学AUD 50,500AUD 101,0002026年/アデレード・シティ
クイーンズランド大学AUD 52,528AUD 105,0562026年・16ユニット/ブリスベン
RMITAUD 54,720AUD 109,440公式表記は「2027年 年額」/メルボルン

5年分の総額(学士3年+修士2年・定価)

ルート学士3年修士2年合計(定価)
QUTで通すAUD 129,900AUD 89,400AUD 219,300
UNSWで通すAUD 167,500AUD 97,000AUD 264,500

差は AUD 45,200、1豪ドル100円換算でおよそ452万円です。ただし、この差は奨学金でひっくり返ることがあります。たとえばグリフィス大学の20%減額(申請不要)を修士2年に適用すると AUD 16,800 下がり、年額は AUD 33,600 になります。次のセクションで整理します。

授業料以外にかかるもの

項目金額の目安備考
学生ビザの財政要件(生活費)単身12か月 AUD 29,710これは実際の支出の見積もりではなく、申請時に「示せること」を求められる金額です。実際の生活費は都市によって変わります
学生ビザ申請料AUD 2,5002026年7月1日改定
OSHC(留学生健康保険)年 AUD 700〜900単身の目安。保険会社・期間により変動
模型・製図・出力の材料費個人差が大きいこの分野固有の出費です。スタジオ課題ごとに模型材料、大判出力、3Dプリント等がかかります。金額は大学・課題により大きく変わるため、公表値としてお示しできる数字はありません
卒業生ビザ(485)申請料内務省サイトで要確認金額は改定が続いているため、申請時点の公式額をご確認ください
APE受験料Part 1&2 AUD 670
Part 3 AUD 510
ビクトリア州・2026年セッションの金額。Part 2の再受験のみは AUD 265。州により異なります
AACA技能評価(移住用)AUD 440豪州の認定資格を持つ人向け。処理期間は約4週間

5年分の総額の目安は AUD 370,000〜420,000、1豪ドル100円換算でおよそ3,700万〜4,200万円です。そのあとに、実務2年(この期間は収入があります)とAPEが続きます。

奨学金 ── 減額率が学費差を上回ります

この分野で費用を下げる最大のレバーは、入学時に自動適用される授業料減額です。「定価で比べて安い大学」より、「減額後に安くなる大学」を見たほうが実態に近づきます。

グリフィス大学International Academic Merit Scholarship(20%)

授業料の20%減額。申請は不要です。オーストラリア・ニュージーランド以外の国籍で、直近の学歴がGPA 4.5/7以上、かつ出願先の学業・英語要件を満たしていることが条件です。出願と同時に自動で審査され、対象になればLetter of Offerに記載されます。対象期間は2025年トライメスター3から2027年の各トライメスター開始。

Master of Architecture は、公式に示されている除外課程リスト(医学系、歯学系、言語聴覚、MBA、フライトマネジメント等)に含まれていません。ただし除外条件には「パートタイム提供のみの課程」「提携機関との共同提供」といった項目もあるため、最終的な適用可否は出願時にご確認ください。

20%減額率
不要別途申請
GPA 4.5/7成績条件
年 AUD 33,600修士の減額後の年額
アデレード大学3段階の成績連動型(15%/25%/50%)

2026年の統合後、留学生向けの奨学金は次のように整理されています。

  • Adelaide Academic Excellence Scholarship(50%) ── High Distinction相当の成績。申請書の提出が必要
  • Adelaide Emerging Leaders Award(25%) ── Distinction相当。申請不要・自動審査
  • Adelaide Merit Scholarship(15%) ── Credit相当。申請不要・自動審査
  • Adelaide Global Alumni Scholarship(10%) ── 旧アデレード大学・UniSAでの就学歴がある方
  • Adelaide Partner Award(10%) ── 提携校からの進学者

注意点がひとつあります。50%枠のうち Adelaide Launch Your Future ASEAN ScholarshipASEAN加盟国の学生が対象で、日本は対象に含まれていません。日本国籍の方が50%を狙う場合は、申請が必要な Academic Excellence Scholarship のほうになります。

25%Distinction相当・申請不要
AUD 37,87525%適用後の修士年額
対象外ASEAN枠(50%)は日本人不可
そのほかの大学について
西シドニー大学は課程ページで「最大3年間の複数年奨学金 AUD 6,000/AUD 3,000、および授業料50%減額」の案内を出しています。ただし対象課程・対象国・成績条件がページ上で確認できなかったため、金額以外の条件はここでは断定しません。
UNSW・クイーンズランド大学・QUT・RMIT・UTS・カーティン大学・UWAなどの減額制度についても、年度ごとに対象国・対象課程・成績基準が変わります。この分野で日本人が見落としやすいのは、「対象国リストに日本が入っていない減額がある」という点です。出願先が決まった段階で、その年の条件を一件ずつ照会します。無料です。

英語要件

この分野の英語要件は、比較的シンプルです。看護や教員のように「大学の入学基準」と「登録機関の基準」が二重に存在する構造にはなっていません。大学の入学要件をクリアすれば、その先で英語スコアを積み増す必要は、制度上は生じません。

大学総合各項目備考
クイーンズランド大学6.56.0Reading/Writing/Speaking/Listening 各6.0
QUT6.56.0学士・修士とも同水準
グリフィス大学6.56.0IELTS Academic
RMIT6.56.0「いずれの項目も6.0を下回らないこと」
カーティン大学6.56.0IELTS Academic
UWA6.56.0「いずれのバンドも6.0未満でないこと」
アデレード大学6.56.0R/L/S/W 各6.0
シドニー工科大学(UTS)6.5W 6.0Writingのみ6.0の指定
ただし、実務面では別の話になります
  • 設計スタジオは、講評(クリティーク)が中心です。自分の設計意図を英語で説明し、その場で質問に答える形式が続きます。IELTS 6.5は「授業についていける最低ライン」であって、快適に議論できる水準ではありません。
  • APEのPart 3は面接試験です。2名の経験ある建築家から、実務の進め方、契約、法規、倫理などについて口頭で問われます。ここに到達するのは修了後2年以上先ですが、そこまで見据えるなら英語は継続的に伸ばす前提で計画してください。
  • 卒業生ビザ(485)にも英語要件があります。大学の入学要件とは別枠です。申請時点の基準を内務省の公式ページでご確認ください。

英語スコアが足りない場合は、大学付属の英語コース(Direct Entry Program)を経由する方法があります。UTS College のように、大学本体とは別に付属カレッジのページを設けている学校もあります。ただし建築の場合、英語を伸ばす期間中もポートフォリオの制作は進められます。この時間の使い方は、後述のポートフォリオのセクションで触れます。

進学ルート ── 経歴別

日本の高校を卒業した方

学士3年から始めて、修士2年、実務2年で合計7年が標準です。学士への入学は、大学によって「高校の成績+英語」で直接出願できる場合と、ファウンデーションコースやディプロマを経由する場合があります。QUTの Bachelor of Architectural Design はATAR/選抜ランク80.00(2026年第1学期の国内学生の実績値)を目安として公開しており、留学生の換算基準は別途設定されています。日本の高校の成績がどう換算されるかは大学ごとに違うため、成績証明書を拝見して個別に判定します。

この段階で検討する価値があるのが、5年一貫型(VIM)の課程です。学士と修士が1本の課程として設計されており、途中で修士の入学選考を受け直す必要がありません。UTS(C10413)、グリフィス大学(5759)、モナッシュ大学(F6003)、ディーキン大学(D306)、シドニー大学(BHDARARC-01/MADARARC-01)が該当します。「3年後に修士に入れなかったらどうしよう」という不確実性を、入学時点で減らせるのがこの形式の利点です。

日本の大学で建築を学んだ方

修士2年から入れる可能性があります。合計4年(修士2+実務2)です。ただし、次の3点が論点になります。

  • 学位が「建築の学士」として認められるか。QUTは「認定された3年制の海外建築学士」、UNSWは「国内で認定された建築の学部学位(または同等)」としており、同等性の判断は大学が行います。日本の建築学科の学位が自動的に該当するとは限りません。
  • ポートフォリオが用意できるか。UNSWは「海外の大学で建築の学部学位を修めた場合はポートフォリオの提出が必要」と明記しています。卒業から年数が経っている方は、ここが最大の準備項目になります。
  • 卒業からの年数。UTSは「過去8年以内に修了した建築の学士」と期限を設けています。他大学がこの条件を設けているかは課程ごとに異なるため、個別確認が必要です。

建築以外の分野の学位を持つ方

選択肢は限られますが、あります。西オーストラリア大学(UWA)は公式に「建築を専攻した学士を持つ場合は2年、そうでない場合は最長3.5年」と記載しています。つまり建築の学部専攻がなくても Master of Architecture に出願できる課程です。入学要件は学士+UWA換算の平均60%以上

QUTにも、「他分野の学位+オーストラリアの認定 Master of Architecture の1年目をGPA 4.5相当で修了」という入学経路が示されています。いずれも「学部3年をやり直す必要はないが、2年では終わらない」と理解しておいてください。

日本で実務経験がある方

実務経験そのものは、修士の入学要件を緩める材料になり得ます。クイーンズランド大学は「GPA 4.5/7、または GPA 4.0+設計事務所での大学院レベルの実務6か月」と、実務で成績要件を補う経路を明示しています。UTSも「関連する職務経験(該当する場合)」を出願書類に含めています。

ただし、APEのログブックについては別の話です。AACAは海外での実務を最大12か月までしか算入せず、オーストラリア国内で最低12か月(1,650時間)を求めています。日本での長い実務経験があっても、豪州国内での1年は省略できません。

ポートフォリオ ── 最も差がつくところ

建築の修士出願で、他分野にない要素がポートフォリオです。成績が要件ぎりぎりでも作品で挽回できる余地がある一方、作品が用意できないと出願自体が難しくなります。

大学公式に示されている要件
UNSW海外の大学で建築の学部学位を修めた場合は必須。デジタル形式で、敷地分析・展開ダイアグラム・技術図面・最終プレゼンテーションを含めること
シドニー工科大学(UTS)PDF形式のデジタルポートフォリオ。建築プロジェクト3〜5件
グリフィス大学デザインポートフォリオ(最大16ページ)を提出し、審査を受ける
シドニー大学ほとんどの出願者に必要
QUT「承認されたポートフォリオ」が入学要件に含まれる
ディーキン大学WAM 65以上なら不要。WAM 55〜64の場合はポートフォリオ+志望理由書で審査
アデレード大学オーストラリア以外の建築学位を持つ場合、ポートフォリオの提出により審査対象となり得る
RMITポートフォリオという語ではなく「選考課題(selection task)の提出」と記載
カーティン大学AACA非認定の課程からの出願では必要となる場合がある
公式に示されている要件を、そのまま読んでください
上の表は、各大学が課程ページに書いている内容をそのまま整理したものです。「何を評価するか」「どの程度の完成度が必要か」を、大学は数値では公表していません。そのため、こちらから「このレベルなら通ります」という基準をお示しすることはできません。
一方で、公式が明示している形式面(ページ数、件数、含めるべき図面の種類)は、そのまま守るべき制約です。UNSWのように「敷地分析・展開ダイアグラム・技術図面・最終プレゼンテーション」と中身の構成まで指定している大学もあり、ここは準備の指針になります。

日本の大学を卒業してから年数が経っている方へ。ポートフォリオは、卒業設計や在学中の課題を再編集して構成することが一般的です。データが手元に残っているかどうかが、準備期間を大きく左右します。設計事務所での実務作品を使う場合は、守秘義務と著作権の扱い、自分の担当範囲の明示が論点になります。「英語の準備をしながらポートフォリオを整える」という時間の使い方が、この分野では合理的です。

APE(建築実務試験)の中身

修士を修了したあと、Architect として登録するために受けるのが APE(Architectural Practice Examination)です。AACAが管理し、各州・準州の Architects Registration Board が実施します。全国共通の3段階構成で、年2回行われます。

Part 1 ── ログブックと実務経験報告書

項目要件
総時間3,300時間以上(フルタイム約2年相当)
修了後の最低時間1,650時間以上(フルタイム約1年相当)を、認定資格の修了後に取得
オーストラリア国内での最低時間1,650時間以上。州・準州はどこでも可
海外での実務最大12か月分まで算入可能
修了前の実務最大1年分を記録可能(在学中のアルバイト等)
各項目の時間配分必須のパフォーマンス基準ごとに最低35時間、ひとつの基準につき最大350時間まで
記録方法AACAのログブック(1シート=1プロジェクト・3か月分、全80シート)。シートの追加はできません
署名指導建築士の署名はAACAの要件ではありません(申請者本人の法定宣誓供述書で正確性を担保)
「どこで働けば時間として認められるか」も規定されています
AACAは、実務経験を積める場として「建築士の監督下にある設計事務所の従業員」「ビルディングデザイン事務所の従業員」「建設業の関連分野の企業の従業員」「関連する政府機関」「自営(Executive=意思決定レベルで従事している場合)」を挙げています。
ただし建築士の監督下にない場合は、Executive(意思決定)レベルの業務しか記録できません。Observer(観察)・Participant(参加)レベルの経験は、監督下でなければ認められません。就職先を選ぶ段階で、この違いを知っておく価値があります。

Part 2 ── 全国統一筆記試験(National Examination Paper)

建築士の全国能力基準(National Standard of Competency for Architects)の該当する項目について、知識と応用を問う筆記試験です。2026年の実施日は、セッション1が4月14日、セッション2が9月22日です。

Part 3 ── 面接試験

経験のある建築家2名による面接です。候補者の作品、実務経験、専門知識について、さまざまな場面設定や調達(procurement)の論点にもとづいて評価されます。評価の水準は「複合的なプロジェクト(complex project)」を基準としており、AACAは「中規模以上で、敷地条件・計画・構造・設備・材料・構成の統合的な解決を要するプロジェクト」と定義しています。

2026年の申込締切と費用

セッションPart 1 申込締切Part 2 実施日
セッション1ACT・QLD・WA:1月30日
NSW・NT・TAS・VIC:2月1日
SA:2月8日
4月14日
セッション2ACT・QLD・WA:7月10日
NSW・NT・TAS・VIC:7月12日
SA:7月16日
9月22日

費用(ビクトリア州・2026年セッション):Part 1+Part 2 が AUD 670、Part 2の再受験のみが AUD 265、Part 3 が AUD 510。州により異なるため、受験する州のBoardの公表額をご確認ください。

認定課程を持たない方のための代替ルートもあります
AACAは、認定課程を修了していない人がAPEに進むための経路も設けています。
  • Overseas Qualifications Assessment ── オーストラリア国外で建築の資格を修めた実務者向け
  • National Program of Assessment(NPrA) ── 建築の学位はないが、相当の実務経験がある人向けの実技審査
  • NSW Portfolio Program of Assessment ── NSW建築士登録委員会が実施する、ポートフォリオによる能力審査
  • UK Qualifications Recognition ── 英国の認定資格をAACAが評価する制度
日本の建築系学位を持つ方は、Overseas Qualifications Assessment の対象になり得ます。ただしこれは「豪州の修士を取らずにAPEへ進む」経路であり、評価に通るかどうかは個別審査です。こちらから結果を保証できる性質のものではありません。豪州の認定修士を取るルートと、どちらが現実的かは、お持ちの学歴と実務歴によって変わります。

※ログブックの運用に関する記載の一部は、AACAが公表している「Architectural Practice Examination — General Information and Frequently Asked Questions」(2020年11月更新版)にもとづいています。時間数・国内要件・費用については、各州Boardが2026年セッション向けに公表している内容と照合しています。受験の直前には、必ず受験する州のBoardで最新の要件をご確認ください。

卒業後の進路

登録を目指す道と、目指さない道の両方があります。どちらも建築の学位が活きる進路です。

01

登録建築家(Architect)を目指す

設計事務所に就職し、指導建築士のもとで3,300時間を積んでAPEに挑む道。「Architect」の名称と、その名で設計業務を行う権限が得られます。登録は州ごとで、認定資格は全州・NZで通用します。

02

登録せずに設計・関連分野で働く

Architectural Designer、BIMマネージャー、都市デザイン、ランドスケープ、インテリア、建設マネジメント、不動産開発など。「Architect」と名乗らなければ、登録なしで設計に関わる業務は多くあります。ディーキン大学は建設マネジメント、スウィンバーン工科大学はアーバンデザインとの併修修士を用意しています。

03

専門を掛け合わせる

AACA認定一覧には、UNSWの M Arch + M Property Development(8144)、ディーキン大学の M Arch + M Construction Management(D764)、スウィンバーン工科大学の M Arch and Urban Designが掲載されています。認定を保ったまま、2つ目の専門を積める設計です。

収入について
建築家の給与水準については、公的統計の該当ページが確認できなかったため、このページでは金額を記載していません。民間サイトには様々な数字が出回っていますが、出典と算定方法が明示されていないものをそのまま載せることはしていません。ご相談の際は、Jobs and Skills Australia やABSの公表データにあたって、その時点の数字をお伝えします。

ビザ・永住ルート

建築は、職業リスト上の位置づけが良好な分野です。ただしこの分野固有の事情として、「永住のため」ではなく「登録のため」に卒業後オーストラリアに残る必要があるという点があります。

職業リストと技能評価

項目内容
職業コードOSCA 241131 Architect(旧ANZSCO 232111)
掲載リストMLTSSL(中長期戦略技能リスト)とCSOL(コアスキル職業リスト)の両方/技能レベル1
技能評価機関AACA
評価の種類Verification of Australian Accredited Architecture Qualification(オーストラリア・NZ・香港・シンガポールの認定資格を持つ人向け)/Overseas Qualifications Assessment(それ以外の国で資格を取った人向け)
評価費用・期間AUD 440(カード決済手数料別)/通常4週間以内に完了
関連職種Landscape Architect(232112)もCSOLに掲載/技能レベル1
AACAが明記していること
「評価に通過したことは、移住の要件を満たすことを確認するものであり、就職を保証するものでも、オーストラリアで『Architect』の名称を使う権限を与えるものでもありません
技能評価と登録は、まったく別の手続きです。移住の技能評価に通っても、Architect を名乗るにはAPE合格と州Boardへの登録が別途必要です。ここは混同されやすい部分なので、あらかじめ分けて理解しておいてください。

卒業生ビザ(485)── この分野では必須です

485ビザ(Post-Higher Education Work stream)の滞在期間は、修士(コースワーク)で2年年齢は申請時に35歳以下(修士[研究]・博士、および香港・BNOパスポート保持者は50歳以下)。コース修了後、原則6か月以内に申請します。

この2年が、そのままログブックの3,300時間を積む期間になります。逆に言えば、485を取らずに帰国すると、オーストラリア国内での1,650時間を積む機会を失います。「登録まで行くのか、修士で切り上げるのか」は、修了の1年前には決めておきたい判断です。

永住ビザに進む場合の一般的な流れ
  • 485で就労 → AACAの技能評価 → 189(技術独立)・190(州指名)・491(地方指名)へ出願という順序が基本です。
  • 189はスポンサーも州指名も不要なビザで、Architect はMLTSSL掲載のため対象になり得ます。ただしポイント制で、実際に招待が届くかは年度ごとの点数状況によります。
  • 190・491は州ごとに指名リストと条件が異なり、毎年変わります。「この州なら通ります」とお伝えできる性質のものではありません。
  • ビザ・移住に関する最終的な判断と申請代理は、登録移民代理人(MARA)の業務範囲です。本ページの記載は一般的な情報提供であり、個別の移民アドバイスではありません。

日本に帰ってから活かす

オーストラリアの建築修士を、日本の一級建築士の受験資格に直接つなげられるか。ここは正確にお伝えする必要があります。

制度の枠組み
日本の建築士法では、外国の大学等を卒業した方が学歴要件を用いる場合、「建築士法において学歴と認められる学校の卒業者と同等以上であることを証する書類」の提出が求められます。受験申込後の受験資格審査(国土交通大臣の認定)において、受験の可否が判断されます。
審査では、卒業した学校で履修した建築系の科目について、授業内容や成果が、日本の大学等における国土交通大臣の指定する建築の科目と同程度であるかを、ひとつずつ確認します。書類が提出されない場合は「受験資格なし」と判断される場合があるとされています。

つまり、枠組みは存在します。ただし「この大学のこの課程なら通ります」と、こちらから申し上げることはできません。判断は個別の履修内容にもとづき、所管の大臣が行うものであり、エージェントが結果を保証できる性質のものではありません。

本気で日本の一級建築士も視野に入れる場合は、渡航前に日本側の指定科目の一覧を確認したうえで、履修計画を立ててください。あとから科目を追加するのは困難です。シラバス・成績証明書・履修時間の記録を、在学中から保管しておくことも実務的に重要です。

一方で、オーストラリアで Architect として登録できた場合、その資格は日本での就職において明確な差別化になります。国際的な設計事務所、海外案件を扱う組織設計事務所、ゼネコンの海外部門などでは、英語での設計実務経験と豪州の登録資格の組み合わせが評価される場面があります。ただし「必ず有利になる」と断定できる統計はないため、あくまで一般的な傾向としてお伝えしています。

大学の選び方 ── 見るべき6つの点

01

AACAの認定があるか

これが第一条件です。認定のない課程を出ても、APEに進めません。認定一覧はAACAが公表しており、コース番号まで一致しているかを確認してください。同じ大学でも課程によって認定の有無が違います。

02

5年一貫型(VIM)か、学士と修士が別か

VIMなら途中で修士の選考を受け直す必要がありません。一方、学士と修士を別に取るなら、学士を出た大学と違う大学の修士に移る自由があります。どちらが向いているかは、確実性を取るか選択肢を取るかで変わります。

03

減額後の学費で比べる

定価の順位と、減額後の順位は入れ替わります。グリフィス大学の20%(申請不要)、アデレード大学の15%/25%(申請不要)など、自動適用される制度を含めて計算してください。

04

卒業後に働く都市かどうか

この分野では、卒業後2年をオーストラリアで過ごす前提になります。設計事務所の数と分布は都市によって違います。「学びたい大学」と「働きたい都市」がずれていないかを、入学前に確認しておく価値があります。

05

入学要件のうち、いま満たせないものは何か

GPA、英語、ポートフォリオ、卒業からの年数。この4つのどれが足りないかで、準備の順序が変わります。UTSの「過去8年以内」のような条件は、あとから満たすことができません。早い段階での確認が要ります。

06

入学時期と定員の状況

多くの大学が2月と7月の年2回入学。ボンド大学は1月と9月UNSWは2026年入学について一部課程が定員に達した旨を告知しています。希望の入学時期に席があるかは、その都度確認が必要です。

出願から出発までの流れ

時期やることアンアルウェンの関わり
12〜18か月前ルートの決定(学士から/修士から/VIM)、大学の絞り込み、成績証明書の英訳準備無料相談。成績証明書を拝見して、修士に直接出願できる可能性を判定します
10〜14か月前IELTSの受験、ポートフォリオの制作開始各大学の形式要件(ページ数・件数・含める図面)を整理してお渡しします
8〜12か月前出願書類の準備、奨学金の対象確認その年の減額制度の対象国・対象課程・成績条件を照会します
6〜10か月前出願、Letter of Offer の受領出願手続きを代行。複数校への出願も無料
4〜6か月前学費の支払い、CoEの取得、OSHC加入手続きの案内と、支払いスケジュールの整理
3〜4か月前GS(Genuine Student)ステートメントの作成、学生ビザ申請GS対策とビザ申請を全面サポート。建築は就学期間が長いため、5年(または7年)の計画をどう説明するかが問われます
1〜2か月前住居手配、航空券、渡航準備ホームステイ・学生アパートの手配、出発前オリエンテーション
渡航後現地生活の立ち上げ、学業現地オフィスでのサポート、コース変更・延長、485ビザの相談

※上記は一般的な目安です。ビザの処理期間は国籍・ビザ歴・健康診断・資金状況・審査の混雑状況によって変わるため、「いつまでに申請すれば必ず間に合う」とはお伝えできません。余裕をもったスケジュールをおすすめします。

他社との違い ── アンアルウェンが選ばれる理由

アンアルウェンの強みは、留学の申し込みだけで終わらない、出発前から進学後まで続く伴走型サポートです。
「手続きだけを代行するエージェント」ではなく、「留学という大きな挑戦を一緒に考え、現地でも支え続けるパートナー」であること。それが、私たちが他の留学エージェントに負けない一番の強みです。

01

GS対策・ビザ申請まで無料でサポート

学校選びや出願手続きはもちろん、進学で重要となるGS(Genuine Student)対策、学生ビザ申請もしっかりサポート。建築は5年(登録まで7年)の長期計画になる分野なので、その年数をどう説明するかが問われます。ここに時間をかけます。

02

渡航後も、日本と現地の両方から支える

オーストラリアには提携オフィスがあり、渡航後も学校生活や現地での手続き、困りごとを日本と現地の両方からサポートします。学士から修士への進学や、卒業生ビザ(485)の申請についてもご相談いただけます。

03

毎月12名様限定 ── 一人ひとりに時間をかける

一人ひとりに十分な時間をかけるため、サポート人数を毎月12名様限定としています。建築はいまの学歴・成績・ポートフォリオの有無によって最適なルートが変わる分野です。画一的な案内ではなく、その方の状況に合わせて設計します。

04

スタッフが実際に足を運んだ学校だけを紹介

紹介先を幅広く並べるだけではなく、スタッフが実際に学校へ足を運び、授業や校内の雰囲気を確認したうえで、厳選した学校を紹介しています。設計スタジオや工房の設備は、資料だけではわかりません。

05

2008年設立・3,000名以上の留学をサポート

2008年の設立以来、3,000名以上の留学を支えてきた経験と、オーストラリア留学に特化した専門知識を生かしてご提案します。学部から大学院へ進まれた方のサポート実績もあります。

06

メリットだけでなく、現実も率直に伝える

費用や生活面の現実も率直にお伝えします。「学士だけでは認定の対象になりません」「実務の1年以上はオーストラリア国内でないと算入されません」「この大学は留学生向けの年額を公表していないので、いまは金額をお伝えできません」──言いにくいことも含めてお伝えするのが、私たちの仕事だと考えています。

アンアルウェンを利用するメリット・無料サポート内容

アンアルウェンは、オーストラリア留学の専門エージェントです。学校選びから渡航後のトラブル対応まで、すべて無料でサポートします。学校へ直接申し込む場合と比べて、余分な費用は一切かかりません。

出願前サポート(無料)
  • 目的・ビザ・期間に合ったコース選びの無料相談
  • 2026年日本人プロモーションの適用確認・申込み手続き代行
  • 入学申込書類の作成サポート
  • 学生ビザ申請代行サポート
  • GSステートメントの作成含め、全面サポート
  • ワーホリビザ申請代行サポート
  • ホームステイ・学生アパートの手配サポート
  • OSHC(海外学生健康保険)の手配サポート
  • 航空券・渡航準備のアドバイス
  • 語学学習のアドバイス
  • 出発前の個別オリエンテーション
渡航後サポート(無料)
  • 現地オフィス(シドニー・メルボルン)にて日本人スタッフがサポート
  • 到着後オリエンテーション
  • 現地トラブル時の相談窓口(日本語でOK)
  • コース延長・変更の手続きサポート
  • ケンブリッジ検定・IELTS受験申込みのアドバイス
  • ビザ切り替えサポート
  • 留学後の帰国・キャリアプランの相談
  • 大学・大学院進学を検討する方への進路アドバイス
  • LINEやZOOMでのサポート付
  • 次の留学・再渡航のサポート

オーストラリア 建築留学 よくある質問

建築の学士を3年で卒業すれば、オーストラリアで建築家として働けますか?

働けません。ここがこのページで最もお伝えしたい点です。
AACAは公式資料に「オーストラリアでは、認定される資格は通常 Master of Architecture の学位である」「学士レベルの学位は認定されていない」と明記しています。3年の学士だけでは、建築実務試験(APE)への入口に立てません。
ただし、学士だけでも進める道はあります。Architectural Designer、BIMオペレーター、都市デザイン、インテリア、建設マネジメント、不動産開発など、「Architect」の名称を使わない職域です。「Architect」は州の建築士法で保護された名称なので、そこだけが登録の対象になります。
入学前に、5年(または7年)行くのか3年で切るのかを決めておいてください。

いくらかかりますか?

ルートによって変わります。授業料(定価)で計算します。
ルートA(QUTで通す):学士3年(43,300×3=129,900)+修士2年(44,700×2=89,400)=AUD 219,300
ルートB(UNSWで通す):学士3年(公式掲載の総額 167,500)+修士2年(48,500×2=97,000)=AUD 264,500
差は AUD 45,200、およそ452万円です。
これに生活費(学生ビザの財政要件は単身12か月で AUD 29,710)、OSHC(年 700〜900)、学生ビザ申請料 AUD 2,500(2026年7月1日改定)、そして模型材料・大判出力・3Dプリントといったこの分野固有の実費が加わります。5年間の総額の目安は AUD 370,000〜420,000、1豪ドル100円換算でおよそ3,700万〜4,200万円です。
ただし、これは定価です。グリフィス大学の20%減額(申請不要)やアデレード大学の25%枠が適用されると、この数字は下がります。まずは減額後の見積もりをお出しします。

日本の大学の建築学科を卒業しました。修士2年だけで登録まで行けますか?

修士に直接入れる可能性はありますが、そのあとに実務2年があります。合計4年です。
まず入学の可否について。QUTは「認定された3年制の海外建築学士+GPA 4.5相当+承認されたポートフォリオ」、UNSWは「国内で認定された建築の学部学位(または同等)+WAM 65以上」に加えて「海外の大学で修めた場合はポートフォリオの提出が必要」としています。同等性の判断は大学が行うため、日本の建築学科の学位が自動的に該当するとは限りません。
UTSには「過去8年以内に修了した建築の学士」という期限があります。卒業から年数が経っている方は、この条件のある大学とない大学を分けて検討する必要があります。
そして実務2年について。3,300時間のうち1,650時間以上をオーストラリア国内で積む必要があり、海外での実務は最大12か月分までしか算入できません。日本での実務経験が長くても、豪州国内での1年は省略できません。
まずは成績証明書とシラバス、そしてお手元にある作品データを拝見させてください。判定に必要な材料を整理します。無料です。

建築以外の学部を出ています。それでも目指せますか?

目指せますが、選択肢は限られます。
西オーストラリア大学(UWA)は公式に「建築を専攻した学士を持つ場合は2年、そうでない場合は最長3.5年」と記載しており、建築の学部専攻がなくても Master of Architecture に出願できる数少ない課程です。入学要件は学士+UWA換算の平均60%以上、英語はIELTS 6.5(各6.0)ただしUWAは留学生向けの年額を課程ページに掲載しておらず、単位あたりの課金です。金額は個別に確認が必要です。
QUTにも「他分野の学位+オーストラリアの認定 Master of Architecture の1年目をGPA 4.5相当で修了」という経路が示されています。
もうひとつの選択肢は、学士3年からやり直すことです。年数はかかりますが、ポートフォリオを大学で作れるという利点があります。他分野出身の方にとって、出願用のポートフォリオをどう用意するかは実務的に最大の課題になるため、この点は無視できません。

ポートフォリオがありません。どうすればいいですか?

まず、どの大学がポートフォリオを求めているかを整理します。
公式に必須としているのは、UNSW(海外学位の場合)、UTS(建築プロジェクト3〜5件のPDF)、グリフィス大学(16ページ以内)、シドニー大学(ほとんどの出願者)、QUT(承認されたポートフォリオ)です。ディーキン大学はWAM 65以上なら不要で、WAM 55〜64の場合にポートフォリオ+志望理由書で審査という設計になっています。
つまり、成績が高ければポートフォリオを回避できる大学もあります。ここは戦略の分かれ目です。
作品を用意する場合、卒業設計や在学中の課題を再編集するのが一般的です。データが手元に残っているかどうかが、準備期間を大きく左右します。実務作品を使う場合は、守秘義務・著作権・自分の担当範囲の明示が論点になります。
「何を評価するか」「どの完成度が必要か」を大学は数値で公表していないため、こちらから合格ラインをお示しすることはできません。ただし形式面(ページ数・件数・含める図面の種類)は公式に明示されており、これは守るべき制約です。そこを外さない構成づくりからお手伝いします。

修士を出たあと、日本に帰って実務経験を積んでからAPEを受けられますか?

できません。ここは計画の要になる部分です。
AACAの規定では、ログブックの3,300時間のうち1,650時間以上(フルタイム約1年相当)をオーストラリア国内で積む必要があり、海外での実務は最大12か月分までしか算入できません。
したがって「豪州で修士を取り、日本で2年働いてAPEを受ける」という組み立ては成立しません。卒業生ビザ(485・修士コースワークで2年)で現地に残り、その2年で3,300時間を積む設計になります。
受け入れ先は自分で見つける必要があります。また、AACAは記録できる実務の場として「建築士の監督下にある設計事務所」「ビルディングデザイン事務所」「建設業の関連企業」「関連する政府機関」「自営(意思決定レベルで従事している場合)」を挙げており、建築士の監督下にない場合は Executive(意思決定)レベルの業務しか記録できません。就職先を選ぶ段階で、この違いを知っておく価値があります。
「就職できます」とも「難しいです」とも断定はできませんが、在学中のインターンやアルバイトから先を見据えて動くことが、実務的に重要です。

在学中のアルバイトは、実務時間として認められますか?

認められる場合があります。ただし条件があります。
AACAは「認定資格の修了前に、1年分の実務経験を記録してよい」としています。つまり在学中に設計事務所で働いた時間を、ログブックに入れられる可能性があるということです。
ただし、3,300時間のうち1,650時間以上は「修了後」でなければなりません。修了後の起算日は大学が発行する成績証明書に記載された日付とされています。
また建築士の監督下にない場合は、Executive(意思決定)レベルの業務しか記録できません。Observer(観察)・Participant(参加)レベルの経験は、監督下でなければ認められません。
学生ビザでの就労は就学中は2週間あたり48時間まで、長期休暇中は制限なしです(「週20時間まで」は古い情報です)。設計スタジオの課題は時間を取るため、シフトの組み方は現実的に考える必要があります。ただしこの分野では、在学中の事務所経験がそのまま登録への時間になり得るため、時給だけで選ばないほうがよい局面です。

オーストラリアで建築を学べば、日本の一級建築士になれますか?

認定を受ける枠組みは存在しますが、自動的に受験資格が得られるわけではありません。
日本の建築士法では、外国の大学等を卒業した方が学歴要件を用いる場合、「建築士法において学歴と認められる学校の卒業者と同等以上であることを証する書類」の提出が求められ、受験申込後の受験資格審査(国土交通大臣の認定)で受験の可否が判断されます。審査では履修した建築系の科目について、授業内容や成果が、日本の指定科目と同程度であるかをひとつずつ確認します。書類が提出されない場合は「受験資格なし」と判断される場合があるとされています。
ただし、「この大学のこの課程なら通ります」とは、こちらから申し上げられません。判断は個別の履修内容にもとづき、所管の大臣が行うものです。エージェントが結果を保証できる性質のものではありません。
本気で目指す場合は、渡航前に日本側の指定科目を確認したうえで履修計画を立ててください。あとから科目を追加するのは困難です。シラバス・成績証明書・履修時間の記録は、在学中から保管しておいてください。

カーティン大学のオンライン修士は、日本にいながら受けられますか?

制度上は受けられますが、学生ビザの対象にはなりません。
AACAの認定一覧には、カーティン大学がOpen Universities Australia(OUA)を通じて提供する Master of Architecture(OM-ARCH・OW-ARCH)が掲載されています。認定課程であることは事実です。
ただしオンライン専用の課程は学生ビザの対象になりません。渡航して学ぶ場合は、パースキャンパスで対面提供される MC-ARCH を選ぶことになります。同じ大学の同じ名前の課程でも、ビザの扱いが違います。
さらに重要な点として、オンラインで修士を取っても、APEに進むには3,300時間のうち1,650時間以上をオーストラリア国内で積む必要があります。日本にいながら登録まで完結する設計にはなっていません。就学と実務、どちらの段階でオーストラリアに滞在するのかを、最初に決めておいてください。

アデレード大学は、いま出願しても大丈夫ですか?

出願できますが、認定の状況を確認したうえで進めてください。
2026年に旧アデレード大学とUniSA(南オーストラリア大学)が統合し、アデレード大学になりました。AACAの認定一覧では、旧University of Adelaide の M Arch(3CM015)と University of South Australia の M Arch(DMAE)は「2026年12月まで」、統合後のアデレード大学 M Arch(MAARC)は2026年からと記載されています。
また、旧課程の在学生向けに YMAAL というティーチアウト用の暫定認定課程が設定されており、AACAは「2025年12月31日時点で在籍していた学生が修了または退学するまでの期間、認定される」としています。
これから出願する方は、新課程(MAARC)が対象になります。2026年の留学生向け年額は AUD 50,500、入学は2月と7月、英語はIELTS 6.5(各6.0)なお、留学生はパートタイム就学ができない旨が公式に記載されています。出願時点でどの課程コードに紐づくかは、学校に確認のうえお伝えします。

エージェントを通すと費用は高くなりますか?

いいえ。アンアルウェンのサポートはすべて無料です。学校へ直接申し込む場合と、支払う学費は変わりません。学校選び、出願書類、GS(Genuine Student)ステートメント、学生ビザ申請、住居手配、渡航後のサポートまで、追加費用なしでご利用いただけます。
この分野の場合はこれに加えて、AACA認定の有無とコース番号の照合、ポートフォリオの形式要件の整理、留学生向け年額が非公表の大学への照会、減額制度の対象国・対象課程の確認、そして卒業後2年の実務まで見据えた都市選びまでサポートします。特に「留学生向けの年額を公表していない大学」は複数あり、定価を知らないまま比較すると判断を誤ります。
なお、学校が定める出願料は、エージェント経由・直接申込を問わず学校に支払うものです。

建築と近い分野、あわせて検討される方が多いページをまとめました。

デザイン

「空間や造形をつくりたい」という動機が近い分野です。グラフィック、プロダクト、インテリア、UI/UXなど。建築のような国家的な登録制度がないぶん、資格までの年数という制約から自由です。

建設・技術トレード

設計ではなく、建てる側から建築に関わる道。大工、れんが積みなどの職業訓練課程は1〜2年で現場に出られます。ただし1年課程では卒業生ビザ(485)が取れない点は知っておいてください。

環境エンジニアリング・再生可能エネルギー

建築の環境性能・サステナビリティに関心があるなら、こちらも比較の対象になります。Engineers Australia の認定は、同じ大学内でも課程によって認定・暫定・非認定が混在する点が、建築のAACA認定と似た構造です。

環境学・サステナビリティ

都市と環境の関係から建築を考えたい方へ。環境系3職種はMLTSSLとCSOLの両方に掲載されており、永住ルートという観点では建築と近い位置づけです。

UNSW(詳細ページ)

シドニーの研究大学。Bachelor of Architectural Studies から Master of Architecture まで1校で通せます。M Arch + M Property Development という併修修士もAACA認定。コース構成と奨学金の条件をまとめています。

QUT(詳細ページ)

ブリスベンの実務志向の大学。学士 AUD 43,300/修士 AUD 44,700 と、主要都市の大学のなかでは学費が抑えられています。学士+修士を5年で通す課程もあります。

グリフィス大学(詳細ページ)

ゴールドコースト。修士の年額 AUD 42,000 は今回比較した中で最も低く、さらに20%減額(申請不要・GPA 4.5/7)が乗ります。学士+修士の5年一貫課程もAACA認定です。

西オーストラリア大学(詳細ページ)

パース。建築の学部専攻がなくても Master of Architecture に出願できる(最長3.5年)数少ない大学です。他分野からの転向を考えている方は、まずここを確認してください。

7年の道のりを、最初に地図にしておきませんか。
いまの学歴と作品から、現実的なルートを組み立てます。

「日本の建築学科の単位は認められる?」「ポートフォリオがないけれど出願できる?」「卒業後、本当に現地で就職できる?」
この分野は、入口の選択が5年後・7年後の選択肢を決めます。だからこそ、最初に全体像を持っておく価値があります。無料相談・無理な勧誘は一切ありません。
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このページについて
最終更新日:2026年8月6日 / 執筆・監修:アンアルウェン 留学カウンセリングチーム
本ページのコース内容・認定状況・学費・入学条件・英語基準・奨学金・実務要件・職業リストは、AACA(オーストラリア建築認定評議会)、各州の Architects Registration Board、各大学、および内務省の公式情報をもとに、アンアルウェンが2026年8月時点で確認・翻訳・整理したものです。認定課程の一覧はAACA「Accredited Architecture Qualifications」(2026年6月更新)、ログブックの運用に関する一部の記載はAACA「APE General Information and Frequently Asked Questions」(2020年11月更新版)にもとづき、時間数・国内要件・費用については各州Boardが2026年セッション向けに公表している内容と照合しています。
学費について:グリフィス大学・QUT・UNSW・アデレード大学・クイーンズランド大学の金額は、各大学の課程ページに2026年の留学生向け金額として掲載されているものです。RMITは公式ページの表記が「2027年 年額」であるため、その旨を明記しています。UTS・カーティン大学・UWA・シドニー大学・ディーキン大学・モナッシュ大学・ボンド大学・タスマニア大学・ニューカッスル大学・西シドニー大学・スウィンバーン工科大学・キャンベラ大学・ノートルダム大学については、留学生向けの年額が課程ページから確認できなかったため「要確認」とし、推測での記載はしていません。UNSWの学士は公式に掲載された初年度額と総額の両方を、QUTは年額のみの掲載のため3年分を掛けた概算を記載しています。
※学費の日本円換算は1豪ドル=100円で計算した概算です。実際の負担額は為替により変動します。
※学費・入学要件・奨学金の対象国および条件・認定状況・職業リスト・ビザ関連の金額は年度により変更されます。出願前には必ず最新情報をご確認ください。アンアルウェンでは学校担当者に直接確認のうえ、最新情報を無料でお伝えしています。
※日本の一級建築士の受験資格に関する記載は制度の枠組みの説明であり、認定の可否を示すものではありません。外国の大学等を卒業した場合の受験資格は、受験申込後の受験資格審査(国土交通大臣の認定)における個別判断です。
※ビザおよび移住に関する最終的な判断・申請代理は、登録移民代理人(MARA)の業務範囲です。本ページの記載は一般的な情報提供であり、個別の移民アドバイスではありません。
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